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第八話『開戦・少年少女と妖しいお姉さん』 - (2007/08/23 (木) 09:20:13) のソース
さて、そうこうしているうちに日は過ぎて・・・・・・・ 「・・・・あのバカ姉。考えたら何時に集合とか書いてなかったじゃないのよ」 「そうだね・・・もしかしたら一日中待たされるかも・・・・」 私と八谷は待ちぼうけを食らっていた。 *クラブハンド・フォートブラッグ * 第八話 * 『開戦・少年少女と妖しいお姉さん』 「お、私より早くいるじゃないか。・・・何かね、その膨れっ面は」 結局お姉ちゃんがやってきたのは昼を少し回ってからだった。 ふざけんなコンチクショー。こっちは開店と同時に待ってたのに。 久しぶりに会ったお姉ちゃんは変わっていなかった。ジーンズにYシャツ、そしてハンチング帽という出で立ちだ。・・・・畜生、スタイル良いなぁ。 「お姉ちゃんが遅すぎるのよ。全く、何時間待ったと・・・・」 「なら電話したまえよ。携帯くらい持ってるだろうに」 「かけたけど電源入ってないでしょ!」 「・・・・おぉ、充電するの忘れてた」 こ、このバカ姉は・・・・! 私が眉間に青筋を寄せていると、いつの間にかお姉ちゃんは八谷の傍にいた。 「ん? ・・・まさかキミ、ハチヤか? 大きくなったな、見違えたよ」 「え、あ、え、と、お、お久しぶりです。都さん・・・・・」 「改まるなよ。みや姉でいいさ。・・・・しかし随分と大きくなったなぁ・・・・どれ」 「ちょっ!」 そういうとお姉ちゃんは八谷の前に立って身長を測り始めた。 顔! 顔近いってば!! キス五秒前って感じだから!! 「は、はなれなさいよ! 八谷もでれでれしない!!」 「え、あ、・・・・うん」 何かむかついたのでとりあえず引き離した。 「ほぉ? ・・・・ふむ」 お姉ちゃんは何か考えながらしきりに肯いてるし。 これもなんかむかつく。 「もう! とにかく筐体の方へ行きましょ! バトルしに来たんでしょ!?」 「ふむ。それもそうだな。それじゃさっそく行こう」 バトルステージは珍しい混合タイプだった。 この混合ステージは二つのステージを一つにしたものだ。海と廃墟を組み合わせると『廃墟の港町ステージ』になる。今回は『砂漠に埋もれて行く都市』・・・つまり砂漠と都市だ。 「本当にこのステージで良いわけ? 砂漠じゃサラは最強よ」 「当たらなければどうと言うこともあるまいよ。・・・さて、準備はいいかな?」 そういってお姉ちゃんは筐体に肘をついた。 ・・・・随分と挑戦的じゃない。 「サラ、八谷、マイニャン、勝つわよ」 「「「当然(です)」」」 私と八谷はそれぞれの神姫の武装をセッティングする。 それが終わり、後は開戦を待つだけとなった。 「サラ、デザートスコーピオンの力! 見せてあげなさい!!」 『言ってて恥ずかしくないのですか!?』 そして・・・戦いは始まった。 ---- サラとマイが転送された場所は都市の端だった。 サラが得意とする砂漠までは結構な距離がある。 『サラは砂漠ぎりぎりの狙撃ポジションについて。やばくなったらいつでも逃げれるようにね』 「了解です。危なくなったら問答無用で逃げます」 『胸を張っていうことか!?』 『あはは・・・・。マイはそのまま前進。・・・・特訓の成果を見せてやれ!!』 「らにゃー! ・・・どうでもいいけど。バックパック重いのだなん」 そうしてサラとマイはそれぞれのポジションへと走っていく。 サラが狙撃ポジションにつき、マイがゆっくりと前進を始めたときに・・・それは爆音と共に大通りを一直線に駆けて来た 神姫用バイク、ストライクイーグルに乗ったハウリン・・・ハウが吠える。 「退かないと轢くよー!!」 マイは物凄い速度で走ってくるバイクに、刀を構えたが・・・迎撃することなく、無視した。 ・・・バイクの敵よりも、倒すべきものがいたからだ。 「ここは・・・アンタの相手はあたしだ! って言うところかなん?」 ハウの乗ったバイクが通り過ぎた後には、悪魔型ストラーフのノワールが立っていた。 走るバイクから飛び降りたらしい。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「無口な奴だなん。・・・まぁ、やることはもう決まってるんだし」 そう言うと、マイは自分の得物である日本刀を捨てた。そして腰に付けられた棒と、たった今転送されてきたドリルを取り付ける。 「今日のあたしはポン刀使いじゃなくて、一発の弾丸なのだ。・・・・行くよ、ニャンスロット! MEブースト!!」 轟音と共に、マイは発進した。 ---- 『サラ聞こえる? マイにゃんが交戦状態に入ったわ』 「ここから見えますよ。・・・相手はノワールですか。拳銃とブレードだけで準決勝まで上り詰めたモンスター・・・まぁ、わたしの相手は犬型みたいですが」 そういうとサラはスコープを覗き込む。 十字のヘアラインの向こう、大通りのど真ん中を疾走する大型バイクが見えた。 ひたすらに真っ直ぐに、走るその姿は鷲というよりは狼のそれに見える。 「それにしても、物凄い速度ですね。はっきり言って曲がれるか疑問に思います」 『気をつけなさい。油断すると直角に曲がるわよアレ』 「まるでUFOですね」 喋りながらもサラは弾倉をライフルに装填し、ボルトを引き初弾を装填し安全装置を外す。 「ハルナ、わたしはこの戦争が終わったら結婚するんです」 『無駄な死亡フラグを立てるな!! 戦争じゃないし第一相手は誰よ!?』 「相手は・・・まぁそこらへんで見繕いますよ」 『それ凄いやだーっ!?』 「さてハルナ。冗談はこのくらいにして・・・・発砲許可を」 突然真剣な表情になったサラに、ハルナは微塵も驚かず 『発砲許可! 一発でかいのぶち込んでやりなさい!!』 そう、叫んだ。 [[戻る>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1174.html]][[進む>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1181.html]]