※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

スレ3>>251 寒中限定水泳部


「ようこそ、数多の戦に勝ち残りし軍神達よ。ヴァルハラへの道は君達に開かれた」

厳かにそう言ったのは、寒風吹き荒ぶ屋外のプールサイドに
ピッチピチのブーメランパンツ一丁で仁王立ちしている水島先生だ。
所謂“ガチムチ体型”の水島先生は1ミリも寒さを感じていないかのようだった。

「あ、ありえねー!なんでジャンケン勝ったのに、こんなクサレ寒みー中プール掃除なん
だよ!」

塚本が、ガタガタ震えながら文句を言った。

「ふ、うふふ‥‥塚、本……僕、身体、の、震え、が……治まっ、て、き、たよ……?」

筋肉の痙攣発熱すら止まりかけている鎌田がうずくまる。

「ライダー!死ぬなー!」

塚本は歩くユニクロ状態のもこもこした鎌田を抱き起こした。
一方、鎌田の生態を知らない水島先生は、

「はっはっはっ、鎌田を見習え塚本。震えが治まってきたそうだぞ?
やはり心に正義を燃やす熱い男は違うな!はっはっはっ」

ヤケに元気いっぱいだった。

「アホかハゲ!ライダーは死にかけてんだよハゲ!ハゲ!」
「あ゛?」

誰がハゲだと。一瞬、水島先生はキレかけたが、
本当に死にそうなライダーを見て呆れた風に溜め息をフーと漏らした。

「まったく、今年も一般生徒は戦力外ばかりだな。まぁいい、いつも通りにやるさ。皆、でてこーい!」

水島先生の轟々とした掛声に呼応するように、プールサイドの更衣室の扉が開いた。
駆け足で出て来たその人数、男女合わせて20人。

構成人員は白熊、ペンギン、トド、アザラシ、セイウチ、果てはイルカにシャチまでも。
その全員が全員、本来夏に着て然るべきであろう水着を身に纏っている。
服を着ている塚本と鎌田が変に見えるくらいだ。

先頭を切って出て来た白熊が身振りで全員を整列させ、一斉に声を張る。

『水島先生!今年も宜しくお願いしゃーっす!』

20人が声を合わせて挨拶をする。

「うむ、今年も張り切って部活に励もうぞ!《寒中限定水泳部》の諸君!」

水島先生は女子の方向をずっとチラ見しながら檄を飛ばした。
寒冷地使用の肉体をフルに活用すべく発足された寒中限定水泳部は、
寒さに強い種族の生徒に結構人気の部活なのだ。

「……も、俺達帰って良い?」

衰弱して無抵抗になった鎌田からコートを奪って羽織りながら、塚本は鼻を啜った。



関連:水島先生 塚本 鎌田