戦うことの意味 ◆7UfBAN/wns
「まったく……ふざけるのもいい加減にしてほしいな」
アレックスが目覚めてすぐに口にしたのは、現状に対する素直な愚痴だった。
彼はまだ見ぬ強者との戦いを求め、世界中を旅していた筈だった。
同じ格闘家は勿論、時には忍者や吸血鬼、ミュータントや妖怪までも相手にする事もあった。
それが気がつけば、いつのまにか殺し合いの場に放り込まれている。
この状況に文句が出ないわけがない。
彼はまだ見ぬ強者との戦いを求め、世界中を旅していた筈だった。
同じ格闘家は勿論、時には忍者や吸血鬼、ミュータントや妖怪までも相手にする事もあった。
それが気がつけば、いつのまにか殺し合いの場に放り込まれている。
この状況に文句が出ないわけがない。
「俺が望んでいるのは、こんなファイトじゃないぜ?」
戦う機会を与えられたという事、それ自体には文句は無い。
しかし、殺し合いという舞台である事がアレックスには不満だった。
彼が求めていた戦いは、相手を死に追いやって終わる様なものではない。
全力を出してぶつかりあい、戦いを通じてお互いを知る。
戦いが終われば、それを励みや教訓にして成長を重ねる。
そして、次に会う時を楽しみとする。
それこそがアレックスにとっての戦いであり、彼が見つけた格闘技の奥深さというものであった。
その全てを否定する殺し合いなど、するつもりはない。
しかし、殺し合いという舞台である事がアレックスには不満だった。
彼が求めていた戦いは、相手を死に追いやって終わる様なものではない。
全力を出してぶつかりあい、戦いを通じてお互いを知る。
戦いが終われば、それを励みや教訓にして成長を重ねる。
そして、次に会う時を楽しみとする。
それこそがアレックスにとっての戦いであり、彼が見つけた格闘技の奥深さというものであった。
その全てを否定する殺し合いなど、するつもりはない。
(まあ……それでも、倒さなきゃやばい相手ってのはいるだろうけどな)
もちろん、アレックスとて危険性は理解している。
これから遭遇する相手次第では、覚悟を決めざるを得ない場合もあるだろう。
その時には、アレックスも躊躇をするつもりはなかった。
これから遭遇する相手次第では、覚悟を決めざるを得ない場合もあるだろう。
その時には、アレックスも躊躇をするつもりはなかった。
「……とりあえず、今どうなってるのかを確認してみるかな」
ひとまずは状況を確認すべきである。
アレックスは足元のデイパックを開け、参加者名簿を取り出した。
もしかすると、これまでに出会ってきたファイター達の名が書かれているかもしれない。
この殺し合いをどうにかする為には、協力できる人物は絶対に必要だ。
アレックスは足元のデイパックを開け、参加者名簿を取り出した。
もしかすると、これまでに出会ってきたファイター達の名が書かれているかもしれない。
この殺し合いをどうにかする為には、協力できる人物は絶対に必要だ。
(もし、リュウでもいてくれたらこの上なく頼りになるんだがな……)
名簿を開こうと指をかける。
―――――――その瞬間だった。
「ア イ テ ム な ぞ 使 っ て ん じ ゃ あ ね え ぇ ぇ ぇ ぇ っ !!」
荒々しい口調の、野太い叫び声がビル全体に響き渡った。
それに僅かに遅れてコンマ1秒後……アレックスのすぐ背後にある壁が、音を立てて砕け散った!
それに僅かに遅れてコンマ1秒後……アレックスのすぐ背後にある壁が、音を立てて砕け散った!
