「嘘と現実の境界」(2009/05/06 (水) 21:18:58) の最新版変更点
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*嘘と現実の境界 ◆WWhm8QVzK6
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「とにかく……このままじゃ、ね」
さんさんと爽やかな朝日が窓を通り抜けて漏れている。
現状、もはやマントが仮面以外敗れた以上迂闊に外に出ることはできない。
おまけに自身の体の状況を顧みれば誰かと出会うことも出来ないだろう。
お人好しならまだしも、殺人者である場合の対処は面倒の域を超えている。
故に彼女がとるべき選択肢はかなり狭められることになる。
(と言ってもやることもないしなぁ……隠れてるだけなのもつまんないし)
左手はなんとか再生しつつあるが、新たに傷を付けられた箇所はまだ治らない。
再生できるだけの栄養は足りている。
だが、今彼女にかけられている枷が再生力を遅延させているのだ。
じゅくじゅくと元の状態を取り戻していく傷跡を見つめながら、フランは思う。
ただ、痛い。傷が痛い。
普段の状態ならこれほどまでに長く痛みを感じることはない。
長い痛みが、フランを苛立たせる。
斬られた右手が痛い。
足を穿たれたのが痛い。
撃ち抜かれた左肩が痛い。
斬り千切られた両翼が痛い。
アイツにやられた体中が痛い。
けど、痛みをぶつけるべき相手は、いない。
フランは二階へと続く階段を上る。
もしかしたらマントの代わりになるモノが見つかるかもしれないと思ってのことだった。
いつもより時間をかけて階段を上りきり、何気なく外を見た。
鉄の塊のような獣が外を闊歩している。
(あれは……)
とてもよく見覚えのある物体。
確かあれはテトが乗って行った魔導アーマーではないだろうか。
彼女はせわしなく動いてるソレを凝視するとそれの上に乗っている少女の姿を見咎めた。
「誰?」
だが、彼女の眼に映ったのは別れた時に乗っていたテトではなかった。
若干似てる気もしなくはないが少なくとも、知っている人間ではない。
知っていたからと言って、特にどうということはないのだが。
「まさか……ここに来るの?」
出来れば今はまだ誰とも遭遇したくない。
誰かと会うのは傷が完全に治癒してからの方が望ましい。
左手が治った以上戦えないことはないが、なるべく戦闘は避けたいというのがフランの意見だった。
(お話……してみようかな)
何気なく思いついたことだったが、すぐに出くわすのは危険だということは重々承知している。
フランは、隠れて様子を見ることにした。
※ ※ ※ ※ ※
デパートの一部損壊により電気システムは半分が破綻していた。
店内の電灯は4割ほどごっそり消え、エレベーターやエスカレーターなども大方が本来の機能を失っている。
無論、自動ドアも例外ではない。
「何で動かないのかなあ」
そのドアを、魔導アーマーは問答無用で破壊した。
ドアの破片がばらばらと飛び散り、扉の枠を押し曲げて初音ミクの乗る機獣はデパート内に侵入した。
あまりにも大胆で派手な行動なのだが、精神恐慌状態により正常な判断力を失った彼女にとってそんなものはお構いなしだった。
大きな音を立ててエントランスの床に罅を入れながらホールに辿り着く。
目の前には、1Fの食品売り場があった。
「流石に通れないかもね」
そう言うと、ミクは魔導アーマーから降りて辺りを見回した。
その後を植物がうねうねとついてくる。
「誰かいませんかぁー?誰もいないのかなぁ?
嘘吐きじゃなかったら出てこれるはずだよね?」
ふらふらと、はっきりとしない足取りで少女は食品売り場の奥へ向かっていく。
その様子を見届けている人影が、一つ。
(お話がしたいのかな?)
