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「妄想神姫:第五十一章(後編)」(2007/11/17 (土) 16:42:24) の最新版変更点
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**猛り狂いし、地を灼く竜(後編)
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閃光の刃を両手で受け止めている、“ゴーレム・シルエット”のアルマ。
その均衡を打ち崩す為、彼女は背にしている二基の二連装ブースターを、
肩に接続し……一気に点火した!その大推力で刃を押し返す魂胆なのだ!
「これが勝機……一気に、推して参ります!はぁああっ!!!」
「う、ぅっ……うわぁっ!?」
「“フルメタル・クラッカー”、“ブレイズ・ストーム”!一斉砲撃!」
「なっ……!?きゃうううっ!!ビームと鉛玉の、制圧射撃……!?」
その目論見は成功、浮いていたガルラはバランスを大きく崩す。そこを
狙って、アルマは両腕と両肩の補助火砲を一斉に解き放ったのだ!即ち
一種の指向性地雷を模したベアリング弾の散布装置と、拡散ビーム砲の
四連続近距離射撃である。実体・光学の両面から攻められたガルラは、
地に倒れ伏す。それを見たアルマは、攻撃を止めた……彼女らしいな。
「う、うぅぅ……」
「貴女はもうボロボロ、でもあたしも防ぐ為に随分無茶をしました」
「……だから、最後は一撃で決しようと言うのね。甘いわ……!」
「分かっています。でも、このまま一気呵成に叩き潰すのは嫌です」
「……は、ハハハッ!面白すぎる娘ね、いいわ。受けましょう!」
元より滞空しての時間稼ぎに自信がなかったのか、或いは彼女もどこか
吹っ切れたのか、ガルラはあっさりとアルマの申し出を呑んだ。再び、
光の刃を展開したガルラが、地を踏みしめ全身のブースターを噴かす。
それを確認して、アルマも“プルマージュ”の最終形態を発現させた!
「ファフナー……行きます、“ティターン・シルエット”!!」
『グルァァンッ!!』
「……ッ!?木偶が……いえ、竜が変形して……鎧に!?」
「これが、戦鎚“ボルケイノ”を操る為の……巨神形態ですっ」
「“ボルケイノ”……そのハンマーが、そうですのね。全く……」
全身のフレームをフルに変形させ、アルマを包んでいたファフナーは別の
姿を見せる。即ち、ドレスを纏い巨大な鎚を手にした……“神姫”だッ!
そう!“ゴーレム・フィギュア”とは違い、その容積を大きく折り畳んで
変形したそれこそ、アルマの“鎧”と言うべき形態である。ガルラよりも
本来一回り大きいか否かである“鎧”は折り畳んでいた天使の翼を翻し、
西日に翳ったバトルフィールド……言い忘れたが、ここは古戦場だ……を
覆い尽くさん勢いで、茜色に輝いている。アルマの顔が、凛々しいぞッ!
「まるで、早着替えの様にコロコロと……飽きさせませんわねぇ」
「ふふ、戦場にあってもお洒落は入念に。それがあたし達なんですッ」
「……後は、私に勝てるか否か、ですわね!さぁ、行きますわよッ!!」
半ば呆れる様なガルラの声色が一瞬で引き締まって、お互いを見据える。
単純なリーチで言えば、圧倒的にガルラが有利だ。しかも、アルマの方は
先程より防御力が低い。だが……それは問題ではない!何故ならば、あの
“ティターン・シルエット”こそ、得意攻撃を最大限に生かす為の姿ッ!
アルマの“得意攻撃”とは白兵戦……後は、全てを信じるだけと言えた。
「……此方から参りますわ!せぁあああっ!!」
「行きますっ……“レコード・ブレイカー”点火──────!」
「な……速い……ッ!?」
飛行能力は必要最低限であり、陸上に於いても小回りは利かぬ。だが、
それを補って余りある、莫大な“直進加速性能”。それとアルマの業、
更に巨大武器を操る為の補助駆動系。その全てを統合して放つ一撃こそ
“ティターン・シルエット”の存在する理由なのだ!アルマの手にある
ハンマーはその加速力を叩き込む為に、私がチョイスした最高の武器!
