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樫坂家->始幕・2話 - (2011/09/26 (月) 16:53:46) のソース
**樫坂家の事情! 始幕~過ぎたる夏、来る平凡で新鮮な日々~ ---- 「と、言う訳でコイツは燃え尽きてたんだよ」 「うわぁ…」 「なんて言うかどんまいだよねそれ」 「お前らまで言うなぁぁああ!」 放課後、我らが教室。 ぼちぼち帰る者、部活に向かう者、友人と話しこむ者、その他。そんな中を俺、陽太、静香と隣のクラスの雄司を交えた4人で話していた。話題はもっぱら昨日の一戦。 あのあと、燃え尽きた雄司をコイツの神姫、ランサメントの蔡架(さいか)と共に筐体から引き剥がしたのだが、その後も真っ白になってた。そんなにショックだったのか。 しかし、蔡架が言うにはいつもの事らしい。なんでも自信があればある程こうなるとか。 その蔡架はユイナ達6人と色々話していた。こっちはそんなに気にして無いのか談笑していた。雄司と違ってさっぱりした性格である。 結局、それから15分後に帰って来た。コイツはオーバー過ぎる気もする。なんか今日はもう帰るとか言ってとぼとぼ帰っていったし。 これが昨日の話の顛末。チュートリアルも良いとこだった。 「まぁ確かに、コイツは初めて1ヶ月ちょいの癖してそういうのは得意だからな」 「でも真正面から戦うのが苦手って訳でも無いんだよねー」 「まぁな。6人それぞれの戦い方覚えなきゃ無いから、苦手とか言ってられないのもある」 「タイプがまるっきりバラバラだからなお前ら」 「……思ったんだが、そう言えばなんであんなに居るんだよ?買ってきたんだったらかなりの額になるんだが」 「………あー、それは、な」 「驚け。こいつ、エウクランテ以外ほとんどタダだぜ?」 「はぁぁぁぁぁぁああああああああ!?」 「煩い黙れ迷惑だこっち見られてる」 「す、すまん…」 まったく………とりあえず眠いんだけどこいつら帰らないのか? ===第2話=== 「で、だ。一つ聞きたいんだけど」 「なんだ?」 「俺の噂って、どこまで広まってるんだ?」 ………おいなんでお前ら目をそらす。 「あー、まぁ、なんだ」 「こいつは周りの事には疎いからな」 「………嫌な予感しかしないんだが」 「えーと……簡単に言えば、ここら一帯はもう広まってる。特に南区のラックポッドとか東区駅前のエスカとかに行ってるマスターは確実に知ってると思う。あの2店はマスター同士の仲かなり良いから」 「うわ…そこらへんもう行かないことにしよう…」 もうそこまで……静かに暮らしたいなぁ…無理か。 実際もう楽しくて止める気無いし。 「しかもその2つ、ここらで一番レベル高い店じゃねーか」 「どっちも凄い人居るからね……」 「俺も何回かみたけど、あれは次元が違うわな」 「ん?そんなになのか?」 「まぁな……しかもほとんどこの高校の生徒だし」 「へぇー」 「今流したけど筆頭は相楽先輩と久我峰先輩だからな?」 「ぶっ」 エリートまっしぐらの生徒会副会長と男にも女にも言い寄られる演劇部部長かよ!? 「あとは陸上部部長とかもそうだし」 「あの熱い?」 「そうそう」 こっちは名前は忘れたけど普段から熱(苦し)い人と言う事で校内に知られている。 「あー、あと1年には黒サンタが居たか」 「あのツガルか………」 「知ってんのか?」 「こっちも割と有名だな。マスター共々情報通でもある」 「変な弱みとか昔やらかした事とか掴まれてる人が何人もいるとか居ないとか」 「しかもバトルの腕自体も良いからなぁ」 「1年だと思ってでかい態度で出たらとんでもない目にあった先輩も居たんだってさ」 なにそれ怖。 「まぁでも、何回か見た事あるが見た感じ普通なんだよな。友達と居た時もあったし」 「怒らせるとヤバいタイプか…」 「見てる分には皆普通なんだよ。ただレベルが段違いだけど」 「浅木はあっちこっち行ってる分色々見てるんだなやっぱり」 「まぁな。やるからには強くなりたいと思ってる」 「あれ?そういえば、浅木君の妹さんだっけ?あの子も神姫連れてたよね?」 ん? 「江怜那も始めたのか?」 「あー…ま、まぁ、最近だけど、な」 浅木 江怜那。江怜那と書いてえれなと読む雄司の一つ下の妹だ。 