しかし、そういう様子はあるようでないような気がする。
フランには彼女がなにやらおだやかでないように見えた。
体が元通りになれば話してもいいだろうが、今は関わりたくない。
だが、それとは別に。フランは魔導アーマーを調べようと思い至った。
食品売り場を一回り。
得られるものは何もなかった。
シゲルを引き連れて、少女は歩く。
「二階にも上ってみようかなー」
フランは、ミクの知らぬところで魔導アーマーの操縦席に乗り込んでいた。
必要はないが、何かないか調べてみたかったのだ。
中を見る限り誰もいないし、何もいない。
しばらくしているうちに、足音が近づいてくるのがわかり、思わず隠れてしまった。
(しまった……どうしよう)
当然、これを回収し損ねている以上打つ手は逃走か戦闘くらいのものだ。
面倒は避けたかったが仕方あるまい。少しの間思案して、フランは一つの方法を思いついた。
ミクは魔導アーマーに対して真正面から一直線に歩いてくる。
フランが小さいためか屈んでいるためか、それに気づいた様子はない。
そのまま歩くミクの足が、突如遮られる。
「どうしたの?シゲル」
意思疎通の方法を持たないシゲルが真実を伝えることは敵わない。
だからこそ、こうしてミクの前に立ち危険を知らせようとしているのだ。
彼が魔導アーマーの上に感じた何者かの気配。
それを感じ取れたのはほんの偶然でしかなかったのだが、ここで気づけたことはある意味幸運だったか。
だが、もしあれを操作された場合――――――
ドンという音が、ホールに響いた。
誰も乗っていなかった筈の魔導アーマーが、突如として動き出した。
もちろんそれはあくまでもミクからの視点であり、フランが操縦席にいることはなんら変わりない。
(これで逃げてくれるよね……)
これは、フランの考えがあってのことだ。
確かに目の前の相手と話をしてみたいという気持ちはある。
だが、自身が万全でない以上もし相手が危険人物だとしたら自身に危険が迫るかもしれない。
だからとりあえずここは、相手に逃げてもらうことにしたのだ。
自分が逃げるのもひとつの選択肢かもしれないが、羽が無く、飛行能力を失い、片足には銃撃を負っている状態で
果たして逃げ切れるだろうか?もし、相手がその気でなかったとしても逃走の行為を咎められては困る。
故に、フランは魔導アーマーで威嚇して、相手に逃走を促そうとした。魔導アーマーを使ったのは、自身の姿を隠すためだ。
いったん姿を出して威嚇した場合、成功したとしても次に取り合ってくれるかは怪しいと感じたからである。
あおばシゲルも、感情を表に表せないものの内心焦っていた。
あれを奪われてしまったら、少なくとも取り返す手段は無い。
ミクを守るため、ここは逃げようとしたのだが、
「行って!」
ミクの口から出た言葉は、予想外のものだった。
今の彼女には、目の前のものへの恐怖よりも、魔導アーマーを奪われた怒りが圧倒的に上回っていた。
色々判断力がおかしくなったミクはその場を動く気は毛頭も無いようだ。
シゲルは戸惑いながらも、魔導アーマーをなんとかミクに近づけさせまいと種マシンガンを放つ。
アーマーにあまり傷こそつけられないものの、凄まじい弾丸の衝撃によりフランは驚いてしばしたじろいだ。
しかし、そのシゲルの選択が逆に仇となった。
(え?そんな!)
てっきり逃げてくれると思い込んでいた為に、フランは普通に驚いてしまった。
だが、そうであるなら仕方ない。
ちらりと、相手の姿を見るために、こちらからは姿を見せないように顔をのぞかせる。
髪の長い少女と、得体の知れない妖怪植物が一匹。
攻撃をしているのは植物だけ。命令をしたのは少女のようだが……。
ふと、フランは植物に首輪がどこにもついていないことがわかった。
ゆっくりやディムロスのような前例を見ていたため、その植物が支給品だという考えに容易に至った。
(悪いけど……)
目の前の少女を退かせるにはあの植物をどうにかするしかない。
殺すまではしなくとも、魔導アーマーで殴れば動けなくなるだろう。
それできっとあの少女も諦めて逃げてくれるに違いない。
そう考えたフランは、更に機械を前進させ
突如、強烈な疲労感に襲われた。
普通に疲労したいうより自身の体力がまるで奪われたかのような感覚に、フランは瞠目する。
どういう原理かはわからないが、きっとあの植物がやったに違いないと判断した。
その証拠に、目の前の植物に元からあった傷が、みるみるうちに修復していっているのだ。
あの植物の仕業であることは、間違いない。
そして、それは事実だった。
シゲルの所有技、「ドレイン」によりフランの体力は奪われ、シゲルはその分回復することとなった。
相手が魔導アーマーに乗っている以上決定的なダメージは与えることはむずかしい。
ならば、相手を直接的に攻撃するような技を使えばいい。
そういう結論に達し、シゲルは「ドレイン」を実行したのだ。
だが、自身の体力がそれなりに回復した以上、次にドレインで与えられるダメージはかなり少なくなるだろう。
それでも、相手の動きは鈍くなるはず。そこでダメージを追加で与えられなくともとにかくミクに及ぶ危険は少なくなるだろう。
そう考えたのだ。
それは正しい選択で、そして、最大のミスだった。
「え?」
驚きの声はミクのものだった。
魔導アーマーから真っ直ぐに、タイル張り床が熱されて煙を発しており、その先のドア枠は若干融解して湾曲している。
シゲルに突き飛ばされたかと思いきや、目の前にこのような状況が広がっていたのだから驚愕は当然だろう。
魔導アーマーのビーム発射口の前には炭の塊がぶすぶすと燻っている。
それが何なのか、彼女には分らなかった。
ミクを庇うために光線をまともに浴びて炭化したあおばシゲルの姿だということを。
