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 ここはどこだろう。

 ただ何もなく、ただ広がっている。そんな場所だ。

 例えるならば、それは闇。
 しかし、視界だけは妙にはっきりしていた。

 周りには、見たこともない人達が集まっている。
 いや、"人"と呼ぶべきかどうか分からない存在もいくつか見られる。

 とりあえず、俺はこれを夢だと仮定し、考えるのを止めた。
 ひとつだけ分かったのは、この場に俺の知る者は一人もいないことだけだった。

 と、その時。
 いつの間にか前に人が立っていた。
 空間に浮かび上がるようにはっきりと、二人の姿が見える。
 一人は、どこにでもいそうな普通の日本人の中年男性。少々分厚い唇が特徴的だ。
 俺は、この人をどこかで見たことがある気がする。
 しかし、それが誰なのか思い出すことはできなかった。
 もう一人は、黒い全身タイツを纏っている。
 顔も隠れてしまっていて見えないが、どう見ても女性の体付きではない。
 よく目を凝らして見ると、タイツの真ん中、胸から腰にかけて文字が書かれていた。
 恐らく、『Foo』と。
 そんな二人の姿は他の人にも見えているようで、みんな好き勝手に騒いでいる。

「静かに」

 男が、よく通る声で言った。辺りが一瞬で静まり返る。全員の目が、声の主の姿を捉えた。
 男は静かになったことを確かめると、再びゆっくりと口を開いた。

「これからあなた達には殺し合いをしてもらいます」

 誰も、一言も発さなかった。
 いや、できなかった。
 なぜなら、彼の言葉を瞬時に理解することなんて、誰もできなかったから。

「ん?分からなかったですか。もう一度言うからよく聞いていて下さいよ。
 これからあなた達には、殺し合いをしてもらいます」
 何度言われたって分かるものか。
 分かりたくもなかった。
 殺し合い?そんな非現実的なことがあってたまるか。
 というか、なぜ?もしかしてテレビか何かのドッキリか?それにしてはなんて悪趣味な企画だろう。

 そうか。夢だ。
 さっき自分でそういうことにしたじゃないか。
 よし、なら今すぐ覚まそう。うん。
 ・・・・・・どうやって?

「ああ、自己紹介が遅れましたね。わた・・・いや、おいらは西村ひろゆきと言います。
 こちらはおいらのお手伝いをしてくれるFooさん」
 無言でただ頭を下げる全身タイツの男、Fooさん。彼の手にはなぜかリコーダーが握られている。

「では、簡単に説明しますね」
 ひろゆきはコホン、と咳払いをひとつするとこう言った。
「おいらが用意した会場で、最後の一人になるまでみなさんに殺し合ってもらいます。
 残った一人が優勝です。その人はきちんと元の世界に帰してあげますからね。
 さらに、どんな願いでもひとつだけ叶えてあげます。
 お金持ちにもなれるし、死んだ人を生き返らせたりもできます。おいらは優しいですからね。
 ただし、一日に一人も死亡者が出なかった場合は全員殺します。
 六時間ごとに会場に時報を流すから、その時一緒に死亡者と禁止エリアを知らせるので聞き逃さないように。
 禁止エリアに入ってしまった人もアウトなので気をつけて。
 ・・・・・・これもニコニコ動画の未来のためですから頑張って下さい」

 ああ、この悪夢はいつになったら覚めるんだろうか。
 昨日も深夜までネットをやっていたのが悪かったのだろうか。
 きっと俺は今、熟睡しているんだ。だからまだ目覚めなくて・・・・・・

「くだらないわね」

 混乱した頭を落ち着かせようと必死になっている俺のすぐそばで声がした。
 顔を向けるとそこには、まだ表情に幼さを残した少女が、凛とした態度で立っていた。

「何だって?お嬢さん」
「くだらない、と言ったのよ。殺し合いを眺めるのが趣味だなんてね。この外道。
 にこにこどうが?が何かは知らないけど、最高に悪趣味だわ」
 ひろゆきは動揺する素振りは見せなかった。
 ただ静かに、どこからか取り出した銃を少女の頭の位置に合わせ、引き金を引いた。

 当たるわけないと思った。
 少なくとも、少女の隣に立つ瀟洒な従者はそう疑わなかった。
 カリスマと呼ばれ、永遠に紅い幼き月と恐れられた彼女が当たるわけがない――と。

