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「トリプルステルスVSプレミアムマーダー(後編)」(2009/03/15 (日) 06:57:08) の最新版変更点
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「ククク……断る気か? だったらこの杖でお前らの姿を右上と左上に変えるまでだ。
主催者を憎み、殺意を抱いている参加者はいくらでもいるだろうぜ」
構えた変化の杖を強調して言った。
「その後はこいつとまたコンビを組み直すまでだ。俺は何も困る事はない。
折角人が美味い話を持ちかけてきてやってるのに、まさか断るって事はないよなあ?」
バクラの台詞を聞いて、言葉と月は顔を合わせる。二人にとってもバクラにとっても美味しい話だ。
おまけにてゐは二人を手玉に取ろうとした張本人。これ以上なくいい手土産になる。
てゐはレーダーだと思い違いをしているが、バクラの持つ機械は単なるレーダーではない。コメント一覧なのだ。
バクラはこれを見て言葉、ベジータ、月が接触した事を察知し、さらに彼らの話全てを盗み聞きしていた。
三人が合流した事をてゐに告げると、予想通りてゐは慌て、早く移動しようと急かした。
だがバクラは言葉と月の混乱がどういった方向に落ち着くか、見届けたかった。
だからてゐを馬鹿にし、いかにも楽しんでいるような態度をとり、わざとゆっくり歩いててゐとの歩調を乱した。
バクラがゆっくりと歩いたのはてゐを馬鹿にしたかったわけではなく、
なるべく長い間、言葉と月をコメント一覧の索敵範囲から逃さないで、会話を聞きたかったからだ。
案の定、月と言葉はてゐが取った行動によって混乱していたが、二人はそれから僅かな情報を元に偽の言葉の存在に気付いた。
馬鹿ではない。てゐが馬鹿とは言わないが、化かし合いをするならもっと頭の悪い相手を選べと言いたかった。
さらに二人はバクラの想像を超えたところへ行きつく。いや、想像はしていたのかもしれない。
まさかこんな都合のよい状況が完成するとは思わなかったのだ。
言葉と月が組んだ。優勝と偽言葉打倒を目的に据えて、バクラとてゐと同じようにコンビを組んだのだ。
二人の言う偽言葉の正体はいったい誰なのか。それはてゐと、バクラのみが知る。
ここまで状況が揃えばやるしかない。バクラは「レーダーから消えた」と言っててゐの油断を誘い、奇襲を決行した。
てゐと組むのも悪くない。だがそれよりは言葉と月、三人でコンビではなくトリオを結成する方がバクラにとって遥かに旨みがある。
てゐの持つ変化の杖を奪えるのも魅力の一つだ。迷いは一切なく、バクラは奇襲に成功した。
コメント一覧の正体が掴めていないてゐにこの奇襲がばれるわけがない。
てゐにとってはバクラの行動は意味が分からない、ただの愚行にしか映らなかっただろう。
普通に考えると、コンビを組んで即座に相手を奇襲するなどありえない。
バクラはこういった天が与えてくれた幸運もあり、見事に戦闘力で勝るてゐを気絶に追い込む事に成功した。
その後は、てゐを背負って付近を散策だ。
幼女であるためそれほど疲れなかったが、それでも早めに言葉と月に出会えたのは嬉しかった。
「さあ、どうする? お前らの仇である偽言葉はこいつだぜ?」
月と言葉が頷き合い、月が口を開く。
「言うまでもない。その条件、飲もうじゃないか」
バクラと月が互いに邪悪な笑みを浮かべて、手を取り合う。
だが、その時だった。
「杖を捨てて下さい」
言葉がボーガンをバクラに向けて構えた。月の表情は冷静なままで、バクラとの握手を解こうとはしない。
「彼女の言う事に従え。杖を使おうとしても、僕が邪魔する。喧嘩には生憎自信ありだ。
邪魔の入るお前と自由にボーガンを撃てる彼女とではどちらが勝つかは明白だよな?」
「貴様ら……」
バクラは仕方なしに杖を地面に捨てた。
「チームを組む事事態は賛成です。だけど、こちらからも一つだけ条件があります」
言葉は慎重に言葉を選びつつ話す。
「優勝した時に、主催者が叶えてくれる願い事で私の大切な人……伊藤誠君を生き返らせて欲しい……!
条件はただそれだけです。同意してくれるならチームを組みましょう。……それだけなんです私の願いは……」
『愛一直線だな。こんな女も悪くない』
くつくつとリュークは笑う。あの時月を騙した女がこんな形でまた月の元に戻ってくるとは思いもしなかった。
バクラの勝手な都合によっててゐは容赦なく切り捨てられたのだ。これだから人間は面白い。
────優勝した願いで誰だか知らない奴を生き返らせろだと、ふざけんじゃねえ!
