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「神姫と暮らす日常 第四章」(2008/01/25 (金) 04:20:05) の最新版変更点
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武装神姫…それはテクノロジーが生み出した全く新しいロボットである。
MMSと呼ばれる基本素体にCSCチップを搭載、さらに様々なパーツを使用することで無限の能力を引き出す事ができるのである。
武装神姫と暮らす日常 第四章『種と稲』
べるのと少女は自らの神姫を筐体へとセットする。
「私は何時でも準備OKですわよ」
「私もOKだよ」
『サンタ型ノエル オーナー:美月べるの ランク:C
種型浅葱 オーナー:白雪夜月 ランク:C
バトルフィールド:砂漠
.........配置完了』
『システムOK…マスター次も勝ってみせますよ』
「当然ですわ、私が負ける事なんてあり得ないんですから」
『READY』
「頑張ってね、浅葱」
『はいっ、マスター』
『FIGHT』
輝く太陽、風で巻き上がる砂、何処までも遮蔽物の存在しない地平…
その中心に数本の筒状のブースターを生やした基本装備のジュビジーの浅葱が立っていた。
「う~…何か居るだけで暑い気持ちに……」
『確かに見ているだけでも暑そうなエリアだね それで相手の位置はわかる?』
夜月の言葉に浅葱は周辺を見回す。
「ちょっと輪郭がハッキリしないけど、それらしいものが前方に」
『OK、それじゃ作戦は何時も通り射撃武器で牽制しつつ近距離戦ね』
「はいっ!」
言って浅葱はブースターを全て点火し前方へと突っ込んでゆく。
砂塵に包まれながらノエルは悠然と佇んでいる。
「マスター、前方に敵影補足 こちらに対して一直線に突っ込んできています」
『ふんっ、自信満々でしたからどんな手を使ってくると思いましたら馬鹿正直に直進とは思いませんでしたわ ノエル、よく引き付けてから一撃できめてさしあげなさい』
勝者の笑みを浮かべながらべるのは言う。
「了解、目標ロック…発射用意……」
ノエルは直進してくる浅葱に狙いを定めトリガーを引く。
『浅葱、回避用意!』
「はいっ」
返事と共に浅葱はブースターを地面に対して吹かし、ロールをかけるかのようなステップで回避しつつ更に接近。
「いきますっ!」
そしてそのままパウダースプレイヤーを構えノエルに対し射撃。
「その程度でっ」
ノエルはその攻撃をシールドで防ぎ、お返しと言わんばかりに背中に装備されているミサイルを乱射する。
「当たりません!」
浅葱は一気にブースターを吹かしノエルの真横をすり抜けミサイルを回避する。
『そのまま後ろを取って!』
「はいっ」
浅葱はノエルの真後ろに移動したところで急停止そのまま射撃を攻撃をかけつつグリーンカッターを構える。
『何をやっていますの!早くあんな神姫けちょんけちょんにしてさしあげなさい!!』
「で、ですがこの装備では旋回能力が…」
『つべこべ言わず早くなさいーっ!!』
「りょ、了解」
重装備故かノエルは直には浅葱の方向へ旋回できずにいた。
「これでっ!」
グリーンカッターの刃を回転させながら浅葱は全速力でノエルに向かって突撃する。
「く…ぅ」
ノエルは咄嗟に数センチ後退するも胸部の装甲版を数枚削がれ更に両腕の武装を数個両断された。
「舐めるなッ!!」
ウェポンラックからショットガンを取り出しすれ違い無防備となった浅葱の背中に撃ち込む。
『浅葱、防御!』
「…っ!」
ブースターで急制動をかけ反転し両腕で防御体制を取る浅葱。
「!! しまっ…」
しかし散弾の弾はコア周辺だけでなく、リアパーツに接続されているブースターにも着弾し爆発四散する。
