All Fiction Ⅱ ◆WWhm8QVzK6
根拠は、心の中だ。
段々と間隔が開く血痕を追ってみると屋上に辿り着いた。
ドアは開きっぱなしだった。
(まさか上にいやしないだろうな……)
馬岱は恐る恐る入り口に近づき、ちょうど外の上にぶつかるように水の入ったボトルを放り投げた。
ゴッ、とコンクリートにぶつかったような音以外は、なにもなかった。
意を決して馬岱は屋上に飛び出た。けれど、誰もいない。
「……マジでか」
「けれど屋上には確実に来たようだが…となると自殺か?」
「えっ?」
「そんな人には見えませんでしたけど…」
「錯乱してたならそうとも限らないさ。それとも冷静になってしまって、死にたくなったのかもな」
馬岱は藤崎を殺した時のときちくの顔を思い出す。
耐えられない何かに耐えるような、悲痛な表情。
あの崩落を境に、彼は『変わって』しまった。
きっとその間に何かがあったのだろうが、馬岱には到底考えもつかなかった。
「別に真っ赤な花は咲いてないようだが。どこに消えたんだ?」
地面を見下ろしながらタケモトは呟く。
全くの不思議だ。屋上まで来た筈の人間が、忽然と消えている。
「無傷で地面に降りられるか?と言うか、そんな支給品があったか?」
「そんなのは……――いや、ある。あった」
タケモトははたと閃いた。
「ネイティオのテレポートを使ったんだ。そうすればデパートの玄関口に飛べる」
「じゃあおかしくはなっていなかったんですね。…なら、逃げていたのはあっちの方だったんですか」
「……戻るか?」
「是非も無いだろ。あっちが逃げていたのなら、こちらが優勢とも言えるわけだ」
用心深くするに超した事はない。
しかしタケモトにはどうもときちくの意図が、思考が読めなかった。
突然の事態による動揺もあっただろう。しかしそれ以上に理解が出来ない。
果たして相手が正気でいるのか、それとも狂っているのかも判別できない。
むしろ狂っているほうが凄まじい事をしでかしたりすることもあるのだ。
ときちくは、それに該当するのか。
2Fまで降りてきて、崩落の現場近くまで来た。
そこには息絶えた藤崎の死体とデイパックが放置されている。
(……恨むなよ藤崎。今回はもしかしたら俺が死んでいたかもしれないんだからな)
馬岱は心の中で言った。
藤崎は、言うなれば運が悪かったのだ。
守る守らないに関わらず、誰かが貧乏籤を引く羽目になっていた。
仲間からの裏切りなど、誰もあの場面では予想だにしていなかったのだから。
デイパックを回収する。
支給品の確認は後ですることにした。
「あの、スネークさん、でしたよね……。一体どこに…」
「死体が見当たらないから逃げおおせたのは確かだろうが、さてな」
かれこれ何処かからの爆発音からとっくに10分以上経っているが、誰も見当たらない。
まるでこの3人以外は姿を消してしまったかのような。
「不気味だな…。まあ、1Fに行くか」
そうして半ば崩れかけた階段を降り、エントランスに着いた。
これでデパートをほぼ1周したことになる。
「おいおい、どいつもこいつもどこに逝ったんだ?」
「ええ、どこに行ったんでしょうね」
「言い直すな。音じゃ分からないのに」
と、その時。
「タケモト!」
「っとおおおおおおお!!!?」
盛大に叫んだのは馬岱だ。
後ろからの声にびっくりしすぎてもんどり打っていた。
そして声をかけた主は。
「スネーク、無事だったのか」
「ああ、何とかな。そっちは大丈夫か?」
「こっちは……」
「藤崎の事だろう。知っている」
「そうか」
おそらくデパート内を捜索するうちに藤崎の死体を見つけたのだろう。
馬岱達は咄嗟にそう判断した。
「それと、ときちくの事もな」
空気が、一瞬張り詰めた。
「……遭ったのか?」
「ああ」
「それで?どうなったんですか」
「ついて来てくれ」
そう言うとスネークは廊下に向かった。
管理室や職員用の部屋があるところだ。
タケモトらもその後についていく。
そしてスネークは『事務室』と札がついた部屋の扉を開けた。
もしかしたらスネークはときちくを…と、そんな考えがタケモトらの頭を過ぎる。
殺していたならその時はその時だ。仕方ないとも言える。
言葉のように諦めているならともかく暴走して回る狂人に対しただ座して死を待つだけと言うのは有り得ないからだ。
しかし、釈然としない思いは残る。色々な疑問点。それはときちくの話を聴かないと解決できなさそうな気がしたから。
部屋の中で、何かが床に転がっていた。
生きているような感じはしない。まさか――。
と思ったが、それはときちくではなかった。
簡潔に表すなら、首と両腕の無いロボットだ。
「これがときちくとか言うオチじゃないよな」
「えっ?」
「いや、違う」
スネークはあっさり否定した。
「じゃあときちくは何処にいるんだ?お前、遭ったんだろ?」
「それは間違いない」
「じゃあ何なんだよ…」
言葉はその会話の間に、部屋を見回した。
この部屋はあまり被害を受けていないようだ。
電気系統も無事で、大きなデスクの上にパソコンが数台ある。
唯一つ壊れていたのは、この部屋に一つだけあった監視カメラだった。
いや、壊れていると言うよりは意図的に斬り落とされた、というほうが正しいか。
「タケモト、アレを付けてくれるか?」
「? ああ…」
タケモトは所持していた音声偽装装置のスイッチを入れる。
これで彼らの会話は一切漏れることは無い。
「とりあえずこいつを見てくれ。話はそれからだ」
スネークは、起動させてあった一台のパソコンを操作する。
よく見ると、そのパソコンとロボットはケーブルで繋がれていた。
それを見てタケモトは理解した。これからスネークが見せるのは情報だ。
その情報が、今回の解決に直結すると。
「パスワードは無かったのか?」
「ああ。おそらく読まれることを予期していなかったんだろう」
スネークはWMPを開き、動画を再生した。
映像がそのまま流れる。誰かの視点のようだ。
その場のスネーク以外の全員がそれを食い入るように見つめていた。
それに対し、映像は単調なものだ。