「なんだ!?」
アレックスはすぐにその場から飛びのき、背後へと視線を移す。
破片は全て彼の目の前に飛び散っている。
つまりこれは、隣の部屋から壁越しに彼を狙った一撃。
もう一歩後ろにいたら、壁諸共粉々にされていただろう。
破片は全て彼の目の前に飛び散っている。
つまりこれは、隣の部屋から壁越しに彼を狙った一撃。
もう一歩後ろにいたら、壁諸共粉々にされていただろう。
「誰だ、出て来い!!」
その呼び声に答えるかの様に、バキッと小気味良い音が響いた。
強襲者―――バルバトス・ゲーティアは破片を踏み砕きながら、壁の向こうからその姿を現した。
アレックスに勝るとも劣らない、強靭な肉体。
その全身から放たれている、凄まじい威圧感。
土煙が濛々と立ち込め、まるでそれらを演出するかの如く、彼の姿を半ば隠している。
強襲者―――バルバトス・ゲーティアは破片を踏み砕きながら、壁の向こうからその姿を現した。
アレックスに勝るとも劣らない、強靭な肉体。
その全身から放たれている、凄まじい威圧感。
土煙が濛々と立ち込め、まるでそれらを演出するかの如く、彼の姿を半ば隠している。
「おいおい、随分と荒っぽい挨拶だな。
自己紹介も抜きにおっぱじめようってのか?」
「ククッ……確かに言うとおりだ。
己が殺される相手の名前ぐらいは知っておきたいよなぁ……!!」
自己紹介も抜きにおっぱじめようってのか?」
「ククッ……確かに言うとおりだ。
己が殺される相手の名前ぐらいは知っておきたいよなぁ……!!」
――――ニィッ。
バルバトスの顔に笑みが浮かぶ。
それは狂気の混じった、それでいて純粋な喜び。
彼は実に嬉しかった。
今の一撃で震え上がり、縮こまる様な者が相手では戦っても楽しくない。
その点、アレックスは実に良い。
鼠のように逃げおおせず、臆する事無く向き合ってきている。
バルバトスにとって、戦うに値する敵であった。
それは狂気の混じった、それでいて純粋な喜び。
彼は実に嬉しかった。
今の一撃で震え上がり、縮こまる様な者が相手では戦っても楽しくない。
その点、アレックスは実に良い。
鼠のように逃げおおせず、臆する事無く向き合ってきている。
バルバトスにとって、戦うに値する敵であった。
「俺の名はァ、バルバトス・ゲーティアだ……貴様の名を聞いておこうか?」
「アレックスだ……バルバトス。
悪いが、殺し合いをやるって言うなら容赦する気はないぜ?
お前みたいな奴を野放しにしちゃ、どうなるか分からねぇからな」
「アレックスだ……バルバトス。
悪いが、殺し合いをやるって言うなら容赦する気はないぜ?
お前みたいな奴を野放しにしちゃ、どうなるか分からねぇからな」
「望むところよぉっ!!
さあ、おっぱじめるぞアレックスゥッ!!
俺の渇きを……癒せぇぇぇぇぇぇぇいっ!!」
さあ、おっぱじめるぞアレックスゥッ!!
俺の渇きを……癒せぇぇぇぇぇぇぇいっ!!」
雄叫びを上げ、バルバトスが土煙の中から駆け出る。
それと同時にアレックスは、バルバトスの両手に視線を移した。
土煙の中にいた状態ではうっすらとしか確認できなかったが、彼は何か武器を手にしている。
壁を粉砕したあの一撃の威力から察するに、恐らくは相当強力な何か。
アレックスはその正体を警戒し……そして驚愕した……!!
それと同時にアレックスは、バルバトスの両手に視線を移した。
土煙の中にいた状態ではうっすらとしか確認できなかったが、彼は何か武器を手にしている。
壁を粉砕したあの一撃の威力から察するに、恐らくは相当強力な何か。
アレックスはその正体を警戒し……そして驚愕した……!!
「なにっ!?」
意外、それはキーボードッ!!
お世辞にも武器とは言い難い、日常的な道具……!!
この予想外の出現に、アレックスは驚きを隠せない。
そしてその驚きは、彼の動きを一瞬鈍らせる……!
お世辞にも武器とは言い難い、日常的な道具……!!
この予想外の出現に、アレックスは驚きを隠せない。
そしてその驚きは、彼の動きを一瞬鈍らせる……!
「ぶるあぁぁぁぁぁぁあああっ!!」
その隙をバルバトスは見逃さない。
キーボードは咆哮と共に振り払われ、アレックスの右肩を打つ。
それは本当にキーボードによるものなのか、そう疑いたくなるほどの威力……!!
アレックスは顔をしかめ、怯む……が!!
キーボードは咆哮と共に振り払われ、アレックスの右肩を打つ。
それは本当にキーボードによるものなのか、そう疑いたくなるほどの威力……!!
アレックスは顔をしかめ、怯む……が!!
