コレッタの一日
コレッタは体育の時間じゅう、何か忘れているような気がしていた。
(なんだったかニャ~…うーん…)
──ボコン!
「フギャッ!」
油断が祟ってか、飛んで来たバスケットボールを受け損ねる。モロ腹に入った。
油断が祟ってか、飛んで来たバスケットボールを受け損ねる。モロ腹に入った。
「ふぐうぅ~…」
蹲ったコレッタをよそに、敵が零れ玉を拾い、見事にスリーポイントを決めた。
蹲ったコレッタをよそに、敵が零れ玉を拾い、見事にスリーポイントを決めた。
「ボッとしてんじゃないニャ!この残念美人!」
パスを受け損ねたコレッタに三毛が声をあげた。
じゃんけんポンで決めたチームは、何の因果か三毛と同じチームだった。
じゃんけんポンで決めたチームは、何の因果か三毛と同じチームだった。
「うぐぐ…三毛のバカ!パスするなら言ってくれなきゃ取れないニャ!」
「アホかニャ!?声かけたら敵にバレるニャ!」
三毛が正論。
「アホかニャ!?声かけたら敵にバレるニャ!」
三毛が正論。
試合が再開した。
「んむ~、バスケなんて嫌ニャ。ボールは猫パンチして転がして遊ぶものニャ」
シュッシュッ、とコレッタがシャドーボクシング。
シュッシュッ、とコレッタがシャドーボクシング。
「コレッタ!パス!」
また三毛からパス。
また三毛からパス。
「へ?うニャ?!」
一瞬反応が遅れたが、猫の俊敏さゆえか、コレッタの視線がボールを捉えた。
一瞬反応が遅れたが、猫の俊敏さゆえか、コレッタの視線がボールを捉えた。
──ボコン!
コレッタが見事にボールを受けた。右ストレートで。
「コレッタのアホー!」
三毛の罵声。
ボールは凄い勢いで休憩中のチームの人込みに飛び込んだ。
三毛の罵声。
ボールは凄い勢いで休憩中のチームの人込みに飛び込んだ。
「フギャッ!」
誰かに当たった。
誰かに当たった。
「……ボール、投げたの、誰、ニャ」
よりにもよって黒だった。
よりにもよって黒だった。
───────
大乱闘の次の時間は算数。
ちっちゃいけど声が全校一でかい算数の先生が、窓ガラスを震わせるほどの怒声を響かせる。
ちっちゃいけど声が全校一でかい算数の先生が、窓ガラスを震わせるほどの怒声を響かせる。
「宿題忘れただとぉぉぉぉぉ!!夏休み明けて何日経ったと思っとるんだぁ!!
弛んどるわぁ!!忘れたもの全員たっとれぇぇぇぇ!!!」
弛んどるわぁ!!忘れたもの全員たっとれぇぇぇぇ!!!」
黒、三毛、コレッタの三人が仲良く立たされましたとさ。