薄暗い、黒色の空間。
背景には何かドラム缶のようなものが整然と並び、さらに巨大な機械が幾つか配備されている。
それら多くの物体を収容しながら、その空間はそれよりも広かった。
ゆうに100m以上はあるに違いない。
そして何やら機械的な声が流れ続けた。
その内容の意味はあまり分からないが、おそらくこの視点の主…今床に横たわっている機械のものだろうと判別できた。
視点はやがてドアの前で止まった。おそらくエレベーターと推測される。
キーに何かが差し込まれて、しばらくするとドアが開いた。
そしてそのまま中に進む。そこでまた止まり、壁にずらりと並んだボタンの内の一つが押された。
その数十秒後、スライド式のドアが開く。
ひらけた視界は何処かの建物の内部を映していた。
映像はそのまま続き、少し焼け跡のような場所を通り過ぎてから、ようやく外に出た。
そこでスネークは映像をスクロールさせた。
「おい、何をするんだ」
「ここら辺はずっと歩くだけだ。少し飛ばすぞ」
「今の場所…どこだ?」
「エレベーターがある建物の中っていったら限られますよね」
「多分……モールだな」
間違いない答えだと確信してタケモトは言った。
まず、エレベーターの存在が確認されているのはオフィスビル、病院、モール、デパートの4つだ。
今までの参加者達から集めた情報でそれは判明している。
そして出口(もとい入り口)の風景からオフィスビルとデパートは却下。
オフィスビルの前には森が広がっており、また、デパートのエレベーターは稼動していない。
そして、焼け跡があると思われるのはモールだ。べジータの証言からそれは認知済み。
よってこのエレベーターはモールにあるものとほぼ断定できる。
「その答えはときちくも俺も出した。雄山が何かモールのことで言っていたのを思い出したのが決め手になってな」
言葉が何か訊こうとしたが、タケモトはそれを制した。
周知の事実を確認する暇は無い。おそらく、答えは予想通りだろうから。
「出たところでドナルドが映っていたが、今それは関係ない」
さらに、飛び飛びの映像は果てしなく草原を映す。
そうして映像は1時間以上ぶっ飛ばされ、再び再生されたのはデパートを見下ろす映像だった。
そのままデパートの壁面まで近づき。窓を足がかりにして2階の、壁が壊れた部分に侵入する。
そして階段を一つ上り、一点で立ち止まった。
その後すぐに爆発。辺りが煙で覆われる。
しかし視界の主は迷うことなく一人の人間を掴み取った。
それは、ときちくだった。
「――――――」
大体が理解できた。
おそらくこのロボットは運営の奴らが操作しているものだ、と。
それにときちくが捕まった。ここで幾つかの疑問が解消される。
だが、この先を見なければ完全な理解には至らないだろう。
スネークはここでまた、映像を止めた。
「おい」
「今からの映像は、これからすることを考えれば要らない、とあいつは言っていた」
「……観て欲しくない、ってことか?」
「観てやるべきだろ。観るなと言われたら観たくなるのが真情だ。つーか隠されても困る」
暴走した理由を知る権利がある。
あいつが生きているのなら、必要になるだろうから。
「じゃあ、始めるぞ」
そうして、映像が流された。
ときちくに対し、事実のみを告げる声。
偽りの存在。救われない結末。
渡された銃。けれど受け取らないときちく。
そして最後通告の後、視界はときちくから逸れ、通路の奥に消えた。
曲がり角で立ち止まり、音だけが拾われる。
《お、無事やったか。いったいにどこに……って、その耳、どうしたんや!?》
《……。見えないまま走りまわってたらぶつけちまったんだよ》
《打撲傷というより、抉られたような傷だな》
《ああ……あれだ。ぶつけた場所が、尖ってたからな。そっちこそスネークはどうしたんだ?》
《とりあえずお前を探す際なら身軽な方がよさそうだし、寝かしてきたが……》
この場面は馬岱も知っている。
思い返せば、あの時点でときちくはどこかおかしかった。
成程当然だ。死刑宣告に等しい一撃を与えられて、おおよそ平常で居られるはずが無い。
それでも左上の話に乗らなかったのは、その時はときちく以外そのことを知らなかったからだろう。
(誰も知らなければやり過ごせる、……と、思ったんだろうな)
《ゆっ! ゆっ! 大変だよ! ゆっくりしてる場合じゃないよ!》
《そいつ、さっきまで変な奴と》
《っ!》
そこから、惨劇が始まった。
激しい銃の乱射音。そして一人が倒れる音。
《何のつもりだ!? なんで撃った!》
ここで音は急速に小さくなった。
成功したのを確認し、後は立ち去るだけだったからだ。
そうしてデパートの反対側に移動する。
映像は残り10分もなかった。
背後から近づいたゆっくりを殺害し、スネークと遭遇。
さらにスネークから逃れ、デパートの裏に来て会場の境目に向かった時。
再度ときちくが現れた。
その数十秒後、映像は真っ暗になってすぐに停止した。
しばし無言の一同。
最初に口を開いたのはタケモトだった。
「まあ、だとしても俺達がやることに変わりはない。新しい手がかりが見つかったのはかなり幸運だ」
「時間的にはあと11時間かそこらか……果たして成功すると思うか?」
「ここまで来たらそんな確率なんて度外視だ。勿論策は立てるけどな。残り時間を死ぬために退屈に過ごすのは馬鹿らしいだろ?」
「そうだな。どの道俺達には、出来る事しか出来ないのだから」
各々が荷物を整理して担ぎ上げる。そんな中、
「あの…」
「なんだ言葉」
「ときちく……さんのことはどうするんですか?」
全員が恣意的に放っておこうとした問題を、彼女は口にした。
彼女自身も憚られたが、残しておくのは気持ち悪かったらしい。
馬岱は少し迷って言った。
「……どうだろうな。当人が離れたんなら、俺には何も言う事がない。生かしておくのは甘いんだろうけど
戦力を一つ減らすだけになりかねない。殺す事が利益とは言いがたいな」
「あいつに対しては理解もしてやらないし同情も出来ない。『見せるな』と言ったんだったらあいつの方も理解して
