デモンストレーション
「なんだ!一体何が起こっている?」
マスターが狼狽した声を上げる
オンラインでフリーのバトルロイヤルに参加した私、騎士型MMSフランとそのマスター
一体だけメーカー登録の神姫があったので、新装備のテストでもするのかと思い、興味本位で参加してみたのだ
開始から一分、20体いた神姫は既に半分になっていた
その全てを倒したのが例のメーカー神姫であった
その一分も殆ど移動時間でしかなく、出会った相手は瞬殺されている
「一体どんな神姫なんでしょう?」
「さあな。とりあえず見てみるか。どんな化け物が出てくるやら」
こうしている間も、どんどん光点が消え、神姫が倒されている事が解る
私はマスターの指示を受け、その神姫の行く先へと向かった
マスターが狼狽した声を上げる
オンラインでフリーのバトルロイヤルに参加した私、騎士型MMSフランとそのマスター
一体だけメーカー登録の神姫があったので、新装備のテストでもするのかと思い、興味本位で参加してみたのだ
開始から一分、20体いた神姫は既に半分になっていた
その全てを倒したのが例のメーカー神姫であった
その一分も殆ど移動時間でしかなく、出会った相手は瞬殺されている
「一体どんな神姫なんでしょう?」
「さあな。とりあえず見てみるか。どんな化け物が出てくるやら」
こうしている間も、どんどん光点が消え、神姫が倒されている事が解る
私はマスターの指示を受け、その神姫の行く先へと向かった
「…なんだこれは…」
その神姫はハウリン型だった
標準らしいバイザーとレッグパーツを付け、手には長剣を一本持っている
それだけならどこにでもいるハウリン型である
しかしその背中から生えているモノが…
「触手、だな…」
「触手、ですね…」
背中から太い触手が二本、細いのが無数に生えていた
細い触手のうち四本にはビームガンとレーザーカッターが二つづつ装備されているようだ
そしてその神姫は今、ストラーフ型を捕らえていた
無数の触手に絡め取られ、身動きが取れないようだ
ストラーフ型の特徴ともいえるサブアームとレッグパーツは既に失われている
「はうっ!ぐうぅ…」
締め上げられて苦悶の表情を浮かべているストラーフ
既に勝敗は決しているのに、なぜトドメを刺さないのか…?
…いや、ハウリンの注意は既に別に向いている
バシュバシュッ
触手が持っているビームガンがあらぬ方向へとビームを放つ
「ぐあっ!」
「きゃっ!」
コッソリと近づいていた神姫が倒れる
「…あとは貴方だけ」
私の方を向き、ボソッと呟くハウリン
「まだ貴方が抱えてるストラーフも居ますよ」
彼女に締め上げられ、息も絶え絶えだがまだデッド判定が出ていないストラーフを指す
「…忘れてた」
ザシュ!
「ぐふっ!」
レーザーカッターでトドメを刺す
「…ごめんなさい、忘れてて」
消えゆくストラーフへと謝罪する彼女
そして、全ての触手がこちらへと向けられる
それを見て、剣を構える
お互いに睨み合ったまま動かない
…いや、動けない私を彼女はただ見ている
攻める隙を見つけられず動けない私と、どこを攻めるか考えている彼女
シュル…
触手が不気味に蠢く
「ひっ…」
その動きに嫌悪感を抱き、一瞬怯む
タン!
彼女が地を蹴り迫る
上段に構えた剣を振り下ろす
ガキィン!
コヌルで弾き返す
ヒュン!
触手がレーザーカッターで斬りかかってくる
キィン!キィン!
これも弾く
マスターがコヌルにビームコーティングを施してくれたおかげで難無く防げる
とはいえ、手数が3対1では防ぐのがやっとだ
何かいい手は無いものか…と考えていると
シュルリ…
「しまった!」
太い触手の一本が私の足へと絡みつく
ぐんと引っ張られる
「うわっ!」
さっきの細いのとは桁違いな力で私を空中へと持ち上げる
なんてパワーだ。フル装備の私を軽々と持ち上げるなんて
そしてさらに細い触手も絡みついてきて、手足の自由を奪う
「くそっ…はなせっ…」
身動きの取れない私にレーザーカッターとビームガンが迫る
さっきのストラーフの様に武装を奪うつもりか…
剣は…まだ握ってる
こうなったら一か八かアレしかないか
私の右腕を切り落とそうとレーザーカッターが迫る
今だ!
「キャストオフ!」
装備していた青い鎧をパージする
それは爆散しながら触手を引きちぎり、彼女へと降り注ぐ
自由になった私は剣を構え、彼女へと斬りかかる
しかしこの奇襲に対し、彼女は極めて冷静だった
致命傷と成り得る破片だけを確実に弾き、私の攻撃に備え既に迎え撃つ体勢を取っていた
ガキッ!
私の渾身の一撃は止められた
ザシュッ!
「ぐふっ…」
そして腹部に生き残った触手が構えたレーザーカッターが刺さる
「…奇策だけでは、駄目」
彼女が投げかけた言葉を聞きながら私は消えていった
その神姫はハウリン型だった
標準らしいバイザーとレッグパーツを付け、手には長剣を一本持っている
それだけならどこにでもいるハウリン型である
しかしその背中から生えているモノが…
「触手、だな…」
「触手、ですね…」
背中から太い触手が二本、細いのが無数に生えていた
細い触手のうち四本にはビームガンとレーザーカッターが二つづつ装備されているようだ
そしてその神姫は今、ストラーフ型を捕らえていた
無数の触手に絡め取られ、身動きが取れないようだ
ストラーフ型の特徴ともいえるサブアームとレッグパーツは既に失われている
「はうっ!ぐうぅ…」
締め上げられて苦悶の表情を浮かべているストラーフ
既に勝敗は決しているのに、なぜトドメを刺さないのか…?