「──────見切ったッ!!」
「ぐ、あ……ああああぁぁぁぁぁっ!?」
『よし……止めだ、アルマッ!』
『アルマお姉ちゃんっ……!』
「最期の一撃、行きます……ッ!」
瞬時に距離を詰め、遠心力を付ける為にその場で一回転し……ハンマーを
胸元に叩き込む!リボルバー風の形状をした神の鎚は、ヘッドの縁にある
加速用リングを旋回させ、研ぎ澄ました打撃をガルラの胸部へと与えた。
その衝撃で装甲は微塵に砕けて胸元も傷つき、莫大なダメージを被った。
だが相手が剣を手放さぬ以上、こちらも全力で応じるのが礼儀という物!
「エルテリア!“ソリッド・バスタード”を、形取ってください!」
「な……ハンマーに先程の剣が、合体していく……ッ!?」
「これが“ボルケイノ”の真の姿、“ボルケイノ・バスタード”です!」
その為にアルマが選んだのは、相手と同じ“仕込み剣”であった。戦鎚の
ヘッドに折り畳んで隠していた刃を開いて、“ソリッド・バスタード”を
覆う様に合体させる。これで完成するのは、莫大な重量を持った大剣だ!
遠心力加速用リングを加熱用シリンダーに転用したその刃は陽炎を纏い、
先程と同じく神速の踏み込みを以て、“怪鳥”ガルラに叩き込まれたッ!
「これぞ神儀、“制裁の光砕(サンクション・グランブランド)”!!」
「うぁあぁぁッ!?私など、まだまだ序の口……覚悟なさい……ッ!!」
『ノックアウト!勝者、アルマ!!』
炎の刃で十字に裂かれたガルラは、蒸発する様にポリゴンとなり散る。
それと同時にバトルフィールドも消滅、アルマは実世界に帰ってくる。
私達はその勝利を称える為、笑顔で大事な“妹”を出迎えてやるのだ!
「アルマ、見事だったぞ!どうだった、実戦でやってみた感触は?」
「そうですね。思ったよりピーキーで驚きましたけど、大丈夫です」
「ナイスですのアルマお姉ちゃん~♪こっちで冷却水補給ですの!」
「……でも、次はボクら。気を引き締めてね、ロッテお姉ちゃん?」
──────そして神の姫となって、栄光に包まれるんだね。
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**猛り狂いし、地を灼く竜(後編)
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閃光の刃を両手で受け止めている、“ゴーレム・シルエット”のアルマ。
その均衡を打ち崩す為、彼女は背にしている二基の二連装ブースターを、
肩に接続し……一気に点火した!その大推力で刃を押し返す魂胆なのだ!
「これが勝機……一気に、推して参ります!はぁああっ!!!」
「う、ぅっ……うわぁっ!?」
「“フルメタル・クラッカー”、“ブレイズ・ストーム”!一斉砲撃!」
「なっ……!?きゃうううっ!!ビームと鉛玉の、制圧射撃……!?」
その目論見は成功、浮いていたガルラはバランスを大きく崩す。そこを
狙って、アルマは両腕と両肩の補助火砲を一斉に解き放ったのだ!即ち
一種の指向性地雷を模したベアリング弾の散布装置と、拡散ビーム砲の
四連続近距離射撃である。実体・光学の両面から攻められたガルラは、
地に倒れ伏す。それを見たアルマは、攻撃を止めた……彼女らしいな。
「う、うぅぅ……」
「貴女はもうボロボロ、でもあたしも防ぐ為に随分無茶をしました」
「……だから、最後は一撃で決しようと言うのね。甘いわ……!」
「分かっています。でも、このまま一気呵成に叩き潰すのは嫌です」
「……は、ハハハッ!面白すぎる娘ね、いいわ。受けましょう!」
元より滞空しての時間稼ぎに自信がなかったのか、或いは彼女もどこか
吹っ切れたのか、ガルラはあっさりとアルマの申し出を呑んだ。再び、
光の刃を展開したガルラが、地を踏みしめ全身のブースターを噴かす。
それを確認して、アルマも“プルマージュ”の最終形態を発現させた!
「ファフナー……行きます、“ティターン・シルエット”!!」
『グルァァンッ!!』
「……ッ!?木偶が……いえ、竜が変形して……鎧に!?」
「これが、戦鎚“ボルケイノ”を操る為の……巨神形態ですっ」
「“ボルケイノ”……そのハンマーが、そうですのね。全く……」
全身のフレームをフルに変形させ、アルマを包んでいたファフナーは別の
姿を見せる。即ち、ドレスを纏い巨大な鎚を手にした……“神姫”だッ!