もらいたくなかったんだろう。まあ、俺があの立場だったらぞっとするね。今後は別行動で構わないだろ?スネーク」
「そうだな。ときちくが俺達といる事を望まないのなら無理強いはしない。目的が同じなら協力も出来るだろう。ただ」
「ただ?」
「もし今度武器を向けるそぶりを見せたら、その時は躊躇なく始末する」
「……まあそれでも甘いんだろうがな。とばっちりを受けた藤崎は不幸だが、こんな状況でなければ殺してるのは間違いない」
人を殺したと言う点については、このメンバーはあまり糾弾できない。
そもそもタケモトは一人殺しているし、スネークも正当防衛であるとはいえ殺害している。
馬岱は端から殺る気満々だったし、言葉もそうだった。
それに目的を同じとして、尚且つ自身に牙を向けてこないのなら責める理由は薄れる。
信用できないのは間違いないが。
だからこそ、ときちくは単独行動を選んだのだろう。
自分がいては和が乱れる。そう思ったからこそ、単身で動いたのだ。
身勝手な考えだし、許されるものではない。しかし責めたところで現状は好転しない。
一般的な良識を持った者にとっては困りものだが、生憎それに重きを置くものはこの場所にはいなかった。
「まあ、そう言うことなら考えないといけない。現状が危ういことを考慮しないとな」
「チルノ達が帰ってきていないのが問題だな……」
既に放送から50分以上経過している。
放送の内容を鑑みれば連絡を一人くらいよこすか、または急ぐのが常の筈。
それなのに誰も帰還しないという事態はかなり危険だ。
チルノのグループとべジータのグループ、そのどちらもが厄介ごとに巻き込まれたと推測されるからだ。
どちらかは帰ってきていないとおかしい時間。これ以上待ってもメリットは少ないと見ざるを得ない。
「探知機を見た限りでは数が一つ減ったとのことだ。おそらく無事と見て間違いない。しかし…」
「しかし?」
「例えば、もしチルノ一人が殺されて、他の者が生かされたまま連行されていたとしてもそれは分からないということだ」
そこが探知機の難点でもある。
敵味方の区別が出来ない。よって接触を図るという選択肢が狭まってしまうのだ。
「有り得なく…はないよな。だとすれば、戦力を減らす危険を限りなく減らした条件で、かつ残りのメンバーと
情報交換を行いモールに辿り着くことが必要になるか」
「分散して行えばスムーズに実行できるだろう。まず数人でモールに向かって、戦略を練る。そして残りの者がここに残り、
情報を伝えて同行する。こうすればある程度の効率化が図れる筈だ」
「出来るか?その残りのメンバーとの接触が一番難しいだろう。もし来た奴が咲夜かドナルドだった場合、情報を
守れるかが問題になる。何より、その場合――」
確実に、殺される。
そう想像するのは難くないことだった。
「私がやります」
言ったのは言葉だった。
「いいのか?」
「戦力を落とさないのなら残るのは私しかいないでしょう。モールに急ぐのなら私がいると遅れになりますし」
言葉を返す者はいない。
「その代わり――もし私が死んだら、誠君を生き返らせてくれますか?もし出来るのなら、ですけど」
「なんだ、誠って奴だけでいいのか?」
「え?」
タケモトの予想外の言葉に、彼女は一瞬戸惑った。
「あの内容からして、多分向こうにはそれだけの技術があると見た。人間を創り上げるくらいだからな。
お前を生き返らせることも可能だろうよ」
「本当、ですか」
「お前もあの動画観てただろ?なら、今更言う事は何もないな」
「――ありがとうございます」
「礼なんか言うなよ。まだ何も終わっちゃいないんだから」
そうして、タケモト達は色々準備を整えた後、言葉一人をデパートに残して平原を歩き始めた。
彼ら3人はプレミアム首輪改を装着し(改造途中の一個を早々に完了させて)、言葉には『2時まで待って誰も来なかったら
勝手にモールを目指せ』と伝えておいた。念のために最低限の荷物を持たせて。
「どのルートで向かう?」
「ときちくと同じルートが望ましい。敵に遭遇するリスクを回避するならばそれが一番だ。
山を越えてループして、A-4とA-5の境目を通ってモールに向かうぞ」
「追いついたらどうなるだろうな」
「さぁ。多分何事もなかったように協力するだけじゃないのか?」
半笑いでタケモトは応えた。
(藤崎が死んでも大した痛手じゃないし、状況的に切腹しろなんて言える場面じゃない。
それにどっちにせよ俺達はモールに向かわなけりゃならないし。しかも残りの戦力を
減らしたくないのなら下手には殺せない。何のメリットにもならないからな。
本当に上手く立ち回ってるよアイツ。藤崎を殺したのは果たして突発的だったのか?w)
ときちくの心中を察する事は出来ないが、前以上にシビアになっているのは確かだろう。
だとすればそれ以上に上手に出るしかない。生き残りを最優先にするならば。
「それにしてもタケモト。お前やけに言葉に優しくなったな。何でだ?」
「優しく見えるか?それなら本当に勘違いだ。考えてみろよ」
事実、先程タケモトが言葉に語った内容は想像でしかない。
というより、ときちくは例外だとタケモトははっきり理解した。
ときちくがああいう風に曲りなりとも蘇生出来たのは記憶と人格データをダウンロードされたからだ。
偽者を作るために本物から抽出した『本物』のときちくのデータを。
それに対し、あくまでも本物である自分達にそんなものがあるとは思えないとタケモトは感じた。
だから伊藤誠を生き返らせることも、言葉を生き返らせることもほぼ不可能だろう。
そしてそれは自分にも当て嵌まる、と彼は理解していた。
だからこそ生き残るために、言葉の気を変えないためにもっともらしい虚言で据え置いたのだ。
自らを危険に晒さないための策。小さなものではあるが、これで一つ前に進める。
どれだけ犠牲を払っても構わない。最後に生き残るのが自分ならば。
これが、最後のチャンスなのだから。
途中で降って来た雨に身を晒しながら、彼らは走る。
そうして2時をちょうど過ぎた頃。
