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歪んだ狂気 -DistortedPain- ◆F.EmGSxYug


(登録タグ) 支援伝説アカギ 最終鬼畜


「お、おい!?」

アカギが川へ飛び込んでいくのを見て、さすがに新堂は仰天した。
新堂がアカギから言われていたのは『銃で撃つ』ことに関連したことだけだ。
そんなことをするとは聞いていない……もっとも、聞きようがなかっただろう。
何せ、アカギはこれを途中から思いついたのだから。
慌てて新堂は自転車を漕ぎ、川岸まで寄せた。

――バイクに乗っているアカギを走って追う、というのはいくらなんでも無茶があった。
故にアカギは映画館の駐輪場に置いてあった自転車に乗るよう、新堂に指示していた。
掛かっていた鍵はクリムゾンで撃って破壊してある。こんな場だ、窃盗罪を気にする必要はない。

川の様子を見る。
アカギは……なんとか泳いでいる。対岸目指して腕と足を動かしている。
新堂が足元を見ると、カードが一枚落ちている。アカギが落としていった『くず鉄のかかし』だ。

「これがあいつの言ってたカードだな。よし、試してみるか……
 くず鉄のかかし! ……おい、出てこないぞ。どうやって使うんだ?」

使用制限を知らない新堂はしばらくそれをいじっていたが、
結局気付かずにぶつくさと文句をいいながらしまいこみ、視点を川へと戻した。
一応アカギには「協力関係はこの戦いのみであり、終わったら別れる」ということを言われている。
とはいえ、新堂にとってはやっと出会えた二人目の人間だ。
見捨てていいのかどうか迷っている間に、ふとあるものが目に止まる。

「……あいつ!」

それを見て――新堂は思わず、自転車に飛び乗った。



「は……っ」

息を吐きながらも、左腕に力を入れて体を引っ張り上げる。
俺はなんとか川岸に上がっていた。バイク以外に喪失した道具はない……
いや、くず鉄のかかしを回収し損ねたか。仕舞う余裕が無かったのだから当然だが。
ちなみに川を泳ぐのは別に手品を使ったわけじゃない、普通に体と運を使っただけだ。
この手の脱出は以前にも経験済み。俺にとって、不安に思う必要はない事象。
……とはいえ。

「少しばかり、疲れたな……」

服を着て、体に傷がある状態での水泳は相当な負担となる。
飛び込んだ後、自分の姿勢を整えることで精一杯だった。
ましてや必死に浮き上がろうともがき流されているヤツを、
水中に押し込んでいる余裕などなかった。
そんなことをしていれば、俺も沈んでいただろう。

「洞窟があるな……対岸へ渡れた……
 いや、流された、という方が正しいか……」

なんとか無事だった地図を見る。
俺が飛び込んだのは川が蛇行し、流れが変化する辺りに当たる。
流れが緩やかになりながらも残り、代わりに川底が深くなっている場所。
中流域、川の曲がっているところによく見られる、いわゆる「淵」というやつだ。
とはいえ山が近いからか、淵とはいえあの周辺の流れは予想以上に速かった。
その状況下で流れに逆らえば無駄に体力を消耗するだけ。
ましてや誤って淵を出てしまえば、すぐに流れの速い「瀬」が待ち受けている。
近い岸――飛び込んだ場所――に無理に上がろうとせず、
流れに乗って「淵」に留まりつつ対岸へ向かうのがあの状況では最上。
ふぅ、と息を吐く。飛び込んだ場所を選んだとはいえそれなりに疲労したし、心地よい疲労ではない。
結局ヤツは、その狂気を隠したまま水中へ消えた。

「……無理に狂気を隠すくらいなら、死ねばいい」

思わず、嘯く。俺はヤツから感じた狂気に期待していた。
もともと、俺が新堂に話を持ちかけたのは大した理由じゃない。
二人組と一人に別れた参加者。殺すために追うなら当然、いわゆる「理」の上でも一人のほうだ。
だが俺が一人のほうを追ったのは、それだけの自信がある参加者だと判断したため。
敢えて二人組に同行せず一人で歩く以上は、腕に相当な自信があるはずと予測した。
だからこそヤツを身を隠しながら追っていたら、同じようにヤツを追う者に気付いただけの話。
新堂からも狂気に近いものを感じたが、おそらくアレは借り物。狂気を自分のものと出来ていない。
故に新堂に戦いは挑まず予定通りの相手に挑んだところ……それは予想以上の相手だと感じた。
ヤツは俺と同じ、本当の狂気を持つものだと感じた。
だからこそ興奮したのだが――それは誤りだったらしい。結局、それを露呈させずに死んだのだから。

(死ねっ……! 溺れ死ねっ……! 狂気を堪えて生きようとするくらいなら死ねっ……!
 死ぬことが幸福だっ……! 死ね、異端者っ……!
 深海魚が川や陸で暮らそうとしても、生きる術はない……!
 大人しく狂気と言う名の深海で生きる……それしか手はないっ……!!!)