「あれ?……シゲル、どこ行ったの?」
地面にへたり込んだまま、ミクは呟いた。
応えはない。
ともかく、シゲルの姿はどこにも確認できない。
辺りを見回すうちに、彼女は魔導アーマーの操縦席にいる何かに気づいた。
自身より小さな少女が、こちらと目が合い、驚いたような、そして若干諦めが入った表情をした。
「あなたがシゲルをどこかにやったの?」
(それは……)
シゲルというのは、たぶんあの植物のことだろう。
目の前の少女には申し訳ないとは思うが、フランにはああするしかなかったのだ。
シゲルによる謎の攻撃。次にあれを喰らえば自身の命が危ういと即座に判断した。
もちろん同じだけダメージが来ることはもう無かっただろうが、そんなことをフランが知るわけがない。
死んでは元も子もない。死ぬのは嫌だった。何も出来ないまま死んでいくのだけは、願い下げだった。
今すぐにあの植物を排除する。少々パニックに陥ったフランにはそれしか念頭になかった。
そして、ボタンを押したのだ。
ボタンを押してビームが発射された瞬間、フランは焦った。
少女の存在をすっかり忘れていたのだ。
もし、あのビームに巻き込まれて死んでしまっていたら、また同じことの繰り返しとなってしまう。
もう話もせずに人を殺すことはしないと考えていたのに、これじゃダメだ。
そう思って、おずおずと確認したのだが、少女の姿はあった。しかも無傷だ。
フランはほっとして、自身の姿が相手に丸見えになっているのも忘れていた。
・・・
確かに少女の支給品を殺したのは悪いとは思うが、うまい弁明が思いつかない。
というより、姿を見られるとは思っていなかったので言い訳など最初から考えていなかったのだ。
まごまごしているうちに、少女が歩み寄ってきた。
その眼は、フランに降りて来いと促しているようだ。
応じなければいいものを、フランはあっさりと従ってしまった。
最善の注意を払って然るべきなのだが、相手が植物を倒されても何も攻撃をしなかったこと。
それと、相手を見る限り武器を持っていないということ。
デイパックは、その少女の後方に落ちてある。おそらく彼女がこけた時に落としたのか。
それらの事から少女に戦闘の意思がないと判断したためである。
その明らかな油断が、命取りとなるとも知らずに。
「ああ、そう。あなたも嘘吐きなのね」
アーマーから降りたフランに向かって、彼女は言い放った。
当然、フランは首を傾げる。
「何を言っ」
行為は一瞬だった。
ミクはおぼつかない足取りでフランに走り寄り、隠し持っていたナイフを彼女の胸に目掛けて突き刺した。
フランは動かない。
ミクの顔が狂喜に歪む。
が、その表情はすぐに別のものへと変化した。
ぽた、と。
血が滴となって床に落ちる。
その血はフランの体から出ている。
しかし、ナイフは彼女の急所には達していない。
未だ元通りになっていない右腕により、刃物の侵攻は阻まれた。
「痛い」
その言葉を聞き終えたか否かと言う時に、ミクは尻もちをついた。
無論、何かに躓いたわけではない。
フランが左手から放った弾幕により、彼女は簡単に倒されたのだ。
ミクは起き上がろうとする。
「!?」
上手く起き上がれない。
立とうとしても、バランスが取れない。
二度、三度試行するうちに彼女はようやくその理由に気づき、
「あ、あああぁあぁぁアア嗚ァああアアアアッ!!!?」
彼女のココロは、完全に崩壊した。
「嫌っ!嫌アアアアアアアア!!!」
何が嫌なのか、自身の発する言葉の意味もわからぬまま、彼女は叫び、必死に這いずり逃げようとする。
彼女の左脚部は原形をとどめていない。
内側の機械構造に至るまでがほぼすべて潰されている。
彼女が予期してもいなかったただの一撃で、左足は何の意味も為さなくなった。
フランが右腕からナイフを引き抜き、それがカランと床に落ちる音がした。
なぜ逃げているのかもわからない。
何から逃げているのかもわからない。
何もワカラナイまま、ただ、彼女は逃げていた。
「ねぇ、聞きたいんだけど」
応えはない。
フランはそれをつまらなそうに見ると、また一つ光弾を放った。
それにより、ミクの右足は破壊された。
だが、ミクは止まろうとはしない。
動きが全く衰えることがないのは、単に痛覚がないことが挙げられるだろう。
初音ミクはロボットであるが故に痛覚を持ち合わせてはいない。
痛覚がない以上、痛みに苦しんで行動が鈍ることもない。
だから、こうして両足による推進力がなくなっても気絶することなく手だけで動こうとするのだ。
未だに続く耳をつんざくような叫び声を無視して、フランはさらに2発撃ちこんだ。
衝撃がミクの体に伝わる。
それでも動くことを止めようとはしなかったが、とうとう動けなかった。
ダルマになっては、もはや移動することもかなわない。
人間ならば致死に至る傷だが、四肢の損壊程度でロボットは完全に機能停止はしない。
ただ、以前のように動けなくなるだけだ。
それでも、彼女は叫ぶことを止めようとはしなかった。
過度の発声により声帯機能はボロボロになり、もはや紡ぎだされる声は雑音になり果てている。
そして、それすらも遮られることとなった。
「ガッ……あ?……っヅ」
芋虫のように蠢いている胴体を仰向けにして、フランはミクの首を絞めたのだ。
「ねぇ、聞きたいんだけど」
再度、彼女は目の前のコワれた人形に声をかける。
「どうして私が嘘吐きなの?」
ミクは答えない。
「ウ……嘘……はギッ……」
代わりに出たのは、ただの反復だった。
構わず、フランは一言を告げた。
「私、何も喋ってないのに」
壊れていたはずのココロが、僅かに収束した。
目の前の女の子の言っていることは、紛れもない真実で。
彼女は、嘘をついていないということになる。
じゃあ、彼女を嘘吐き呼ばわりした自分は?
