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◆◆◆



「はぁっ……はぁっ……」

ときちくの攻撃を逃れた言葉は、息も切れ切れに塚モールの別棟に辿り着いていた。
あの格納庫に繋がる建物から最も遠い場所だ。遮蔽物も同じくらい多い。
やがて彼女は足を止め、柱の影に座り込んだ。


「追って……きませんね」

『そうだね。向こう側に何かあったと見るのが一番かな』

人の姿は言葉以外にはない。
しかしもう一人の声の主が、その場には存在した。
ユベルだ。

「だとしてもあまり長居はできませんよ」

ときちくの銃撃を避けるためトイレに逃れたあの時、彼女達はある決断をしていた。
ユベルの媒体であったキョン子の身体は足の腱をナイフで刺されてとても歩ける状況ではなかった。
武器もあるにはあるが、危機を脱し、かつ目的を遂げるにはそれでは不充分だった。

あの場で『ユベル』を召喚していれば、彼ら2人を殺害する事も出来ただろう。
しかしその後が問題だった。そこを乗り切ったとしても次はメタナイトがいる。
結果的には関わってこなかったものの、彼に対し即座に対抗できるのが言葉だけというのはいささかリスクが高かった。
楽観的に見ればあらゆる好機が想定できる。しかしそれが全て上手くいくかと言えば別だ。
ifについては記するまでもない。それを打ち消すifもまた、限りない可能性があるからだ。

故に彼女達が決断したのは(と言っても提案したのはユベルだが)キョン子の身体を捨て、盾に使うというものだった。
一度支配した身体を捨てるのは聊か勿体無いとも思えたが、そんな場合ではないとユベルは思った。
目的を遂げるならば犠牲にしなければならない事もある。

『ユベル』は云わば切り札だ。
それこそ運が良ければ参加者の誰もを倒し得る可能性を持っている。
その切り札を、あそこで使うわけにはいなかった。
現状でおおよそ強者と呼べるのはメタナイトとチルノと十六夜咲夜。
人間の領域を超えているこの3人は、言葉達ではどうあっても対抗しきれない存在だ。
相性としては後者ほど打倒の可能性が低いとユベルは目算で見積もっていた。
その他の参加者は隙さえ突けば倒せる、との考えだった。
だからこそ予めユベルは計画していた。

グラハムを殺しておけば戦闘機に乗る事になるのは消去法でスネークしかいない。
そこでまずスネークを分断できる。彼に関しては心の闇を集めるのは諦めた。
勝手に運営の本拠地にでも向かって自滅すればいい。
ここで一人分断できる。

さらに魔導アーマーで時間短縮を行うこともあるだろうから
そこに誰かが添乗することでまた一人を分断できる。
この一人は帰ってくるだろうが問題はない。
ユベルの目的は各個撃破にあった。

一人一人を静かに殺害していく。
複数人を同時に倒すのは彼女達にとっては至難の業だ。
実際、メタナイトと別れて馬岱を殺すところまでは上手くいった。
そこから先が、全くの失敗だったのだが。

一つはときちくの襲来に気づけなかったこと。
これは仕方ない。今まで誰もその能力を出し抜いたことは無かったのだから。
しかしもう一つのミスは、ユベル自身の認識に拠るものだった。
ユベルは確かに支給品としてはフリーダムな意思を持っているが、だからと言って彼に課せられたルールまでもが
有り様を変えられているわけではないのだ。いくらキョン子の身体を乗っ取っていたとしても、『召喚』される
事無しにユベルの能力は完全に発揮出来ない。
気づいたのはまさしくときちくに撃たれたその瞬間。
先入観とは恐ろしいもので、自分が確信しているなら確かめることなど全くと言っていいほど無い。
運営がユベルにかけた縛りは、まだしぶとく妨げになっていたのだ。




ともかく比較的健常である言葉さえ生かしておけば、あとはどうとでも立ち回れる。
今後は逃げ切りながらの死体探しということになるだろう。
そもそも各個撃破ではあるが全員撃破は端から考えていないので、まだ予定の範囲内とも言えた。

『休めたかい?』

「ええ……」

ユベルにとって現状は不服以外の何物でもなかった。
地道に積み上げた計画は頓挫こそしていないものの上手くいっていない。
妥協は仕方ないと思いつつも、これからの結末にはやや不満が残る事になるだろう。
しかし目的を遂げられるのは同じ。あとはゆっくりと言葉の身体を乗っ取りさえすればいい。