そう思考しながら、レイガンを川に撃ち込む。目に見えない何かを、溺れさせるかのように。
そこにはもう、誰もいない。疑いようもなく、ヤツは興醒めだった。
普段はアクセル全開だったのに、最近踏み慣れないブレーキを使い始めたかのような無様。
俺と同じ奴はそういないということか。まぁいい。終わった賭けより、次のことだ。
対岸に新堂の姿はない。当然だろう。お互い同じ認識だ。
もともと新堂とのコンビは今回限り、これからどうなるかを気にする必要はない。
残っていたドリンクを飲む。擦り傷と胸の痛みは消え、右肩の痛みは和らいだ。
そのまま、俺は歩き出す。傷が癒えても疲労は回復していない。
カードの使用制限を考えてもここはどこか物陰に隠れ、休んだほうがいいだろう。


俺はたとえ勝つにしろ、負けるにしろ、
赤木しげるとして勝ち、負けたい。
俺に宿る歪みもまた、俺自身。俺は偏っている……それもまた、俺の誇り。
それを切り捨てるなど、存在意義の放棄も同じなのだ。


【E-2 洞窟前/一日目・午前】
【赤木しげる@闘牌伝説アカギ 闇に舞い下りた天才】
[状態]:右肩にダメージ(小)、ユベルに興味、ずぶ濡れ、疲労大
[装備]:レイガン(12/16)@スマブラX
[道具]:支給品一式、DMカードセット(スピード・ウォリアー、魔法の筒)@遊戯王シリーズ
   写真の束@心霊写真にドナルドらしきものが
   ヤンデレ妹の包丁@ヤンデレの妹に愛されて夜も眠れないCDシリーズ
[思考・状況]
1:ともかく今は休憩する。
2:愛……そういう賭けも悪くない。
3:キョン子(名前は知らない)ハク(名前は知らない)アレックス(名前は知らない)も
  いずれ…
4:殺し合いに乗り、狂気の沙汰を楽しむ
5:もし優勝したら主催者と命を賭けた勝負をする
[備考]
スピード・ウォリアーが再使用出来るのは8時間後、
魔法の筒が使用できるのは12時間後。

【レイガン@スマブラX】
登場するアイテムの一つ。弾数16発。
子供だろうと電気ネズミだろうと剣と魔法の世界の住人だろうと誰でも使える扱いやすい銃。
ただしダメージは弱攻撃よりちょっと強い程度。


それは容易く見つかった。
先回りして監視していたかいがあったというものだろう。

「……しぶとい奴だな」

自転車を橋の側まで全速力で漕いだ新堂は、思わず呟いていた。
その視界にあるのは、デイパックも剣も捨て去ったフランが、
橋の近くの河原に打ち上げられているところ。
必死に体を軽くしようと、衣服以外の全てを捨てたのだろう。

新堂が数十分ほど前に目にしたものは、流されながら必死に浮かび上がろうとするフランの姿だった。
山の中より川幅が広くなっている分、この一帯の流れはやや緩やかになっている。
それでもアカギが振り返らずに泳がなくてはならない程度の勢いはあるが……
まさかと思い橋まで移動して待ち伏せして川を見張っていた結果、
新堂はかろうじて陸に上がるフランを発見したのだ。

「……沈まずに浮かんで流されているから、助かるかもなとは思ってたけどな」

銃を構え、警戒しながら橋から河原へと下りる新堂。
打ち上げられずに流されるままだったら、橋の上からクリムゾンを撃つつもりだったが……
今のフランに動く様子はない。「死んでいるのか?」そう呟きながら、距離を僅かに詰める。
体は灰になっていない。フランが吸血鬼だというのは、新堂にも聞こえていた。
どうやら橋が影になって、日光を遮っているらしい。

「なんとか浮かべただけで、結局溺れたらしいな。
 それでも陸に上がれるなんて、運のいい奴だ」

銃を構えながら、ジリジリと近づいていく。流れる冷や汗。
今のところ、新堂はまともに銃を当てられていない。素人なのだから当然だが。
その彼が当てるには、接近するしかない。子供でも分かる当然の理屈だ。
慎重に接近する。距離は20mを切った。
ガン、という音。
新堂がクリムゾンの弾丸をフランに撃ち込んだのだ。
当たったのは左肩。心臓を狙ったが、外れてしまった。
ビクン、とフランの体が揺れる。激しく咳き込んで、水を身体から吐き出し始める。
だが、それだけ。立ちもしなければ喋りもせず、こちらを向くことさえできていない。
それを見て、新堂は笑った。

