「第弐話:戦い」(2010/04/13 (火) 08:58:22) の最新版変更点
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第弐話
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「バトルロンドセットアップ、レディ・・・ゴー!!」
審判席に立ったレッドの号令を試合開始のゴングとし、両者は一斉に行動を開始した。
アカツキは鋭角的に、無頼は弧を描くようにして徐々に距離を詰めていく。先に仕掛けたのはアカツキの方だ。腰だめに構えたアサルトライフルをセミオートで放つ。それを無頼はジグザグに動いて回避し、左腕の速射砲で反撃してくる。アカツキはそれをトリプルアクセルの要領でかわし、一気に距離を詰めて左腕のトンファーで殴りつける。
「もらったぁ!!」
「拙者に殴り合いを挑もうなど、笑止!」
完全に見切られていたらしく、太刀の柄で受け止められる。
「奇襲効果を狙ったつもりですが、さすがですね会長」
「伊達にゴールドランクにいる訳じゃ無いからな。無頼、反撃開始だ。型之壱用意!」
「承知した!」
無頼の太刀「制動刀」が唸りを上げて刃を回転させ始めた。仕組みはMVシリーズと並んで多くの神姫で運用されており、アカツキも偶に使っている「廻転刃刀」と仕組みは同じだが折りたたみ機巧が無い分だけリーチと威力に勝る。それ故に扱いも難しいが、過去に観戦した試合の中で無頼はそれを難なく振り回していた。
「ふふ、どうした?そなたも武人なら抜くがよい」
「アカツキ、何も敵の土俵で相撲を取ることは無い。こちらの間合いを保ちながら・・・」
「ぬー舐めるなぁ!!」
「人の話を聞けぇぇぇぇ!!」
優一が制止するのも聞かずにライフルを捨てたアカツキは両腰からM4ライトセイバーを抜刀して逆手に構えると、バイザーのバルカン砲を乱射しながら突っ込んで行った。
「挑発に乗るとは、愚直すぎるぞ!」
無頼は右手のライトセイバーの一撃を軽くいなすと、その勢いに乗せて左手のセイバーをはたき落とした。
「く、このぉ!」
「やってくれるな!」
光と回転する刃とがぶつかり合い、鍔迫り合いの状態となる。
「私は・・・負けない!!」
「その心意気やよし、しかし!!」
「えぇ?うそ?!」
無頼が急に太刀をずらしたので思わず体勢を崩してしまうアカツキ、その一瞬の隙を無頼は見逃さなかった。
それぞれが全く別の方向から、全く同時に攻撃を受ける錯覚をアカツキは覚えた。
「秘剣・燕返し!!」
「きゃあぁぁぁぁ!!!」
「燕返し」を受けてアカツキはその場に崩れ落ちた。
「ゲームセット、勝者無頼。ホントに不本意ですが」
「不本意とはどういう意味でござるか?モルドレッド?」
「そ・の・名・前で呼ぶなとデビューしたその日に言ったはずですわよ!?」
「新人の戯れ言など、いちいち聞く余裕は無いぞ」
「言ってくれましたわね!!タクマ!すぐにバトルの用意を!!」
「おもしろい!乗ってやろうではないか!!主殿、もう一戦でござる!」
「二人ともやめてよ!!」
売り言葉に買い言葉か、アカツキが止めに入らなければ互いに武器を取っての斬り合いになっていただろう。
「遅くなってすいませーん。って黒崎先輩、いったい何があったんですか?」
ドアを開けて少女が入ってきた。たれ目気味の双眼に目元の泣き黒子がどことなく色っぽさを感じさせる。服装はシンプルだが、出るところは出て、引っ込むところは引っ込むという女性の体型としては最も理想に近い。と言っても優一の個人的な見識だが。
「おーきたか由佳里。いつものことだよいつもの」
「また無頼さんとモルドレッドさんですか」
「ユカリ!貴女までそう呼びますか!ネームを設定したあのとき、タクマが「ギャラハッド」って言っていれば・・・」
「またケンカかい?いつものようにボクは油を注ぐことに徹するけど」
由佳里のショルダーバッグから彼女の神姫のメリッサが出てきた。一人称が「ボク」な上に自身もボーイッシュで何にもとらわれない性格なので神姫達に彼女のファンが多い、しかしモデルがヴァッフェバニーなので胸が大きい(人間サイズならEカップぐらいだろうか)のでこれを押し殺してしまっている気も。おまけに神姫にやたらと手を出してくる、言うなればレズビアンだ。今まで何度アカツキがお持ち帰りになりそうになる度に彼女めがけて実弾をぶっ放すこともあったことか。
「メリッサあのなぁ、他人の恋愛観に口出しする気は無いがレズビアンはどうかと思うぞ」
