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「無頼0「神姫が手元にやってきた」」(2008/02/28 (木) 06:54:32) の最新版変更点
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西暦2036年、6月の始めごろ。
世間一般ではMMS(人造人間)の一つである「神姫」が流行っている。
同級生や、友人の風間も所持しており、休み時間はちょっとした神姫舞踏会だ。
…だが、僕「彩聞形人(さいもん けいと)」には関係のないことでもあった。
「なぜ?」と聞く人もいるが、その系の質問にはこう返している。
「友人ならいるし、わざわざ金溜めて「ともだち」を買う気にならない」
しかし、その「関係のない事」とは、ある人物の帰宅によって繋がったのである。
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**無頼0「神姫が手元にやってきた」
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ある人物とは、国際線の機長をしている父であった。
しかも某漫画の機長なみに色んなところに飛んでいるとゆう、年甲斐もなく元気な人である。
そのため年に会う機会は少ないし、休暇の日なんてもっと少ない。
過重労働で組合に申し立ててもいいくらいだ。
「形人、だいぶ遅れたが高校進学祝いだ」
そう言って父から大きめの紙袋を渡された。
紙袋の中に入っているものを取り出すと、1つは高さ26cmほどの箱。
もう1つもどっこいの大きさだ。
どちらも包装紙で包まれており、中身が何なのかは判らない。
「開けていいかな?」
「俺としては、部屋で「あっ!」と驚いてほしいな」
「わかったよ」
母に「夕食が出来たら呼ぶからね」と言われつつ、僕は2階への階段を駆け上がった。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
自分の部屋に入り、机のイスに腰掛けつつ紙袋から箱を取り出し、包装を破き始める。
「サイズからしてスケールモデルではないと見た…、ん?」
箱にアニメ調で描かれていたは、機械を身に纏った少女。
箱の右下面には「Multi Movable System」の文字
そして右上面には「武装神姫」の文字があった。
「武装神姫…か」
『あっ!』では無かったが、少し驚いたね、これには。
"関係ない"と思っていた物をこれから起動することになるのだから。
7分ぐらい後、ようやく説明書を読み終えた。
説明書や箱を見て知ったのだが、この武装神姫はMagic Market製の形式番号MM08SR、セイレーン型神姫「エウクランテ」だとゆう。
ちなみにセイレーンとは、海に住みその歌声で船を遭難させる、下半身が鳥類の女性の姿をした精霊のことである。
英語ではサイレン、イタリア語でシレーヌと言うのだとか。
セットアップをしようとブリスターを開く。
そういえば、CSCとかいう中枢部が見あたらないな…。
「…んっ…」
思わずドキッとした。
おかしいな、ギャルゲは起動していない筈だが…?
「ん…ふぅあぁぁぁっ…」
開いたブリスターに動く小さい姿。
声の主はコレか…ていうかセットアップ終わってるのかよ!?
「ん…。わたしのオーナー、ですか?」
「あ、ああ。彩聞形人といいます」
何丁寧語になってるんだ僕!?
「『彩聞形人』…登録完了。わたしの名前は決まってるの?」
「えーっとだなぁ…」
まずい、考えてなかった。
どうする…? とここで、偶然視界に入ったのは超時空要塞マクロスのノベライズ版…。
「そうだな…、"ヒカル"。輝くと書いてヒカルだ」
「"ヒカル"…か。なら今からわたしはヒカルね」
どうやらOKみたいだ。
「よろしくね!形人」
呼び捨てかそうですか。
…これも個性か、なるほどなぁ…。
~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~
「……」
さっきからヒカルは本棚の端にあったマンガ文庫を読んでいる。
読んでいる本は「&bold(){ファントム無頼}」である。
史村翔・原作、新谷かおる作画の自衛隊漫画で、今では退役した(36年時点)F-4EJファントムⅡで空を翔ける航空自衛隊百里基地所属のパイロット、神田鉄雄二尉と栗原宏美二尉の物語である。
…と、誰も聞いていないのに頭の中で説明してしまう自分。
どんな状況でも説明してしまうあたり、完全にくせだな。
ヒカルは何に惹かれたのか?