主催者どもの力が本物なら、叶えさせる願いは俺が独断で決めるんだ!
バクラは内心で憤怒した。そんなバクラの内情を知ってか知らずか、月は言葉に聞かれないように小声で話しかける。
(大きな目標を持つと大変だな……だが冷静になれよバクラ)
「返事はまだですか!?」
言葉が叫んだ。バクラは月の言葉を飲み込み、笑みを浮かべ、そして落ち着いて言った。
「別に構わねえよ。俺はこのゲームで優勝できるならそれで満足だ。
願いなんてどうでもいい。いいぜ、伊藤誠とやらを生き返らせてやろうじゃねえか」
それを聞いた途端、言葉の顔はぱっと明るくなった。有難うございますと言って、バクラに礼をする。
月は握手を解き、そしてすぐに杖を拾った。バクラは月の行動を見て顔をしかめる。
「てめえ……チームメイトに対して失礼すぎやしねえか?」
「落ち着けよバクラ。このウサ耳つるぺた幼女をこうも都合よく裏切れたって事は元々裏切る気満々だったんだろ?
だが僕達のチームではそれは許さない。支給品も共用するし、隠し事はなしだ。一度組んだからには裏切る事は許さない。
本物の運命共同体になるんだ。そうしないと団結するであろう反主催グループに対抗出来るとは思えないからな」
『お前だって立場が危うくなれば容赦なく切り捨てる癖に』
(それは言いっこなしだリューク)
「バクラさん。よろしくお願いします」
言葉が歩み寄り、バクラに手を差し出す。バクラは機嫌悪そうに、言葉の手を握ってやった。
「おいバクラ、もっと愛想良くしろよ。僕達は言葉さんのために伊藤誠を生き返らせるんだ。
言葉さんが僕達のリーダーなのは確定的だからな」
「わかってるよォ!」
てゐは人間を幸運にする程度の能力を持っている。
だからとは言わないが、言葉、月、バクラの殺し合いに乗った三者は三者とも幸運を掴んだ。
哀れなウサ耳幼女を踏み台にして。
「貴様ら本気で殺し合いなんてものが成立するとでも思っているのか!?
甘い!甘すぎるぞ貴様ら!ブロリーがいては、俺達は殺されるのを待つしかないんだ!!」
『ドMいたのか。こいつ空気だな』
ベジータが喚き散らすのを聞き流し、三人は互いの支給品の確認に移る。
より有効に支給品を使うため、三者が協力し合うため。
さすがのバクラも、今度ばかりはコメント一覧を隠す事は出来なかった。
隠したところで、どんな風にして自分達の事情と場所を知ったんだと聞かれてしまえばそれまでだからだ。
月の支給品の『爆破ヅラ』を見た時、成り行きを見守っていたベジータの顔が一変した。
「お、おい……今何と言った?」
力の入った表情で月に迫る。なんなんだこいつ、と月は困惑したが、すぐにベジータが期待している事を読み取る。
「こいつは爆破ヅラだ。どういう原理なのか皆目見当がつかないが、これを頭に被せると頭が爆発するらしい」
「……主、主催者が用意した支給品だ……まさか嘘ではあるまい」
「ああ、そうだな」
ベジータはわなわなと震えながらも、何か希望を見出したような表情をしている。
ブロリーに対抗出来るとしたら、それは主催者が持つ未知の力だ。首輪がベジータの力を圧倒的に封じ込めている事からして間違いない。
だから、爆破ヅラを使えばブロリーだって殺せる。頭を強制的に爆発させる爆破ヅラなら────
「おい貴様!そいつを俺に寄こせ!」
「いいよ。こんな使い難い武器持っていても仕方がない」
月は軽く同意してベジータにヅラを投げ渡す。
ベジータはヅラを握りしめ、歓喜している。何とかしてブロリーの隙をつき、ヅラを被せる。
たったそれだけであの恐ろしいブロリーを始末できるのだ。
「ハッハッハ!!!漸くベジータ様の時代がやって来たぜ!!!ブロリーめ、サイヤ人の王子であるこの俺を嘗めるなよォ!!」
ヅラを片手にベジータは言葉達の元から走り去ろうとする。それを寸前のところで止めたのは言葉だ。
月とバクラは知らんぷりをしていた。
「ベジータさん、今まで有難うございます。あの……前にも言いましたけど……」
ベジータは言葉の顔を見て、彼女の意図を察した。
「伊藤誠か……?どうして俺が貴様の面倒を見てやらなければならない。
ふん!俺はそこにいる2人とは違って、貴様の道具ではないんだ!」
「ですけど……お願いします……」
食い下がる言葉に、ベジータは過去を思い出して少しばかり困惑する。
一応、言葉には恩がある。ブロリーを倒すヒントを与えてくれたのは彼女だ。
さらに、爆破ヅラを授けてくれたのは言葉の仲間である夜神月。恩を受けてそのままでいられるほど、ベジータのプライドは低くはない。
……仕方がない。
「今回だけだぞ……別に俺は貴様の道具になるわけではない!
