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全ては愛しき貴方の為に ◆wgfucd.0Rw





「……おいィ? 何いきなり殺されてる訳? そういうのはちょとsYレならんしょ・・?」

 ブロントさんの言葉に応える者は誰もいない
 ブロントさんの眼前に広がるは血の華。
 苦悶の表情を浮かべたまま事切れた囲炉裏の体から流れた血は既に固まりはじめ、周囲に血の跡を作り上げている。
 その無惨な姿に顔を顰めながら、ブロントさんはその手に魔力を込め、生半可なナイトには真似できないホーリーで近くの民家の庭に穴を空けた。
 この殺し合いの場で最初に出会った仲間をこのまま放置して置く訳にはいかない。
 MPは消費するが、穴を掘る類の支給品が無い現状、効率的に穴を掘る手段がこれしかない。
 人一人が入れる程度の大きさまで穴を広げると、自分が汚れる事も厭わずに血まみれの囲炉裏を担ぎ上げた。
 冷たくなった囲炉裏の体を抱えながら、ブロントさんは己の失策を思い起こす。

(何があってもPTを守るのが真のナイト
この貧弱一般人である囲炉裏を守らなければならなかった事は確定的に明らか
でもこいつはこの世界でひっそりと幕を閉じる事になった
しかも勝手に死ぬのならまだしも俺の出した指示で)
「……ならこいつを死なせたのは俺である事は確定的に明らか
守るどころか死なせるようなナイトは真のナイトではにい
俺が調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」

 囲炉裏はあの少女を見ておかしいと言っていた。
 気に食わない二人もあの少女から先に襲ってきていたと言っていた。
 しかし自分はその三人の言葉も聞かず、自分の主観で決めつけて動いた結果がこれである。
 叫び声が聞こえた時も心のどこかで自分はナイトだから間に合うと根拠なく思っていた。とんずらも使って駆けつけた。
 しかし時既に遅く、囲炉裏は帰らぬ人となっていた。
 自分の行動から起きた代償はかなり大きい。
 囲炉裏を穴に埋め、土をかけながら思う。これからは自分は何をすべきか。

 右上と左上をズタズタにするという目標は変わらない。それまでにどう動くかだ。

「ナイトはPTを守るジョブ
今の俺は真のナイトではにいがジョブはナイト
ならこれ以上犠牲を出さないようにする事がナイトの務め
だがそれよりも前にやらなければならない事が一つある」

 囲炉裏を殺害した少女。
 囲炉裏の持っていたナイフとデイパックに入っていた他の支給品が無い事から、それを持っていったのは十中八九彼女。
 墓を掘り、囲炉裏を埋葬するのに時間がかかってしまったが、まだそう遠くへは行っていないだろう。

「あいつを捕まえて囲炉裏の墓の前で謝らせて二度とこんな事しないよう誓わせる
かなぐり捨てても誓わせる
PTを守るナイトだし謙虚で広大な心の持ち主だから殺す事はしない
でも二度目はない」

 今、自分が一番すべき事を定め、ブロントさんはその少女、野々原渚を探すべく踵を返す。

「……すまにい
生きて帰ったら墓前にジュースを奢ってやろう」

 そう、今は亡きPTに誓い、ブロントさんは駆け出した。

 ある民家の明かりの点いていない浴場にシャワーの音が響く。
 艶のある長髪、小ぶりの胸やぷりんとしたお尻、ほっそりとした腕にすらりと生えた足。
 渚の若く瑞々しい肌をシャワーの水は余す所無く濡らしていく。

「~♪」

 鼻歌混じりに、虫二匹を殺す時に着いた汚れを落とす為に、泡に塗れたタオルをその裸身に擦り付ける。
 少々傷口にしみるが汚らわしい血を落とす為ならと我慢する。
 特に返り血を多く浴びた両手を念入りに洗い、体に着いた泡を洗い流すと、渚は一息着いた。