…大空を愛する心は同じということかな。
とか何とか思ってたら、下からお母さんが呼んでいる。ああ、晩飯の事忘れてた。
「じゃあヒカル、ちょっとメシ食ってくる」
「あ、うん」
ページから目を離し、こちらを向いて答えるヒカル。
部屋を出るときに、「神田さん…v」と言うひとり言か聞こえた気もするが、気のせいだと思う。
こうして「流れ流れて神姫無頼」の幕が切って落とされた。
「無頼」って「定職を持たず無法な事をする人」の事を指すのだが、神栗は「(航空法などで)無法な事をする人」だから無頼なのかと1人納得しつつ、今回は筆を置こう。
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西暦2037年、6月の始めごろ。
世間一般ではMMS(人造人間)の一つである「神姫」が流行っている。
同級生や、友人の風間も所持しており、休み時間はちょっとした神姫舞踏会だ。
…だが、僕「彩聞形人(さいもん けいと)」には関係のないことでもあった。
「なぜ?」と聞く人もいるが、その系の質問にはこう返している。
「友人ならいるし、わざわざ金溜めて「ともだち」を買う気にならない」
しかしその「関係のない事」とは、ある人物の帰宅によって繋がったのである。
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「神姫が手元にやってきた」
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ある人物とは、国際線の機長をしている父であった。
しかも某漫画の機長なみに色んなところに飛んでいるとゆう、年甲斐もなく元気な人である。
そのため年に会う機会は少ないし、休暇の日なんてもっと少ない。
過重労働で組合に申し立ててもいいくらいだ。
「形人、だいぶ遅れたが高校進学祝いだ」
そう言って父から大きめの紙袋を渡された。
紙袋の中に入っているものを取り出すと、1つは高さ26cmほどの箱。
もう1つもどっこいの大きさだ。
どちらも包装紙で包まれており、中身が何なのかは判らない。
「開けていいかな?」
「俺としては、部屋で「あっ!」と驚いてほしいな」
「わかったよ」
母に「夕食が出来たら呼ぶからね」と言われつつ、僕は二階への階段を駆け上がった。
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
自分の部屋に入り、机のイスに腰掛けつつ紙袋から箱を取り出し、包装を破き始める。
「サイズからしてスケールモデルではないと見た…、ん?」
箱にアニメ調で描かれていたは、機械を身に纏った少女。
箱の右下面には「Multi Movable System」の文字
そして右上面には「武装神姫」の文字があった。
「武装神姫…」
『あっ!』では無かったが、少し驚いたね、これには。
"関係ない"と思っていた物をこれから起動することになるのだから。
しばらく説明書を流し読み、基本的な事は覚えた。
説明書や箱を見て知ったのだが、この武装神姫はMagic Market製の形式番号MM08SR、セイレーン型神姫「エウクランテ」だとゆう。
ちなみにセイレーンとは、海に住みその歌声で船を遭難させる、下半身が鳥類の女性の姿をした精霊のことである。
英語ではサイレン、イタリア語でシレーヌと言うのだとか。
セットアップをしようとブリスターを開く。
そういえば、CSCとかいう中枢部が見あたらないな…。
「…んっ…」
思わずドキッとした。
おかしいな、ギャルゲは起動していない筈だが…?
「ん…ふぅあぁぁぁっ…」
開いたブリスターに動く小さい姿。
声の主はコレか…ていうかセットアップ終わってるのかよ!?
「ん…。わたしのオーナー、ですか?」
「あ、ああ。彩聞形人といいます」
何丁寧語になってるんだ僕!?
「『彩聞形人』…登録完了。わたしの名前は決まってるの?」
「えーっとだなぁ…」
まずい、考えてなかった。
どうする…? とここで、偶然視界に入ったのは超時空要塞マクロスのノベライズ版…。
「そうだな…、"ヒカル"。輝くと書いてヒカルだ」
「"ヒカル"…か。なら今からわたしはヒカルね」
どうやらOKみたいだ。
「よろしくね!形人」
呼び捨てかそうですか。
…これも個性か、なるほどなぁ…。
&bold(){~・~・~・~・~・~・~}
「……」
さっきからヒカルは本棚の端にあったマンガ文庫を読んでいる。
読んでいる本は「&bold(){ファントム無頼}」である。
史村翔・原作、新谷かおる作画の自衛隊漫画で、今では退役した(37年時点)F-4EJファントムⅡで空を翔ける航空自衛隊百里基地所属のパイロット、神田鉄雄二尉と栗原宏美二尉の物語である。
…と、誰も聞いていないのに頭の中で説明してしまう自分。
どんな状況でも説明してしまうあたり、完全にくせだな。
ヒカルは何に惹かれたのか?
…大空を愛する心は同じということかな。
とか何とか思ってたら、下からお母さんが呼んでいる。ああ、晩飯の事忘れてた。
「じゃあヒカル、ちょっとメシ食ってくる」
「あ、うん」
ページから目を離し、こちらを向いて答えるヒカル。
部屋を出るときに、「神田さん…v」と言うひとり言か聞こえた気もするが、気のせいだと思う。
こうして「流れ流れて神姫無頼」の幕が切って落とされた。
「無頼」って「定職を持たず無法な事をする人」の事を指すのだが、神栗は「(航空法などで)無法な事をする人」だから無頼なのかと一人納得しつつ、今回は筆を置こう。
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