「っ……ハァッ!!」
アレックスは無事な左手を即座に伸ばす。
そのまま、バルバトスの肩を力強く掴み……!!
そのまま、バルバトスの肩を力強く掴み……!!
「ヌンッ!!」
ヘッドバッド!!
「ぬぐぅっ!?」
頭突きという攻撃手段は、バルバトスにとって予想外。
脳に衝撃が走り、視界が揺らいだ。
その刹那、アレックスは追撃の一打を繰り出す!
脳に衝撃が走り、視界が揺らいだ。
その刹那、アレックスは追撃の一打を繰り出す!
「フラァッシュ!!」
「むぅぅっ!?」
「むぅぅっ!?」
強烈な逆水平、フラッシュチョップ……!
バルバトスの胴体へとそれはまともに直撃し、背を向け仰け反らされる。
そのままアレックスは、バルバトスへと両手で掴みかかりに行く。
彼の定石パターンとも言える、フラッシュチョップからのバックドロップ……だが!!
バルバトスの胴体へとそれはまともに直撃し、背を向け仰け反らされる。
そのままアレックスは、バルバトスへと両手で掴みかかりに行く。
彼の定石パターンとも言える、フラッシュチョップからのバックドロップ……だが!!
「俺の背後に立つんじゃねぇっ!!」
バルバトスの反応が、アレックスのスピードを上回る……!!
自らの胴体へとアレックスの腕が回されたその瞬間、ホールドされる寸前に逆に腕を掴みげたのだ。
そして、力に任せ自らの前方へとぶん投げる!!
自らの胴体へとアレックスの腕が回されたその瞬間、ホールドされる寸前に逆に腕を掴みげたのだ。
そして、力に任せ自らの前方へとぶん投げる!!
「グッ……!!」
「まだだっ!!」
「まだだっ!!」
アレックスが肩から床へと叩きつけられ、同時にバルバトスが動く。
超高速で詠唱、その起き上がりを攻める……!!
超高速で詠唱、その起き上がりを攻める……!!
「灼熱のバーンストライクゥッ!!」
アレックスの頭上に、巨大な火の玉が出現する。
そしてそれは、倒れているアレックス目掛けて一斉に降り注ぎ始める……!!
そしてそれは、倒れているアレックス目掛けて一斉に降り注ぎ始める……!!
「うおおぉ!?」
アレックスはとっさに転がり、落下してくる火の玉を回避していく。
次々に床が砕け、孔が穿たれていく。
こんなものを受けては一たまりも無いと、アレックスは懸命に回避に努める……だが……!
次々に床が砕け、孔が穿たれていく。
こんなものを受けては一たまりも無いと、アレックスは懸命に回避に努める……だが……!
「とったぁぁぁっ!!」
その先にはバルバトスが待ち受ける……!!
彼は無慈悲にも、倒れているアレックスへとその片足を振り上げ……!!
彼は無慈悲にも、倒れているアレックスへとその片足を振り上げ……!!
「いつまで寝てんだ!?」
「ガァッ……!?」
「ガァッ……!?」
踏む……!!
炸裂したのは踵、命中したのは腹部。
鍛え上げられた腹筋も、バルバトスの全体重を乗せた踏みつけは防ぎきれない。
アレックスの表情が苦悶で歪んだ。
炸裂したのは踵、命中したのは腹部。
鍛え上げられた腹筋も、バルバトスの全体重を乗せた踏みつけは防ぎきれない。
アレックスの表情が苦悶で歪んだ。
「まだいくぞおおぉぉっ!!」
バルバトスはすかさず二撃目へ移行。
再び足を上げ、踏みにいく……だが!!
再び足を上げ、踏みにいく……だが!!
「Now!!」
「なぁにぃっ!?」
「なぁにぃっ!?」
とっさにアレックスは両手を地に付け体を回転させ、そのまま足払いを仕掛けたのだ。
片足で立つバルバトスは、大きく体勢を崩さざるを得ない。
今度は、バルバトスが地面に倒れ伏せる番……ではなく。
アレックスは素早く起き上がり、倒れる寸前だった彼の胴体を、逆さまに両手でがっちりとホールド……!!