「ああぅ、きゃぁぁっ!!」
爆発の衝撃に吹き飛ばされ砂地に転がる。
『浅葱っ!!』
「これで、止めっ!」
ノエルは全身の砲身、銃身その他諸々の兵器を浅葱に向け一気に発射する。
「――――ッ!」
そのすべての弾は浅葱に直撃し、何度も爆発を起こし周りの砂を吹き飛ばす。
「やった?」
そして爆発が止んだ後は、辺り一体に煙が立ち込めていた。
『おほほほ、やはり口だけだったご様子ですわね』
その様子を見てべるのは笑う。
『………』
『自分の神姫が圧倒的な差で負けて声もでないようですわね、まぁ仕方ないことですけれど』
『………まだ終わっていないですよ』
『へ、えっ、え、そ、そんな嘘にだまされる私ではありませんですわよ!』
夜月の言葉にべるのは慌てふためく。
『なら証拠を見せてあげるよ 浅葱っ!』
「はい、マスター!」
浅葱の声とともに黒煙の中から金色の稲のエフェクトが現れだす。
『システムキドウ…』
「システム起動…モードB」
『バトルモード・シェルプロテクションヘイコウ…』
「キュベレー起動…損傷問題なし」
『ゼンシステムオールグリーン…キドウカンリョウ…』
「これが私の本気ですっ!!」
声と共にキュベレーで風を起こし黒煙を噴き飛ばす。
同時に稲のエフェクトが二人の間を舞い上がる。
「な、なに…っ」
『何であれだけの攻撃を受けて立っているのっ!?』
状況を飲み込めずべるのとノエルはただただ混乱するばかりだった。
『種型の打たれ強さを侮らないほうがいいですよ』
「その通りです!」
言って浅葱はキュベレーを構える。
『くっ…ならばもう一度火達磨にしてさしあげなさい!』
「は、はいっ」
ノエルは銃器を構えなおし浅葱に向かって発砲する。
『浅葱、Harvest!!』
「はいっ」
浅葱は片側のキュベレー振り上げ、片側のキュベレーを自身を守るように前に出し、爆発せずに残っているブースターを点火し一気に突撃をする。
「このっ、とまりなさいっとまりなさいってばっ!!」
ノエルの銃撃をキュベレーで弾きながら浅葱は更に距離をつめて行く。
(マスター見ていてください…)
もう互いの距離は数cmといった所で浅葱は更にスピードを上げつつ振り上げたキュベレーをノエルのほうへと突き出す。
「これが私の必殺技ですっ!!」
「そ、そんな…わ、わたしが負け…」
ノエルが言葉を言い切る前にそれを遮る様にしてキュベレーの刃が胸に深々と刺さる。
『サンタガタノエル…コアシステムキノウテイシヲカクニン……Winner:Yaduki』
「お疲れ様、浅葱」
「はい、がんばっちゃいました」
夜月は、筐体から出てきた浅葱を手に乗せ頭を撫でてやる。
「夜月さーん」
そんな二人の所にゆかり達がやってくる。
「凄い戦いだったよー、あたし胸がスーッとしちゃった」
敗北の時の悔しそうな顔が嘘だったかのような満面の笑みを浮かべながらクラリスは言う。
「あ、これがゆかりさんの神姫ですか?」
クラリスとアリエスを指差しながら夜月は言う。
「そうそう、可愛いでしょ」
我が子を自慢するかのようにゆかりは言う。
「昨日からずっとこの調子なんだよなぁ」
隣で卯月が呆れ気味に言う。
「あっれー確かマスターもおんにゃじだったような…」
「わーわーそれは言っちゃダメーっ!」
「むーぐーむぐぐー」
卯月は慌ててラキの口を塞ぐ。
「まぁそれは置いておいて、ゆかりさん余り最初から無茶をしちゃダメですよ」
「うー…」
「ちゃんとトレーニングと自分にあった実戦をこなせばクラリスちゃんの重装甲も生かせるようになりますからね」
クラリスを見ながら夜月は言う。
「何か年下に教えられるって複雑ぅ…」
「きぃーくやしいくやしいくやしいですわー!」
「マ、マスター…落ち着いてください」