…いや、ハウリンの注意は既に別に向いている
バシュバシュッ
触手が持っているビームガンがあらぬ方向へとビームを放つ
「ぐあっ!」
「きゃっ!」
コッソリと近づいていた神姫が倒れる
「…あとは貴方だけ」
私の方を向き、ボソッと呟くハウリン
「まだ貴方が抱えてるストラーフも居ますよ」
彼女に締め上げられ、息も絶え絶えだがまだデッド判定が出ていないストラーフを指す
「…忘れてた」
ザシュ!
「ぐふっ!」
レーザーカッターでトドメを刺す
「…ごめんなさい、忘れてて」
消えゆくストラーフへと謝罪する彼女
そして、全ての触手がこちらへと向けられる
それを見て、剣を構える
お互いに睨み合ったまま動かない
…いや、動けない私を彼女はただ見ている
攻める隙を見つけられず動けない私と、どこを攻めるか考えている彼女
シュル…
触手が不気味に蠢く
「ひっ…」
その動きに嫌悪感を抱き、一瞬怯む
タン!
彼女が地を蹴り迫る
上段に構えた剣を振り下ろす
ガキィン!
コヌルで弾き返す
ヒュン!
触手がレーザーカッターで斬りかかってくる
キィン!キィン!
これも弾く
マスターがコヌルにビームコーティングを施してくれたおかげで難無く防げる
とはいえ、手数が3対1では防ぐのがやっとだ
何かいい手は無いものか…と考えていると
シュルリ…
「しまった!」
太い触手の一本が私の足へと絡みつく
ぐんと引っ張られる
「うわっ!」
さっきの細いのとは桁違いな力で私を空中へと持ち上げる
なんてパワーだ。フル装備の私を軽々と持ち上げるなんて
そしてさらに細い触手も絡みついてきて、手足の自由を奪う
「くそっ…はなせっ…」
身動きの取れない私にレーザーカッターとビームガンが迫る
さっきのストラーフの様に武装を奪うつもりか…
剣は…まだ握ってる
こうなったら一か八かアレしかないか
私の右腕を切り落とそうとレーザーカッターが迫る
今だ!
「キャストオフ!」
装備していた青い鎧をパージする
それは爆散しながら触手を引きちぎり、彼女へと降り注ぐ
自由になった私は剣を構え、彼女へと斬りかかる
しかしこの奇襲に対し、彼女は極めて冷静だった
致命傷と成り得る破片だけを確実に弾き、私の攻撃に備え既に迎え撃つ体勢を取っていた
ガキッ!
私の渾身の一撃は止められた
ザシュッ!
「ぐふっ…」
そして腹部に生き残った触手が構えたレーザーカッターが刺さる
「…奇策だけでは、駄目」
彼女が投げかけた言葉を聞きながら私は消えていった
「何なんだ、あの化け物は!」
バトル終了後、マスターが叫ぶ
バトルロイヤルを全ての神姫を倒してクリアした事はまさに化け物といったところか
触手の強さもさることながら、神姫自身の強さも半端じゃなかった
もしテストじゃ無かったなら、私も瞬殺されていただろう
「しかし、あの触手が今回の実験なのでしょうか?」
「だろうな。カッターとビームガンは既に発売されている物だしな。しかし、イロモノかと思った触手があんなに強いとはな」
思い出しただけでもゾっとする
「もし私の鎧にキャストオフ機能が無かったら…」
「最後の一人だったからな。もしかしたら中継が切られるような事になったかもしれないぞ」
「ちょ…マスター!何を考えているのですか!」
「うわっ…冗談だ冗談!」
「ホントですか?」
「ホントホント。まぁ掴まってるお前を見てちょっぴり興奮したが」
かあぁっ!
「マスター!忘れて下さい!」
ごすっ!
恥ずかしさのあまり、私はうっかりマスターの頭をコヌルの鞘で殴打してしまった
バトル終了後、マスターが叫ぶ
バトルロイヤルを全ての神姫を倒してクリアした事はまさに化け物といったところか
触手の強さもさることながら、神姫自身の強さも半端じゃなかった
もしテストじゃ無かったなら、私も瞬殺されていただろう
「しかし、あの触手が今回の実験なのでしょうか?」
「だろうな。カッターとビームガンは既に発売されている物だしな。しかし、イロモノかと思った触手があんなに強いとはな」
思い出しただけでもゾっとする
「もし私の鎧にキャストオフ機能が無かったら…」
「最後の一人だったからな。もしかしたら中継が切られるような事になったかもしれないぞ」
「ちょ…マスター!何を考えているのですか!」
「うわっ…冗談だ冗談!」
「ホントですか?」
「ホントホント。まぁ掴まってるお前を見てちょっぴり興奮したが」
かあぁっ!
「マスター!忘れて下さい!」
ごすっ!
恥ずかしさのあまり、私はうっかりマスターの頭をコヌルの鞘で殴打してしまった