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*インターバトル6「変身! そのに」
「ライダァー……」
のどを震わせてできるだけ低い声で、マイティがうなる。
ぐぐっ、と右手を握りこみ腰に当て、左手はピンと伸ばして目の高さで右から左へゆっくりと振る。
「変っ、身!」
瞬時に両手の位置関係が変わる。左手は腰へ、右手は左上に。
マスターは手元の電源をパチリと入れる。
シュウィウィウィィッ、と腰に巻きつけられたレトロな形のベルト、その中心に配されたタイフーンと呼ばれる扇風機のようなものが勢いよく回転すると、マイティの全身を光の帯が包み込む。
「とうっ!」
掛け声一番、マイティは高くジャンプ。
閃光。
マスターは思わず目を覆う。
果たして着地地点のテーブルの上に、真っ白なスーツを来て、ヘッドセンサーアネーロにバイザーをつけて顔を覆った、
「仮面ライダー、エンジェル(壱号)!」
が、立っていた。
横から本物の扇風機が「強」で吹き付けていて、マイティの長い金髪(取り替えてある)、そして首に巻かれた真っ赤なマフラーを、
バタバタバタバタバタバタ
となびかせていた。
「で、それはお前の言うどっちなんだ?」
と、マスターは困ったような顔で言った。
「一号の初期と後期の変身方法を絶妙にミックスしてみたんです」
マイティはやり切ったとでも言わんばかりの晴れやかな表情で答えた。
なんでも彼女が言うには、一号には二通りの変身方法があって、初期はベルトのタイフーンに風を受けなければ変身できないが、後期はいまのような変身ポーズをとると自動でタイフーンが回転し始めて変身ができる、とのことだった。
扇風機で風を受けつつ、変身ポーズを取る。一見後期の変身方法に見えるが、タイフーンは自動で回転せず、マスターがスイッチを入れた扇風機の風で回転しているのだった。
タイフーンの回転だけでも、変身ポーズだけでも変身できない。両方が合わさって始めて変身が完了するのである。
一番効率が悪そうな変身方法だな、とマスターは思ったが、間違ってもおくびにも出さなかった。
あれからマイティは仮面ライダーに嵌りつつある。いや、自分が生まれるはるか前に放映されていた一号の変身ポーズが初期と後期で違うなどと論じるようではもうかなりひどいところまで沈んでいるのではないかとマスターは思った。
発端は戸田静香嬢から教えられたマスクトライダーシステム、いや、もしかしたらV-MAXかもしれない。
ともかくマイティは、仮面ライダーにたいへん入れ込んでいた。
システムとスーツを自分でこしらえるほどに。
「なあ、何か不満があるなら……」
マスターは冷や汗を浮かばせながら言った。
「ふぇ?」
きょとんとしてマイティは気の抜けた声を出した。
「別に何もありませんよ?」
「それならいいんだが」
「で、どうですか?」
「あ、ああ。カッコいいよ」
「ありがとうございます!」
スーツのまんま、マイティはきゃいきゃいとはしゃぎ出した。
「次は二号やりますね」
「まだあるのか!?」
「いまのところ真・仮面ライダーまで作ってますから」
勘弁してくれ。
マスターは苦笑いを禁じえなかった。
ちなみに真ライダーの変身の時は、マスターはさすがに途中で止めに入ったという。
ギャフン
了
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*インターバトル6「変身! そのに」
「ライダァー……」
のどを震わせてできるだけ低い声で、マイティがうなる。
ぐぐっ、と右手を握りこみ腰に当て、左手はピンと伸ばして目の高さで右から左へゆっくりと振る。
「変っ、身!」
瞬時に両手の位置関係が変わる。左手は腰へ、右手は左上に。
マスターは手元の電源をパチリと入れる。
シュウィウィウィィッ
腰に巻きつけられたレトロな形のベルト、その中心に配されたタイフーンと呼ばれる扇風機のようなものが勢いよく回転すると、マイティの全身を光の帯が包み込む。
「とうっ!」
掛け声一番、マイティは高くジャンプ。
閃光。
マスターは思わず目を覆う。
果たして着地地点のテーブルの上に、真っ白なスーツを来て、ヘッドセンサーアネーロにバイザーをつけて顔を覆った、
「仮面ライダー、エンジェル(壱号)!」
が、立っていた。
横から本物の扇風機が「強」で吹き付けていて、マイティの長い金髪(取り替えてある)、そして首に巻かれた真っ赤なマフラーを、
バタバタバタバタバタバタ
と、なびかせていた。
「で、それはお前の言うどっちなんだ?」
マスターは困ったような顔で言った。
「一号の初期と後期の変身方法を絶妙にミックスしてみたんです」
マイティはやり切ったとでも言わんばかりの晴れやかな表情で答えた。
なんでも彼女が言うには、一号には二通りの変身方法があって、初期はベルトのタイフーンに風を受けなければ変身できないが、後期はいまのような変身ポーズをとると自動でタイフーンが回転し始めて変身ができる、とのことだった。
扇風機で風を受けつつ、変身ポーズを取る。一見後期の変身方法に見えるが、タイフーンは自動で回転せず、マスターがスイッチを入れた扇風機の風で回転しているのだった。
タイフーンの回転だけでも、変身ポーズだけでも変身できない。両方が合わさって始めて変身が完了するのである。
一番効率が悪そうな変身方法だな、とマスターは思ったが、間違ってもおくびにも出さなかった。
あれからマイティは仮面ライダーに嵌りつつある。いや、自分が生まれるはるか前に放映されていた一号の変身ポーズが初期と後期で違うなどと論じるようではもうかなりひどいところまで沈んでいるのではないかとマスターは思った。
発端は戸田静香嬢から教えられたマスクトライダーシステム、いや、もしかしたらV-MAXかもしれない。
ともかくマイティは、仮面ライダーにたいへん入れ込んでいた。
システムとスーツを自分でこしらえるほどに。
「なあ、何か不満があるなら……」
マスターは冷や汗を浮かばせながら言った。
「ふぇ?」
きょとんとしてマイティは気の抜けた声を出した。
「別に何もありませんよ?」
「それならいいんだが」
「で、どうですか?」
「あ、ああ。カッコいいよ」
「ありがとうございます!」
スーツのまんま、マイティはきゃいきゃいとはしゃぎ出した。
「次は二号やりますね」
「まだあるのか!?」
「いまのところ真・仮面ライダーまで作ってますから」
勘弁してくれ。
マスターは苦笑いを禁じえなかった。
ちなみに真ライダーの変身の時は、マスターはさすがに途中で止めに入ったという。
了
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