片足で立つバルバトスは、大きく体勢を崩さざるを得ない。
今度は、バルバトスが地面に倒れ伏せる番……ではなく。
アレックスは素早く起き上がり、倒れる寸前だった彼の胴体を、逆さまに両手でがっちりとホールド……!!
「ドゥゥワァァオオォォッ!!」
そして跳躍!
全力を込め、空中から床へとバルバトスを叩きつける……パワーボムッ!!
全力を込め、空中から床へとバルバトスを叩きつける……パワーボムッ!!
「ブルァアァァァァァァァアアァァァァァァァァアアアアアッ!?」
脳天から強く打ち付けられ、襲いくる激痛にバルバトスが咆哮をあげる。
アレックスはここでバルバトスから両手を離し、一度距離を取る。
今の一撃で与えられたダメージは大きい、もしかすれば倒しきれているか。
うつ伏せに倒れこんだバルバトスを、アレックスは注意深く警戒する……その時。
アレックスはここでバルバトスから両手を離し、一度距離を取る。
今の一撃で与えられたダメージは大きい、もしかすれば倒しきれているか。
うつ伏せに倒れこんだバルバトスを、アレックスは注意深く警戒する……その時。
「ククッ……ハァァァッハッハッハァァァッ!!」
バルバトスは、笑いながら起き上がった……!!
頭からは血が垂れ流されているが、そんなことは関係ない。
彼には、こんなに楽しい戦いは久々であった。
心地良い痛み、潤う渇き。
ここで倒れてなるものか、ここで終わらせてなるものか……!!
頭からは血が垂れ流されているが、そんなことは関係ない。
彼には、こんなに楽しい戦いは久々であった。
心地良い痛み、潤う渇き。
ここで倒れてなるものか、ここで終わらせてなるものか……!!
「……とんでもない奴だな。
戦うのが好きって気持ちは分かるが、ちょっといきすぎだぜ?」
「俺の本能が叫ぶのさ、貴様を殺せとぉっ!!」
戦うのが好きって気持ちは分かるが、ちょっといきすぎだぜ?」
「俺の本能が叫ぶのさ、貴様を殺せとぉっ!!」
バルバトスは、これで二度目となる猛進に出る。
キーボードがアレックスの顎目掛け、垂直に振り上げられた。
アレックスはそれを右手で払いどけようとする……が!!
キーボードがアレックスの顎目掛け、垂直に振り上げられた。
アレックスはそれを右手で払いどけようとする……が!!
「ぐわっ!?」
「かかっとぅわぬあぁぁぁっ!!」
「かかっとぅわぬあぁぁぁっ!!」
防御よりも早く、アレックスの眉間を何かが打った。
それは、キーボードのコードッ……!!
打撃を警戒していたアレックスには、この鞭打は効果的であった。
それは、キーボードのコードッ……!!
打撃を警戒していたアレックスには、この鞭打は効果的であった。
「今死ねぇっ!!」
そのまま、キーボード本体はアレックスの顎を打つ。
彼の体は、僅かに空中へと浮き上がり……!
彼の体は、僅かに空中へと浮き上がり……!
「すぐ死ねぇっ!!」
そこへとキーボードが打ち下ろされ、地面へと叩きつけられ……!!
「骨まで砕けろぉっ!!」
再度、上空からの振り下ろし!!
これぞ、バルバトスが得意とする三連殺……!!
これぞ、バルバトスが得意とする三連殺……!!
「ぐわあぁぁぁぁぁぁっ!!」
アレックスは床へと、仰向けに倒れこむ。
全身の至るところから鈍痛がする。
キーボードでありながら、バルバトスの攻撃力は絶大であった。
全身の至るところから鈍痛がする。
キーボードでありながら、バルバトスの攻撃力は絶大であった。
「どうしたぁ、これで終わりかぁっ!!」
「くそ……まだっ……!!」
「くそ……まだっ……!!」
しかし、アレックスの闘志は消えず……それどころか、寧ろ燃え上がっていた。
目の前の男は強い。
だからこそ、ここでどうにかして止めなければ大変な事になる。
確実にこの男は、殺し合いを悪い意味で盛り上げてくれる。
そう悟り、自らを奮い立たせたのだ。
目の前の男は強い。
だからこそ、ここでどうにかして止めなければ大変な事になる。
確実にこの男は、殺し合いを悪い意味で盛り上げてくれる。
そう悟り、自らを奮い立たせたのだ。
「お前は、ここで止める……!!」
アレックスは腕に力を込め、何とか立ち上がろうとする。
床を押し、体を持ち上げていく。
床を押し、体を持ち上げていく。
だが、その瞬間。
勝負はあまりにも呆気ない形で幕を閉じた。
勝負はあまりにも呆気ない形で幕を閉じた。
――――ミシッ……
「なっ……!?」
「何ぃっ!?」
「何ぃっ!?」
アレックスの足元に亀裂が走った。
そうなった理由は単純、傷つきすぎたからだ。
投げつけ、バーンストライク、踏みつけ、パワーボム、三連殺。
共に強力なパワーを持つアレックスとバルバトスの攻撃を散々受け、無事ではいられなかった……!!