――――――ああ、なんだ。
壊れかけの彼女はそこでようやく理解して。
『君は実に馬鹿だな、私の嘘を乗り越えさせてくれたミクちゃんは嘘をきっと乗り越えてくれるんだから』
そして、それが遅すぎたことを理解して。
――――――嘘吐きは、私の方だったんだ。
今度こそ、初音ミクは完全に崩壊した。
す、とフランの左手がミクの頭に据えられた。
反応はない。
構わず、フランは弾幕を放つ。
鉄が割れるような音がして、初音ミクはこのゲームから消滅した。
――――――――――ごめんね、皆。
&color(red){【あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ 死亡】}
&color(red){【初音ミク@VOCALOID 死亡】}
フランは、目の前の存在が完全に停止したのを確認すると、その場を立ち去った。
魔導アーマーはとりあえず、廊下の奥にまで動かし、放置しておいた。
目立つことを避けたいという今のフランにとっては必要のないものだ。
この魔導アーマーは確かテトと別れた時に彼女が乗っていたはずだが、いないということは彼女は死んだのか。
それを次の放送で知らされるのだろうか。そう思うと、フランは少し悲しくなった。
(隠れないと……)
デパートに来てから短時間で色々なことがあった。
肉体的な疲労はまだなんとか大丈夫だが、精神的に疲れるものがあった。
思い切って話しかけてみたものの、結局殺してしまうことになったからだ。
けど、自分を殺そうとしたのだ。自分の命を狙うやつがいい奴なわけがない。フランはそう思っていた。
フランには分かっていなかったが、ミクが狂っていたとはいえ凶行に及んだ理由は少なからず彼女にある。
魔導アーマーに近づき、そして存在がばれた時点でミクとの会話という選択肢は削がれていた。
シゲルを殺さなければよかったのかもしれないが、フランにとってシゲルはただの言葉を介さない妖怪にしか思えなかったし
それほど重要とも考えなかった。というより、戦闘になった時点で会話が叶いそうにないということは彼女には分らなかった。
彼女が隠れ通しておけばこのような事態に陥ることも無かっただろう。
いずれにせよ、出会って話をしたとしてもそれが成立せず、逆にミクに殺されていたかもしれない。
それを考えれば、フランの意には沿わなかったとはいえ彼女にとって適切な展開ではあっただろう。
結局として、フランの考えはあらゆる面において甘すぎた。
まあ、出会った相手が悪かったとも言えるのだが……。
ふと、ホールの時計が彼女の目に入った。
「もうこんな時間なんだ」
12を指している短針に、長針が重なろうとしている。
ゲームが開始されてから、既に半日が経とうとしていた。
F-3 デパート内/一日目・昼】
【フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】:体力全快、全身に拷問痕、翼喪失、左肩に銃痕、右手喪失、、足に刺し傷(いずれも微々に回復中)
【装備】:ショッピングカート
【持物】:基本支給品一式*2、クリムゾン(弾数0/6、予備弾12/36)@デスクリムゾン、セーブに使って良い帽子@キャプテン翼
ゼロの仮面@コードギアス、射影機(07式フィルム:28/30)@零~zero~、予備07式フィルム30枚、フランの翼と指、ショッピングカート
【思考】歪みない生き方=今まで通りの自分の生き方をする。
0、一旦隠れる。
1、外に出れる服を探す。
2、嫌な奴を殺す(アカギ(名前は知らない)、ブロリー)
3、嫌な奴かは話して決める。襲ってくる奴は殺す。
4、本屋にあるDMの本を読みたい。
5、手が再生しないと何もできないよ。
6、映画館どうしよう。
※「ゼロの衣装セット」は仮面以外破れました。太陽に晒されれば死に至ります。
※美鈴達と情報交換をしました。
※再生はできますが、速度は遅いです。
※くず鉄のかかしの使用制限を知りました。
※フランは羽入の名前を知らず、オヤシロ様とだけしか知りません。
※クリムゾンの進化ゲージは初期値に戻りました。
※本来より速く、二、三人の殺害(もしくは死体撃ち)でゲージは最大に溜まるようです。
※自分の所為であおばシゲルが死んだことがわかっていません。
※魔導アーマーがデパート内に放置されています。
ミクの荷物はデパートホール内に放置されています。