『じゃあ図書館にでも行こうか。あそこなら今は誰もいないに違いない』

コクリ、と言葉は無言で頷き立ち上がり、


「ぁ」


倒れた。


『(え……?)』

ユベルは驚きで声が出なかった。
何が起こったのかさっぱり分からない。
言葉は一切ダメージを負っていなかったし、ユベル自身も何かをしたわけではなかったからだ。
状況を確認するために、ユベルは半透明の身体を顕した。
そして見下ろした言葉の身体は。

『……死んでる?』

死んでいた。
間違いなく、生命活動を停止している。
何かで刺された様子だ。しかし前述どおり、言葉は先の戦闘で全くケガをしていない。
それに頭部を刺されれば大方即死の筈だ。だからこれは今付けられた傷と分かる。
答えは、ユベルが視線を変えた先にあった。

2m程離れた場所で、包帯で顔を覆った手術着の女が言葉の死体――今はユベルに目を向けていた。
咲夜はゴーグルを外すと鋭い視線でユベルを睨みつける。

「亡霊…?」

あながち間違いではない。
しばらくユベルの姿を見つめると、彼女はそそくさと立ち去ろうとした。
とっくに奪い取った言葉のバッグを持って。

『待って!』

ユベルは叫んだ。
相手が誰であろうと、ここで立ち去られるわけにはいかない。
言葉は死んだ。死んだ者の身体を乗っ取ることは出来ない。
このまま捨て置かれたら永久にこのままという可能性も有り得るからだ。


ユベルの叫びを聞き、咲夜は立ち止まった。
そして振り返る。

「何か用?」

『お願いだ。ボクも連れて行ってくれ!』

「……訊く順番を間違えたわね。貴方は何?」

咲夜にしてみれば怪しい事この上ないので、あくまでも彼女は距離を取る。

『簡単に言えばボクはカードの精霊さ。DMカードっていうのが支給品に無かったかい?』

「さぁ……知らないけれど、貴方は支給品なの?」

『支給品にされたこと自体腹立たしいんだけれどね。その認識で間違いないよ』

「……どうして私に声をかけたのかしら?」

『置いてきぼりにされたくないからねぇ。君は優勝を狙っているのかい?』

「答える必要はある?」

『そりゃあるよ。優勝する気があるなら尚更いいんだけど』

「優勝して一緒に元の世界に帰してもらおうって魂胆ね」

『ご明察だね。それだけ理解が早ければ助かるよ』

それが分かればこの話は終了だ。
後はイエスかノーを言うだけで済む。
咲夜もユベルを拾うのに何らデメリットを感じなかった。
支給品は支給品である以上持ち主の言うことを聞くというのが彼女の先入観として存在したからだ。
いや、その先入観は殆どの参加者に共通のものであったとも言えるだろう。
だからこそここまで、ユベルそのものに対しての不信感は抱かれなかった。

咲夜はユベルの事を良く知らない。
しかしユベルの方は彼女の事を少なからず知っている。
話を伝え聞くだけでもわかる。咲夜が、心の闇を内包している事を。
闇が大きい場合は乗っ取るのにそう時間はかからない。咲夜がユベルを受け入れる以上、それは避けられない運命だった。

そんなことは露知らず、咲夜は目の前の邪悪な精霊を自分の手の内に入れようとしていた。
一歩、また一歩と近づくたびに、彼女の終わりが迫ってくる。
ユベルはそれを、唇に微笑をたたえながら見ていた。

また一歩。

その瞬間、目の前の景色が、両者共に遮断された。

「『!?』」

鈍色の壁が目の前に下りてきたのだ。
それがシャッターだと理解するにはしばらく時間がかかった。
あまりにも不可解な現象。誤作動かと思われたその事象は、彼女達の前でしか起こっていない。
ちょうど、咲夜とユベルを分断するような形だ。
原因は不明。しかしこの程度の壁、今の咲夜でも打ち破るのは容易い事だ。


「オラオラオラオラオラァァッ!!」

即座にスタープラチナの拳でシャッターを破壊した。
ものの10発でヒト一人が軽く通れる程の穴を開けると、そこから向こう側を見た。

「………?」

しかし、そこには何も無かった。
あるのは言葉の死体だけ。
さっきの精霊は何処にもいなかった。

「よいしょ」

カードがあるのかもしれないと、言葉の身体を弄ってみたものの何も手に入らない。
むしろ巨乳に対して不快指数が増していた。

「何食ったらこんなにデカく……じゃなくて、何がなんだかさっぱり分からないわ……」

彼女の脳内では金髪の不思議な髪型の男がありのまま起こったことを話していたのだが
本当にさっぱり分からないので咲夜はその内考えるのを止めた。
機器の故障だろうが運営の介入だろうが、どの道自分にはどうしようも出来ない事を憂慮しても仕方ないからだ。