タケモト達は誰とも出遭うことなく、モールの陰影が見える距離にまで辿り着いた。
【B-4 東部/2日目・午後】
【タケモト@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:精神疲労(中)、
[装備]:アイスソード@ちっこい咲夜さん、プレミアム首輪改
[道具]:[タケモトのデイバッグ]
支給品一式(水一食消費)、精密ドライバー@現実、野菜ジュース@ぽっぴっぽー、
ドアラの首輪、シルバーウルフ(12/12)、(予備弾188本)@フルメタル輪ゴム鉄砲、万葉丸(11/30)@零シリーズ
強姦パウダー@ニコニコRPG(4/9)、ブロントさんの首輪(真っ二つ)、
プレミアム首輪×1、小型位置音声偽装装置(現在オフ)×2、隠し部屋に関する説明
プレミアム首輪の設計図、工具、隠し部屋のカギ、三国志大戦カード(不明)@三国志大戦
モンスターボール(空)@いかなるバグにも動じずポケモン赤を実況、キモイルカのメモ
DMカードセット(天使のサイコロ、スタープラスター)@遊戯王シリーズ、ブレード@サイべリア
北条鉄平の首輪
[思考・状況]
1:A-4を通り、モールに向かう。
2:自分が生き残るために最善の行動を取る。
3:大連合は組まない、最低限の人数で行動。
4:規格外の者に対抗出来るように、ある程度の戦力が欲しい
※射命丸から首輪に関しての情報を得ました。
※会場のループを知りました。
※殺し合いの目的をショーだと推測しました。
※積極的な脱出は不可能と考えました。
【馬岱@呂布の復讐】
[状態]:精神疲労(中)、疲労(小)
[装備]:鍬@吉幾三、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦、プレミアム首輪改
包丁@会場内
[道具]:基本支給品×8(水、食料三食消費)、ヒテンミツルギ極意書@ニコニコRPG
張遼の書@ニコニコ歴史戦略ゲー、医療品一式
セーブに使って良い帽子@キャプテン翼、射影機(07式フィルム:28/30)@零~zero~
予備07式フィルム30枚、寝袋@現実、普通のDMカード数枚@現実
DMカードセット(スピード・ウォリアー、魔法の筒、ガーゴイル・パワード)@遊戯王シリーズ
折り畳み式自転車@現実、乾パン入り缶詰×3@現実
忍具セット(火薬玉、忘却玉)@忍道戒、不明支給品0~1
ねるねるね3種セット@ねるねるね、鏡(破損)@ドナルド、美希の私服
禁止エリア解除装置@オリジナル、リボン@FFシリーズ
てゐの木槌@東方project(破損)、防弾チョッキ@現実
上海人形@東方project、変化の杖@ドラゴンクエスト
[思考・状況]
[思考・状況]
1:A-4を通り、モールに向かう。
2:これからは生きるために戦う。
3:もっと武器が欲しい。
※参加者の多くの名前を見た覚えがあることに気が付きました。ニコ動関連の知識の制限は実況者達等に比べて緩いようです。
※徐々に記憶制限が解けてきた様です
※藤崎の荷物は馬岱が回収しました。上記通り支給品が幾つか破損しています。
【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
【状態】肉体疲労(中)、全身に擦り傷、切り傷
【装備】コルトパイソン(6/6、予備弾45)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング、越前の軍服、プレミアム首輪改
愛犬ロボット「てつ」@日本郵販テレホンショッピング
【持物】支給品一式(水、食料一食消費)
やる夫の首輪、ハイポーション@ハイポーション作ってみた、馬鹿の世界地図@バカ日本地図、全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ
咲夜のナイフ@東方project、さのすけ@さよなら絶望先生、基本医療品、至高のコッペパン×3@ニコニコRPG
タバコ一箱@メタルギアシリーズ
【思考・行動】
基本思考:情報を集める。
1:A-4を通り、モールに向かう。
2:自分から攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃したくない。
3:十六夜咲夜のような奴が居れば、仲間に誘った後、情報を聞き出した後倒す。
4:てつを使用し、偵察、囮に使う。
5:十六夜咲夜、ドナルドを警戒
6:これ以上仲間を死なせない
[備考]
※馬鹿の日本地図の裏に何か書いてあります。
【F-3 デパート/2日目・日中】
【桂言葉@SchoolDays】
[状態]:肩に刺し傷、疲労(中)、全身に痛み、空腹 全身に暴行の痕、ドナルドへの恐怖感、
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 レナの鉈@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]基本思考:誠君を生き返らせるために生き残る
1:デパートで残りのメンバーを待ち、情報を伝える。
2:午後2時までに誰も来なければ独りでモールに向かう。
※アニメ最終話後からの参戦です。
※第四回定時放送を聞き逃しました。
段々と間隔が開く血痕を追ってみると屋上に辿り着いた。
ドアは開きっぱなしだった。
(まさか上にいやしないだろうな……)
馬岱は恐る恐る入り口に近づき、ちょうど外の上にぶつかるように水の入ったボトルを放り投げた。
ゴッ、とコンクリートにぶつかったような音以外は、なにもなかった。
意を決して馬岱は屋上に飛び出た。けれど、誰もいない。
「……マジでか」
「けれど屋上には確実に来たようだが…となると自殺か?」
「えっ?」
「そんな人には見えませんでしたけど…」
「錯乱してたならそうとも限らないさ。それとも冷静になってしまって、死にたくなったのかもな」
馬岱は藤崎を殺した時のときちくの顔を思い出す。