俺は誇り高きサイヤ人の王子だ!恩を受けては返すのが筋!いいだろう……」
言葉の顔がぱっと明るくなった。それを見て、何か恥ずかしいのかベジータの顔は赤くなる。
「別に貴様のためにやるわけではない!俺はただけじめをつけるために伊藤誠を生き返らせるだけなんだ!
俺が優勝した後、主催者の願いで伊藤誠を生き返らせてやる!それが駄目ならドラゴンボールで生き返らせてやる!」
「あ、有難う……!有難うベジータさん!」
言葉は照れるベジータに思わず抱きついてしまった。伊藤誠の事を思い出し、すぐにベジータから離れたが。
「あの……それと私達の事は誰にも言わないで下さいね。ベジータさんは今まで一人で行動していたって事にしてください……
虫が良過ぎるかも知れませんが……」
「心配するな。誰にも言わん。どうせこの殺し合いはブロリーを殺せるかどうかにかかっているんだ。
虫のように貧弱な貴様らがどれだけ抗おうと関係ない。俺がブロリーを殺せたら、生き残るのはどうせ俺様だ。
俺がブロリーに殺されたら、優勝するのはブロリーだろう。貴様らがどう足掻こうとな」
言葉はベジータに向かって何度も頭を下げた。人から感謝されるのには慣れていないのだろう。
(おい、あのMっぱげは殺さなくていいのか?)
(言葉さんから聞いただけだが、ベジータは本当にとてつもない力を持っている。
僕達が三人がかりで奇襲しようと皆殺しにされかねない。化け物は化け物どおし潰し合って貰おう。
ブロリーとかいう化け物と共倒れになってくれるのが理想だな)
月とバクラは、言葉に聞こえないように小声で話し合う。言葉とベジータの間には奇妙な信頼関係があるように思える。
言葉の前でベジータの悪口を言うのはやめた方がいいのかもしれない。
ベジータの乱入によって中断された支給品確認を再開する。
バクラと月は、言葉の支給品を見た時思わずにやついた。ベジータから使えないと言う事で譲り受けたらしいのだ。
こいつは使える。言葉もすぐに二人の考えを理解して複雑な表情を見せた。てゐにこれを使うべきか。
それとも今すぐてゐを殺すべきか。
使えばハイリスクハイリターン。使わなければノーリスクノーリターン。
バクラはてゐは今すぐに殺した方がいいと言った。元パートナーを裏切った彼は、おそらく最も恨まれるだろう。
けれども言葉は納得出来ない。
「お願いします。確かに私達の不安要素が増えてしまいますが、同時に利益だってあるんです。
誰かを見逃すのは、これで最後にします。だから────」
「おっぱい揉ませてくれるなら……いや何でもない」
言葉がぎろりと睨んだのを見て月は訂正する。
「ま、僕はいいと思うよ。リスクって言っても、こいつと二度と出会わない限りは大きなリスクじゃない。
精々悪い噂を流されるとかそんなところだろう。その噂すら、この支給品を使えば流しにくくなる。
これから積極的に人を殺して回るであろうてゐは信用され難いだろうからな。まともに人と口をきけなくなるような状況になるかもしれない」
「だがな、第一放送を迎えるまではこの支給品は何の効果も発揮しないんだ。その間に何か厄介な事をされたらどうする?」
「その点は心配いらない。こうすればいい」
月は話題に上っている支給品の説明書の一部を丁寧に破り取る。
「器用ですね。破れ目が全然分かりません」
「……なるほどな。これなら大丈夫だ」
「よし、ならばてゐを起こそうか。言葉さん、てゐを殺人鬼にする前に、言いたい事があるんだろ?」
「はい……正直聞き入れてくれるとは思いませんが、念のために……」
言葉は苦笑する。
「おら、起きろ」
バクラがてゐの体を蹴り、強引に起こした。
▼ ▼ ▼
散乱していた意識が、男の荒々しい声によって一点に集中していく。
自分の身に何が起きたのか分からない。とてつもない事が起きた気がする。
てゐは薄ぼんやりとした意識の中、薄らと目を開き、周りの状況を確認しようと努めた。
銀髪の男がてゐの正面に立ち、彼女を嘲笑していた。
殺してやりたい衝動に駆られたが、両手両足をがっちりと何かで縛られているので身動きとれない。
