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えむえむえす ~My marriage story~

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 ・・・。

 天井が低く、高度のアドバンテージを取れない場所。
 足場はしっかりした開けた屋上のスペースのド真ん中。姿勢を低くして、ずしっと陣取った防御特化型。
 とてもじゃないが相手をしたくない状況だ。

 頭に残る痛みもあって。セプターは歯軋りして紫色の瞳でキッと相手を睨み付けた。
『なるほど。あっちも考えたわねぇ。どうする?』
「・・・」
 キクナがいつも通りのノホホンとした声で言う。
『タイムアップまで逃げれば、こっちのドロー、判定優勢勝ちだと思うけど?』
「ふざけないでよ」
 それだけ言い放つと、セプターは両手の銃を構えなおす。
「天井が低くて攻撃しにくいのは確かだけど。向こうはキュベレー・アフェクション『もどき』で。こっちはフローラル・リング! それに!」
 ふわりっ、と。ほんの僅かに足が浮かび上がった。
「ドロー勝ちなんてイヤよ! あんなヤツ!」
 そのまま空をすべるようにセプターは加速した。


「え?」
 マーチは面食らったようにアフェクションを展開する。まさか飛ぶとは思わなかったから。
 ハンドガンを構えた瞬間。ひゅんっと光の花弁を伴い、セプターが横に『ズレた』。同時に襲い掛かる二本の光条。
「っ!」
 それを受け止めて相手の影を追う。セプターはこちらに体を向けたまま、マーチの周りを超低空で『滑っていく』。
「う。わ・・・わ!?」
 凄い。
(こんな動きが出来るなんて?)
 そちらに身体を向けようとした途端。いきなりセプターの動きのベクトルが180度反転した。
「う、嘘っ?」
「遅いわよ!」
 逆方向への低空軌道に変わった彼女に対応できず、速射で放たれた五つの光弾の数発がマーチの身体に突き刺さる。
「きゃぁっ!」

 セプターは。
 とん、と地面を一度蹴り、後ろに下がりながら再びランチャーを放つ。それは何とか防いだがこちらからのアクションも封じられてしまう。ふと見ると、先から幾度か食らっている光弾のせいで、マーチのライフカウンターは随分と減っていた。
(・・・フローラル・リング・・・)
 飛行システムじゃない。空中浮遊機動ユニット。


「あんまり趣味じゃないけど」
 くるるん、とハンドガンの花が回転してチャージを完了させた。
「削り切って勝つわ。実力の違い、ってヤツよ」
 自信満々にいうセプター。
『セプター・・・』
「散々バカにしてくれたけど。どっちが・・・」
 何か言いたげなキクナを無視して。

 そう。どっちが強いかを。
 ・・・?

(・・・あれ?)
 ケンカしてたのは、強さだったっけ。
 いや、そうじゃなくて。確か。

 首をぶんぶんと振ると。
「終わらせる!」
 ふわっと、セプターは浮いた。


(凄い、セプター本当に凄い・・・)
 空を飛ぶなんて生易しいものじゃない。空間を駆っている。
 姿勢制御。テクニック、攻撃タイミングのセンス。全部を持ち合わせている。

 マーチはきゅっと唇を噛んで後ずさりした。
『マーチ』
「はい」
『どう思う?』
 そう言われて、じっと考える。

 直感で動いたりしない。出来ない。
 そんな便利な物も。自分は何も持っていない。
 だから。

「狭いことが、余り有効に働いてません・・・凄いです。セプター」
 ひゅん、とマーチの周りを滑り始めるセプター。こちらが対応しきれない瞬間を引き出すためだろう。
 決めるつもりだ・・・悔しさが身を上ってきた。
『けど、ここは狭いのは確かだよ』
「はい」
『まだ何かあるはず、だから』