「本当はお風呂が良かったけどしょうがないよね」

 囲炉裏を殺害した際に彼が出した絶叫。それを聞けば少なくとも彼の仲間は駆けつけてくる。
 折角住宅地にいるので汚れを落としたいが長居はできない。故に渚は短い時間で済むシャワーで汚れを洗い流すという折衷案を取ったのだった。
 少々不便ではあるが、遠目から人がいるとバレない様に浴場の明かりも点けていない。
 懸念事項であった血まみれの服も、支給品に紛れていた赤いチャイナ服があったので、さっさと処分した。
 浴場から出てバスタオルで体を拭き、ドライヤーが無い事に不満を覚えながら下着とチャイナ服を着込んで廊下へと繋がるドアを空けた。

「……っ!?」

 瞬間、渚は誰かの気配を感じ立ち止まる。左手にあるリビングへと視線を移した。
 月明かりに照らされたリビングにあるのは渚の持ってきたデイパックが二つとサバイバルナイフ、侵入の為に割ったガラスの破片だけの筈。
 だが、ソファの上、気怠げに腰掛けている人影が一人。
 学生服を着たひどく冷たい笑顔を浮かべた男、七夜志貴の姿があった。

「こんばんは。勝手に入らせて貰ったが、まぁキミにとっても他人の家だ。特に断りを入れる必要もないだろ?」
「……誰?」
「どこにでもいる殺人鬼さ、相手を探してたら浴場から歌が聞こえたもんでね。
強姦魔って訳じゃないから、歌姫が来るまでここで待たせてもらったってとこさ」

 殺人鬼、その言葉に緊張が走る。
 自分のデイパックまでは後数歩。
 七夜の話しを聞きながら、渚は七夜という人間の観察をする。

(年は同じぐらいみたいだけど、とりあえずあいつはお兄ちゃんじゃない。
お兄ちゃんは殺人鬼なんかじゃないし、もっと優しい目をしてるもん)
「ああ、そうだ。俺の性に合っている武器があったんでね。
勝手で悪いが俺の武器とキミのナイフ、交換させてもらったよ。
元の性能は俺に支給された武器の方がいいんだが、些か大きすぎて俺には扱いづらい。
慣れない武器なんざ極力使わないに超した事はないだろ?」

 そう言いながら七夜は自分の手に持ったサバイバルナイフを見せ、その後、渚のデイパックがあるテーブルの上に置かれた緋想の剣を指差した。
 渚は罠が無いか七夜への警戒を強めながら恐る恐る自分のデイパックに触れ、特に異常がないかを確認する。
 それを見て七夜はおかしそうに笑い出した。

「随分と用心深いんだな。安心しろ、罠なんて仕掛けてないさ。俺の趣味じゃない」
「……殺人鬼の言う事なんて信頼できると思う?」
「ごもっとも。だが信じてもらう他はないな。
折角、大手を振って殺し合えるんだ、同じ殺すにしても、一方的な殺しってのはあまり好ましくない。
やるなら徹底的にやり合わないとな。
これなら殺人鬼らしくて説得力があるだろ?」

 愉しそうに笑う七夜を尻目に、渚は恐る恐る引き寄せた緋想の剣を調べる。
 専門知識は無いが、見た感じ特に罠は仕掛けられていない。
 七夜の言から考えても罠は本当に仕掛けていないのだろう。
 ならば、すべき事は目の前の障害の処理。七夜に対し殺意を込めて渚は緋想の剣を構えた。
 その様子に七夜は満足げに頬を緩める。

「ああ、やっぱりこっち側の相手ってのはいいな。
何も無しに互いに殺し合う状況になれる」
「こっち側? 私とあなたを一緒にしないでくれる?」
「ハ――、まあ認めなくても構わないさ。
キミが認めていなくても事実としてキミはこっち側だ。
少なくともまともな人間じゃない」
「私はまともな人間だもん!! お兄ちゃんと同じ、まともな人間!!」

 鬼気迫る表情で渚が叫ぶ。
 対する七夜は兄という単語に微かに反応をしめす

「兄? ああ、なるほど。それがキミの殺す理由か。
やれやれ、妹って人種はこっち側になる確率でも高いのかね?」
「だから――!」
「さっきも言ったぜ? 認めなくても事実としてキミはこっち側だ。
人を殺す事を厭わない時点でまともじゃないのさ。
――俺もキミもな」
「……っ!! うるさぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」

 渚は激昂し、緋想の剣を片手に一足飛びに駆けた。
 この殺し合いの場において会った虫の中でも殊更不快な虫だった。
 殺人鬼と一緒にされる事が、言外に自分と兄が違う人種だと、決定的な溝がある人種だというように聞こえた。

(私はお兄ちゃんと同じ側だもん! 殺人鬼なんかと一緒にしないで!)