|sm142:[[藤崎瑞希の復活]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|sm144:[[呂布綺想曲 ~double Yukkuri]]|
|sm142:[[藤崎瑞希の復活]]|[[投下順>101~150]]|sm144:[[呂布綺想曲 ~double Yukkuri]]|
|sm133:[[嘘吐きがいたらすぐ殺す~狂気の初音ミク]]|&color(red){初音ミク}|&color(red){死亡}|
|sm121:[[惨劇起きてすぐ覚醒~狂気の最終鬼畜オヤシロ様(後編)]]|フランドール・スカーレット|sm:[[]]|
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*嘘と現実の境界 ◆WWhm8QVzK6
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「とにかく……このままじゃ、ね」
さんさんと爽やかな朝日が窓を通り抜けて漏れている。
現状、もはやマントが仮面以外敗れた以上迂闊に外に出ることはできない。
おまけに自身の体の状況を顧みれば誰かと出会うことも出来ないだろう。
お人好しならまだしも、殺人者である場合の対処は面倒の域を超えている。
故に彼女がとるべき選択肢はかなり狭められることになる。
(と言ってもやることもないしなぁ……隠れてるだけなのもつまんないし)
左手はなんとか再生しつつあるが、新たに傷を付けられた箇所はまだ治らない。
再生できるだけの栄養は足りている。
だが、今彼女にかけられている枷が再生力を遅延させているのだ。
じゅくじゅくと元の状態を取り戻していく傷跡を見つめながら、フランは思う。
ただ、痛い。傷が痛い。
普段の状態ならこれほどまでに長く痛みを感じることはない。
長い痛みが、フランを苛立たせる。
斬られた右手が痛い。
足を穿たれたのが痛い。
撃ち抜かれた左肩が痛い。
斬り千切られた両翼が痛い。
アイツにやられた体中が痛い。
けど、痛みをぶつけるべき相手は、いない。
フランは二階へと続く階段を上る。
もしかしたらマントの代わりになるモノが見つかるかもしれないと思ってのことだった。
いつもより時間をかけて階段を上りきり、何気なく外を見た。
鉄の塊のような獣が外を闊歩している。
(あれは……)
とてもよく見覚えのある物体。
確かあれはテトが乗って行った魔導アーマーではないだろうか。
彼女はせわしなく動いてるソレを凝視するとそれの上に乗っている少女の姿を見咎めた。
「誰?」
だが、彼女の眼に映ったのは別れた時に乗っていたテトではなかった。
若干似てる気もしなくはないが少なくとも、知っている人間ではない。
知っていたからと言って、特にどうということはないのだが。
「まさか……ここに来るの?」
出来れば今はまだ誰とも遭遇したくない。
誰かと会うのは傷が完全に治癒してからの方が望ましい。
左手が治った以上戦えないことはないが、なるべく戦闘は避けたいというのがフランの意見だった。
(お話……してみようかな)
何気なく思いついたことだったが、すぐに出くわすのは危険だということは重々承知している。
フランは、隠れて様子を見ることにした。
※ ※ ※ ※ ※
デパートの一部損壊により電気システムは半分が破綻していた。
店内の電灯は4割ほどごっそり消え、エレベーターやエスカレーターなども大方が本来の機能を失っている。
無論、自動ドアも例外ではない。
「何で動かないのかなあ」
そのドアを、魔導アーマーは問答無用で破壊した。
ドアの破片がばらばらと飛び散り、扉の枠を押し曲げて初音ミクの乗る機獣はデパート内に侵入した。
あまりにも大胆で派手な行動なのだが、精神恐慌状態により正常な判断力を失った彼女にとってそんなものはお構いなしだった。
大きな音を立ててエントランスの床に罅を入れながらホールに辿り着く。
目の前には、1Fの食品売り場があった。
「流石に通れないかもね」
そう言うと、ミクは魔導アーマーから降りて辺りを見回した。
その後を植物がうねうねとついてくる。
「誰かいませんかぁー?誰もいないのかなぁ?
嘘吐きじゃなかったら出てこれるはずだよね?」
ふらふらと、はっきりとしない足取りで少女は食品売り場の奥へ向かっていく。
その様子を見届けている人影が、一つ。
(お話がしたいのかな?)
