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月に吠える ◆BRxsUzTn5A





 何だってんだよ、何で俺がこんな目に……!
 俺はただ歌を歌ってきただけなのに……そりゃあ、ちょっと滑舌悪いとこはあるさ。
 でも、いきなり訳わかんねーとこに飛ばされて、殺しあいをしろだなんて……
 俺が何をしたって言うんだよ!
 俺もあのメガネの男みたいに死ぬのか……?冗談じゃない。死んでたまるかよ……!
 このまま何もせず殺されるくらいなら、先に俺が……!


 * * *


 白い地面が全て覆う雪の大地。そこに2人の男と少年がにらみ合っていた。
 黄色い髪の少年は片手に刃渡り数十cmナイフを持ち、相手を威嚇する。

「おい、そこのお前!!」
「あぁ?何だ、小僧」

 もう一人、少年と対峙するのは紅い獣のような目つきをし、包帯を巻いた不気味な男。
 男はナイフを前に突きつけられているのにも関わらず、まったく動じていないようだった。

「俺の質問に答えろ!!」
「威勢のいい小僧だな。で、何に答えればいいんだ?」
「お前はこの殺し合いにのってるのか?」
「いいや、『まだ』のってない」
「『まだ』……?」
「あいにく殺すための得物を没収されてな。中に刀でも入ってりゃあよかったんだが、食事用のナイフ一本も入っちゃいねぇ」
「武器が手に入ったら人殺しをするのか?」
「そうだ、何せ俺は『悪人』だからな。」
「なら……お前が殺す前に俺がお前を殺す!」

「……てめぇがこの俺を?そのナイフでか?ハッ!チャンバラごっこなら余所でやれ」
「舐めてんじゃねぇ…俺は本気だ!」

 男はにやりと口を歪める。
 少年の持つナイフが小刻みに震えていることを男は見逃さなかった。

「どうした?手が震えてるぞ、まさかビビってんじゃねえだろうな?」
「うるせぇ!やってやる!!」

 少年は男に向かってナイフを突き出した。
 しかし、彼が男の腹に突き刺すよりも早く、男は少年の腕の関節をつかみ、別の方向へと捻じ曲げる

「が……っ!」

 少年はナイフを落とし、鈍い声を上げる。
 しかし、男はお構いなしに彼の腕を背の方へ組み伏せそのまま顔をむんずと掴み、地面に叩きつけた。

「ぶはっ……!」

 少年は初めて地面の味を噛みしめた。それは突き刺さるように冷たい、氷の味だった。

「この俺にナイフ一本で向かってくるとは……命知らずか?それとも単なる馬鹿か?」
「クソッ……離せっ!!」
「この期に及んでまだそんな口が利けるのか」

 少年は抑えつけられている顔を少しだけ横に向ける。
 ついさっき自分が刺し殺すために使ったナイフが男の手の中でギラリと光っていた。

「くっ……!!」

「あばよ、小僧」

 男は持ったナイフを少年に無慈悲にも振り下ろした。
 少年は思わず目をつぶる。

 ザクッ!!

 ナイフの刺さる音が夜の雪の大地に響いた。


「………………」

 少年は自分の体に刃が突き刺さらないことを不審に思い、目を開けた。
 見ると、ナイフは隣の白い雪の地面に。自分の頭のすぐ隣の地面に深々と刺さっていた。
 少しでもずれたら、自分の頭を貫いていたのは容易に想像できるものだった。

 起き上がって体をあげると、少年はすでに男が少年の拘束を解き、彼に背を向けて歩きだしていたのを見た。
 少年は男を見失わないようすぐさま立ち上がり、後を追う。

「おい、どういうつもりだ?」
「何、てめぇをこのまま殺すのもつまらねぇと思っただけさ」

 少年の呼びかけに対し、男は立ち止まって答える。

「ふざけんじゃねぇ!このまま逃げる気か!!」
「逃げるだと?勘違いしてんじゃねえ……!!」

 少年はゾクっと背筋が立つのを感じた。
 顔を自分の方へ向けた男の眼は圧倒的な殺意を放っていた。

 それはまるで、獲物を捕える寸前の肉食獣の瞳。

「てめぇと俺との実力の差があるのがさっきのではっきりしていただろうが……!
 命拾いしたのはてめぇの方だってことを忘れんじゃねえ!」

「だ、だけど……お前が人殺しをするつもりなら見過ごすわけにはいかねぇ……!」

 少年は男の殺意に気押されながらも、必死で言葉を紡ぐ。
 それを見た男は短い溜息をつき、眼を少年に向けるのをやめる。

「そうかよ、そんなに俺の命を狙いたきゃいつでも狙え。てめぇと俺の実力の差がいかんともし難いということを何度でも教えてやる」
「い、言われなくても……俺はお前を殺すまで何度でもやってやる!」
「勝手にしろ。まぁ、せいぜい自分が死なねぇよう頑張ることだな、小僧」
「小僧じゃねえ!俺の名は鏡音レンだ!」
「誰が呼ぶかよ。てめぇなんざ小僧で十分だ」
「くそっ!今に見てろよ……」

* *



 宗次郎が倒されたと聞いて、大灼熱の間で抜刀斎が来るのを待っていたが……
 いつの間にかこんな妙な所へ連れてこられて、おまけにこんな小僧に刃を向けられるとはな……。
 全員で殺し合え、か……。言われるまでもねぇさ。ここにいる奴らを全員殺し、元の世界で国盗りを再開する。
 まさに俺の信条「弱肉強食」そのものだ。


 幕末の亡霊、志々雄真実は凍てつく雪の中を歩きながら、
 少し離れた所から自分の後を着いてくる鏡音レンに少しだけ目をやる。

 こいつ……最初は臆したとはいえ、この俺に刃を向けてくるとはな。
 だが、まだこいつの覚悟は中途半端だ。俺ような『悪人』以外の『悪人』がここにはいる。
 それを奴が見た時、こいつの覚悟がどう揺らぐか、見てみるのも面白そうだな。
 宗次郎のように、修羅に目覚めるのか、それとも臆病風に吹かれ只の狗に成り下がるのか……。
 どちらに転んでも利用価値はあるか。


 所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ。

 さてお前はどちらだ、小僧?


【A-6 雪原/一日目・深夜】
【鏡音レン@VOCALOID】
[状態]:精神的疲労(中)、全身に少々の痛み
[装備]:朝倉さんのナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱
[道具]:支給品一式、不明支給品(0~2)
[思考・状況]
1:殺し合いにのってるやつがいたらやられる前にやる…?
2:包帯の男(志々雄)、いつか殺す
[備考]:ミク、KAITO、リンたちがこのロワにいることを知りません。

【志々雄真実@るろうに剣心(フタエノキワミ、アッー!)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(1~3、刀剣類は入ってなかった模様、本人確認済み)
[思考・状況]
1:殺し合いに乗り、弱肉強食の世界を知らしめる
2:小僧(鏡音レン)を利用する
3.無限刃が欲しい(この際刀であれば何でもいい)
4.全員殺害し、元の世界に戻って国盗りの再開をする。
[備考]参戦時期は剣心が宗次郎戦を終えた時期からです。


【支給品紹介】

【朝倉さんのナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱】
朝倉さんがキョンを暗殺するために使用したナイフ。
刃渡りがちょっとだけ長いだけでこれといって特殊な効果はない。



sm19:無知・無名 時系列順 sm21:は!か!た!と!と!ら!
sm19:無知・無名 投下順 sm21:は!か!た!と!と!ら!
鏡音レン sm45:優しい悪魔
志々雄真実 sm45:優しい悪魔






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