そう!“ゴーレム・シルエット”とは違い、その容積を大きく折り畳んで
変形したそれこそ、アルマの“鎧”と言うべき形態である。ガルラよりも
本来一回り大きいか否かである“鎧”は折り畳んでいた天使の翼を翻し、
西日に翳ったバトルフィールド……言い忘れたが、ここは古戦場だ……を
覆い尽くさん勢いで、茜色に輝いている。アルマの顔が、凛々しいぞッ!
「まるで、早着替えの様にコロコロと……飽きさせませんわねぇ」
「ふふ、戦場にあってもお洒落は入念に。それがあたし達なんですッ」
「……後は、私に勝てるか否か、ですわね!さぁ、行きますわよッ!!」
半ば呆れる様なガルラの声色が一瞬で引き締まって、お互いを見据える。
単純なリーチで言えば、圧倒的にガルラが有利だ。しかも、アルマの方は
先程より防御力が低い。だが……それは問題ではない!何故ならば、あの
“ティターン・シルエット”こそ、得意攻撃を最大限に生かす為の姿ッ!
アルマの“得意攻撃”とは白兵戦……後は、全てを信じるだけと言えた。
「……此方から参りますわ!せぁあああっ!!」
「行きますっ……“レコード・ブレイカー”点火──────!」
「な……速い……ッ!?」
飛行能力は必要最低限であり、陸上に於いても小回りは利かぬ。だが、
それを補って余りある、莫大な“直進加速性能”。それとアルマの業、
更に巨大武器を操る為の補助駆動系。その全てを統合して放つ一撃こそ
“ティターン・シルエット”の存在する理由なのだ!アルマの手にある
ハンマーはその加速力を叩き込む為に、私がチョイスした最高の武器!
「──────見切ったッ!!」
「ぐ、あ……ああああぁぁぁぁぁっ!?」
『よし……止めだ、アルマッ!』
『アルマお姉ちゃんっ……!』
「最期の一撃、行きます……ッ!」
瞬時に距離を詰め、遠心力を付ける為にその場で一回転し……ハンマーを
胸元に叩き込む!リボルバー風の形状をした神の鎚は、ヘッドの縁にある
加速用リングを旋回させ、研ぎ澄ました打撃をガルラの胸部へと与えた。
その衝撃で装甲は微塵に砕けて胸元も傷つき、莫大なダメージを被った。
だが相手が剣を手放さぬ以上、こちらも全力で応じるのが礼儀という物!
「エルテリア!“ソリッド・バスタード”を、形取ってください!」
「な……ハンマーに先程の剣が、合体していく……ッ!?」
「これが“ボルケイノ”の真の姿、“ボルケイノ・バスタード”です!」
その為にアルマが選んだのは、相手と同じ“仕込み剣”であった。戦鎚の
ヘッドに折り畳んで隠していた刃を開いて、“ソリッド・バスタード”を
覆う様に合体させる。これで完成するのは、莫大な重量を持った大剣だ!
遠心力加速用リングを加熱用シリンダーに転用したその刃は陽炎を纏い、
先程と同じく神速の踏み込みを以て、“怪鳥”ガルラに叩き込まれたッ!
「これぞ神儀、“制裁の光砕(サンクション・グランブランド)”!!」
「うぁあぁぁッ!?私など、まだまだ序の口……覚悟なさい……ッ!!」
『ノックアウト!勝者、アルマ!!』
炎の刃で十字に裂かれたガルラは、蒸発する様にポリゴンとなり散る。
それと同時にバトルフィールドも消滅、アルマは実世界に帰ってくる。
私達はその勝利を称える為、笑顔で大事な“妹”を出迎えてやるのだ!
「アルマ、見事だったぞ!どうだった、実戦でやってみた感触は?」
「そうですね。思ったよりピーキーで驚きましたけど、大丈夫です」
「ナイスですのアルマお姉ちゃん~♪こっちで冷却水補給ですの!」
「……でも、次はボクら。気を引き締めてね、ロッテお姉ちゃん?」
──────そして神の姫となって、栄光に包まれるんだね。
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