「繰り返すようで悪いけどさ、愛さえあれば生物と無生物でも恋愛は成立するとボクは思うよ」
「だめよメリッサ、黒崎先輩を困らせちゃ」
「もう変えることはできないのか」その言葉が優一の脳裏をよぎった。少しアカツキが気を抜いていると、背後からメリッサが抱きついて彼女の胸をつかんできた。
「それにしても相変わらずイイ体してるねぇアカツキィ」
「ひやぁ、メリッサちゃん?!ちょっとぉ!」
「おー、百合百合だな」
「ちょっ、マスタっあぁん、見てないで止めてくださいよぉ」
「ああ悪い悪い。無頼、ちょっと手伝ってくれ。」
「承知した。メリッサ殿手を離さぬか」
「ちぇー、まだ楽しみたかったのに」
「ドタバタはそのくらいにして今日集まってもらったのは他でも無い。まあこれを見てくれ。」
春香が机の上に置いた、基叩きつけた。そこにはデカデカと「ゲシュペンストカップ」の単語がチラシの一番良いスペースを占領していた。
「こいつは毎年3月頃に開催されるヤツでこれは去年のポスターだが、内容はその都度変わっている」
「去年はタッグマッチのようですわね、これでは対策が立てにくいですわ」
「そこでだ、過去の大会の傾向を元に対策を立てるべくエルゴで特訓しようと思っている。どうかね諸君?」
「私はかまいませんよ。そろそろメリッサも大会に出そうと思っていた所ですし、メリッサもいいでしょう?」
「ボクは別にいいよ、むしろ歓迎したい位さ。それに大会ならアカツキ以外にもボクの好みに合う子が一人くらいいるかもね」
由佳里の質問に答えるメリッサだが、どことなく陰のある含み笑いをしているのは気のせいであってほしいと優一は思った。
「私もかまいませんわ。ここ最近連敗が続いていてスランプ気味でしたし」
レッドは意思表示の意も込めて愛用の槍、「ゲイ・ボルグ」の刃の部分を研ぎ始めた。
「拙者は今回は見送らせてもらう。参加資格がシルバーランク以下だからな」
「無頼が出ないのは正直痛いけど、期待しているぞ」
「みんなはやる気だぞ、どうするアカツキ?」
「うーん、あの時は満足行く試合じゃありませんでしたから、やってみようと思います」
アカツキの答えを聞いて、優一もハラを決めた。
「よし、決まりだな。会長、全員参加です」
「わかった、エントリーは私が代理でしておこう。ではこれより、エルゴに移動して特訓開始だ!」
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―午後10時30分過ぎ、優一の自宅・浴室―
「ふぅ、一日の疲れを癒すのはやっぱりお風呂に限るわぁ」
浴室内の一スペース、ホームセンターから買い集めた木材を使って優一が作った神姫サイズのバスルームがおかれている。風呂桶だけでなく、最低限の洗い場も付いているという代物だ。アカツキが優一と一緒に入るのに消極的だったので必要に迫られてこしらえたのだが、結局別々の時間に入浴しているのであまり意味を成していない。
あの後エルゴにてメンバー全員でシチュエーション別の特訓と近くのファミレスで反省会を行った後、次の会合を話し合って今日は解散した。
現在優一は自室で治安局から依頼されたテロ組織の機密ファイルのロック解除に悪戦苦闘している。この調子だと徹夜になるだろうとアカツキは予想していた。
「マスターも仕事に勉学にと、熱心なのは良いことだけどもう少し体のことも気を遣ってほしいな・・・、やだ私ったら、何考えているのよ。」
優一の心配をしていたつもりが、無意識の内に優一の無駄な筋肉も贅肉も一切ない背中がアカツキの胸をよぎった。
「あっ、体が勝手に?!」
無意識の内にアカツキの左手が自身の胸にあてがわれていた。右手は内股を上になぞり始めている。
「んっ、あん、ふぅうん!マスタッあぁん」
右手の指が股間に到達し、胸をまさぐる左手も徐々に加速していく。
「ああっ、ひぁぁん!ますたっぁぁぁぁぁ!!」
絶頂を迎えて床に倒れてから五分と経たずにアカツキは起きあがった。
「あっちゃー、またやっちゃった。反省反省」
その後、体を一通り洗ってからあがった後、リビングでテレビを見ていると仕事が一区切り付いたのか、優一がディスクを片手に自室から出てきた。
「あれ?マスター、依頼の方は?」
「思っていたより早く終わるめどが立ったからな。それといいシュミレーションデータが手に入ったんだが、試してみるか?」
「ぜひ!」
来るべき大会に備えて、アカツキの特訓が始まろうとしていた。
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[[第三話へ>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2015.html]]