だんだん意識が鮮明になってきた。今正面に立っているのはバクラだ。
コンビを組んで早々に自分を裏切った節操者。許さない。絶対に許さない。
バクラは身を引き、代わりに女がてゐの前に立つ。ボーガンをてゐの額に向けている。
この女は桂言葉だ。よく見ると夜神月も傍に居る。てゐは自分の身に何が起きたのか理解した。
バクラは月、言葉とチームを組む方が良いと考え、てゐを切り捨てたのだ。
だが、どうして言葉と月がコンビを組んだ事を知っていたのだろう。
もし、言葉と月が敵対関係に陥っていればてゐを裏切るのは何の意味もない悪手だ。
何かある……何かがバクラにはある。
「これから私の質問に答えて貰います。優勝して、貴方は何を願いますか?」
ボーガンを向けたまま、言葉は口を開いた。言葉の意に沿わない事を言えば、殺されるような気がする。
てゐは慎重に言葉を選び、言った。
「別に何も……私は、生還出来るならそれでいい……かな」
「そうですか。では、もし貴方が優勝した時、私の願いを代わりに叶えてくれませんか?
伊藤誠という男性を、生き返らせてくれるよう、主催者に頼んで欲しいんです……」
伊藤誠……。脳裏にその名前を刻みこむ。勿論仇の一人である言葉の願いを聞き入れるつもりなど毛頭ない。
だが伊藤誠と言う名前はきっとどこかで役に立つ。生きてこの場を逃れた後は、絶対に伊藤誠と言う単語を役立ててこの三人に復讐してやる。
「分かった……絶対に生き返らせる……だから、殺さないで……」
復讐心を隠して、無力なウサギを演じる。
「お願いしますね……」
「ガッ!!」
てゐはまたもバクラに頭を殴られ、またも気絶した。三人の狙いはいったい……?
「はっ!!」
どれだけの時間が経過しただろう。朝靄が漂う中、てゐは目を覚ました。手足の拘束は解かれている。
周りにはあの憎たらしいバクラ、そして月、言葉はいない。何故自分を生かしたのだろうか。
復讐されないとは考えないのだろうか。てゐがわざわざあの三人を標的から外し、あの三人のために他の参加者を減らしていくとでも?
そんな事はしない。勿論優勝するための殺人はするが、三人の得になるような事はしない。
噂を流してやる。馬鹿な参加者どもを騙して、言葉、月、そしてバクラは危険人物だという噂を。
どう考えても、私を生かしたのは三人にとって致命的なミス。リスクを考慮せず利益だけを追い求めるのは馬鹿にありがちな思考回路だ。
「絶対に後悔させてやるわ。特にバクラ、ただで死ねるとは思わない方がいい」
てゐは薄く笑いながら、何気なく、本当に何気なく首筋を触った。
何かが手に触れた。首輪だ。そしてもう一つ何か手に触れるものがあった。それもまた首輪だった。
────あれ?
何かがおかしい。首筋をもう一度触ってみる。指先に首輪の固い感触を感じる。
手を動かしていく。もう一つ固い感触の何かがある。首輪だ。あれ??
────首輪が二つある!
「え? ええ?どうして……」
ぎょっとして、てゐは両手で一心不乱に首筋を触る。
見難いが、頑張って自分の首筋へと視線を向けた。今まで着けられていた通常の首輪。
そしてもう一つ、青い首輪がてゐの首に巻かれていた。
「ちょ、ちょっとどういう事なのよ!」
慌てるてゐ。十中八九あの三人がこの首輪を巻いたのだろう。
この首輪も爆弾なのか?嫌だ……気味が悪い。
てゐは地面に紙切れが落ちているのを見つけた。印刷された紙、この殺し合いの場では用意できないだろう。
それは『青い首輪』の説明書だった。この青い首輪の正式名称は、"プレミアム会員専用首輪"というらしい。
てゐは説明書を熟読した。
~プレミアム会員専用首輪~
※プレミアム会員について
プレミアム会員とは、バトルロワイアルにおいて通常の参加者には受けられない特別な特典を受けられる有料サービスです!
通常の参加者には、侵入不可である禁止エリアにも、プレミアム会員なら一切の制限なしに立ち入ることが可能となります!
どの禁止エリアに何度侵入しようと、通常巻かれている首輪は爆発しなくなります!勿論専用の首輪も爆発しません!