耐えられない何かに耐えるような、悲痛な表情。
あの崩落を境に、彼は『変わって』しまった。
きっとその間に何かがあったのだろうが、馬岱には到底考えもつかなかった。
「別に真っ赤な花は咲いてないようだが。どこに消えたんだ?」
地面を見下ろしながらタケモトは呟く。
全くの不思議だ。屋上まで来た筈の人間が、忽然と消えている。
「無傷で地面に降りられるか?と言うか、そんな支給品があったか?」
「そんなのは……――いや、ある。あった」
タケモトははたと閃いた。
「ネイティオのテレポートを使ったんだ。そうすればデパートの玄関口に飛べる」
「じゃあおかしくはなっていなかったんですね。…なら、逃げていたのはあっちの方だったんですか」
「……戻るか?」
「是非も無いだろ。あっちが逃げていたのなら、こちらが優勢とも言えるわけだ」
用心深くするに超した事はない。
しかしタケモトにはどうもときちくの意図が、思考が読めなかった。
突然の事態による動揺もあっただろう。しかしそれ以上に理解が出来ない。
果たして相手が正気でいるのか、それとも狂っているのかも判別できない。
むしろ狂っているほうが凄まじい事をしでかしたりすることもあるのだ。
ときちくは、それに該当するのか。
2Fまで降りてきて、崩落の現場近くまで来た。
そこには息絶えた藤崎の死体とデイパックが放置されている。
(……恨むなよ藤崎。今回はもしかしたら俺が死んでいたかもしれないんだからな)
馬岱は心の中で言った。
藤崎は、言うなれば運が悪かったのだ。
守る守らないに関わらず、誰かが貧乏籤を引く羽目になっていた。
仲間からの裏切りなど、誰もあの場面では予想だにしていなかったのだから。
デイパックを回収する。
支給品の確認は後ですることにした。
「あの、スネークさん、でしたよね……。一体どこに…」
「死体が見当たらないから逃げおおせたのは確かだろうが、さてな」
かれこれ何処かからの爆発音からとっくに10分以上経っているが、誰も見当たらない。
まるでこの3人以外は姿を消してしまったかのような。
「不気味だな…。まあ、1Fに行くか」
そうして半ば崩れかけた階段を降り、エントランスに着いた。
これでデパートをほぼ1周したことになる。
「おいおい、どいつもこいつもどこに逝ったんだ?」
「ええ、どこに行ったんでしょうね」
「言い直すな。音じゃ分からないのに」
と、その時。
「タケモト!」
「っとおおおおおおお!!!?」
盛大に叫んだのは馬岱だ。
後ろからの声にびっくりしすぎてもんどり打っていた。
そして声をかけた主は。
「スネーク、無事だったのか」
「ああ、何とかな。そっちは大丈夫か?」
「こっちは……」
「藤崎の事だろう。知っている」
「そうか」
おそらくデパート内を捜索するうちに藤崎の死体を見つけたのだろう。
馬岱達は咄嗟にそう判断した。
「それと、ときちくの事もな」
空気が、一瞬張り詰めた。
「……遭ったのか?」
「ああ」
「それで?どうなったんですか」
「ついて来てくれ」
そう言うとスネークは廊下に向かった。
管理室や職員用の部屋があるところだ。
タケモトらもその後についていく。
そしてスネークは『事務室』と札がついた部屋の扉を開けた。
もしかしたらスネークはときちくを…と、そんな考えがタケモトらの頭を過ぎる。
殺していたならその時はその時だ。仕方ないとも言える。
言葉のように諦めているならともかく暴走して回る狂人に対しただ座して死を待つだけと言うのは有り得ないからだ。
しかし、釈然としない思いは残る。色々な疑問点。それはときちくの話を聴かないと解決できなさそうな気がしたから。
部屋の中で、何かが床に転がっていた。
生きているような感じはしない。まさか――。
と思ったが、それはときちくではなかった。
簡潔に表すなら、首と両腕の無いロボットだ。
「これがときちくとか言うオチじゃないよな」
「えっ?」
「いや、違う」
スネークはあっさり否定した。
「じゃあときちくは何処にいるんだ?お前、遭ったんだろ?」
「それは間違いない」
「じゃあ何なんだよ…」
言葉はその会話の間に、部屋を見回した。
この部屋はあまり被害を受けていないようだ。
電気系統も無事で、大きなデスクの上にパソコンが数台ある。
唯一つ壊れていたのは、この部屋に一つだけあった監視カメラだった。
いや、壊れていると言うよりは意図的に斬り落とされた、というほうが正しいか。
「タケモト、アレを付けてくれるか?」
「? ああ…」
タケモトは所持していた音声偽装装置のスイッチを入れる。
これで彼らの会話は一切漏れることは無い。
「とりあえずこいつを見てくれ。話はそれからだ」
スネークは、起動させてあった一台のパソコンを操作する。
よく見ると、そのパソコンとロボットはケーブルで繋がれていた。
それを見てタケモトは理解した。これからスネークが見せるのは情報だ。
その情報が、今回の解決に直結すると。
「パスワードは無かったのか?」
「ああ。おそらく読まれることを予期していなかったんだろう」
スネークはWMPを開き、動画を再生した。
映像がそのまま流れる。誰かの視点のようだ。
その場のスネーク以外の全員がそれを食い入るように見つめていた。
それに対し、映像は単調なものだ。
薄暗い、黒色の空間。
背景には何かドラム缶のようなものが整然と並び、さらに巨大な機械が幾つか配備されている。
それら多くの物体を収容しながら、その空間はそれよりも広かった。
ゆうに100m以上はあるに違いない。
そして何やら機械的な声が流れ続けた。
その内容の意味はあまり分からないが、おそらくこの視点の主…今床に横たわっている機械のものだろうと判別できた。
視点はやがてドアの前で止まった。おそらくエレベーターと推測される。
キーに何かが差し込まれて、しばらくするとドアが開いた。
そしてそのまま中に進む。そこでまた止まり、壁にずらりと並んだボタンの内の一つが押された。
その数十秒後、スライド式のドアが開く。
ひらけた視界は何処かの建物の内部を映していた。