第弐話
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「バトルロンドセットアップ、レディ・・・ゴー!!」
審判席に立ったレッドの号令を試合開始のゴングとし、両者は一斉に行動を開始した。
アカツキは鋭角的に、無頼は弧を描くようにして徐々に距離を詰めていく。先に仕掛けたのはアカツキの方だ。腰だめに構えたアサルトライフルをセミオートで放つ。それを無頼はジグザグに動いて回避し、左腕の速射砲で反撃してくる。アカツキはそれをトリプルアクセルの要領でかわし、一気に距離を詰めて左腕のトンファーで殴りつける。
「もらったぁ!!」
「拙者に殴り合いを挑もうなど、笑止!」
完全に見切られていたらしく、太刀の柄で受け止められる。
「奇襲効果を狙ったつもりですが、さすがですね会長」
「伊達にゴールドランクにいる訳じゃ無いからな。無頼、反撃開始だ。型之壱用意!」
「承知した!」
無頼の太刀「制動刀」が唸りを上げて刃を回転させ始めた。仕組みはMVシリーズと並んで多くの神姫で運用されており、アカツキも偶に使っている「廻転刃刀」と仕組みは同じだが折りたたみ機巧が無い分だけリーチと威力に勝る。それ故に扱いも難しいが、過去に観戦した試合の中で無頼はそれを難なく振り回していた。
「ふふ、どうした?そなたも武人なら抜くがよい」
「アカツキ、何も敵の土俵で相撲を取ることは無い。こちらの間合いを保ちながら・・・」
「ぬー舐めるなぁ!!」
「人の話を聞けぇぇぇぇ!!」
優一が制止するのも聞かずにライフルを捨てたアカツキは両腰からM4ライトセイバーを抜刀して逆手に構えると、バイザーのバルカン砲を乱射しながら突っ込んで行った。
「挑発に乗るとは、愚直すぎるぞ!」
無頼は右手のライトセイバーの一撃を軽くいなすと、その勢いに乗せて左手のセイバーをはたき落とした。
「く、このぉ!」
「やってくれるな!」
光と回転する刃とがぶつかり合い、鍔迫り合いの状態となる。
「私は・・・負けない!!」
「その心意気やよし、しかし!!」
「えぇ?うそ?!」
無頼が急に太刀をずらしたので思わず体勢を崩してしまうアカツキ、その一瞬の隙を無頼は見逃さなかった。
それぞれが全く別の方向から、全く同時に攻撃を受ける錯覚をアカツキは覚えた。
「秘剣・燕返し!!」
「きゃあぁぁぁぁ!!!」
「燕返し」を受けてアカツキはその場に崩れ落ちた。
「ゲームセット、勝者無頼。ホントに不本意ですが」
「不本意とはどういう意味でござるか?モルドレッド?」
「そ・の・名・前で呼ぶなとデビューしたその日に言ったはずですわよ!?」
「新人の戯れ言など、いちいち聞く余裕は無いぞ」
「言ってくれましたわね!!タクマ!すぐにバトルの用意を!!」
「おもしろい!乗ってやろうではないか!!主殿、もう一戦でござる!」
「二人ともやめてよ!!」
売り言葉に買い言葉か、アカツキが止めに入らなければ互いに武器を取っての斬り合いになっていただろう。
「遅くなってすいませーん。って黒崎先輩、いったい何があったんですか?」
ドアを開けて少女が入ってきた。たれ目気味の双眼に目元の泣き黒子がどことなく色っぽさを感じさせる。服装はシンプルだが、出るところは出て、引っ込むところは引っ込むという女性の体型としては最も理想に近い。と言っても優一の個人的な見識だが。
「おーきたか由佳里。いつものことだよいつもの」
「また無頼さんとモルドレッドさんですか」
「ユカリ!貴女までそう呼びますか!ネームを設定したあのとき、タクマが「ギャラハッド」って言っていれば・・・」
「またケンカかい?いつものようにボクは油を注ぐことに徹するけど」
由佳里のショルダーバッグから彼女の神姫のメリッサが出てきた。一人称が「ボク」な上に自身もボーイッシュで何にもとらわれない性格なので神姫達に彼女のファンが多い、しかしモデルがヴァッフェバニーなので胸が大きい(人間サイズならEカップぐらいだろうか)のでこれを押し殺してしまっている気も。おまけに神姫にやたらと手を出してくる、言うなればレズビアンだ。今まで何度アカツキがお持ち帰りになりそうになる度に彼女めがけて実弾をぶっ放すこともあったことか。
「メリッサあのなぁ、他人の恋愛観に口出しする気は無いがレズビアンはどうかと思うぞ」
「繰り返すようで悪いけどさ、愛さえあれば生物と無生物でも恋愛は成立するとボクは思うよ」
「だめよメリッサ、黒崎先輩を困らせちゃ」