 だから、考える。

 ・・・。
(・・・狭い?)
 ヤヨイの言葉に、はっと目を見開いた。
 側面からセプターが音も無く接近する。マーチは身体を捻りながら、アフェクションにくっついているOpt-γに手を入れて中の物を掴むと。
「えーいっ!」
 近づいてくるセプターではなく。地面にそれを思い切り投げつけた。

 ・・・瞬間。
 セプターとマーチの視界が無くなった。
 真っ白な煙がいきなり爆発したように湧き出し、視界をほぼゼロに覆い尽くす。


 噴出した白煙。
「マーチ!?」
 ヤヨイは思わず筐体から腰を浮かせて叫んだ。


 パウダー・スモーク。
 パウダースプレイヤーが、スプレーとして放つことが出来る種類の一つ。その名の通り攻撃力は皆無でありスプレーガンと使うことが多いスプレイヤーの中でもオマケ的な物。
 そして、スプレー状で吹くのではなく。そのままを使うことはほとんどありえない。
(こんなに煙幕って出る物なんだ・・・)
 マーチとセプターが上った大きなビルの上から大量のスモークが発生して周辺を覆いつくしている。大量といっても、人間的には大した事は無い。だけど。『彼女ら』にしてみれば。

 煙幕として使えればいいかな? くらいの気持ちだったのだが。
 知らなかったとはいえ。確かに思えばスプレーとして拡散させて使うものを、そのまま一回分丸々暴発させてしまうのだから。

 なんだなんだと。周りに野次馬が増えて来ているのを感じてちょっと赤くなりながら、ヤヨイは座りなおして、マーチの名を呼んだ。



 ・・・。
「・・・何よ!? これ!」
 周囲の真っ白な世界に目をやりながらセプターは焦って高度を上げる。
 当然。
 ごつん!
「うぅ・・・いったぁい」
『落ち着いて、セプター。とはいっても、私からは貴女の姿が見えないんだけどね』
「落ち着いてるわよ!」

 天井が低い。低すぎる。
 普通なら拡散していくであろうスモークが低い天井で圧縮されて逃げ場が無く、異様に濃度が高い空間を作り出している。

「あのバカ。これじゃぁ向こうも見えないでしょうに・・・それに」
 ごとん。という音。
(ほら、見なさい!)
 あの重量。あの足音。先に居場所を知らせるのは向こうのほうだ。
 音が鳴った方向にランチャーを放つ。スモークを切り裂いて光条がそこにあった物に命中した。

「・・・ハンマー?」
 ランチャーを構えたまま、スモークの切れ間に見えたのは。大きな木製ハンマー。

 おとり・・・?

 しまった! と思った次の瞬間。
「きゃん!?」
 どんっ! という衝撃を側面から受けて、彼女は思わずランチャーを取り落とした。

「捕まえたっ!」
 セプターの腰に、マーチがタックルを仕掛けてきた。
 バランスが崩れたのを見るや、そのまま自分より高い場所にいるセプターに飛びつく。
「こ、この!」
 いきなりの事に軽くパニックを起こしながら、フローラルリングのパワーを上げて振り払おうとするが。
「離しなさいよっ!」
「いや!」
 開いた手とハンドガンで、ぽかぽかとマーチの頭を叩くものの、ぎゅっと目を瞑ってマーチはフローラルリングの浮力を押さえつけようと身体を預ける。
 タックルの勢いそのままにズリ、ズルっと引きずられていくが。
(コイツぅ、想像以上・・・って、桁違いに重い・・・っ!? なにこれ!?)
 やがて。リング部に手をかけてマーチがセプターを引っ張った。
 華奢な体同士をくっつけるように、横からぐっと抱きすくめる。
「な! 何するのよ! 何考えてんのよ!」
 丁度マーチの顔が体の横にある。焦りと別の何かで顔を真っ赤にしながらセプターは捲し立てた。
「逃がさない!」
「こんな状態でっ! そっちからも攻撃出来ないでしょ!?」
 きっ、と。マーチは上目遣いにセプターを睨みつける。とても近い場所に、その澄み切った青い瞳があった。
「出来る!」
「!?」
「私の・・・キュベレーは。遅くて、重くて。当たらないけど・・・」
「え。・・・っ!?」
 セプターの胸に顔を埋めるようにしながらマーチは叫ぶ。
「でも。ここからなら! 私でも当てられる!」
 がき、がき・・・がこん! と。とても優雅とは言い難い音を鳴らしながら・・・重々しい種型の大型背面ユニットが展開した。
 右側の種の殻がフローラルリングの羽数枚をパワーでムリヤリ押さえ込んだ。ミシミシという嫌な音がして浮力が消滅する。
「次・・・!」
 同じく左側の殻が重そうな音を鳴らして持ち上がる。
(冗談じゃ、ないわよっ!?)
 あの重量。あの硬質。
 攻撃プログラムが入ってないとはいえ、単純にブン殴るだけでどんなダメージが出るか解らない。
「この! このぉ!」
 いつしかハンドガンも落とし、両手で叩き、引き離そうとするが。
 しかし思えば、こんな重い装備を持ち歩いているのだから・・・。
(コイツ! もしかしなくても凄い馬鹿力!?)
 がっちりとマーチはセプターを抱きしめて、呼吸を整えながら、ゆっくりとキュベレーを振り上げる。地母神の名を関しているそれだが、今、セプターの目の前にあるのは。