「それより」

残りの参加者を殺害する事が先決だ。
それにはまず、機を見る必要がある。



◆◆◆



時間と場面を少し前のスネーク達に戻す。
戦闘機取得に向かう途中だったスネークとタケモトはチルノと遭遇。
入手した後またモールに集まろうとの事だった。
誰の提案かと訊けばときちくだと言われたので、タケモトは若干呆れた。

「まあ足並みを揃えるに越したことはないが……それにしてもお前よく戻ってこれたな」

「え?ああ……単に図書館に飛ばされただけだったからね。別れさせるのが目的だったみたいだから」

タケモトは単独で魔導アーマーを操縦し、スネークは戦闘機に乗りチルノは翼の部分に腰掛けている。
ちょうどアーマーと戦闘機が併走している感じだ。

「ときちくの奴……結局何がしたいんだ?」

「生き残りたいんでしょ?私はその映像見てないから何とも言えないけれど……」

タケモトの疑問を、チルノは適当に応えてはぐらかした。
自分が自分でないということ。それは彼女にとっては想像に難くないことだし、自分に投影して理解も出来る。
気が狂ってもおかしくない現実に、よくもまあ耐えているものだとまるで他人事のように思った。
それとも、彼はそんな現実などもうどうでもいいのか。
そうなれたらどんなに楽だろうと、チルノは感じた。そんなこと、きっと出来はしないだろうが。

ようやくモールがはっきり見えてきた頃には時刻は5時をとっくに回っていた。
その時建物の入り口付近にいる人影を、タケモトは捉えた。


「おいチルノ、お前千里眼スキル持ってるって言ってたな」

「もう見てるわ。……メタナイト、ときちく、馬岱の3人だけね」

「アイツ居るのかよ…………言葉とキョン子は?」

「言わなくても分かるだろ、スネーク…」

「しかし……正直言って俺には少し信じ難い。言葉はともかくキョン子までとは……」

「違和感はお前も感じ取ってただろ。言葉に関しては露骨なくらいにな。キョン子が意外なのは俺も認めるけど」

そういう違和感を感じ取っていたからこそタケモトはスネークに同行する事を選び、さらには
馬岱に「気をつけろ」と忠告しておいた。そこには、敢えて馬岱にけしかけさせることで自分が帰って来る頃には
問題が解決しているように、という狙いもあったのだが。

「今後の展望は?」

タケモトはスネークに訊いた。

「そうだな。一応戦闘機だけでも動かせるなら十分だ。ときちくが渡してきたものを考えれば、どうしたいのかは
 よくわかる。あとの懸念は咲夜くらいか」

「………」

チルノは無言のまま彼方を見つめていた。

「出来れば戦わないほうがいいよな」

「タケモト…?」

タケモトの言葉に、チルノは意外そうな表情をした。

「なんだその顔は。武器の消耗が無駄だから戦わないほうがいいって意味だよ。……まあそんなこと出来そうにないけどさ。
 あっちも本格的に殺しに来るだろうよ。こっちも余裕が無いのと同じようにな」

この対立は永遠に変えられそうに無い。
初めにスネークと咲夜との間に埋められた溝はあっという間に広がり、今ではどうあっても埋められないものになっている。
協力関係など望めるはずも無く、生きるか死ぬかの状態だった。

(でも実際……やる夫とドアラを殺した以外の話は訊いた事が無いんだよな)

タケモトはそういえば、と思った。
今まで多くの参加者と出遭ってきたがその殆どに咲夜に会い、戦ったという情報が無い。
遭遇した参加者を必ず殺しているならそれで納得がいくのだが。
彼はそこで思考を打ち切り、あまり深く考えない事にした。
どの道敵対関係は揺ぎ無いのだから後はそれをどう乗り切るかが問題だったからだ。


そして残った面子6人が集合した。
戦力的にはやや不充分か。しかし支給品と策略でそれを補う事が出来る。
スネークが情報をまとめ、戦略の最終確認を行う。
ある程度の余裕は残してあるが、失敗すれば勿論、命は無い。
どうせ何もしなくても6時間後には消える命。
全員腹をくくった面持ちだった。