安心して禁止エリア内に入って下さい!エリア内で休むもよし!禁止エリアを利用して参加者を殺すのもよし!
頑張って殺し合いに励みましょう!
※プレミアム会員へのお申し込み
お申し込みの方法は簡単!専用の赤い首輪を貴方の首に巻くだけです!こちらが確認次第、貴方にサービスを提供します!
正式にプレミアム会員だと認められると、プレミアム専用首輪が青に変わります!あ、一度巻いてしまえば、通常の首輪同
様、運営側が手を加えない限り二度と外れないので注意して下さいね(笑)
※お支払方法
プレミアム会員は有料です!ですが通貨ではなく、命で支払って貰います!放送毎に、プレミアム会員である方が前の放送から
何人殺したのかカウントして確認します!放送と放送の間の殺害数が1以上であればサービス継続!0であるならばサービスは
終了です!サービス終了と共に専用の首輪が爆発してしまいますから、命を落とさないように精一杯殺して回って下さいね(笑)
専用の首輪は、通常の首輪と同等の威力がありますから助かるとは考えないで下さい!
※殺害数について
殺害数とは、貴方が殺した参加者の数です!他の参加者を誘導するなどして間接的に殺しても、殺害数としてカウントされません
のでご注意を!放送と放送の間の殺害数が1以上になると、専用の首輪が黒色に変わります!色が変わらなければ殺害数として
カウントされていませんので、めげずに次の標的を探して殺して下さいね!
説明書に書かれている事は以上だった。要するに、てゐはこれから放送と放送の6時間の間に必ず1人は殺さなければならなくなったのだ。
「ふざけないでよ……あ、あと放送まで僅かじゃない……」
この支給品があるから、3人はてゐを見逃したのだろう。ああもう……ふざけないでよ
ともかく、頭を働かせなければならない。自分の不運に絶望している暇なんてない。
第一放送までに誰でもいいから一人殺さなければならない。失敗すると、死だ。
殺すならバクラがいい。それが駄目なら言葉か月がいい。けれども3人はどこに行ったのか分からない。
3人を探しまわる時間なんててゐには残されていない。となると、なるべく人が集まるであろうマップの中央に移動するべきだ。
後数時間ちょっと……誰かを殺さないと……!私は死にたくなんかない……!
てゐは走り出す。支給品は当然の如く全てバクラ達に奪われている。
「バクラァ……言葉ァ……ライトォ……!
絶対に絶対にぜっ~~~~~たいに許さない」
とはいえ、怒る時間すらも彼女には残されていない。
てゐの能力は人間を幸運にする程度の能力。言葉、月、バクラを大きな運を掴んだ。
無論、制限によっててゐの能力は制限されているだろうから、偶然であるに違いないが……
てゐは大いに焦りながら、全力疾走で参加者を探す。
【B-5 平原/1日目・早朝】
【因幡てゐ@東方Project】
[状態]:健康、頭から出血(応急処置済み、処置は言葉達がしました)
[装備]:プレミアム会員専用首輪(青色)
[道具]:なし
[思考・状況]
1:手段は何でもいいので第一放送までに誰か一人殺す。命がかかっているので絶対に!
2:バクラ、言葉、月を強く憎悪。特にバクラは絶対に許さない
3:何をしてでも生き残る
4:ベジータを警戒
※リュークが見えました。ただしはっきりとは見えず、声も聞こえません。
※月を、死神に憑かれて死が近い人間だと思っています。
※桂言葉に伊藤誠を蘇生させてと頼まれました。
くくく……精々覚悟して待っているがいいぜブロリー!
俺は貴様を殺す手段をついに手に入れた!!
爆破ヅラを後生大事に握りしめて、ベジータは駆ける。
主催者の技術なら、いかにブロリーであろうと通用する。
だが、彼は一つ勘違いをしていた。いや、月とバクラに騙されたと言うべきか。月はあの時言った。
「こいつは爆破ヅラだ。どういう原理なのか皆目見当がつかないが、これを頭に被せると頭が爆発するらしい」
これは月が仕掛けた些細な言葉のトリック。嘘とも言い切れない微妙な台詞。簡単に言い逃れできるだろう。
本来、爆破ヅラは被せた対象の頭が爆発するのではない。被せた時にヅラが爆発するのだ。頭ではなくヅラが爆発する。
ヅラの爆発がブロリーに通用しなければ、おそらく何の意味もないだろう。
普通の参加者を殺すにはあまりある威力だがそれがブロリーに通用するかどうか────
「ハッハーー!覚悟しろブロリー!!」
【C-5 草原/一日目・早朝】
【ベジータ@ドラゴンボールZ】
[状態]:健康、軽い疲労感
[装備]:爆破ヅラ@テニミュ
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2
[思考・状況]
1:ブロリーにヅラを被せて殺す!
