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「無頼22「神姫のウェディング・ベル」」(2008/07/20 (日) 16:47:26) の最新版変更点
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「分隊長、ちょっと…」「?」
ゼルノグラードがムルメルティアに話しかける。
「クレイドルに見知らぬMMSが寝ているのでありますが…」
「別に減る物でもないですし、そっとしておくべきですよ」
「しかし…」
「サイ、隣に居るナァダが気付かない訳がありませんし、何もしていないのならその子は無害という事ですよ」
「……」
「復唱は?」
「は! そっとしておきます!」
二人がそっとしておいたのが"怪物"だったと知るのは、暫く経った時であった。
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**無頼22「神姫のウェディング・ベル」
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「何やってんだ?」
長瀬の自宅を訪れた南雲は、彼が作っている物に疑問を感じた。
三面の壁にステンドグラスらしきプレート、そして十字架。
サイズは12分の1と言ったところか。
「見て解らないのか? 教会のセットだよ」
「何でまたそんなものを? この忙しい時に」
「今度センターでウェディングコスチュームを販売する事になってな、それのPR用のポスターを作るためだ」
「ご苦労な事で。で?、モデルはいるのか?カメラマンは?」
「カメラマンは問題ない、被写体は…あいつらがいいかな?」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~}
翌日、神姫センター。
「長瀬さん、私達を呼び出すなんて…何のご用でしょうか?」
メンテナンスショップに来たのは聖憐と光一。
「いや、零牙とマオをちょっと借りたいんだ」
「マオをですか、一体何するんですか?」
「撮影さ、まぁ奥に入ってくれ」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
「教会かニャ?」
「うむ、教会だな」
休憩室に組み立てられた小さな教会のセット。
各アクセサリの揃った完璧なものだ。
「今度ウェディングコスを販売するに当たり、モデルになってほしい」
「我が!? 何故選んだ?」
「秘訣はセンター内で名が通っている事だな、だからナンバー1と2な君たちな訳だ」
「マオ、受けてやろうではないか! こんな機会などまず訪れないぞ」
「う…うん」
マオはセットと…零牙を見て考えた。
私が零牙のお嫁さん…?
ここで扉を開けガタイのいい男が入って来た。
「君たちがモデルかい? いい写真が撮れそうだね」
「どなたですか?」
「&bold(){僕は時報(ときほう)、フリーのライターさ。}趣味が写真撮影だから祁音君に呼ばれたんだ」
眼鏡の奥に映る瞳は優しそうだった。
「ほら、衣装替えしますよ!」
ラスターとジュラが衣装を持ってやって来た。
「我に拒否権はないのか!? アッー!?解ったから!!自分で着るから脱がすなぁぁぁっ!!」
………
数分後、そこには見事な新郎新婦がいた。
零牙は白のタキシード、元々顔は中性的なだけに良く似合う。
ちなみに、豊満な胸はサポーターで抑えてある。
きゃーきゃー言いながら写真を撮りまくる聖憐に、顔を赤くしながら言った。
「主…止めてください、いや本当に。」
「いい! これはいいぞマオ!!中々似合っているぞ」
対するマオのウェディングドレスは、一般的なAラインドレス。色は淡い青。
「ささ! 撮影開始だよ!」
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
…主の目線が熱い。
ついでにライトアップが原因で物理的にも暑い。
我とマオは牧師―ラスターである―の前で誓いの口づけを交す直前の体勢をとっていた。
マオの顔が近い、というか何だこの百合臭溢れる状況は。我は同性愛に興味など無いぞ。
「うーん、照明の光度をもう少し下げてくれないかな? …そこでストップ」
効果的な照明をセットするのに非常に時間がかかっている、モデル撮影は簡単ではないのだ。
「よし、行くよ。そのままの体勢を維持していてね!」
ようやく撮影か、長かった…。
「3…2…1…フラッシュ!!」
カシャ
フラッシュと言ったが、ストロボは焚いていない。焚いたら意味がないからな。
「2枚目行くよ~! 3…2…」
後二枚ほどで終わる、そしたら窮屈なサポーターも気に入らないタキシードともおさらばだ。
ここで、本当に口づけをされた。
我の時間が止まった。
~・~・~・~・~・~・~
「フラッ…ああっ!?」
カシャ
突然の事に時報は言葉を失った、でもしっかりシャッターは切っている。
**「き、きゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
聖憐が悲鳴をあげて連続撮影を行う。
長瀬と光一は完全に凍結している。
「な…なななななっ!?!??」
突然の事態にようやく我を取り戻し、マオを突き飛ばす零牙。
「なな何をする!? キスの予定までは入っていないぞ!!?」
「……」
マオは答えなかった。
「あらあら、これはひどい」
「本当に口づけするなんて…」
ラスターとジュラも、唖然とするばかりであった。
「……零牙が欲しくなったの…」
マオはそっと、呟いた。
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数日後。
「だぁけど、ルルルル…」
呑気に「俺の忘れ物」を歌うのは形人。
風間との待ち合わせでセンターに来たのだ。
「WAWAWA忘れ物~俺のw…のぅわっ!?」
谷口のようなポーズで硬直する形人。
「どうしたの? 形人」
「いや…、このポスター見てみ」
「……? のぅわっ!?」
ヒカルも硬直する。
「…何してんだ二人揃って?」
「誤解を招く場面に遭遇したカンジですね」
風間がやって来た。
「風間…これって、零牙とマオだよな?」
「…言われてみればそうだな。モデルやってるなんて聞いていないぞ」
一同が見たポスターには、ちょっと見では判りずらいほど華麗な二人の姿があった。
「きれい…でもあの二人ってあれな関係じゃないよね?」
「そうだと思いたいが…まさかな」
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