「俺とチルノとメタナイトが空から攻撃を仕掛ける。合図があり次第残りのお前達は地下から突入する。それで構わないな?」

「うん」

「異論は無い」

「ああ」

「そうだな」

「………」

タケモトだけ返事をしなかった。
各々に不安があるのは誰もが理解している。
しかし彼の不安は格別のものだろう。
どう考えても一番死に易いのは彼なのだから。

「タケモト」

「俺は大丈夫だ。ああ、そうだとも。今やこの中じゃ一番俺が弱い。分別は弁えているよ。けどな」

彼はある一人を睨んで言った。

「お前は何で此処にいるんだ?ときちく」

誰もが気にしていながら敢えて言わなかった疑問。
このメンバーで1番の不安要因は彼をおいて他に無い。
事情があるとはいえ、無差別殺人に走った存在を看過するわけにはいかない。そうタケモトは思った。
しかしときちくは無視した。

「応えろ」

「その辺にしておけ、タケモト。ここで問題を穿り返したところでメリットにはならない」

「ああそうだろうな馬岱。恩があるから文句は言えないってか?」

ここでときちくを糾弾するのはどうかという意見がある。
しかしこの問題を放置していいのか、という意識も少なからず全員に内在しているのは確かだ。

「タケモト」

「なんだよ」

「俺の敵はお前じゃない」

ようやく口を開いたときちくはそれ以上は何も言わなかった。
これ以上の追及は無駄だろう。


「ところで、今咲夜が何処にいるか分かるか?」

「視えるところにはいないよ」

「ここから東に約300m。戦闘機を見て尻込みしたようだな」

「そうか。じゃあここ周囲を一回旋回するから、そのうちにお前達は地下に降りてくれ」

「了解。健闘を祈る」


現在時刻PM 5:32。
戦闘機は北の空に飛び立って行き、地上には一人しか参加者がいなくなった。
その参加者はこっそりと建物の陰からその様子を窺うと、息を吐いた。

「そろそろ、行きましょうか」



◆◆◆



同時刻。場所は運営本拠地。
陣地に飛来しようとする戦闘機を、監視室のレーダーはまともに捉えていた。

「ハッ、まるで蝿だな」

「我々は腐った肉ですか」

「おいおい、そう卑下するもんじゃないぜ。それとも左上様は自分のこともそう思っていらっしゃるのかな?」

「今すぐ屋上に放り出しましょうか?」

「やめ、ちょ、タンマタンマ。言葉の絢だってば。気にしてたら身が持たないぜ」

「そうですね。私も貴方との会話に労力を割くのをそろそろ止めたいと思います」

「何辛辣に絶交宣言してるんだよ。それより大丈夫なのか?」

「ええ。エネルギーの半分以上を外のバリアに回していますからそれは使えないとしても、現状の余力で
 被害は最小限に食い止められるものと思います。連中もロケットランチャーは外してきたようですし
 そこまで甚大な被害は発生しないかと。とりあえず連中を下ろさなければいいわけですから」

「機関砲8つじゃ物足りない気はするが……正直ここまでの事態は起こらないことを前提として進んできたからなぁ。
 予備の武装も申し訳程度だし……撤収作業どのくらい進んでたっけ?」

「第二次まで完了しました。あとは内部の職員を必要最低限残しつつ順に撤収させるだけです。…確かに攻撃面では
 やや問題アリですね。兵力を増やしますか?」

「いーや、止めとこう。非戦闘員を戦闘に出して犠牲を出すのは後々問題がある」

「生体兵器は……ダメですね。同士討ちになるだけでしょうし」


「それより地下は大丈夫だよな。むしろそっちにそいつら配備しとくか?」

「故障した電子ロックは完全に遮断されていて、修理されない限り私でも動かせませんから問題ないでしょう。それに貴方の部下も
 わざわざ見に行ったんですからそこまで心配する事はないと思いますが」

「う~~~ん……なんか引っかかるんだよなぁ」

「ならば貴方の自由にしてください。万が一攻められたとしても対応はすぐに出来るでしょうから」

「了解、と。じゃあ適当に配備しておく」

必要分を除いて運営の基地機能は徐々に縮小されている。
それに伴って、職員や機材の転送も順次行われているのだ。
ちなみに職員=非戦闘員だ。無論殆どの職員が戦闘員を兼ねているのだが、この場合は便宜上呼び分けているのである。
しかし戦闘にはやや心配も残った。戦闘員と言っても、実戦経験があるのはその中で一握りだからだ。
多くは仮想現実で戦闘訓練を一通り行っていてある程度の動作は出来るものの、技術は護身の域を出ない。