2:頭が爆発するようなら殺せる!きっと殺せるはずだ!多分な……
3:もし優勝したなら、言葉に借りを返すため、伊藤誠を生き返らせる
4:くだらんゲームなどどうでもいいが、邪魔な奴はぶっ飛ばす。
※参戦時期は「燃え尽きろ!!熱戦・烈戦・超激戦」でブロリーの強さに戦意喪失している頃です。
※力が大きく制限されていることに気がつきました。
※1マス以上離れた相手の気を探れません。
※ニコニコ動画の影響で、テンションの高低が激しくなるときがあります。
「ここまで離れたら多分大丈夫だろう」
てゐを再び気絶させた後、3人は全速力で北上し、てゐから離れた。てゐの復讐から逃れるためだ。
一旦彼女から離れてしまえば、彼女は支払に忙しくて仕方がないだろうから復讐される機会は一気に少なくなる。
「上手くいきましたね」
言葉がはしゃいでいる。ののわさんと共に揺れる言葉の胸を見て月の股間もはしゃぎまわった。
「とりあえずこれからどうするんだ?」
一人冷静なバクラが口を開く。
「そうだな。武器も仲間も揃ったし、殺して回ろうか」
「でも、もしベジータさんのような強い人が相手の場合、勝てるとは思いませんが……」
「ククク……それは心配する事ねえな言葉」
バクラが言葉の心配を笑い飛ばす。
「俺達は殺し合いに乗っていない善良な参加者を装えばいい。
まさか優勝狙いが3人も手を組んでいると想像できる奴は少ないだろうぜ」
「そうだな。まずは猫を被り接触し、そして3人タイミングを合わせて奇襲するんだ。
状況によって戦術を変える必要はあるだろうけど、基本はこれだな」
「いい感じですね」
言葉は安心したようにほっと一息吐く。月もバクラも頭がいい。この二人が協力してくれるならきっと誠君は生き返る。
「俺達が優勝狙いだという事を知っているのは、ブロリーしか頭にないベジータと、
プレミアムの支払いに大忙しのてゐだけだ。俺達に悪意を持っているのはてゐのみ……だがてゐは」
バクラは不気味にくつくつと笑い始める。それに感化されて言葉も笑う。
この3人の中で最も冷静な月までも、静かに笑い始める。
「殺人鬼にならざるを得ない。噂を流してやるか」
「そうだな。奴は人を殺さなければ生きていけなくなった。
僕達は善良な参加者なんだから、危険人物であるてゐの情報を誰かに流すのは当たり前だ。
だがあまり派手にするなよバクラ。派手にやり過ぎると拡声器で叫んでいたどこかの誰かみたいに逆に警戒されかねない」
「あまり心配するなよ月。俺だって冷静だぜ?」
余計な心配をする月を窘める。
「それにしてもてゐは滑稽だ」
月はポケットの中から、紙きれを取り出す。その紙には、こう書かれていた。
※サービス開始について
サービスが開始されるのは、第一放送からです!第一放送の前は禁止エリアが存在しないので当然と言えば当然ですね(笑)
殺害数のカウントも第一放送からスタートします!ですので、第一放送までに殺害数を1以上にする必要はありません!
サービスが開始されると、首輪の色が白色に変わります!早めに誰かを殺して首輪を黒くしましょう!
