「彩・間幕 その1」(2008/05/12 (月) 00:31:59) の最新版変更点
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・・・。
仙台港で、名残惜しそうに。それでも笑顔で手を振ってタラップ・エスカレーターを降りていくヤヨイとマーチ。
それを手を振リ返して見送ると、レオは目を細めた。
「うん? 楽しかった」
「はい」
降りたのはヤヨイ含めて数人。反して東北地方最大級の港町で乗り込んでくる人数は、この時勢でもそれなりに多いはずだ。船内も少々は賑やかになるだろう。
「良い、友達が出来たかな」
「・・・」
答えが無い事に、レオはノーヴスが顔を出しているポケスタを見やる。
「何か。あったのかい?」
「いえ・・・。そう、です」
ノーヴスは眠そうな瞳を閉じ、思い出すように言った。
「気になっている事が、あります・・・彼女は・・・」
どこか嬉しそうに。
「純粋に。武装神姫・・・では、ないのかも知れません」
「不思議なことを言うね。だけど、マーチはジュビジーだと思ったけど」
「はい・・・。ですが・・・」
そう。何というべきか。
「気配」を感じたのだ。武装神姫じゃない、もっと。確かに違う何か。
神姫である事は確か。しかし、武装神姫とは違う別の方向性、違う物を彼女には感じた。
初めての感じではない。いつしか知っている雰囲気。
この何かを以前に感じたのは・・・いつだったか。
その向こう側には。確かな想いが見え隠れしていた。
「・・・笑顔」
「うん?」
ノーヴスは、ふと。その言葉を紡いだ。
「笑顔で出来ている、神姫」
「そうか。それは、きっと良い事だね」
「・・・はい」
レオは、それ以上詮索しようとしなかった。
[[2037の彩]]
[[彩・第二話 第一幕]]
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