それでも数の上でも装備においても圧倒的有利なのは間違いない。
出来る事は徹底的に穴を潰していくことだけなのだが……。

右上はとある部屋に入っていた。
中は薄暗く、蛍光灯は必要以上に明かりを照らしてない。
デフコンに従っての電力配分が防御を中心に偏っているからだ。
床一面に張り巡らされた電気コードを踏まないように気をつけながら、右上は中へと進んでいく。
暗い部屋に配列良く並べられた大きなガラスの筒。その上下にはたくさんのコードが付けられていて、中には
やや赤みがかった液体が満たされていた。そしてタイプは2つにわけられる。
一方はその液体しか入っていないもの。要するに保存すべき対象が存在しないものだ。それが5~6個あった。

そしてもう一方。
ガラス壜の中には、『生物』が入っていた。

「お前らにも出番が回ってくる事なんてそうそう無いと思ってたが……」

右上はその光景を見てニヤリと嗤うが、中の生物は何も反応しない。
当然だ。彼らは眠らされていて、行動の自由……いや、思考の自由までもが奪われている。
左上の言う生体兵器とはこれを表していたのだ。

(行動パターンはβでいいか。意思持たれても面倒だし。ったく……オンオフは出来てもモードの切り替えが出来ないのは
 難点だよな。そこら辺は設定ミスだし今更どうしようもないが)

ま、変える必要ないし。と彼は自己完結し、パソコンから命令を入力していった。
ここの人員はデフコン発令時に出払っている。とは言っても保守すべき機材は運搬されており、生体兵器が残されていたのは
右上と左上による判断だった。

「道具は道具らしくプログラム通りに動いてりゃいいんだよ。誰もバグなんか期待してない」

右上は誰かに話しかけるように、否、話しかけて悦に入っていた。

「なぁ、ユベル?」

『……』

咲夜の前にシャッターが下ろされたあの時、右上はあの地点に飛び、言葉の死体からユベルのカードを即座に奪い取り立ち去ったのだ。
彼だけに許された亜空間からの奇襲。今のユベルでは、避けようも防ぎようも無かった。
結果今に至り、右上の亜空間に閉じ込められているのである。

「いや全く、あそこまで首尾良く動いたのは感服ですよ?脱帽レベルだわ。なんせ参加者は勿論、俺達だって
 今まで気づかなかったもんなぁ。それは若干こっちの不手際も含まれているんだが……やー、まあそれはどうでもいい。
 お前がいかにコソコソ動き回ろうが、どんな参加者に加担しようが、乗っ取ろうが、そんな事は気にしない。
 ――ルールの域を出ないならな」


右上はキーボードのenterキーを連打し続けた。

「先入観ってのは恐ろしいよな。こっちだって別にお前の企みを見透かそうとして監視してたわけじゃないのにさ。
 けどお前の……てか、キョン子か。あいつの動きを見ると不自然さが浮かんで来るんだよ。別にキョン子が殺人を
 犯して優勝狙いをしようが別に有り得ないわけじゃない。可能性としてはメチャメチャ低いが……。でもな、流石に
 これは有り得ないだろ。支給品を集めるわけでもないのに一々死体探しをするなんてのは」

デフコン2発令に伴い、まずは参加者の動向を逐一探ることが始まった。
一個人からグループでの横の繋がり、さらには仕草や会話まで。
多くのカメラが破損している状況でそれらを全て収集するのは難があったが、唯一機能が充分だったのは音声録音だった。
首輪に付属しているその機能は全くと言っていいほど故障が無いからだ。
不自然な音声の遮断もあったが、その部分の会話は発信機の行動記録により補える。
どんな策を講じようとも脱出には自らの身体を動かさねばならない。
その為に、行動を監視すれば自然に先読みを行うことも可能なのだ。
そうして無事な機能に焦点を当てた結果、ユベルの策略が浮き彫りになったというわけである。

「お前だって無為に死体漁りをしてたわけじゃないんだろ?行動の前には必ず原因がある。つまり、お前は心の闇を集めて
 超融合を行おうとしてたってわけだ。支給品にはその類のカードは無かったはずだが、前例があるから否定できなかったのさ」

奇しくもそれは十代が会場に隠したプレミアム首輪だった。
その例がある以上、何かの不審な行動に運営は目を向けざるを得ない。

「どうやったらそんなメタな思考が出来るんだなんて野暮な事は訊いてくれるなよ。単に俺達の世界はそういうものなんだから
 としか言い様が無いからな」

『……僕を何故滅ぼさない?』

「滅ぼしてほしいの?何なら今ここでビリビリに破いてやろうか?今のお前ならその程度で充分だろうし」

右上はまともに応えなかった。
しかし生かされているということは、まだ彼にとって使い道があるからなのだろう。

(ま、どーせ超融合が発動しても世界が書き換えられるなんて事にはならないだろうけど。ただどの程度まで
 抑えられるのか分からんからこっちで確保しておくに超した事はないってこった。結界破壊されるなんてことになったら大変だからな)