 ただの『重い塊』だ。

「やだ・・・っ」
 焦りと苛立ちが胸を支配した。
 懸命に向かってくるマーチへの不思議な苛立ち。そして、自分の中にある何かへの焦り。

(やだ! 負けたくない! 負けたくないよっ!! こんなヤツ!)
 紫の目に涙が浮かんだ。抱きすくめられたまま、ジタバタと暴れる。
 と、偶然その足がマーチの足のスネを蹴っ飛ばした。
「わ?」
 恐らく、キュベレーで攻撃しようとした為に重心が悪かったのだろう。ぐらっ、とマーチが姿勢を崩した。
 体重で圧し掛かられるようになり。
(!)
 思わず背中から来る衝撃に備えたが。

 ・・・。

「え?」
「あれ?」
 スモークの切れ間から見ると、バランスを取ろうと踏み出したマーチの足の下に。
 地面は無かった。
「きゃ!?」
 倒れつつある二人。がばっ、とマーチが更に上に抱き付いて来る。
「ば、バカッ!? どこ触ってるのよ!」
「だって! 下! 下ぁ!」
 足を絡めるようにして、胸に顔を埋めるマーチの髪が揺れ。
 ふっと柔らかな髪が鼻をくすぐり、ラベンダーが香った。
(・・・。あ・・・)
 などと思った刹那。

 響くフローラルリングのエラー音。余りにも無力な浮遊性能。

 セプターはこれまで感じたことの無いような、これまでの経験上での何かと比較するのも愚かしいほどの非常識且つ規格外且つ馬鹿げた重量を首から下に感じた。
「うぇ!? っ!!!」
 万物に平等なる重力の鎖が、彼女にとてつもない純然たる下方向へのベクトルを齎し。

「っ・・・きゃああああああああああああ!?」
「ぃやああああああああっ!!」


 ・・・。
 ごがあっしゃーーーーんっ!!!


 とてもじゃないが。
 全長20cmに満たないフィギュアが二つだけ落ちた・・・とは思えないレベルの音が。
 筐体内に響き渡った。


 ・・・。
 凄い音が鳴って数十秒。スモークが拡散されて晴れていく。
「あ」
 ヤヨイはそれを認めて目を丸くした。
 それは一番高いビルの一番下。金網の上。

「あらら・・・」
 キクナは苦笑して係の人を呼んだ。

 周りに散った武装パーツの真ん中で、二体の神姫がくんずほぐれつな状態で折り重なって、仲良く目を回していた。
 その二人の頭の上に・・・とんでもないダメージが表示されており。
 クルクルとドクロマークのグラフィックが二つ、回転していたのだった。

[DROW]








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