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「妄想神姫:第三十五章(後半)」(2007/07/03 (火) 18:27:04) の最新版変更点
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**疲れた時は、玉を磨いて(後半)
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極力、意識を反らす。普段からやっている事と言え、凝視すると彼女らも
私も……どうにも気恥ずかしくて堪らぬ。シチュエーションの魔力だな。
『何をしてるか』?見ての通り……否、見るな!今すぐ目を潰すぞッ!?
「んん……♪はぁ。気持ちいいです、マイスター。本当、優しい手」
「……アルマお姉ちゃんは、とっても気持ちよさそうなんだよ……」
「そうですねぇ、こんなに惚けた評定しちゃってますの……えい♪」
「ふにゃん!?へ、へんな所突っつかないで下さいロッテちゃん!」
「……お、お前達ッ……頼むから、もう少し大人しくしてくれんか」
……何を想像している?神姫素体と人工毛髪を洗っているだけだッ!!
だが、その。彼女らは“服を着る”神姫である。故に、服のデザインを
邪魔しない様、素体のペイントは私が考案した特殊なパターンなのだ。
「はぁぁ……あ、有り難うございましたマイスター……はふぅ……」
「……すっかり腰砕けなんだよ。マイスター、次はボクのをお願い」
「あう?あ、ああ……よし、目を瞑っていろ。洗浄液をかけるぞ?」
「んっ……し、染みるんだよ……じゃあ、お願い……んぅ、っ……」
「なぁ。なんでお前達は躯を洗う度、それ程悩ましげな声を出す?」
「気持ちいいから、じゃダメですの?センサーはないですけど……」
従って全くの裸ではないのだが、何というか……かなり、際どくてな?
ジルダリアタイプよりは幾分マシなレベル、と言えば分かるだろうか。
そんな“神の姫”達が、私の手洗いで気持ちよくなってくれている……
正直自分でもどうかと思うが、直視は出来ないッ!丹念に洗う事だけを
考えて、一生懸命彼女らを磨くのが精一杯。だがそれは、逆効果……。
「い、いや……悪くはないんだがな?こう、なんだ。私の胸がな?」
「……あ、そう言えばまたマイスターの胸、膨らんできましたねっ」
「わ゛ひゃぁぁっ!?あ、アルマ!いきなり突くな、手元が狂うッ」
「ご、ごめんなさいっ!でも……最近“成長期”だったりします?」
「お前な、誰を掴まえて言っているんだッ!……全く、恥ずかしい」
「……はぁっ、マイスター……そこ撫でちゃくすぐったいんだよっ」
丹念に洗おうとすればする程、彼女らの“声”を引き出す結果となるッ!
無論の事、いかがわしい改造は現時点に至るまで施していないのだが……
CSCとコアが産み出す“心”とも言うべき物が、作用すると思われる。
それが、温度センサーや痛覚センサーのバランスを“心地よい”と解釈し
結果として、彼女らは“気持ちよさ”を覚える……それが、私の推論だ。
「……ん、クララも一丁上がり。最後はロッテだ、ほら。こっちへ来い」
「はいですの~♪……んふぁ、あっ……ん~……♪気持ちいいですの~」
「姉妹のシンパシーと言うべきか……こんな所ばかり似てしまってるな」
「はぁぁ……そこ、丹念に洗ってくださいですの~……んん~っ……♪」
「むぅ……鼻歌まで歌いおって、そんなに気持ちいいのか。このこのっ」
「ふゃぁあっ♪ま、マイスターってばそんな乱暴しちゃだめですの~♪」
浴槽の縁に腰掛けたクララと、既に一っ風呂浴びた……というよりは、
湯船に潜水等をしているアルマが、こちらを楽しそうに見つめている。
正直気恥ずかしい……ではなく!そ、そうそう。神姫の躯というのは、
案外防水性に優れている。第五弾が軒並み対水戦闘に長けているのも、
MMSが元来持つ耐水性故である。きちんと各部ハッチを密閉すれば、
アルマの様に気持ちよく風呂で泳ぐ事も出来るのだ……って、待てッ!
「こらアルマや、あまり風呂で大っぴらに泳ぐなと言ってあるだろう」
「あ、すみません。でもフロートに掴まってないと沈んじゃいますし」
「マイスターに来てもらわないと、ちゃんとお風呂に入れないもんね」
「まあ待て。今ロッテを洗い終わった、私の躯を洗ったらすぐ往こう」
「はぁ~……気持ちよかったですの♪じゃあ、マイスターも早くっ♪」
はぁ、と一息ついてから洗浄剤のキット一式を片付け、私は自らを磨く。
家より丹念に髪を洗い、汗の汚れや金属粉を残さず落として……次は肌。
あの娘達が、いつも気に入ってくれている“綺麗な私”に戻りたくて……
丁寧にボディソープで腕を、胸を……腹・脚を……全身をくまなく洗う。
“妹”らに見られていると思うと、全身がむず痒くなるが……我慢我慢!
「ん~……っと、よし。泡も一通り流した。今行くぞロッテ達……って」
「随分流されちゃいましたの~♪マイスター、助けて下さいですの~♪」
「馬鹿を言うな、何故給湯口の方に流れるかっ!全く、仕方ない娘らだ」
「あう……皆で縁の壁を蹴ったってばれちゃいましたね、クララちゃん」
「普通、すぐにわかりそうなものなんだよ。でも……あ、来てくれたね」
悪戯のつもりか、三姉妹は揃ってフロートに乗り“沖”に出ていたのだ。
しょうがない娘……でも、そんな挙動も堪らなく愛らしい。何せ、元々は
構ってやれんという事でここへ来たのだからな。可愛らしいじゃないか。
そっとフロートを引き寄せて、つやつやになった“妹”達を抱き寄せる。
有無。微細な傷も汚れも、埃さえも一切ない綺麗なボディになっている。
「全く……私の肩や手に乗れ。この高さなら、丁度漬かれるだろう?」
「はいっ……んしょ、暖かくて気持ちいいですね~……極楽極楽っ♪」
「普段だとマイスターも狭そうですし、家のお風呂とは違いますの~」
「だな。あのユニットバスでは、私としても若干狭い……はぁ~……」
「あ、マイスターも気持ちよさそう……じゃあ、ボクらもくつろぐ?」
皆で肯いて、私達は黙って躯を温める。夏と言えども露天風呂も良い。
穴蔵暮らしは、空調が生命線になってしまう。そうなると躯も冷えて、
この娘らにも体表面に、汚れ等の悪い影響が出かねない。偶にこうして
躯の穢れを洗い流すのは、実利も兼ねた私達の娯楽であり儀式なのだ。
ちなみに、私達はそろって長風呂である。もう一時間は出ないだろう。
「はぁぁ~……躯中の疲れが溶け出していく様だな……気持ちいいか?」
「とっても気持ちいいんだよ……思わず、湯船に落っこちそうだもんね」
「だから、こうして……マイスターに寄り添えば大丈夫ですの~……♪」
「えへへ……マイスターのお肌は、やっぱり綺麗なのが一番ですね……」
──────“飾り気”のない付き合いは、やっぱりいいものだね。
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