しかし、そういう様子はあるようでないような気がする。
フランには彼女がなにやらおだやかでないように見えた。
体が元通りになれば話してもいいだろうが、今は関わりたくない。
だが、それとは別に。フランは魔導アーマーを調べようと思い至った。
食品売り場を一回り。
得られるものは何もなかった。
シゲルを引き連れて、少女は歩く。
「二階にも上ってみようかなー」
フランは、ミクの知らぬところで魔導アーマーの操縦席に乗り込んでいた。
必要はないが、何かないか調べてみたかったのだ。
中を見る限り誰もいないし、何もいない。
しばらくしているうちに、足音が近づいてくるのがわかり、思わず隠れてしまった。
(しまった……どうしよう)
当然、これを回収し損ねている以上打つ手は逃走か戦闘くらいのものだ。
面倒は避けたかったが仕方あるまい。少しの間思案して、フランは一つの方法を思いついた。
ミクは魔導アーマーに対して真正面から一直線に歩いてくる。
フランが小さいためか屈んでいるためか、それに気づいた様子はない。
そのまま歩くミクの足が、突如遮られる。
「どうしたの?シゲル」
意思疎通の方法を持たないシゲルが真実を伝えることは敵わない。
だからこそ、こうしてミクの前に立ち危険を知らせようとしているのだ。
彼が魔導アーマーの上に感じた何者かの気配。
それを感じ取れたのはほんの偶然でしかなかったのだが、ここで気づけたことはある意味幸運だったか。
だが、もしあれを操作された場合――――――
ドンという音が、ホールに響いた。
誰も乗っていなかった筈の魔導アーマーが、突如として動き出した。
もちろんそれはあくまでもミクからの視点であり、フランが操縦席にいることはなんら変わりない。
(これで逃げてくれるよね……)
これは、フランの考えがあってのことだ。
確かに目の前の相手と話をしてみたいという気持ちはある。
だが、自身が万全でない以上もし相手が危険人物だとしたら自身に危険が迫るかもしれない。
だからとりあえずここは、相手に逃げてもらうことにしたのだ。
自分が逃げるのもひとつの選択肢かもしれないが、羽が無く、飛行能力を失い、片足には銃撃を負っている状態で
果たして逃げ切れるだろうか?もし、相手がその気でなかったとしても逃走の行為を咎められては困る。
故に、フランは魔導アーマーで威嚇して、相手に逃走を促そうとした。魔導アーマーを使ったのは、自身の姿を隠すためだ。
いったん姿を出して威嚇した場合、成功したとしても次に取り合ってくれるかは怪しいと感じたからである。
あおばシゲルも、感情を表に表せないものの内心焦っていた。
あれを奪われてしまったら、少なくとも取り返す手段は無い。
ミクを守るため、ここは逃げようとしたのだが、
「行って!」
ミクの口から出た言葉は、予想外のものだった。
今の彼女には、目の前のものへの恐怖よりも、魔導アーマーを奪われた怒りが圧倒的に上回っていた。
色々判断力がおかしくなったミクはその場を動く気は毛頭も無いようだ。
シゲルは戸惑いながらも、魔導アーマーをなんとかミクに近づけさせまいと種マシンガンを放つ。
アーマーにあまり傷こそつけられないものの、凄まじい弾丸の衝撃によりフランは驚いてしばしたじろいだ。
しかし、そのシゲルの選択が逆に仇となった。
(え?そんな!)
てっきり逃げてくれると思い込んでいた為に、フランは普通に驚いてしまった。
だが、そうであるなら仕方ない。
ちらりと、相手の姿を見るために、こちらからは姿を見せないように顔をのぞかせる。
髪の長い少女と、得体の知れない妖怪植物が一匹。
攻撃をしているのは植物だけ。命令をしたのは少女のようだが……。
ふと、フランは植物に首輪がどこにもついていないことがわかった。
ゆっくりやディムロスのような前例を見ていたため、その植物が支給品だという考えに容易に至った。
(悪いけど……)
目の前の少女を退かせるにはあの植物をどうにかするしかない。
殺すまではしなくとも、魔導アーマーで殴れば動けなくなるだろう。
それできっとあの少女も諦めて逃げてくれるに違いない。
そう考えたフランは、更に機械を前進させ
突如、強烈な疲労感に襲われた。
普通に疲労したいうより自身の体力がまるで奪われたかのような感覚に、フランは瞠目する。
どういう原理かはわからないが、きっとあの植物がやったに違いないと判断した。
その証拠に、目の前の植物に元からあった傷が、みるみるうちに修復していっているのだ。
あの植物の仕業であることは、間違いない。
そして、それは事実だった。
シゲルの所有技、「ドレイン」によりフランの体力は奪われ、シゲルはその分回復することとなった。
相手が魔導アーマーに乗っている以上決定的なダメージは与えることはむずかしい。
ならば、相手を直接的に攻撃するような技を使えばいい。
そういう結論に達し、シゲルは「ドレイン」を実行したのだ。
だが、自身の体力がそれなりに回復した以上、次にドレインで与えられるダメージはかなり少なくなるだろう。
それでも、相手の動きは鈍くなるはず。そこでダメージを追加で与えられなくともとにかくミクに及ぶ危険は少なくなるだろう。
そう考えたのだ。
それは正しい選択で、そして、最大のミスだった。
「え?」
驚きの声はミクのものだった。
魔導アーマーから真っ直ぐに、タイル張り床が熱されて煙を発しており、その先のドア枠は若干融解して湾曲している。
シゲルに突き飛ばされたかと思いきや、目の前にこのような状況が広がっていたのだから驚愕は当然だろう。
魔導アーマーのビーム発射口の前には炭の塊がぶすぶすと燻っている。
それが何なのか、彼女には分らなかった。
ミクを庇うために光線をまともに浴びて炭化したあおばシゲルの姿だということを。
