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スレ2>>569 学園祭だョ!全員集合



 それは、校長室で校長先生と教頭先生が将棋を指している時のことであった。
 歴代の校長の写真が飾られた壁、校長用の机と椅子、2人掛けの合成皮革(牛系の生徒
や教師を配慮の結果)のソファーが2つ、ガラスのテーブルが一脚。校長と教頭はガラスの
テーブルを挟んでソファーに対面で座っていた。
 種族がヤギで名字は八木(やぎ)というスゴく分かりやすい名前の教頭は、刻み海苔一本
分くらいしかない細い目の奥に横長の瞳を輝かせていた。完全に優勢だ。
 他方、長い眉毛に阻まれて外目には全く表情のわからない校長は、表情を見るまでもな
く焦っていた。せわしく頭を掻いてみたり、眉毛をこよってみたり、ネクタイを緩めてみ
たり。

「如何なされましたかな校長先生、手が止まっておりますぞ?」ニヤリ、と八木。
「わ、わかっておるわ!」
「やれやれ、速くして頂かないと昼食を食べ損ねてしまいますよ」

 どうやら昼食を賭けているらしい。老練な教育者が集まって何をやっているんだ。

「ぬぐぐぐぐぐ…………」

 校長が顔を真っ赤にして考え込む。

「あっ!!」
「え?」

 何か起死回生の一手でもあったのか、校長が感嘆を発し、教頭が疑問を発した。

──ガシャン

 将棋盤を急いで片付け始める校長。

「あっ! なんて大人気ないことを! 今の投了ですよ! 昼食おごってもらいますから
ね校長先生!」
「ばかもん! 昼食くっとる暇なんぞないわ! 八木ちゃん、急いで先生方を集めて来る
んじゃ! 大変なことを忘れておった!」
「は? 大変なこと、と言いますと?」
「学園祭じゃよ」

 それを聞いて、八木も真っ青になる。

「そういえば、何か忘れている気がしてました……学園祭だったのか」
「早く先生方を呼んで来るんじゃ!
もうだいぶ手遅れ感漂う季節に差し掛かっておるぞ!
速く! 八木ちゃん、ダッシュ!」
「ら、ラジャ!」

 かくして、ケモ学の遅すぎる学祭準備が始まったのだった。