「……まだ生きてやがったのか」

明らかに無防備。どう見ても弱者。起き上がることしか出来ていない。
そんな相手に怯えるほど、新堂は臆病者では無かった。
フランの体格は子供だから、余計そう感じたのだろう。

(これで俺は吸血鬼を退治できる。クリムゾンがあれば、あの豹男だってなんとかなるかもな。
 放送を聞く限りみさおもまだ無事らしい)

狂気と言う名のアクセルが踏み始められる。
ジリジリとした日光を背に、その腕がクリムゾンを再び構えた。

――結論から言えば。
――新堂は、アクセルを掛けるのが致命的に遅すぎた。

「あばよ、吸血鬼」

呟きながら、残忍な笑みを浮かべて新堂はクリムゾンの引き金を引こうとして……
フランが撃った弾によって、その頭をトマトのように弾き飛ばされていた。



頭のなくなった人間のカラダを引きずって、橋の影へ入り込む。
死ぬかと思った。本当に苦しかった。
必死に水から上がっても、大人しく飲み込んだ水を吐いてる余裕なんてなかった。
日光が私の身体を焼いて。自分だけが痛いのは、苦しいのは、本当にイヤだった。

それでも、なんとか光の届かないところへ逃げ込んで、こいつを返り討ちにしてやったとき。
痛みを、苦しみを、こいつに与えてやったとき。それは本当に、楽しかった。
ああ――なんで気付かなかったのか。

これ以上に楽しいことなんて、ない。

「ハァ、ハァ、ハァ……ハ、アハ、ハ」

びしょびしょになった体で倒れこみながら、笑い出す。水を吐きながら。
そう。歪みある生き方。これが私にとって、一番楽しいこと。
ラガナーがどんな遊びを知ってたのかは知らないし、分からない。だってラガナーはもういない。
だけど、アイツが言っていた『歪みある生き方』。
それが私の今までやってきたことで、それを私は今まで楽しいと思ってた。
だから、もういい。
手に入るかどうか分からない遊びのたびに我慢して知ってる遊びをしないだなんて、バカげてる。
だいたい、ラガナー自身が言っていたじゃないか。

――『歪みある生き方』と『歪みねぇ生き方』……どっちが楽しいかが、さ。

そう言ってたとおり……よくわかったよラガナー。
やっぱり、歪みある生き方の方が楽しい。
今までずっと楽しいと思っていたことを否定することなんて、やっぱりできはしない。
だってそれは、間違いなく私の一部なんだから。

――フランドール様がこの殺し合いに乗っているものかと……そう。

そう。私はそういうやつで、他のみんなからもそう思われていた。
それが私の本性で、私はそういう吸血鬼。
だからそれが当たり前で、それが私と言う存在。
そういう存在だと分かった上で、魔理沙は遊びに来てくれる。だから。

美鈴も、本当に私のことを愛しているなら。
そんな私だって、愛してくれるよね?

仮面を外して、殺した相手の血を吸う。あっさり終わった。これ以上なくおいしく感じた。
まだ残ってる水でむせて少し吐いたのは、もったいなかったけど。
もったいないと言えば……殺した人間のデイパックと持ち物を引き寄せる。
ディムロスは落としちゃったけど、いいや。どうせ碌なこと言わないんだし。
私は私の好きにやる。死ぬのはイヤ。自分だけ痛いのはイヤ。一人だけ苦しいのはイヤ。
楽しいほうが、絶対にいい。

「あ   は  は   は   は   は  は
  は  は     は   は  は      は」

だから、もう。
我慢しない。

【E-2 橋の下の河原・東側/一日目・午前】
【フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】:全身に怪我 (再生中。少し良くなった)、疲労(大)、びしょぬれ、
   左肩に銃痕、左手喪失、左腕が一部灰化、溺れたことによる酸素欠乏(すぐ直ります)
【装備】:ゼロの衣装セット@コードギアス
【持物】:基本支給品一式、クリムゾン(弾数3/6、予備弾24/36)@デスクリムゾン、
 くず鉄のかかし@遊戯王シリーズ
【思考】歪みある生き方=今まで通りの自分の生き方をする。
1、とりあえず休む
2、見敵必殺
※「ゼロの衣装セット」を着ているため、朝でも活動できます。翼は服の中なので飛べない。
 但し袖が焼けてしまっている左腕は日光に晒されています。
※美鈴達と情報交換をしました。
※ゼロの服以外のフランの所持品、及びジャギ様のバイクは全て川に沈みました。
※くず鉄のかかしが使用できるのは12時間後ですが、フランはそれを知りません。

【新堂誠@学校であった怖い話 死亡】



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