 怒り一色に染まった渚を見て、七夜は溜め息をつく。そこには明らかな失望の色があった。
 渚は少女とは思えない身体能力で飛び出し右斜め下、一歩踏み込みながら右斜め上、振りかぶりながらの横一閃と三種の斬撃を続けざまに繰り出す。
 だが七夜はそれを全て紙一重で躱した。
 弱点を突く緋想の剣とて当たらなければどうという事はない。
 驚愕に染まりながら、渚は更に攻撃を繰り出そうとするが、七夜が不意に視界から消えた瞬間、足に衝撃が走り体勢を崩した。

「きゃあ!?」

 地面に盛大に尻餅を着いて、初めて渚はしゃがんだ七夜に足を払われた事に気づいた。
 慌てて体勢を立て直す渚を、七夜は冷ややかな目で見つめている。

「興が冷めた」

 一言そう呟いた七夜の目を見て、渚は動きが停止した。
 七夜から放たれた物、それは渚の狂気を吹き飛ばして尚余りある、圧倒的な殺意。

「挑発するような事をいった俺にも落ち度はあるとはいえ、あまりにもお粗末すぎる。
感情に流されて突っ込む事しかできないなんて三流以下だ。
感情を抑制できないなら、せめて俺の知り合いみたいにでたらめな力をつけてからにしろ。
……最初にあった咲夜さんを基準で考えてたせいか期待値が大きかったのかもな。
何にしろあの程度しかできないって言うんなら、キミには失望する他ない」

 不機嫌になっていく七夜に対し、渚は一言も発さない。いや、発せない。
 十数年という平凡な生涯の中、殺意を向けた事はあったとしても殺意をむけられた経験なぞ一回も無かった。
 産まれて初めて浴びた殺意に渚は後ずさり、怯える事しかできない。
 今までに感じた事もない恐怖に苛まれながらも、渚はこの状況をどうするか考える。
 さっきの一戦から正攻法は無理。ならば奇策を使うしか無い。
 かといって自分の手にある緋想の剣だけでできる事はたかが知れ、今更デイパックを開く猶予もない。
 どうする? 渚は思考の迷宮に入りかける。
 その時、テーブルの上に置いてあった物が渚の指に触れた。
 それを見た時、渚の脳裏に一つの考えが浮かんだ。

(……これなら!)

 僅かに見えた希望。それを手に隠しながら、彼女は自らのデイパックの近くでへたりこんだ。
 それを観念したと見た七夜は、溜め息をついた後、一歩一歩、渚目がけ進んでいく。

「まぁ、ナイフの礼に一撃で終わらせてやる。
――その魂、極彩と散れ」
(今だ!)

 七夜がナイフを構えた瞬間、渚は手に持った瓶を七夜に向けて投げつけた。

「な――!?」

 不意を突かれた七夜は咄嗟にナイフで瓶を切断する。
 その瞬間切断された瓶から舞い上がった胡椒が七夜の鼻孔を容赦なく蹂躙する。
 刹那、渚はデイパックを担ぎながら、テーブルを踏み台にして飛び出した。
 盛大なくしゃみをBGMに目指すのは、自分で空けたガラスの穴。
 渚の取った手段は攻撃ではなく逃走。強烈な殺意に当てられた渚の本能が目の前の殺人鬼に立ち向かう事を否としたのだ。

(助かった! これで)
「――計略 『退路遮断』」

   妨    害   ――INTERRUPT――

「息絶えるがいい」
(――え?)