映像はそのまま続き、少し焼け跡のような場所を通り過ぎてから、ようやく外に出た。
そこでスネークは映像をスクロールさせた。
「おい、何をするんだ」
「ここら辺はずっと歩くだけだ。少し飛ばすぞ」
「今の場所…どこだ?」
「エレベーターがある建物の中っていったら限られますよね」
「多分……モールだな」
間違いない答えだと確信してタケモトは言った。
まず、エレベーターの存在が確認されているのはオフィスビル、病院、モール、デパートの4つだ。
今までの参加者達から集めた情報でそれは判明している。
そして出口(もとい入り口)の風景からオフィスビルとデパートは却下。
オフィスビルの前には森が広がっており、また、デパートのエレベーターは稼動していない。
そして、焼け跡があると思われるのはモールだ。べジータの証言からそれは認知済み。
よってこのエレベーターはモールにあるものとほぼ断定できる。
「その答えはときちくも俺も出した。雄山が何かモールのことで言っていたのを思い出したのが決め手になってな」
言葉が何か訊こうとしたが、タケモトはそれを制した。
周知の事実を確認する暇は無い。おそらく、答えは予想通りだろうから。
「出たところでドナルドが映っていたが、今それは関係ない」
さらに、飛び飛びの映像は果てしなく草原を映す。
そうして映像は1時間以上ぶっ飛ばされ、再び再生されたのはデパートを見下ろす映像だった。
そのままデパートの壁面まで近づき。窓を足がかりにして2階の、壁が壊れた部分に侵入する。
そして階段を一つ上り、一点で立ち止まった。
その後すぐに爆発。辺りが煙で覆われる。
しかし視界の主は迷うことなく一人の人間を掴み取った。
それは、ときちくだった。
「――――――」
大体が理解できた。
おそらくこのロボットは運営の奴らが操作しているものだ、と。
それにときちくが捕まった。ここで幾つかの疑問が解消される。
だが、この先を見なければ完全な理解には至らないだろう。
スネークはここでまた、映像を止めた。
「おい」
「今からの映像は、これからすることを考えれば要らない、とあいつは言っていた」
「……観て欲しくない、ってことか?」
「観てやるべきだろ。観るなと言われたら観たくなるのが真情だ。つーか隠されても困る」
暴走した理由を知る権利がある。
あいつが生きているのなら、必要になるだろうから。
「じゃあ、始めるぞ」
そうして、映像が流された。
ときちくに対し、事実のみを告げる声。
偽りの存在。救われない結末。
渡された銃。けれど受け取らないときちく。
そして最後通告の後、視界はときちくから逸れ、通路の奥に消えた。
曲がり角で立ち止まり、音だけが拾われる。
《お、無事やったか。いったいにどこに……って、その耳、どうしたんや!?》
《……。見えないまま走りまわってたらぶつけちまったんだよ》
《打撲傷というより、抉られたような傷だな》
《ああ……あれだ。ぶつけた場所が、尖ってたからな。そっちこそスネークはどうしたんだ?》
《とりあえずお前を探す際なら身軽な方がよさそうだし、寝かしてきたが……》
この場面は馬岱も知っている。
思い返せば、あの時点でときちくはどこかおかしかった。
成程当然だ。死刑宣告に等しい一撃を与えられて、おおよそ平常で居られるはずが無い。
それでも左上の話に乗らなかったのは、その時はときちく以外そのことを知らなかったからだろう。
(誰も知らなければやり過ごせる、……と、思ったんだろうな)
《ゆっ! ゆっ! 大変だよ! ゆっくりしてる場合じゃないよ!》
《そいつ、さっきまで変な奴と》
《っ!》
そこから、惨劇が始まった。
激しい銃の乱射音。そして一人が倒れる音。
《何のつもりだ!? なんで撃った!》
ここで音は急速に小さくなった。
成功したのを確認し、後は立ち去るだけだったからだ。
そうしてデパートの反対側に移動する。
映像は残り10分もなかった。
背後から近づいたゆっくりを殺害し、スネークと遭遇。
さらにスネークから逃れ、デパートの裏に来て会場の境目に向かった時。
再度ときちくが現れた。
その数十秒後、映像は真っ暗になってすぐに停止した。
しばし無言の一同。
最初に口を開いたのはタケモトだった。
「まあ、だとしても俺達がやることに変わりはない。新しい手がかりが見つかったのはかなり幸運だ」
「時間的にはあと11時間かそこらか……果たして成功すると思うか?」
「ここまで来たらそんな確率なんて度外視だ。勿論策は立てるけどな。残り時間を死ぬために退屈に過ごすのは馬鹿らしいだろ?」
「そうだな。どの道俺達には、出来る事しか出来ないのだから」
各々が荷物を整理して担ぎ上げる。そんな中、
「あの…」
「なんだ言葉」
「ときちく……さんのことはどうするんですか?」
全員が恣意的に放っておこうとした問題を、彼女は口にした。
彼女自身も憚られたが、残しておくのは気持ち悪かったらしい。
馬岱は少し迷って言った。
「……どうだろうな。当人が離れたんなら、俺には何も言う事がない。生かしておくのは甘いんだろうけど
戦力を一つ減らすだけになりかねない。殺す事が利益とは言いがたいな」
「あいつに対しては理解もしてやらないし同情も出来ない。『見せるな』と言ったんだったらあいつの方も理解して
もらいたくなかったんだろう。まあ、俺があの立場だったらぞっとするね。今後は別行動で構わないだろ?スネーク」
「そうだな。ときちくが俺達といる事を望まないのなら無理強いはしない。目的が同じなら協力も出来るだろう。ただ」
「ただ?」
「もし今度武器を向けるそぶりを見せたら、その時は躊躇なく始末する」
「……まあそれでも甘いんだろうがな。とばっちりを受けた藤崎は不幸だが、こんな状況でなければ殺してるのは間違いない」
人を殺したと言う点については、このメンバーはあまり糾弾できない。
そもそもタケモトは一人殺しているし、スネークも正当防衛であるとはいえ殺害している。
馬岱は端から殺る気満々だったし、言葉もそうだった。