今は同じ高校の1年生だったはず。最近はって言うか去年から雄司の家に行かなかくなったからあんまり会わなかったけど、こいつと違ってしっかりした妹だったな。 しかし……なんか歯切れ悪いな? 「なんかあったのか?………あ、反抗期か」 「違うわ!………いや、ちょっと、な。マスターとしては悔しいというか兄としては嬉しいというか…」 「………負けたのか?」 「さらっと言うなよ!?」 「あー、そりゃ御愁傷さまだね」 「うぐぐ…いや、でもやっぱ兄としては成長が嬉しい訳でな」 「シスコンか」 「シスコンだな」 「シスコンだよね」 「てめーらちょっと表でろよ!?」 付き合いの短い陽太達にまでからかわれてるし、ほんとこいつ手玉に取りやすいな。 しかし、江怜那もか……いや、不思議じゃないな。こいつの家族は揃いもそろって神姫好きだし。 両親たしかバトルロンド現役だった筈だし。 「あれ?そういえばお前今日江怜那は?」 「先帰った。転校生と仲良くなったから今日は近場を教えて回るんだと」 「転校生?」 「あ、昨日話に出てた転校生の事?」 「出てたか?」 「脩は寝てたから知らないんだと思うぜ?」 「む…」 言い返せないな…たしかに昨日はかなり寝てたし。 「確か外国人とのハーフって聞いたなぁ」 「へ~、最近はまた増えたって聞く国際結婚てやつか」 「そうらしい。それで日本語ペラペラで金髪なんだと。あと背は小さいとかなんとか言ってたな」 「ふむ………なんだよ静香?」 「なーんにもーだ」 …………………ふむ。やっぱりそういう事か? 「だけど、本当に先輩も後輩も凄い子多いからなぁ。あとは見たこと無いけど、双極とかも後輩って噂だし」 「あー、まぁな………まったく、間の俺たちは立場が無いな」 「そういえば、2年で有名な奴ってまだ聞いてないんだけど?……………………おいなんで俺を見る」 「「「とりあえずおまえ(あんた)しか居ないから」」」 「まてまて陽太だって一応通り名有るだろうが」 「俺はまだまだだ。しかも稟があんまり好みじゃないって嫌がってたし」 今更だなコイツ。 「まぁまぁ、ぼちぼち帰ろうぜ?もう4時30過ぎてるし」 「あ、やばい特売が」 「脩、お前最近すっかり主夫になったな」 「戦わなければ、生き残れないのさ」 「わけわからん」 「ほっとけ!じゃあなー」 特売特売、今日は肉のはず………はぁ。  ̄ ̄――__―― ̄ ̄――__ 「あー、食った食った」 所変わって自宅。帰りにスーパー直行して特売品を手に入れたけど同時におばちゃん達の執念も見てきた。 悪鬼羅刹とはあの事を言うんだろうな。目がマジだったよ。なんとか手に入れてきたけど。 買ってきたのは豚肉、長ネギ、ピーマン、もやし。塩たれで野菜炒めにしたけど旨かった。最近料理のスキルまで上がってきたかもしれないな。 現在時刻7時過ぎ。フェザーに行くとしても遅い時間帯である。 6人も分かってるのか好き勝手に過ごしている。いつも好き勝手にしてるのだけど。 「…ほえ~」 「………はぁ」 シェラとキュリアの二人はテレビ見てた。 今日は火曜日で、動物の番組が入るからキュリアは毎回見ているがそれにつられてシェラも見ているようだ。 キュリアは本当に動物が好きだと思う。こないだも部屋の窓からずっと近所の猫見てたし。 「……………」 「…………――♪」 ユイナとフィーはキュリア達から離れたカラーケースの縁に座りながら何故かチェス(神姫サイズ)をしている。 毎回フィーが持ってきてはユイナを誘ってるのだが、戦績は多少負け越しているらしい。 まぁ本人はスレイプニティを弾いている余裕があるので誤差の範囲なのだろう。ユイナも時々テレビの方に目を向けているし。 「こ、これで!」 「ざーんねんだったねー、フルハウス」 「うそ!?」 くーとリムの二人はトランプ…ポーカーか。他にもっと有るだろと言いたい。 それとリム、そろそろくーのトリックに気付け。普段からリアパーツ付けてるから違和感がないが、触手の裏側にカード隠してるぞ、くーは。 「………なんか平和だなー…うん、実に平和だな」 一番手持無沙汰なのは俺だったりする。 仕方ないから近くに置いてたノートパソコンを起動した。 ちょっと古い型だけど正直、6人も居るから部屋のデスクトップ型じゃあ足りないので少し父の部屋から失敬した代物だ。 