出る杭は早めに叩いておくにかぎる。
こんな状況なら尚更だ。ブロリーの時とは場合が違う。

「さて、完了っと。これでいつでも放出出来るが……ん?」

左上からの連絡音が鳴り響いた。

「もしもし。……ふーん、後30秒。はいはい。こっちは準備終わったからすぐ行くっての」

A-10が射程圏内に入ったらしい。
戦いの火蓋は、ようやく切って落とされたのだ。


「じゃあ始めますか。勝ちの決まった鬼ごっこを」


【キョン子@涼宮ハルヒコの憂鬱   死亡確認】
【桂言葉@SchoolDays   死亡確認】

【C-1 上空 / 2日目・夕方】
【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
【状態】肉体疲労(中)、全身に擦り傷、切り傷、A-10操縦中
【装備】コルトパイソン(6/6、予備弾45)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング、越前の軍服、プレミアム首輪改
 愛犬ロボット「てつ」@日本郵販テレホンショッピング A-10RCL@現実?(おじいちゃんのエースコンバット6)
【持物】支給品一式(水、食料一食消費)
 やる夫の首輪、ハイポーション@ハイポーション作ってみた、馬鹿の世界地図@バカ日本地図、全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ
 咲夜のナイフ@東方project、さのすけ@さよなら絶望先生、基本医療品、モンスターボール(ネイティオ)@ポケットモンスター
 タバコ一箱@メタルギアシリーズ DMカード(ガーゴイル・パワード)@遊戯王シリーズ
A-10のマニュアル(英語)及びキー@現実?(おじいちゃんのエースコンバット6)
【思考・行動】
基本思考:情報を集める。
1:空から運営の基地を攻める。
2:自分から攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃したくない。
3:十六夜咲夜のような奴が居れば、仲間に誘った後、情報を聞き出した後倒す。
4:てつを使用し、偵察、囮に使う。
5:十六夜咲夜、ドナルドを警戒
6:これ以上仲間を死なせない
[備考]
※馬鹿の日本地図の裏に何か書いてあります。
※仲間同士で支給品の交換をしました。

【チルノ@東方project】
[状態]疲労(中)A-10搭乗中
[装備]バスタードチルノソード@東方project派生、養由基の弓@三国志Ⅸ(矢残り5本)
 リボルバーナックル&マッハキャリバー@リリカルなのはStS(残弾6/6、予備12)
 プレミアム首輪改、方天画戟@三国志Ⅸ
[道具]支給品一式、エクスカリバー@遊戯王DM 至高のコッペパン×1@ニコニコRPG
 葉団扇@東方project、射命丸文のカメラ@東方project
[文のデイバッグ]
支給品一式(食糧一食、水二食消費)、BF-疾風のゲイル@遊戯王5D's
BFデッキ@現実、デュエルディスク@遊戯王GX、サバイバルナイフ@現実
くず鉄のかかし@遊戯王シリーズ
[思考・状況]
基本思考:英雄として殺し合いに乗った者を倒し皆を守る、主催を倒す
1:敵は倒すだけで殺すべきじゃないのが理想、けれど現実は――
2:運営の基地に乗り込む
【備考】
※空は飛べますが体力を余計に消費します
※氷符 アイシクルフォールは制限対象に入っていないようです。
弱体化してはいますが、支障なく使えます。
但しイージーモード限定です。自機狙い5way弾は出せません
※バスタードチルノソード越しに並行世界の情報を得ることで、その世界の自分の能力を使えます。
副作用として記憶障害などの他、使い過ぎると元の世界に帰れません。
※だいぶ知的になりました。
※バリアジャケットはいわゆるアドベントチルノと同じデザインです。
※エクスカリバー@遊戯王DMが使用可能になるのは9時間後、疾風のゲイルの使用可能は11時間後、くず鉄のかかしが使用可能になるのは12時間後。
仲間同士で支給品の交換をしました。