それに目的を同じとして、尚且つ自身に牙を向けてこないのなら責める理由は薄れる。
信用できないのは間違いないが。
だからこそ、ときちくは単独行動を選んだのだろう。
自分がいては和が乱れる。そう思ったからこそ、単身で動いたのだ。
身勝手な考えだし、許されるものではない。しかし責めたところで現状は好転しない。
一般的な良識を持った者にとっては困りものだが、生憎それに重きを置くものはこの場所にはいなかった。
「まあ、そう言うことなら考えないといけない。現状が危ういことを考慮しないとな」
「チルノ達が帰ってきていないのが問題だな……」
既に放送から50分以上経過している。
放送の内容を鑑みれば連絡を一人くらいよこすか、または急ぐのが常の筈。
それなのに誰も帰還しないという事態はかなり危険だ。
チルノのグループとべジータのグループ、そのどちらもが厄介ごとに巻き込まれたと推測されるからだ。
どちらかは帰ってきていないとおかしい時間。これ以上待ってもメリットは少ないと見ざるを得ない。
「探知機を見た限りでは数が一つ減ったとのことだ。おそらく無事と見て間違いない。しかし…」
「しかし?」
「例えば、もしチルノ一人が殺されて、他の者が生かされたまま連行されていたとしてもそれは分からないということだ」
そこが探知機の難点でもある。
敵味方の区別が出来ない。よって接触を図るという選択肢が狭まってしまうのだ。
「有り得なく…はないよな。だとすれば、戦力を減らす危険を限りなく減らした条件で、かつ残りのメンバーと
情報交換を行いモールに辿り着くことが必要になるか」
「分散して行えばスムーズに実行できるだろう。まず数人でモールに向かって、戦略を練る。そして残りの者がここに残り、
情報を伝えて同行する。こうすればある程度の効率化が図れる筈だ」
「出来るか?その残りのメンバーとの接触が一番難しいだろう。もし来た奴が咲夜かドナルドだった場合、情報を
守れるかが問題になる。何より、その場合――」
確実に、殺される。
そう想像するのは難くないことだった。
「私がやります」
言ったのは言葉だった。
「いいのか?」
「戦力を落とさないのなら残るのは私しかいないでしょう。モールに急ぐのなら私がいると遅れになりますし」
言葉を返す者はいない。
「その代わり――もし私が死んだら、誠君を生き返らせてくれますか?もし出来るのなら、ですけど」
「なんだ、誠って奴だけでいいのか?」
「え?」
タケモトの予想外の言葉に、彼女は一瞬戸惑った。
「あの内容からして、多分向こうにはそれだけの技術があると見た。人間を創り上げるくらいだからな。
お前を生き返らせることも可能だろうよ」
「本当、ですか」
「お前もあの動画観てただろ?なら、今更言う事は何もないな」
「――ありがとうございます」
「礼なんか言うなよ。まだ何も終わっちゃいないんだから」
そうして、タケモト達は色々準備を整えた後、言葉一人をデパートに残して平原を歩き始めた。
彼ら3人はプレミアム首輪改を装着し(改造途中の一個を早々に完了させて)、言葉には『2時まで待って誰も来なかったら
勝手にモールを目指せ』と伝えておいた。念のために最低限の荷物を持たせて。
「どのルートで向かう?」
「ときちくと同じルートが望ましい。敵に遭遇するリスクを回避するならばそれが一番だ。
山を越えてループして、A-4とA-5の境目を通ってモールに向かうぞ」
「追いついたらどうなるだろうな」
「さぁ。多分何事もなかったように協力するだけじゃないのか?」
半笑いでタケモトは応えた。
(藤崎が死んでも大した痛手じゃないし、状況的に切腹しろなんて言える場面じゃない。
それにどっちにせよ俺達はモールに向かわなけりゃならないし。しかも残りの戦力を
減らしたくないのなら下手には殺せない。何のメリットにもならないからな。
本当に上手く立ち回ってるよアイツ。藤崎を殺したのは果たして突発的だったのか?w)
ときちくの心中を察する事は出来ないが、前以上にシビアになっているのは確かだろう。
だとすればそれ以上に上手に出るしかない。生き残りを最優先にするならば。
「それにしてもタケモト。お前やけに言葉に優しくなったな。何でだ?」
「優しく見えるか?それなら本当に勘違いだ。考えてみろよ」
事実、先程タケモトが言葉に語った内容は想像でしかない。
というより、ときちくは例外だとタケモトははっきり理解した。
ときちくがああいう風に曲りなりとも蘇生出来たのは記憶と人格データをダウンロードされたからだ。
偽者を作るために本物から抽出した『本物』のときちくのデータを。
それに対し、あくまでも本物である自分達にそんなものがあるとは思えないとタケモトは感じた。
だから伊藤誠を生き返らせることも、言葉を生き返らせることもほぼ不可能だろう。
そしてそれは自分にも当て嵌まる、と彼は理解していた。
だからこそ生き残るために、言葉の気を変えないためにもっともらしい虚言で据え置いたのだ。
自らを危険に晒さないための策。小さなものではあるが、これで一つ前に進める。
どれだけ犠牲を払っても構わない。最後に生き残るのが自分ならば。
これが、最後のチャンスなのだから。
途中で降って来た雨に身を晒しながら、彼らは走る。
そうして2時をちょうど過ぎた頃。
タケモト達は誰とも出遭うことなく、モールの陰影が見える距離にまで辿り着いた。
【B-4 東部/2日目・午後】
【タケモト@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:精神疲労(中)、
[装備]:アイスソード@ちっこい咲夜さん、プレミアム首輪改
[道具]:[タケモトのデイバッグ]
支給品一式(水一食消費)、精密ドライバー@現実、野菜ジュース@ぽっぴっぽー、
ドアラの首輪、シルバーウルフ(12/12)、(予備弾188本)@フルメタル輪ゴム鉄砲、万葉丸(11/30)@零シリーズ
強姦パウダー@ニコニコRPG(4/9)、ブロントさんの首輪(真っ二つ)、
プレミアム首輪×1、小型位置音声偽装装置(現在オフ)×2、隠し部屋に関する説明