「あれ?……シゲル、どこ行ったの?」
地面にへたり込んだまま、ミクは呟いた。
応えはない。
ともかく、シゲルの姿はどこにも確認できない。
辺りを見回すうちに、彼女は魔導アーマーの操縦席にいる何かに気づいた。
自身より小さな少女が、こちらと目が合い、驚いたような、そして若干諦めが入った表情をした。
「あなたがシゲルをどこかにやったの?」
(それは……)
シゲルというのは、たぶんあの植物のことだろう。
目の前の少女には申し訳ないとは思うが、フランにはああするしかなかったのだ。
シゲルによる謎の攻撃。次にあれを喰らえば自身の命が危ういと即座に判断した。
もちろん同じだけダメージが来ることはもう無かっただろうが、そんなことをフランが知るわけがない。
死んでは元も子もない。死ぬのは嫌だった。何も出来ないまま死んでいくのだけは、願い下げだった。
今すぐにあの植物を排除する。少々パニックに陥ったフランにはそれしか念頭になかった。
そして、ボタンを押したのだ。
ボタンを押してビームが発射された瞬間、フランは焦った。
少女の存在をすっかり忘れていたのだ。
もし、あのビームに巻き込まれて死んでしまっていたら、また同じことの繰り返しとなってしまう。
もう話もせずに人を殺すことはしないと考えていたのに、これじゃダメだ。
そう思って、おずおずと確認したのだが、少女の姿はあった。しかも無傷だ。
フランはほっとして、自身の姿が相手に丸見えになっているのも忘れていた。
・・・
確かに少女の支給品を殺したのは悪いとは思うが、うまい弁明が思いつかない。
というより、姿を見られるとは思っていなかったので言い訳など最初から考えていなかったのだ。
まごまごしているうちに、少女が歩み寄ってきた。
その眼は、フランに降りて来いと促しているようだ。
応じなければいいものを、フランはあっさりと従ってしまった。
最善の注意を払って然るべきなのだが、相手が植物を倒されても何も攻撃をしなかったこと。
それと、相手を見る限り武器を持っていないということ。
デイパックは、その少女の後方に落ちてある。おそらく彼女がこけた時に落としたのか。
それらの事から少女に戦闘の意思がないと判断したためである。
その明らかな油断が、命取りとなるとも知らずに。
「ああ、そう。あなたも嘘吐きなのね」
アーマーから降りたフランに向かって、彼女は言い放った。
当然、フランは首を傾げる。
「何を言っ」
行為は一瞬だった。
ミクはおぼつかない足取りでフランに走り寄り、隠し持っていたナイフを彼女の胸に目掛けて突き刺した。
フランは動かない。
ミクの顔が狂喜に歪む。
が、その表情はすぐに別のものへと変化した。
ぽた、と。
血が滴となって床に落ちる。
その血はフランの体から出ている。
しかし、ナイフは彼女の急所には達していない。
未だ元通りになっていない右腕により、刃物の侵攻は阻まれた。
「痛い」
その言葉を聞き終えたか否かと言う時に、ミクは尻もちをついた。
無論、何かに躓いたわけではない。
フランが左手から放った弾幕により、彼女は簡単に倒されたのだ。
ミクは起き上がろうとする。
「!?」
上手く起き上がれない。
立とうとしても、バランスが取れない。
二度、三度試行するうちに彼女はようやくその理由に気づき、
「あ、あああぁあぁぁアア嗚ァああアアアアッ!!!?」
彼女のココロは、完全に崩壊した。
「嫌っ!嫌アアアアアアアア!!!」
何が嫌なのか、自身の発する言葉の意味もわからぬまま、彼女は叫び、必死に這いずり逃げようとする。
彼女の左脚部は原形をとどめていない。
内側の機械構造に至るまでがほぼすべて潰されている。
彼女が予期してもいなかったただの一撃で、左足は何の意味も為さなくなった。
フランが右腕からナイフを引き抜き、それがカランと床に落ちる音がした。
なぜ逃げているのかもわからない。
何から逃げているのかもわからない。
何もワカラナイまま、ただ、彼女は逃げていた。
「ねぇ、聞きたいんだけど」
応えはない。
フランはそれをつまらなそうに見ると、また一つ光弾を放った。
それにより、ミクの右足は破壊された。
だが、ミクは止まろうとはしない。
動きが全く衰えることがないのは、単に痛覚がないことが挙げられるだろう。
初音ミクはロボットであるが故に痛覚を持ち合わせてはいない。
痛覚がない以上、痛みに苦しんで行動が鈍ることもない。
だから、こうして両足による推進力がなくなっても気絶することなく手だけで動こうとするのだ。
未だに続く耳をつんざくような叫び声を無視して、フランはさらに2発撃ちこんだ。
衝撃がミクの体に伝わる。
それでも動くことを止めようとはしなかったが、とうとう動けなかった。
ダルマになっては、もはや移動することもかなわない。
人間ならば致死に至る傷だが、四肢の損壊程度でロボットは完全に機能停止はしない。
ただ、以前のように動けなくなるだけだ。
それでも、彼女は叫ぶことを止めようとはしなかった。
過度の発声により声帯機能はボロボロになり、もはや紡ぎだされる声は雑音になり果てている。
そして、それすらも遮られることとなった。
「ガッ……あ?……っヅ」
芋虫のように蠢いている胴体を仰向けにして、フランはミクの首を絞めたのだ。
「ねぇ、聞きたいんだけど」
再度、彼女は目の前のコワれた人形に声をかける。
「どうして私が嘘吐きなの?」
ミクは答えない。
「ウ……嘘……はギッ……」
代わりに出たのは、ただの反復だった。
構わず、フランは一言を告げた。
「私、何も喋ってないのに」
壊れていたはずのココロが、僅かに収束した。
目の前の女の子の言っていることは、紛れもない真実で。
彼女は、嘘をついていないということになる。
じゃあ、彼女を嘘吐き呼ばわりした自分は?