※専用首輪の色まとめ
赤色→プレミアム未契約。専用首輪を首に巻いていなければこの色のはず。禁止エリア回避のサービスはまだ開始されていません。
青色→プレミアム申込完了。専用首輪を首に巻いてから少し経つとこの色になります。禁止エリア回避可
白色→青色の状態から、第一放送を迎えるとこの色になります。白になった瞬間、殺害数カウント開始です。禁止エリア回避可
黒色→放送と放送の間の殺害数が1以上になると白色からこの色に変化します。禁止エリア回避可
色の変化を目安にして殺人に励んでください。
~説明は以上です~
「てゐは殺害数カウント開始のタイミングを知らない。てゐ側の説明書では、第一放送が始まる前にも殺害数を1稼ぐ必要があると思うだろうな。
てゐが僕達に何かを仕掛けるタイミングは、これで完全になくなった」
月は切り取った説明書の片割れを粉々に破いて捨てた。てゐは思い込まざるを得ない。
粉々にして捨てた事によって、てゐの思い込みが解消される事はなくなった。
バクラがてゐを裏切らなければこんな美味しい展開にはならなかった。
言葉が月に手を組む事を持ちかけ、プレミアム会員専用首輪を持っていなければこんな美味しい展開にはならなかった。
月が言葉の申し出に頷き、てゐに与える情報を選ぶ事を提案しなければこんな美味しい展開にはならなかった。
────人数は力だ。いつ如何なる時もな。てゐ、お前は僕達にとって幸運を運ぶウサギだった。
言葉、月、バクラの3人は、作戦成功に満足し、互いにハイタッチした。小気味いい音が響く。
月が言葉にハイタッチではなくパイタッチしようとしたので言葉は再び月の頬を平手打ちした。
その様子を見て、バクラは月を嘲笑う。
────まあ、何はともあれ……
「「「……計画通り!」」」
【B-3 平原/1日目・早朝】
[チームの共通思考]
1.月、バクラと協力し、3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2.てゐがゲームに乗った殺人気である事をこれから会う参加者達に伝える
※3人はそれぞれが持つ支給品の情報を全て把握しています。支給品は喧嘩せずに三人で共用するつもりです。
【桂言葉@SchoolDays】
[状態]:健康、病み具合沈静中
[装備]:ランサーアサルトライフル(350/350)@Gears of War2
[道具]:支給品一式、ののワさん@ののワさん、魔法の石(ののワさん使用中)@Heart Of Darkness
[思考・状況]
0:月、バクラと協力し、3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
1:どんな方法でも誠くんを生き返らせる。生き返るなら自分は死んでもいい。
2:ベジータのように圧倒的に強い相手には無理を避けたい。
※アニメ最終話後からの参戦です。
※希望を見出したため、ヤンデレ分は沈静化し、目のハイライトも戻っています。
【夜神月@ひぐらしがなくですの】
[状態]:健康
[装備]:アポロのクロスボウと矢筒(20/20)@チーターマン、ハイポーション@ハイポーションを作ってみた
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:優勝しておっぱい帝国の神となる
1:言葉、バクラと協力し3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2:初音ミク、因幡てゐを警戒
※リュークが憑いています。デスノートは持っていません。
※人外の存在に、リュークの姿が見える可能性があります。
【バクラ@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 】
[状態]:服に軽い汚れ
[装備]:千年リング@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:共通支給品、 光学迷彩スーツ@東方project、コメント一覧@ニコニコ動画
[思考・状況]
1:言葉、バクラと協力し3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2:誤情報を流し争いを促進する。てゐの情報など
3:できるだけ参加者を苦しめ、心の闇を肥大化させる
※原作終了後(アテムが冥界に帰った後)から登場
【プレミアム会員専用首輪@ニコニコ動画】
プレミアム会員になれる素敵な首輪。放送と放送の間に一人殺すだけで禁止エリアを回避できる
ただし殺せなければ爆発します。威力は通常の首輪と同じ。つまり死にます。
制限やその他の機能(あるかどうか分からないけど盗聴とか)はありません。
その時の状態によって色が変わります。白ならまだ放送と放送の間の殺害数が1以上になっていない。
黒なら殺害数が1以上になったと言う事です。間接的殺害では殺害数としてカウントされず黒色になりません。
サービス開始は第一放送からです。詳しくは【トリプルステルスVSプレミアムマーダー】内の説明でお願いします。
【爆破ヅラ@テニミュ】
被ると爆発するヅラ。頭ではなくヅラが爆発する。
被るたびに何度でも爆発する。爆発によってヅラが消し飛ぶかどうかは不明
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|sm75:[[図書館のアホさには心底うんざりさせられる]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|[[投下順>51~100]]|sm75:[[図書館のアホさには心底うんざりさせられる]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|因幡てゐ|sm88:[[伝説の英雄S]]|