そうなった理由は単純、傷つきすぎたからだ。
投げつけ、バーンストライク、踏みつけ、パワーボム、三連殺。
共に強力なパワーを持つアレックスとバルバトスの攻撃を散々受け、無事ではいられなかった……!!
――――バキィッ!!
「くっ……うおおおおおおおっ!!」
「ぬおおぉぉっ!?」
「ぬおおぉぉっ!?」
床が抜けた。
とっさにバルバトスはバックステップしてそれを避ける。
だが、アレックスには出来なかった。
まともに崩壊に巻き込まれ、下層階へと落ちていく。
そして、続けて瓦礫の山が彼へと降り注ぎ……その体を埋めた。
とっさにバルバトスはバックステップしてそれを避ける。
だが、アレックスには出来なかった。
まともに崩壊に巻き込まれ、下層階へと落ちていく。
そして、続けて瓦礫の山が彼へと降り注ぎ……その体を埋めた。
「……何だよそりゃああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
予想だにしなかった、最悪の形での幕切れ。
バルバトスは咆哮する。
もっと戦いを楽しみたかった、もっと血を見たかった、もっと痛みを味わいたかった。
怒り、悲しみ、絶望、あらゆる感情が内から込み上げてくる。
バルバトスは咆哮する。
もっと戦いを楽しみたかった、もっと血を見たかった、もっと痛みを味わいたかった。
怒り、悲しみ、絶望、あらゆる感情が内から込み上げてくる。
「ぶるああぁぁぁぁぁあああ!!」
目の前の壁を殴り、発散させようとする。
しかし、そんなものでこの高ぶりは収まらない。
ならば、この辺り全体を破壊しつくしてくれようか。
バルバトスはもう一度、壁を殴りつけようとする……が。
しかし、そんなものでこの高ぶりは収まらない。
ならば、この辺り全体を破壊しつくしてくれようか。
バルバトスはもう一度、壁を殴りつけようとする……が。
「……ん……?」
そんな彼の足元へと、何かが転がってきた。
それは、戦いの邪魔になると思い置いてきた彼のデイパックから、偶然にも零れ落ちた支給品。
網目状の皮をした、緑色の丸い果物……俗に言うメロンである。
それは、戦いの邪魔になると思い置いてきた彼のデイパックから、偶然にも零れ落ちた支給品。
網目状の皮をした、緑色の丸い果物……俗に言うメロンである。
「……」
バルバトスは何を思ったか、それを拾い上げる。
そして、力任せに真っ二つに裂き……
そして、力任せに真っ二つに裂き……
――――ガジッ!!
ストレスをそれにぶつけるかのごとく、勢いよく食らった。
アレックスとの激闘では、体力を消耗した。
体が本能的に、甘みと水分を求めたのだ。
そのまま、黙々とメロンにかじりつく事数分。
半身を食らい尽くした所で、バルバトスは動きを止めた。
アレックスとの激闘では、体力を消耗した。
体が本能的に、甘みと水分を求めたのだ。
そのまま、黙々とメロンにかじりつく事数分。
半身を食らい尽くした所で、バルバトスは動きを止めた。
「いいだろう……ならば探すまでだ……!!
新しい獲物をなぁぁぁっ!!」
新しい獲物をなぁぁぁっ!!」
僅かながらに冷静さを取り戻した狂戦士は、ホテルを出て行こうとする。
これだけの規模の殺し合いなのだ、きっと他にも自分を満足させられるものはいる。
ならば見つけ出し、この手でたたき殺すのみ……!!