――――――ああ、なんだ。
壊れかけの彼女はそこでようやく理解して。
『君は実に馬鹿だな、私の嘘を乗り越えさせてくれたミクちゃんは嘘をきっと乗り越えてくれるんだから』
そして、それが遅すぎたことを理解して。
――――――嘘吐きは、私の方だったんだ。
今度こそ、初音ミクは完全に崩壊した。
す、とフランの左手がミクの頭に据えられた。
反応はない。
構わず、フランは弾幕を放つ。
鉄が割れるような音がして、初音ミクはこのゲームから消滅した。
――――――――――ごめんね、皆。
&color(red){【あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ 死亡】}
&color(red){【初音ミク@VOCALOID 死亡】}
フランは、目の前の存在が完全に停止したのを確認すると、その場を立ち去った。
魔導アーマーはとりあえず、廊下の奥にまで動かし、放置しておいた。
目立つことを避けたいという今のフランにとっては必要のないものだ。
この魔導アーマーは確かテトと別れた時に彼女が乗っていたはずだが、いないということは彼女は死んだのか。
それを次の放送で知らされるのだろうか。そう思うと、フランは少し悲しくなった。
(隠れないと……)
デパートに来てから短時間で色々なことがあった。
肉体的な疲労はまだなんとか大丈夫だが、精神的に疲れるものがあった。
思い切って話しかけてみたものの、結局殺してしまうことになったからだ。
けど、自分を殺そうとしたのだ。自分の命を狙うやつがいい奴なわけがない。フランはそう思っていた。
フランには分かっていなかったが、ミクが狂っていたとはいえ凶行に及んだ理由は少なからず彼女にある。
魔導アーマーに近づき、そして存在がばれた時点でミクとの会話という選択肢は削がれていた。
シゲルを殺さなければよかったのかもしれないが、フランにとってシゲルはただの言葉を介さない妖怪にしか思えなかったし
それほど重要とも考えなかった。というより、戦闘になった時点で会話が叶いそうにないということは彼女には分らなかった。
彼女が隠れ通しておけばこのような事態に陥ることも無かっただろう。
いずれにせよ、出会って話をしたとしてもそれが成立せず、逆にミクに殺されていたかもしれない。
それを考えれば、フランの意には沿わなかったとはいえ彼女にとって適切な展開ではあっただろう。
結局として、フランの考えはあらゆる面において甘すぎた。
まあ、出会った相手が悪かったとも言えるのだが……。
ふと、ホールの時計が彼女の目に入った。
「もうこんな時間なんだ」
12を指している短針に、長針が重なろうとしている。
ゲームが開始されてから、既に半日が経とうとしていた。
F-3 デパート内/一日目・昼】
【フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】:体力全快、全身に拷問痕、翼喪失、左肩に銃痕、右手喪失、、足に刺し傷(いずれも微々に回復中)
【装備】:ショッピングカート
【持物】:基本支給品一式*2、クリムゾン(弾数0/6、予備弾12/36)@デスクリムゾン、セーブに使って良い帽子@キャプテン翼
ゼロの仮面@コードギアス、射影機(07式フィルム:28/30)@零~zero~、予備07式フィルム30枚、フランの翼と指、ショッピングカート
【思考】歪みない生き方=今まで通りの自分の生き方をする。
0、一旦隠れる。
1、外に出れる服を探す。
2、嫌な奴を殺す(アカギ(名前は知らない)、ブロリー)
3、嫌な奴かは話して決める。襲ってくる奴は殺す。
4、本屋にあるDMの本を読みたい。
5、手が再生しないと何もできないよ。
6、映画館どうしよう。
※「ゼロの衣装セット」は仮面以外破れました。太陽に晒されれば死に至ります。
※美鈴達と情報交換をしました。
※再生はできますが、速度は遅いです。
※くず鉄のかかしの使用制限を知りました。
※フランは羽入の名前を知らず、オヤシロ様とだけしか知りません。
※クリムゾンの進化ゲージは初期値に戻りました。
※本来より速く、二、三人の殺害(もしくは死体撃ち)でゲージは最大に溜まるようです。
※自分の所為であおばシゲルが死んだことがわかっていません。
※魔導アーマーがデパート内に放置されています。
ミクの荷物はデパートホール内に放置されています。
|sm142:[[藤崎瑞希の復活]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|sm144:[[呂布綺想曲 ~double Yukkuri]]|
|sm142:[[藤崎瑞希の復活]]|[[投下順>101~150]]|sm144:[[呂布綺想曲 ~double Yukkuri]]|
|sm133:[[嘘吐きがいたらすぐ殺す~狂気の初音ミク]]|&color(red){初音ミク}|&color(red){死亡}|
|sm121:[[惨劇起きてすぐ覚醒~狂気の最終鬼畜オヤシロ様(後編)]]|フランドール・スカーレット|sm154:[[少女休息中....]]|
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