【メタナイト@星のカービィ(メタナイトの逆襲)】
[状態]ゼロマスク (半分破壊)、左腕から出血(応急処置済み)、A-10搭乗中
 疲労(中、但し右腕に関してだけは休憩かアイテムによる治療が必要)
[装備]七星宝剣@三国志9、ゼロの仮面(顔が入るサイズに改造、半分が損壊)@コードギアス
 プレミアム首輪改
[道具] 支給品一式
[思考・状況]
基本思考:参加者の救出及びゲームからの脱出
1:A-10に乗って運営の基地に突入。
[備考]
※フランドール、スネーク、藤崎、馬岱と情報交換をしました。また、東方project出展のキャラについてそれなりの情報を得ました
※仲間同士で支給品の交換をしました。デイパックはキョン子所有だったもの(空)をもらいました。

【C-4 塚モール】
【ときちく@時々鬼畜なゲームプレイシリーズ】
[状態]:左肩下に刺し傷(応急処置済み)、左肩に銃痕(応急処置済)、顔面左の負傷
    拳に痛み、全身にダメージ(小)、疲労(中)、精神疲労(中)
[装備]: ナイフ、包丁×2、フライパン、ステアーTMP(0/30、予備弾倉残り6)@現実
    プレミアム首輪改
[道具]:[ときちくのデイバッグ]
支給品一式×6(食料・水三食分消費)フォーク、 、無限刃@るろうに剣心、毒蛾のナイフ@ドラゴンクエスト
 亀の甲羅×2@マリオシリーズ、銃(10/15)@現実、首輪探知機(残り2分)
 アシストフィギュア(サイボーグ忍者)@大乱闘スマッシュブラザーズX(2時間使用不可能)
  至高のコッペパン@ニコニコRPG予備弾丸セット@オリジナル
[バクラのデイバッグ]
DMカードセット(翻弄するエルフの剣士(使用可能)、鉄の騎士ギア・フリード(8時間使用不能)、)@遊☆戯☆王
 普通のDMカード@現実 共通支給品、コメント一覧@ニコニコ動画、、タミフル@現実、モンスターボール(空)
 DMカード(ブラックマジシャン(10時間使用不可能))@遊戯王、KAITOのマフラー@VOCALOID、
【思考・状況】 基本思考:運営に復讐する。
0:地下から進入する。
1:格納庫に可能な限り安全に侵入する方法を考える。
2:他の参加者とは出来るだけ接触しない。必要に迫られればその限りではない。
3:……。
【備考】
※自分の元世界がどんな場所か、自分がどんな存在が理解しました。
※元々の能力などのせいで他の参加者に比べ疲労が激しいようです。
※オフィスビルのネットは主催者と繋がっていると推測しました(真偽は不明)
※映画館での出来事を知りました。
※会場のループを知りました。
※殺し合いの目的をショーだと推測していますが、漠然と不安も抱いています。
※予備弾丸セットの中身のうちコルトパイソンの弾丸はスネークに、
近代ベルカ式カートリッジはチルノに渡してあります。
※べジータの大穴で地下のトンネルを発見しました。
※言葉に投げた包丁はすぐに回収しました。
※支給品の交換を行いました。

【タケモト@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:精神疲労(小)、僅かな焦り
[装備]:アイスソード@ちっこい咲夜さん、プレミアム首輪改
[道具]:[タケモトのデイバッグ]
支給品一式(水一食消費)、精密ドライバー@現実、野菜ジュース@ぽっぴっぽー、 
ドアラの首輪、シルバーウルフ(12/12)、(予備弾188本)@フルメタル輪ゴム鉄砲、万葉丸(11/30)@零シリーズ 
強姦パウダー@ニコニコRPG(4/9)、ブロントさんの首輪(真っ二つ)、
プレミアム首輪×1、小型位置音声偽装装置(現在オン)×2、隠し部屋に関する説明
プレミアム首輪の設計図、工具、隠し部屋のカギ、三国志大戦カード(不明)@三国志大戦
モンスターボール(空)@いかなるバグにも動じずポケモン赤を実況、キモイルカのメモ
DMカードセット(天使のサイコロ、スタープラスター)@遊戯王シリーズ、ブレード@サイべリア
北条鉄平の首輪
[思考・状況]
0:ときちくェ……。
1:地下から侵入する。
2:自分が生き残るために最善の行動を取る。
3:大連合は組まない、最低限の人数で行動。
4:規格外の者に対抗出来るように、ある程度の戦力が欲しい
5:最後の一個のプレミアム首輪はとりあえず改造しない。
※射命丸から首輪に関しての情報を得ました。
※会場のループを知りました。
※殺し合いの目的をショーだと推測しました。
※積極的な脱出は不可能と考えました