 しかし、

 パン。

 ごく軽い音。
 その音と共に、小さな鉛球が少女の頭のちょうど真ん中を貫通していた。
 糸を失った操り人形のように、少女はそのまま崩れ落ちる。
「・・・・・・・・・・・・え?」
 それっきりピクリとも動かず、誰が見ても彼女が死んでいることは明らかだった。
「お、お嬢様あああああああああああああああああ!!!」
 叫ぶことしかできない従者。
 何が起こったかも分からず、立ち尽くすことしかできない他の人達。
「貴様・・・・・・お嬢様に何をした!?」
 激昂し、ひろゆきに迫る従者。
 しかしひろゆきは表情ひとつ変えずに、ごく当たり前のことのように言った。
「何って、銃で撃ったんですよ。見た通りです」
「お嬢様がそんなことでっ・・・・・・!」
「ああ、ここでは彼女のような大きな力を持っている者に制限をかけていますから。
 やっぱり勝負は平等でなくてはいけませんからね。もちろん、あなたも例外ではありません」

 なんてことだ。
 彼女達のような、人ならざる力を持った者が参加しているという事実を嘆いているわけではない。
 そんな人ならざる力を持った者ですら逆らえないこの現実を嘆いているのだ。

「彼女は、"削除"されたんです。
これからのニコニコ動画には不必要な存在だと判断し」「ふざけるなああああああああああ!!!」
 ひろゆきの声は、ほぼ悲鳴と化した従者の声に掻き消された。
 彼女がそして叫ぶのとほぼ同時。

「こいつは殺さないと駄目だああああああああああああああ!!!」

 背後に立っていたスーツ姿の男が、ひろゆきに向かって発砲した。
「止めるんだ松田さん!」
 知り合いだろうか、同じくスーツ姿の若い男が止めるのも聞かず、ひたすら撃ち続けている。
 適当に撃ったのかと思ったが、弾は一直線に心臓に向かっていた。
「そうだ、これも試してみようと思ってたんだ」
 しかしそんなこと気にも留めない様子で、ひろゆきは隣に立つFooさんに何かを伝えている。
 そして納得したように頷くFooさん。
 彼は持っていたリコーダーに口を付けると、おぼつかない手つきでそれを吹いた。
 ぴろろ~、と気の抜ける音が響く。
 次の瞬間。

「うわあああああああああああああああああ!!!!」
「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 爆発音の直後現れたのは、首から上が飛び散った、先ほど発砲した男の死体だった。
 今まで呆然としていた周りの人達もようやくこれを現実だと理解したのか、そこら中から悲鳴が上がる。
 ひろゆきの体にはかすり傷ひとつ付いておらず、男の放った弾丸は全て足元に散らばっていた。

 ・・・・・・現実?いや、ありえない。
 首が爆発するなんてありえない!人が死ぬなんてありえないっ!!

 現実が夢を打ち砕く事もある。
 だとしたら、夢が現実を打ち砕く事があっても良い筈だ。そうだろう?

 しかし顔に付いた男の血は生暖かく、残酷過ぎる現実を目の前に突きつけてきていた。

「とまあ、このように反抗する人は首輪を爆発させます。これ、無理矢理外そうなんて思わないこと。
 センサーが付いているので勝手に爆発します。そこはしっかり守ってもらいたいですね。
 その男のようになりたくないなら」

 この場にいる全員の首には金属性の首輪が付けられている。
 いつから付いていたかは分からない。気付いた時には既にあったのだ。
 ――無理矢理外すと爆発する――
 その言葉が頭の中で反芻され、触れることすら躊躇われる。
 ・・・これで、逃げることは完全にに不可能になったわけだ。

「みなさんが今持っている道具や武器は、後から全て没収します。でも安心して下さい。
 サバイバルに最低限必要なものはデイパックに入れて支給するし、
 全員に三つまで、特別な支給品をランダムで配ろうと思います。
 ラッキーな人は強力な武器や、便利な道具が入ってるかもしれません。
 でも当然ハズレもあるので、その人は自力で頑張って下さい」

 説明が終わると、不自然なほど急に激しい眠気が襲ってきた。
 目の前の光景を黒で塗り潰していくように、視界を闇が侵食する。
 そして意識はどんどん遠のいて・・・・・・あれ?おかしいな・・・・ここは夢で・・・・・・

「現実から目を背けてはいけませんよ」

 急に耳元で声がした気がした。
 いや、確かに聞こえた。

「ねえ?>>1000」

 俺は、意識を呼び戻そうと必死に重い目蓋を開く。
 薄っすらと開いた目に映ったのは、ひろゆきの姿だった。

 ひろゆきは、ここで初めて表情を変えて見せた。
 醜悪な笑顔だった。

「ゆっくりしねw」

 俺の意識は、そこで途切れ――





 バトルロワイヤル、開幕。

≪主催≫
西村ひろゆき@現実
Fooさん@現実
(ニコニコの運営が関わっているようです)

≪参加者≫
 >>1000@現実
 十六夜咲夜@東方Project
 夜神月@DEATHNOTE

【レミリア・スカーレット@東方Project 死亡確認】
【松田桃太@DEATHNOTE 死亡確認】





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