これだけの規模の殺し合いなのだ、きっと他にも自分を満足させられるものはいる。
ならば見つけ出し、この手でたたき殺すのみ……!!
「ぶルアあアァぁァぁぁアあぁァぁァぁぁっ!!!!」
【F-3 デパート外/1日目。深夜】
【バルバトス・ゲーティア@テイルズシリーズ】
[状態]:軽度の疲労。
全身に中度の打撲、頭から軽い出血。
[装備]:キーボード@キーボードクラッシャー
[道具]:共通支給品、メロン(1/2)@現実、不明支給品*0~1
[思考・状況]
1:強い相手を探し出し、殺す。
その邪魔をする者も殺す。
【バルバトス・ゲーティア@テイルズシリーズ】
[状態]:軽度の疲労。
全身に中度の打撲、頭から軽い出血。
[装備]:キーボード@キーボードクラッシャー
[道具]:共通支給品、メロン(1/2)@現実、不明支給品*0~1
[思考・状況]
1:強い相手を探し出し、殺す。
その邪魔をする者も殺す。
※アレックスが死んだと判断しています
□■□
「なんとか……助かったか……」
激闘から数十分後。
瓦礫の中でアレックスは目を覚ました。
不幸中の幸いにも、彼目掛けて落下した瓦礫は折り重なりあい、僅かな隙間をうんでいた。
その為、瓦礫の直撃は避けられ、受けたダメージは落下の衝撃のみですんだ。
もっとも、その衝撃で気を失ってしまい今まで眠っていた訳だが。
瓦礫の中でアレックスは目を覚ました。
不幸中の幸いにも、彼目掛けて落下した瓦礫は折り重なりあい、僅かな隙間をうんでいた。
その為、瓦礫の直撃は避けられ、受けたダメージは落下の衝撃のみですんだ。
もっとも、その衝撃で気を失ってしまい今まで眠っていた訳だが。
「……あいつは、もういっちまったのか……?」
瓦礫を押しどけ、外へと這い出る。
周囲を注意深く観察してみるが、誰かがいる気配は無い。
どうやらバルバトスは、アレックスが死んだものとみてここから出て行ったらしい。
助かった、そう思う反面、まずいことになったとも思う。
バルバトスを止める事は失敗に終わったのだ。
このままでは確実に、彼は犠牲者を出していくだろう。
周囲を注意深く観察してみるが、誰かがいる気配は無い。
どうやらバルバトスは、アレックスが死んだものとみてここから出て行ったらしい。
助かった、そう思う反面、まずいことになったとも思う。
バルバトスを止める事は失敗に終わったのだ。
このままでは確実に、彼は犠牲者を出していくだろう。
「このまま……あいつを野放しにはできねぇな……!」
アレックスは闘志を奮い立たせ、身を起こす。
倒すと決めた男を、追いかける為に。
倒すと決めた男を、追いかける為に。
【F-3 デパート内/1日目。深夜】
【アレックス@MUGEN】
[状態]:中度の疲労。
全身に中度の打撲
[装備]:無し
[道具]:共通支給品、不明支給品*0~3
[思考・状況]
1:バルバトスを追いかけ、倒す
2:殺し合いを止める為、仲間を集める
【アレックス@MUGEN】
[状態]:中度の疲労。
全身に中度の打撲
[装備]:無し
[道具]:共通支給品、不明支給品*0~3
[思考・状況]
1:バルバトスを追いかけ、倒す
2:殺し合いを止める為、仲間を集める
※まだ名簿は見ていません。
同じMUGEN出展の者や、MUGENでキャラが作成されている者については知っている可能性があります。
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
同じMUGEN出展の者や、MUGENでキャラが作成されている者については知っている可能性があります。
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
sm09:射命丸文は大変な変人どもに振り回されてデデーン!されて逝きました | 時系列順 | sm11:絶望した!私しか書かれなかった事に絶望した! |
sm09:射命丸文は大変な変人どもに振り回されてデデーン!されて逝きました | 投下順 | sm11:絶望した!私しか書かれなかった事に絶望した! |
バルバトス・ゲーティア | sm43:参加者見つけてすぐ屠る~狂気のバルバトス・ゲーティア | |
アレックス | sm53:写真のちモヤモヤ |