 七夜の声に続いて聞き覚えのない少女の声が響く。

 次の瞬間、渚はガラスの穴から逃げようとして、見えない壁と衝突した。

「うあっ!」

 何が起きたのか理解できなかった渚が、穴に向けて手を伸ばす。
 だが穴より前に見えない壁があり、それから先へは進めない。

「え? 何で!? 何でなのよぉ!?」
「何も武器っていうのは刃物や銃だけじゃない……っくしゅ!!」

 ヒステリーを起こした渚は、後ろから聞こえる声にびくりと反応する。
 振り向くとそこにはサディスティックな笑顔と共に消えていく少女と、その少女の姿が描かれたカードを片手に、こちらを見下ろす七夜の姿があった。

「UC(アンコモン)董白。計略は退路遮断、文字通り相手の逃げ道を塞ぐ効果だ。
何かの役に立つかと懐に忍ばせておいたが、まさかこんなところで役に立つとはな。
ま、これから24時間使えないのは泣き所だが」
「あ……、ああ……」

 冷ややかに笑う死神を前に渚の顔が絶望に染まった。
 僅かな希望があった分、その絶望の度合いも深い物となる。

「手違えたな。
あの場で目くらましに成功した時に俺を殺せばキミは助かったんだ。
だってのにキミはよりにもよって逃げ出した。
まったく、つくづく使えないよ、キミは」

 既に手詰まり。自力での生還のチャンス万に一つもない。
 渚に待つのはもはや死のみ。

(お兄ちゃん……)

 この状況でも尚思い出せない兄に、渚は人知らず助けを求めていた。
 また、夕食を作ってあげたい。
 また、買い物に行きたい。
 また、ちょっとした我が侭を言って困らせたい。
 また、手を繋いで歩きたい
 ――また、一緒に暮らして笑いあいたい。だから

(助けてよ……、お兄ちゃん……)

 恐怖に目を瞑る渚の目から涙がこぼれる。
 そして殺人鬼は無力な少女に無慈悲な一撃を振り下ろす。
 ……筈だった。

「生半可なナイトには真似できないホーリー!」

 声と共に、部屋に極光が瞬いた。
 ジャリ、と渚の前に立ちはだかる人の影。

(え? ……お兄ちゃん?)

 聞き覚えのある声に思わず目を見開いた渚。
 銀の神に褐色の肌、尖った耳に甲冑を纏った騎士。
 渚の眼前に立っていたのは兄ではなく、渚が殺した虫の仲間だったコスプレ男だった。
 何故、そのコスプレ男がここにいるのか、仇討ちか、はたまた別の目的か。
 少なくともまだ助かってない事だけは理解できた。

 間に合った、とブロントさんは内心安堵の溜め息をつく。
 渚を探していた際に急に聞こえた怒声を頼りに、くまなく近隣の民家を探していると、絶体絶命な状況の彼女を発見したのだった。
 何故チャイナ服なのか疑問に思ったが、それを思考の片隅に追いやり、ナイフを構えた七夜をブロントさんは睨みつける。

「おいィ? なにいきなり殺そうとしてるわけ? マジでかなぐり捨てンぞ?」
「なんだアンタ? そいつの仲間か?」
「……いや、俺のPTの仇だ」

 仇。
 これだけで渚には目の前の男が何の為にやってきたのか予想がついた。
 助かったと思った矢先に来たのはまたピンチ。渚は自分の不運を呪った。
 だからこそ、渚は次の言葉に耳を疑ったのだった。

「だが殺すかどうかと問われればどちらかと言うと大反対だな」

 平然と言ってのけたブロントさんを七夜は興味深そうに見つめる。

「わからないな。なんでまた仲間の仇を殺さないんだ?」
「ナイトはPTを守るジョブだし俺は謙虚で広大な心の持ち主だから人殺しはしない
それにこいつがこの世界でひっそりと幕を閉じた所で囲炉裏が帰ってこないのは確定的に明らか
なら俺はこいつに囲炉裏の墓前でもう人殺しはしないよう誓わせる
かなぐり捨ててでも誓わせる」

 その発言に七夜は一瞬呆然とした表情を浮かべた。
 だが、ぽかんとした口は次第に三日月を作り上げ、愉悦の表情を浮かべる。

「アンタ、それを本気で言ってるのか?
だとしたら希代の大莫迦だ。
そいつはこっち側の人間だよ。殺しをやめるなんてできやしない」
「俺がどうやって大莫迦だって証拠だよ
一念岩も通すという名セリフを知らないのかよ」
「……まあ、いいさ。俺としては殺せればそれでいいし、アンタのほうがそいつより殺し甲斐がありそうだ」

