スレ3>>455 師走でも静かな図書館
ホームルームが終わり、各々が行動を起こし始めている中、羽場はまだ帰りの支度をしていた。
それには理由があった。
中等部で一番の体格を持ち主の羽場は、教室の出入口よりも高い。
それには理由があった。
中等部で一番の体格を持ち主の羽場は、教室の出入口よりも高い。
その為、出入りする時は一度頭を潜らせなければならないので、他の生徒の邪魔になる。
なので羽場は、いつも一呼吸置いて行動をしているのである。
準備が終わる頃には人は少なくなっているので、悠々と教室を出ていつもの場所へと向かった。
なので羽場は、いつも一呼吸置いて行動をしているのである。
準備が終わる頃には人は少なくなっているので、悠々と教室を出ていつもの場所へと向かった。
図書館では比取が既に来ており、忙しなく動いては返却された本を片付けていた。
「頑張ってるなぁ、比取は。」
「あっ、羽場さんこんにちは!こっちの本のお片付けお願いします!」
「あっ、羽場さんこんにちは!こっちの本のお片付けお願いします!」
比取が手を指した先には、本が数冊置かれており、それは比取では届かない本ばかりの物であった。
「OK、任せといて。」
指でサインを送ると、比取がお辞儀をしてまた本の片付けを戻ったのを見て、羽場は任された本を手に取った。
片付ける所には、若干の隙間があった所為かドミノの様に倒れていた。
片付ける所には、若干の隙間があった所為かドミノの様に倒れていた。
それを見て羽場は、ムッとしながらも鼻で元の状態に戻して倒れない様に押さえ、空いてる方の手で本を戻した。
作業が終わり、司書室に入った所で羽場は、和賀がいない事に気付いた。
作業が終わり、司書室に入った所で羽場は、和賀がいない事に気付いた。
「あれ?そう言えばガメラ先輩は?」
「和賀君なら神社に行っているわよ。」
「和賀君なら神社に行っているわよ。」
パソコンで本の貸し出し状況の整理をしていた織田が、羽場の疑問に答えた。
「神社?」
「ええ。何でも来年の流鏑馬大会に出場するから、神社の方に協力して貰って練習をするってね。」
「ええ。何でも来年の流鏑馬大会に出場するから、神社の方に協力して貰って練習をするってね。」
それを聞いて羽場は、馬に乗るというより乗せられている鎧を着た和賀の姿を想像した。
「怪我してきそうですけど?」
「大丈夫よ。毎年やってるし、それに和賀君は弓道部だからきっと優勝して来るわよ。」
「大丈夫よ。毎年やってるし、それに和賀君は弓道部だからきっと優勝して来るわよ。」
弓の扱いだろうが馬の扱いだろうが悪い予感しかしない羽場は、苦笑するしかなかった。
「そう言えば試験はどうだったの?」
作業を終わらせた織田が、羽場の方へ振り向き、期待の眼差しを向けた。
言うべきか言わないべきか、少し考えた後、羽場は答える事にした。
言うべきか言わないべきか、少し考えた後、羽場は答える事にした。
「まぁまぁでしたけど……ちょっと困った事がありました。」
「どんな?」
「尻尾の長い人がいまして、そいつが大きな音を立てるんですよ。
お陰でみんな集中出来ないのなんの。終いには先生のチョークがそいつに飛んできましたよ。」
「あはは。それはいつになっても変わらないのね。」
「どんな?」
「尻尾の長い人がいまして、そいつが大きな音を立てるんですよ。
お陰でみんな集中出来ないのなんの。終いには先生のチョークがそいつに飛んできましたよ。」
「あはは。それはいつになっても変わらないのね。」
手を叩きながら笑う織田を見て、羽場もそのシーンを思い出して笑った。
「お片付け終わりました。」
「あ、比取君お疲れ様。さて、面白い話聞けたし、今日はもう帰りましょうか。」
「あ、比取君お疲れ様。さて、面白い話聞けたし、今日はもう帰りましょうか。」
「「はい。」」
戸締りを確認した後、荷物を持って図書館を出る三人。
近くで部活に励む生徒の声を聞きながら、三人はそれぞれの帰途に着くのであった。
近くで部活に励む生徒の声を聞きながら、三人はそれぞれの帰途に着くのであった。
場所は変わり、学校から少し離れた所にある神社に、鎧を着た和賀の姿があった。
「まだまだだな。」
「い、いや!?十分凄いよ、君!?」
「い、いや!?十分凄いよ、君!?」
的には既に矢が刺さっており、それは全て真ん中を貫いていたのであった。