とりあえずインターネット起動。思えばちゃんと各神姫を把握していなかったな………えーと……お、あったあった。 「やっぱ色々あるな…」 えーと、何々………バイク型?ビックバイパー型?…こんなのも出んのか。 じゃなくて。 ………あったあった。やっぱこうして見ると色々種類あるもんだな。 あー、いつになく、平和だなぁ。  ̄ ̄――__―― ̄ ̄――__ 翌日、学校。 「えー、であるからしてこの公式は―」 「……………………………Zzz」 「また寝てるよコイツ…」 「む?樫坂!」 「っ……ぁい…」 「この公式を解いてみろ」 「あー…………………………ad分のceです。bとfは同じ数値になるんで消しても良いです」 「なんで解けるのか先生には解らないぞ樫坂……まぁいい、続けるぞ」 割と解りやすい方で助かった… 「睡眠学習でもしてんのかお前?」 「眠り浅いからなぁ…そうかも」 キィーンコーンカァーンコーンンン 「む、もう時間か。今日はここまで、続きは次回するからノートはしっかり取っておくように」 と、言って数学の教師は出ていった。 でも寝てたから今から書くのメンドイ。必要になったら誰かから借りるか。 しかしまだ少し眠い。昨日ずっと神姫見てたせいだな。レポートまで書いてたら、気づいた時には日付変わってたし。 「…………帰るか」 「今日は早いんだな」 「いや、昨日フェザー行ってないからその分早く行こうかと」 「すっかり染まったなお前も」 「お前が言うな!…まったく、じゃあな」 「おう」 陽太をあしらって教室を出る。 そのまま3階から1階まで下りて玄関へ。どうでもいいが1年は2階、2年は3階、3年は4階って少しめんどくさい高校である。敷地が狭いかららしいが。 そんな事を考えつつ外へ出て自転車置き場へ。玄関横だから手っ取り早く見つけて学校を飛び出す。学校が終わったという実感がわいてきて最高に………なんだったけな…まぁいいや。 学校は中央区からちょっと西区寄りなので比較的近い。東区の人は地下鉄使ってたりするらしいけど。でも俺の場合は電車も地下鉄も西区駅は家からそんなに近く無い。 それに、寄り道出来るから自転車のほうが良いんだよなぁ、やっぱり。 交差点で止まって通りを走って交差点で止まって、フェザーを通り過ぎて坂道登って学校から約30分、自宅に到着。30分とは短いようで長いと思う。 「ただいまっと」 「あ、マスターだ。おかえりー」 「おかえりますたー」 「………マスター、助けて」 「何やってんだお前ら」 居間でなんかキュリアの上にリムとくーが覆いかぶさってた。 「きゅりあがにげるから捕まえた」 「あたしは巻き添えくらいました」 「………いきなり、羽交い絞めにしてくるから」 「あー、うん。なんとなく想像ついた。とりあえずフェザー行くから準備な………他は?」 「シェラさんは上で寝てますね、今なら。ユイナさんとフィーさんも上で何かしてたかな」 「なるほど…とりあえず着替えるか。3人を呼んどいてくれ」 「はーい」 俺が居なくても何だかんだで楽しそうだった………やっぱ俺の入る隙間が無くなってきている…いやいや。 学生服を脱いで洗濯かごに放り込む。代わりに掛けてあったブラックジーンズと黒のポロシャツを着ていく。まだまだ暑いけどこれしか無かったから仕方ないか。 ついでに顔を洗っておく。多少はスッキリした。 「マスターお帰りだね」 「お帰りなさいませ、マスター」 「うぅ………眠いのです」 戻ったらユイナ達も居た。早くて助かる。 とりあえずいつも通りに必要な物が入ったカバンを持って、ユイナ達も持ったり肩に持ってったり頭に乗っかられたりして家を出る。今更だが本格的に何か買ってこないと不便だなこれ。 家のカギを閉めてユイナ達はかごに入ってもらい、一路フェザーを目指す。 さて、学校が始まってても、いつも通りにバトルロンドを始めに行くか…! ………うわ、らしくないなこれ… 「………?」 フェザーに到着すると、なんか居た。 それは、女の子で、金髪で、黒いゴスロリ服で、リボンで、肩に神姫を乗せていた。 しかもなんかしきりに店の中を見てあーあーうーうー言ってた。入口で。 「……………」 さて、どうしたものか…… つ づ く !