 そう言って七夜はナイフを構える。
 が、ブロントさんは武器を持つ素振りすら見せず一言言い放った。

「黄金の鉄の塊で出来ているナイトが布装備のジョブに遅れをとるはずはない
だがここで俺が戦うと思ったかよ?。フラッシュ!」
「っ!?」
「バックステッポ&とんずら!!」

 瞬間、先ほどよりも数倍の光量を持つ光が七夜を襲った。
 怯んだ隙にもの凄い速さで遠ざかる足音。
 七夜の視界が戻った時、そこには誰も残っていなかった。

「退路遮断も時間切れ。少し時間をかけすぎたか」

 逃がした獲物は2体。一人はどうでもいいとして、もう一人はなかなか楽しめそうな相手だった。
 逃がした魚は大きかったかな? と呟きながら七夜は踵を返した。
 七夜は思う。咲夜しかり白フードの男しかり鎧の男しかり、なんとも殺し甲斐のある相手なのかと。
 そいつらとの本気での再戦や、まだ見ぬ強敵との殺し合いを思い浮かべると、クリスマスを前にした子供の様に、無性にうきうきしてしまう。

「本当、飽きないなぁここは。さて、時間はまだあるんだ。これからに備えて少し休んでから行くか」

 デイパックを肩にかけ、殺人鬼は何かないかと台所へと向かった。

【B-2 西部 民家/一日目 黎明】

【七夜志貴@MUGEN】
[状態]:普通
[装備]:サバイバルナイフ@現実
[道具]:基本支給品、三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、ランダム支給品0~1(支給品は確認済み)
[思考・状況]基本思考:殺し合いをする 
1:とりあえず一休み。
2:『殺し合い』をする。
3:死んでも構わない。
4:白いの(ときちく)が気になるが後回し。
5:あの女(渚)はどうでもいいが鎧の男(ブロントさん)とは殺し合ってみたい。

※備考
  • 十六夜咲夜の名前を知りました。
  • ときちくは姿しか知りません。
  • 咲夜の能力を推察しました。

 盛り上がった地面の上に石が置かれた簡素な墓。
 その前にいるのはチャイナ服を着た少女、渚と、甲冑を纏った青年、ブロントさん。
 七夜と対峙したブロントさんは、実力が未知数の七夜を倒す事よりも、確実に渚を守る為に彼女を担いでの逃走を選んだ。
 渚を担ぎながら、とんずらとバックステッポの合わせ技でカカッと逃げ出してきたブロントさんが向かった場所がここだった。
 逃走中、どう話せばいいのか考えていたブロントさんだが、ここに着き、渚を降ろした途端、彼女は一言謝ったのだった。

「お兄ちゃんがここにいるかも知れなくて、私、お兄ちゃんを生き残らせようとして必死で……」

 そう今にも泣き出しそうな顔をしながら言う渚の頭を、ブロントは黙って撫でた。

「安心しろPTを守るのがナイト
もしここにお前の兄がいたらナイトである俺が守るという事は確定的に明らか
だからこんな事はもうやめて今までに殺した人に謝って罪を償っテ!」
「……うん」

 変な言い回しではあるが、言いたいことは理解した渚は、囲炉裏の墓の前で手を合わせた。

「ごめんなさい」

 一言の謝罪が風に乗って消えた。
 それを無言で見つめていたブロントさんもまた、墓前に手を合わせる。
 少しの間、そうした後、ブロントさんは目を開いた。

「とりあえずお前が襲いかかったあのいけすかない二人に謝りにいくべき
でないとお前が殺し合いに乗っているという情報がこの殺し合いの場に流されてリアルで痛い目を見る事になる」
「……そうですね」
「それとこの緋想の剣は本当に俺が使っていいのか?」
「はい、私じゃ使えこなせそうにないですし」
「こんな高性能の装備をくれるとはさすがに妹は格が違った」