【馬岱@呂布の復讐】
[状態]:精神疲労(中)、疲労(小)
[装備]:鍬@吉幾三、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦、プレミアム首輪改
 包丁@会場内
[道具]:基本支給品×8(水、食料三食消費)、ヒテンミツルギ極意書@ニコニコRPG
    張遼の書@ニコニコ歴史戦略ゲー、医療品一式 至高のコッペパン×1@ニコニコRPG
    セーブに使って良い帽子@キャプテン翼、射影機(07式フィルム:28/30)@零~zero~
    予備07式フィルム30枚、寝袋@現実、普通のDMカード数枚@現実
    DMカードセット(スピード・ウォリアー、魔法の筒、)@遊戯王シリーズ
    折り畳み式自転車@現実、乾パン入り缶詰×3@現実
    忍具セット(火薬玉、忘却玉)@忍道戒、不明支給品×1
    ねるねるね3種セット@ねるねるね、鏡(破損)@ドナルド、美希の私服
    禁止エリア解除装置@オリジナル、リボン@FFシリーズ
    てゐの木槌@東方project(破損)、防弾チョッキ@現実
    上海人形@東方project、変化の杖@ドラゴンクエスト
[思考・状況]
[思考・状況]
1:地下から侵入する。
2:これからは生きるために戦う。
3:もっと武器が欲しい。
※参加者の多くの名前を見た覚えがあることに気が付きました。ニコ動関連の知識の制限は実況者達等に比べて緩いようです。
※徐々に記憶制限が解けてきた様です
※藤崎の荷物は馬岱が回収しました。上記通り支給品が幾つか破損しています。
※仲間同士で支給品の交換を行いました。

【C-4 塚モール付近】
【十六夜咲夜@東方project】
[状態]吸血鬼化、右腕不随、攻守半減、疲労(中)
[装備]時計型麻酔銃@名探偵コナン、日光遮断のための服装、メス32本
[道具]支給品一式×4(食料一食分、水二食分消費)、
 ライトセイバー@外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム(RedAlart3)、
 痛PSP@現実、マスクザ斉藤のマスク@ニコニコRPG、輸血パック×2
 言葉のノコギリ(レザーソー)@school days
、長門有希のギター、Ipod(少佐の演説の音声入り)@HELLSING
 カレーセット@るろうに剣心、ピーマン@星のカービィ、拳銃(3/6予備弾18)@デスノート
 アイス詰め合わせ@VOCALOID、海賊帽子@ミュージカル・テニスの王子様
 果物ナイフ@現実、プレミアム首輪改、超融合のカード(ただのカード)@現実  
 緋想の剣@東方project、プレミアム首輪改、ランサーアサルトライフル(22/350)@Gears of War2
[道具]:支給品一式×2(一食分食糧と水消費)、DMカード(悪魔のサイコロ)@遊戯王シリーズ
キッチリスコップ@さよなら絶望先生、逆刃刀・真打@フタエノキワミ、アッー!、不明支給品×1
[思考・状況]基本思考:優勝を狙う。
1:地下に入る3人を追う。
2:対主催組の仲間割れに乗じて優勝を狙いたい。
【備考】
※時間操作は4秒が限度です。停止した後に使用するには数秒のブランクが必要です。
 疾風のゲイルの効果が時間停止に効力を及ぼしているかは不明。
※主催者側が参加者を施設を中心として割り振ったと推理しました。
※高い能力を持つ参加者は多くが妖怪と考えています。
※サムネホイホイ(出だしはパンツレスリングだが、その後別の映像は不明)は、A-5の平原に投げ捨てられました
※一度幻想の法則から外れた者ももう一度幻想の法則の中にもどせば幻想の法則が適用されると推理しました。
※ヤバいDISCがINしました。スタープラチナの真の能力にも気づきました。
※吸血鬼化しましたが、本家吸血鬼と比べると回復やパワーアップが小さいです。
※基本支給品と計量匙、及びフジキがC-4からD-4にかけて散らばっています。
※塚モールで火事が再発していますが、雨のため火勢はそれほどでもありません。
※べジータと情報交換をしました。しかし自分が吸血鬼であること、美希やDIOを殺害したことは伏せています。
※阿倍さんのツナギ@くそみそテクニック、便座カバー@現実はDIOのデイバッグと一緒に病院の奥の部屋にあります。
※激しい吸血衝動に襲われ自我と本能がせめぎあっています。しかしドナルドの魔力が消え次第半減します
※ときちくの言った事には半信半疑ですが、状況を利用できると考えました。
※現存する参加者の能力、相関関係、位置情報(2日目午後四時現在)を手に入れました。
※言葉のデイパック(キョン子の支給品も入ったもの)を回収しました。




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