プレミアム首輪の設計図、工具、隠し部屋のカギ、三国志大戦カード(不明)@三国志大戦
モンスターボール(空)@いかなるバグにも動じずポケモン赤を実況、キモイルカのメモ
DMカードセット(天使のサイコロ、スタープラスター)@遊戯王シリーズ、ブレード@サイべリア
北条鉄平の首輪
[思考・状況]
1:A-4を通り、モールに向かう。
2:自分が生き残るために最善の行動を取る。
3:大連合は組まない、最低限の人数で行動。
4:規格外の者に対抗出来るように、ある程度の戦力が欲しい
※射命丸から首輪に関しての情報を得ました。
※会場のループを知りました。
※殺し合いの目的をショーだと推測しました。
※積極的な脱出は不可能と考えました。
【馬岱@呂布の復讐】
[状態]:精神疲労(中)、疲労(小)
[装備]:鍬@吉幾三、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦、プレミアム首輪改
包丁@会場内
[道具]:基本支給品×8(水、食料三食消費)、ヒテンミツルギ極意書@ニコニコRPG
張遼の書@ニコニコ歴史戦略ゲー、医療品一式
セーブに使って良い帽子@キャプテン翼、射影機(07式フィルム:28/30)@零~zero~
予備07式フィルム30枚、寝袋@現実、普通のDMカード数枚@現実
DMカードセット(スピード・ウォリアー、魔法の筒、ガーゴイル・パワード)@遊戯王シリーズ
折り畳み式自転車@現実、乾パン入り缶詰×3@現実
忍具セット(火薬玉、忘却玉)@忍道戒、不明支給品0~1
ねるねるね3種セット@ねるねるね、鏡(破損)@ドナルド、美希の私服
禁止エリア解除装置@オリジナル、リボン@FFシリーズ
てゐの木槌@東方project(破損)、防弾チョッキ@現実
上海人形@東方project、変化の杖@ドラゴンクエスト
[思考・状況]
[思考・状況]
1:A-4を通り、モールに向かう。
2:これからは生きるために戦う。
3:もっと武器が欲しい。
※参加者の多くの名前を見た覚えがあることに気が付きました。ニコ動関連の知識の制限は実況者達等に比べて緩いようです。
※徐々に記憶制限が解けてきた様です
※藤崎の荷物は馬岱が回収しました。上記通り支給品が幾つか破損しています。
【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
【状態】肉体疲労(中)、全身に擦り傷、切り傷
【装備】コルトパイソン(6/6、予備弾45)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング、越前の軍服、プレミアム首輪改
愛犬ロボット「てつ」@日本郵販テレホンショッピング
【持物】支給品一式(水、食料一食消費)
やる夫の首輪、ハイポーション@ハイポーション作ってみた、馬鹿の世界地図@バカ日本地図、全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ
咲夜のナイフ@東方project、さのすけ@さよなら絶望先生、基本医療品、至高のコッペパン×3@ニコニコRPG
タバコ一箱@メタルギアシリーズ
【思考・行動】
基本思考:情報を集める。
1:A-4を通り、モールに向かう。
2:自分から攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃したくない。
3:十六夜咲夜のような奴が居れば、仲間に誘った後、情報を聞き出した後倒す。
4:てつを使用し、偵察、囮に使う。
5:十六夜咲夜、ドナルドを警戒
6:これ以上仲間を死なせない
[備考]
※馬鹿の日本地図の裏に何か書いてあります。
【F-3 デパート/2日目・日中】
【桂言葉@SchoolDays】
[状態]:肩に刺し傷、疲労(中)、全身に痛み、空腹 全身に暴行の痕、ドナルドへの恐怖感、
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 レナの鉈@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]基本思考:誠君を生き返らせるために生き残る
1:デパートで残りのメンバーを待ち、情報を伝える。
2:午後2時までに誰も来なければ独りでモールに向かう。
※アニメ最終話後からの参戦です。
※第四回定時放送を聞き逃しました。
sm247:All Fiction | 時系列順 | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | 投下順 | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | タケモト | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | 馬岱 | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | ソリッド・スネーク | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | 桂言葉 | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | ときちく | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | 十六夜咲夜 | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | 右上 | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | 左上 | sm247:All Fiction Ⅲ |
sm247:All Fiction | 運営長 | sm247:All Fiction Ⅲ |