ハンカチの角を口に咥えて引っ張っているべるのに対してノエルは言う。
「これで、わかったかな? ここには貴方より強い人がいくらでもいるって」
「ふ、ふんっ た、たまたま私に勝てたからと言っていい気にならないことですよ それに筐体の調子が悪かったのかもしれないですし何よりあの不可解な防御力!何か不正していないと言う保障は…」
「筐体の事を悪く言うのは勝手だが俺の夜月を悪く言うのは頂けないな」
「筐体の事も気にしたほうがいいと思うけどねぇ」
べるのは話に割り込んできた声の主のほうを見るとそこには一組の男女が立っていた。
「貴方達、私の大事な話に割り込んで一体何様のつもりですの!」
「ただの店長様とその清楚な妹様のつもりなんだけどねぇ」
女が肩をすくめて言う。
「まったく、騒がしいと思って来てみれば……お前、余り他のお客様に迷惑かけるようならこちらにも考えがあるからな」
「な、なによ…」
「まずはここいら一帯の模型店への出入り禁止令、後は営業妨害で警察に突き出す事もできるが…」
「な、ななななななっ」
男の発言にべるのは目を丸くする。
「貴方、私を誰だと思っているの!私は玩具会社の社長令嬢よ!こんなお店なんてパパに頼めば…っ」
「どうなるってんだい?」
「え?」
「もしここを含めて多くの店があんたのとこの玩具を入荷しなくなったらどうなるか……わかるよね?」
「そ、そんなこけおどしには騙されませんわよ!」
「こけおどしかどうか…試してみるかい? 玩具店間の繋がりを甘く見ないほうがいいよ」
ニヤリと笑みを浮かべつつ女は言う。
「ぐ…」
「マ、マスター」
「まぁ、今日はこのまま引き下がるなら不問とするが…どうする?」
「ふ、ふんっ きょ、きょうの所は引き下がりますが 次はこうはいきませんわよ!」
男を指差しながらべるのは言う。
「ノエル、帰りますわよ!」
軽く涙目になりながらべるのは言う。
「は、はい!」
一礼してからノエルはべるのの肩に乗る。
「ちょっと今のはやりすぎだったような気がするが…」
べるのが完全に見えなくなってから卯月は二人に言う。
「まぁいいじゃないさ、あーいうのはアレくらいいっとかなきゃなおらないよ」
笑みを浮かべながら女は答える。
「ていうか霜月さんは楽しんでただけの様な…」
その発言に対して夜月がぼそりと言う。
「そう言えば、霜姐も師走兄貴も店の切り盛りしてなくて大丈夫なんスか?」
店の人間が全員二階に来ている現状に対し卯月が突っ込みをいれる。
「っと、しまった花月と柊に任せたままだった」
師走と呼ばれた男が思い出したかのように言う。
「霜月、戻るぞ」
階段の方へと向かいつつ師走は言う。
「はいはい、ついていきますよっと」
霜月と呼ばれた女はそれについてゆく。
「あー私も戻ります~」
浅葱を肩に乗せ夜月も二人について行く。
「それじゃ俺達も一階に行くか?」
ゆかり達を見つつ卯月は言う。
「賛成にゃー」
「私はそれでいいよ~」
その後ゆかり達は一階で装備を見たり、師走達と戦略について話し合ったりしてから帰路についた。
―次回予告―
「べるのを一度は退ける事に成功したゆかり達」
「倒したのは浅葱にゃんだけどにゃー」
「しかしべるのはもうリベンジの用意をしていた!」
「早いにゃー」
「何と今度は料理対決!」
「魚なの魚なのかにゃ!?」
「果たしてゆかりは勝てるのか!?寧ろ料理はできるのかっ!?」
「今さらりと酷いとこいったにゃ…」
「次回クッキングファイターゆかり第五話『私の想いを受け取って!』 二人の愛が料理を変える…」
「そのネタは色々まずいと思うのにゃ…」
[[続く>神姫と暮らす日常 第五章]] [[戻る>武装神姫と暮らす日常]]
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