 そう言いながら二人は囲炉裏の墓を後にした。

 ……デイパックを担いだコスプレ男が先に歩いていくのを確認して、私は内心ほくそ笑んだ。
 あの場に乱入してきて、仇と言われた時はどうなるかと思ったが、こいつは私の予想外の事を言ってのけたのだ。
 人殺しはしないよう誓わせる。あの殺人鬼じゃないけど本当に馬鹿みたい。
 私にはお兄ちゃん以外は誰もいらない。
 というより、お兄ちゃん以外の虫を掃除しないとお兄ちゃんを守れないんだもん。私がやめる訳ないじゃない。
『お兄ちゃんを守る為に殺した』
 私、一言も嘘はついてないし、その為に動くのこれからも変わらない。
 ついでに言えばもう殺さないなんて言ってないのに、本当、お兄ちゃん以外の男の人って馬鹿だよね。
 ただ、あの殺人鬼みたいに私じゃどうしようもない相手がいるのも事実。
 なら、どうやって対処するか? 決まっている。虫同士潰し合わせればいいんだ。
 そしてこのコスプレ男みたいなお人好しにお兄ちゃんを守らせて、最後になったら不意を突いて殺せばいいだけ。
 それと、無闇に虫を掃除して回ったのは私も失敗したと反省する。
 こいつも言っていたが、もしお兄ちゃんにそんな話がいったら大変、お兄ちゃんは信じないだろうけど、どっちにしろお兄ちゃんを悲しませる事になっちゃう。
 だからそんな事いうお喋りな毒虫はなんとかしないと。
 ねえ、私、お兄ちゃんを助ける為ならなんだってするよ?
 嫌いな相手に頭も下げるし、邪魔な奴をばれないように殺す。
 だから、待っててねお兄ちゃん。一緒に帰ろう?

【B-2 西部 住宅街/一日目 黎明】
【ブロントさん@ネ実】
[状態]: 軽い打撲や切り傷を全身に負っているが行動にしstyうはない、軽い疲労、防具がやや損傷、左篭手が大破
[装備]:緋想の剣@東方project
[道具]:支給品一式×2、ランダム支給品0~2(剣などの武器はない)
[思考・状況]基本思考:右上と左上を倒し真のエンディングを迎えひっそりとリアルより充実したヴァナ生活を送る。
1:渚と渚の兄を守る
2:あの二人を見つけ渚を謝らせる
3:出会ったやつに話しかけ出来れば仲間にして敵対するようならばカカッと対処する。

【備考】
※メタ知識に関しては不明だがそんなものはなくてもブロントさんはうろたえない
※ナイトの防具一式はもはやブロントさんの普段着であるので奪われるわけがない
※流石に人が死んだので自分の行動に関してどちらかというと大反省したようです。

【野々原渚@ヤンデレの妹に愛されて夜も眠れないCDシリーズ】
[状態]:ヤンデレ、全身に軽い切り傷、腹部にダメージ(中)
[装備]:チャイナ服@現実
[道具]:支給品一式×2、タバコ一箱@メタルギアシリーズ、北条鉄平の首、北条鉄平の首輪、不明支給品0~5
[思考・状況]
1:ブロントさんを利用してお兄ちゃんと自分を守ってもらう。
2:あの二人を見つけて、自分の風評が流れるのを防ぐ
3:表立っての殺しはしない
4:最終的に意地汚い虫はみんな殺すが強い奴は潰し合わせる。
5:料理の材料を調達する?

【三国志大戦カード@三国志大戦】
計略を叫ぶことでその計略を自己か相手、味方等決まった対象にかける事ができる。全ての効果に制限時間あり。また1回使用につき24時間使用不可。
一枚で支給品一つの計算

UC董白 計略『退路遮断』
ロワ内効果というか解釈:かかった相手だけが通れなくなる不可視の壁を作り出す。一定時間で消える

【チャイナ服@現実】
スリットの入った赤いチャイナ服。



sm58:魂のYOU☆斬 時系列順 sm60:しねばいいのに
sm58:魂のYOU☆斬 投下順 sm60:しねばいいのに
sm23:とある館の暗殺者達 七夜志貴 sm85:一里四辻・一鹿六兎
sm47:愛の嵐 ブロントさん sm91:このままでは私の寿命がストレスでマッハなんだが・・
sm47:愛の嵐 野々原渚 sm91:このままでは私の寿命がストレスでマッハなんだが・・






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