「もう変えることはできないのか」その言葉が優一の脳裏をよぎった。少しアカツキが気を抜いていると、背後からメリッサが抱きついて彼女の胸をつかんできた。
「それにしても相変わらずイイ体してるねぇアカツキィ」
「ひやぁ、メリッサちゃん?!ちょっとぉ!」
「おー、百合百合だな」
「ちょっ、マスタっあぁん、見てないで止めてくださいよぉ」
「ああ悪い悪い。無頼、ちょっと手伝ってくれ。」
「承知した。メリッサ殿手を離さぬか」
「ちぇー、まだ楽しみたかったのに」
「ドタバタはそのくらいにして今日集まってもらったのは他でも無い。まあこれを見てくれ。」
春香が机の上に置いた、基叩きつけた。そこにはデカデカと「ゲシュペンストカップ」の単語がチラシの一番良いスペースを占領していた。
「こいつは毎年3月頃に開催されるヤツでこれは去年のポスターだが、内容はその都度変わっている」
「去年はタッグマッチのようですわね、これでは対策が立てにくいですわ」
「そこでだ、過去の大会の傾向を元に対策を立てるべくエルゴで特訓しようと思っている。どうかね諸君?」
「私はかまいませんよ。そろそろメリッサも大会に出そうと思っていた所ですし、メリッサもいいでしょう?」
「ボクは別にいいよ、むしろ歓迎したい位さ。それに大会ならアカツキ以外にもボクの好みに合う子が一人くらいいるかもね」
由佳里の質問に答えるメリッサだが、どことなく陰のある含み笑いをしているのは気のせいであってほしいと優一は思った。
「私もかまいませんわ。ここ最近連敗が続いていてスランプ気味でしたし」
レッドは意思表示の意も込めて愛用の槍、「ゲイ・ボルグ」の刃の部分を研ぎ始めた。
「拙者は今回は見送らせてもらう。参加資格がシルバーランク以下だからな」
「無頼が出ないのは正直痛いけど、期待しているぞ」
「みんなはやる気だぞ、どうするアカツキ?」
「うーん、あの時は満足行く試合じゃありませんでしたから、やってみようと思います」
アカツキの答えを聞いて、優一もハラを決めた。
「よし、決まりだな。会長、全員参加です」
「わかった、エントリーは私が代理でしておこう。ではこれより、エルゴに移動して特訓開始だ!」
----
―午後10時30分過ぎ、優一の自宅・浴室―
「ふぅ、一日の疲れを癒すのはやっぱりお風呂に限るわぁ」
浴室内の一スペース、ホームセンターから買い集めた木材を使って優一が作った神姫サイズのバスルームがおかれている。風呂桶だけでなく、最低限の洗い場も付いているという代物だ。アカツキが優一と一緒に入るのに消極的だったので必要に迫られてこしらえたのだが、結局別々の時間に入浴しているのであまり意味を成していない。
あの後エルゴにてメンバー全員でシチュエーション別の特訓と近くのファミレスで反省会を行った後、次の会合を話し合って今日は解散した。
現在優一は自室で治安局から依頼されたテロ組織の機密ファイルのロック解除に悪戦苦闘している。この調子だと徹夜になるだろうとアカツキは予想していた。
「マスターも仕事に勉学にと、熱心なのは良いことだけどもう少し体のことも気を遣ってほしいな・・・、やだ私ったら、何考えているのよ。」
優一の心配をしていたつもりが、無意識の内に優一の無駄な筋肉も贅肉も一切ない背中がアカツキの胸をよぎった。
「あっ、体が勝手に?!」
無意識の内にアカツキの左手が自身の胸にあてがわれていた。右手は内股を上になぞり始めている。
「んっ、あん、ふぅうん!マスタッあぁん」
右手の指が股間に到達し、胸をまさぐる左手も徐々に加速していく。
「ああっ、ひぁぁん!ますたっぁぁぁぁぁ!!」
絶頂を迎えて床に倒れてから五分と経たずにアカツキは起きあがった。
「あっちゃー、またやっちゃった。反省反省」
その後、体を一通り洗ってからあがった後、リビングでテレビを見ていると仕事が一区切り付いたのか、優一がディスクを片手に自室から出てきた。
「あれ?マスター、依頼の方は?」
「思っていたより早く終わるめどが立ったからな。それといいシュミレーションデータが手に入ったんだが、試してみるか?」
「ぜひ!」
来るべき大会に備えて、アカツキの特訓が始まろうとしていた。
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[[第三話へ>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2017.html]]
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