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「徒然続く、そんな話。 第十一節(中)」(2008/02/12 (火) 10:37:07) の最新版変更点
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出会ったのは偶然。
回ったのは因果。
「……あれ、えーっと、早人くん?」
……参った、正直何が参ったのかわからないが参った。
「どーかしたの?……えーっと、早人くん、熱?」
流れる黒髪、子犬のようなくりくりした茶色の目、そして童顔に不釣合いなふくらみ。
忘れるはずも無い、彼女は―――。
「うろたえんなよ、ひなた、かわんねえなあお前は」
俺の、元カノだ
「あはは、早人くん、だいぶ丸くなったよね?……えへへ♪」
出かけて、軽く町をぶらついていたら、偶々出会った。
という事で、喫茶店に引っ張り込まれた。
「ん……そか?」
「そだよ、神姫なんて連れちゃって、お名前は?……ひにゃっ!、そうじゃなかった、私はひなた、小犬原ひなた、よろしくね」
屈託無く笑うこいつ、小犬原ひなた、ちょっと荒れてた学生時代の元彼女、別れた理由は、覚えてない。
「碧鈴、挨拶ぐらいしてくれ、頼むからじと目で見るなってうあ、噛むなっ!?」
がじがじと指を噛まれる、なんで不機嫌なんだこいつは、尻尾も不機嫌そうになってるし。
「うー……犬型ハウリンの……碧鈴です」
じーっと見つめる碧鈴。
「あはは、よろしくね?……そうそう、私も神姫連れてるんだー♪」
ごそごそとバックを漁り。
「あれ、どこかなどこかな、えーっと、ここじゃなかった、んーっと」
見つからないようでバックを漁り。
「……苦しいです、マスター」
その胸が目立つ、タートルネックのセーター首元から、にょきっと顔を出す神姫、犬型ハウリン。
「星華、その、挨拶して、友達の早人くんと、碧鈴ちゃん」
「マスターが、ご迷惑かけてないか心配です、はじめまして、星華です」
ぺこりと頭を下げる星華……随分と礼儀正しいもよう。
「……えーっと、こいつが必要以上にどじっこで慌て癖あるのは知ってるから」
「知っているならありがたいです」
苦笑する、苦労してるんだな中々。
「あー、ひっどーいっ、これでも頑張ってるんだよ私はっ!」
子供っぽく腕をぶんぶんっと振る彼女、相変わらず自覚無いなあ、天然だし、おっぱいゆれてるし、あの頃はDだったけど、今はそれ以上かな。
「がじ」
「いだだだだ!?」
碧鈴に指噛まれた、ばれたらしい、視線の方向が。
そして、取り留めの無い過去の雑談が繰り広げられる。
「……だよっ、あのころからまったくそーいう所は、変わらないでいぢわるなんだからー、早人くんのかいしょなしー!」
「だって忘れ物多かったし弁当とか良く、俺の分作ったけど自分の分は家に置いて来るとか」
「ひにゃっ!、そーいうことは言わなくていいんだよ馬鹿早人くんー!?」
「馬鹿はお前だ天然どーぶつ!?」
「ひにゃー!?、ひどいんだよ星華ー!?」
「今でも事実なんで言い返しようがありません、マスター」
「……」
碧鈴、ずっと黙ってるなあ、何かあったのかなあ、と見つめていると、すっくと立つ碧鈴。
そして、星華を指差し
「……星華さん、私と勝負してくださいっ」
そんな昼。
波乱の始まり。
平穏の終わり。
徒然続く、そんな話。
涙雨に打たれ(中)了。
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