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*トリプルステルスVSプレミアムマーダー(後編) ◆jVERyrq1dU
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「ククク……断る気か? だったらこの杖でお前らの姿を右上と左上に変えるまでだ。
主催者を憎み、殺意を抱いている参加者はいくらでもいるだろうぜ」
構えた変化の杖を強調して言った。
「その後はこいつとまたコンビを組み直すまでだ。俺は何も困る事はない。
折角人が美味い話を持ちかけてきてやってるのに、まさか断るって事はないよなあ?」
バクラの台詞を聞いて、言葉と月は顔を合わせる。二人にとってもバクラにとっても美味しい話だ。
おまけにてゐは二人を手玉に取ろうとした張本人。これ以上なくいい手土産になる。
てゐはレーダーだと思い違いをしているが、バクラの持つ機械は単なるレーダーではない。コメント一覧なのだ。
バクラはこれを見て言葉、ベジータ、月が接触した事を察知し、さらに彼らの話全てを盗み聞きしていた。
三人が合流した事をてゐに告げると、予想通りてゐは慌て、早く移動しようと急かした。
だがバクラは言葉と月の混乱がどういった方向に落ち着くか、見届けたかった。
だからてゐを馬鹿にし、いかにも楽しんでいるような態度をとり、わざとゆっくり歩いててゐとの歩調を乱した。
バクラがゆっくりと歩いたのはてゐを馬鹿にしたかったわけではなく、
なるべく長い間、言葉と月をコメント一覧の索敵範囲から逃さないで、会話を聞きたかったからだ。
案の定、月と言葉はてゐが取った行動によって混乱していたが、二人はそれから僅かな情報を元に偽の言葉の存在に気付いた。
馬鹿ではない。てゐが馬鹿とは言わないが、化かし合いをするならもっと頭の悪い相手を選べと言いたかった。
さらに二人はバクラの想像を超えたところへ行きつく。いや、想像はしていたのかもしれない。
まさかこんな都合のよい状況が完成するとは思わなかったのだ。
言葉と月が組んだ。優勝と偽言葉打倒を目的に据えて、バクラとてゐと同じようにコンビを組んだのだ。
二人の言う偽言葉の正体はいったい誰なのか。それはてゐと、バクラのみが知る。
ここまで状況が揃えばやるしかない。バクラは「レーダーから消えた」と言っててゐの油断を誘い、奇襲を決行した。
てゐと組むのも悪くない。だがそれよりは言葉と月、三人でコンビではなくトリオを結成する方がバクラにとって遥かに旨みがある。
てゐの持つ変化の杖を奪えるのも魅力の一つだ。迷いは一切なく、バクラは奇襲に成功した。
コメント一覧の正体が掴めていないてゐにこの奇襲がばれるわけがない。
てゐにとってはバクラの行動は意味が分からない、ただの愚行にしか映らなかっただろう。
普通に考えると、コンビを組んで即座に相手を奇襲するなどありえない。
バクラはこういった天が与えてくれた幸運もあり、見事に戦闘力で勝るてゐを気絶に追い込む事に成功した。
その後は、てゐを背負って付近を散策だ。
幼女であるためそれほど疲れなかったが、それでも早めに言葉と月に出会えたのは嬉しかった。
「さあ、どうする? お前らの仇である偽言葉はこいつだぜ?」
月と言葉が頷き合い、月が口を開く。
「言うまでもない。その条件、飲もうじゃないか」
バクラと月が互いに邪悪な笑みを浮かべて、手を取り合う。
だが、その時だった。
「杖を捨てて下さい」
言葉がボーガンをバクラに向けて構えた。月の表情は冷静なままで、バクラとの握手を解こうとはしない。
「彼女の言う事に従え。杖を使おうとしても、僕が邪魔する。喧嘩には生憎自信ありだ。
邪魔の入るお前と自由にボーガンを撃てる彼女とではどちらが勝つかは明白だよな?」
「貴様ら……」
バクラは仕方なしに杖を地面に捨てた。
「チームを組む事事態は賛成です。だけど、こちらからも一つだけ条件があります」
言葉は慎重に言葉を選びつつ話す。
「優勝した時に、主催者が叶えてくれる願い事で私の大切な人……伊藤誠君を生き返らせて欲しい……!
条件はただそれだけです。同意してくれるならチームを組みましょう。……それだけなんです私の願いは……」
『愛一直線だな。こんな女も悪くない』
くつくつとリュークは笑う。あの時月を騙した女がこんな形でまた月の元に戻ってくるとは思いもしなかった。
バクラの勝手な都合によっててゐは容赦なく切り捨てられたのだ。これだから人間は面白い。
────優勝した願いで誰だか知らない奴を生き返らせろだと、ふざけんじゃねえ!
主催者どもの力が本物なら、叶えさせる願いは俺が独断で決めるんだ!
バクラは内心で憤怒した。そんなバクラの内情を知ってか知らずか、月は言葉に聞かれないように小声で話しかける。
(大きな目標を持つと大変だな……だが冷静になれよバクラ)
「返事はまだですか!?」
言葉が叫んだ。バクラは月の言葉を飲み込み、笑みを浮かべ、そして落ち着いて言った。
「別に構わねえよ。俺はこのゲームで優勝できるならそれで満足だ。
願いなんてどうでもいい。いいぜ、伊藤誠とやらを生き返らせてやろうじゃねえか」
それを聞いた途端、言葉の顔はぱっと明るくなった。有難うございますと言って、バクラに礼をする。
月は握手を解き、そしてすぐに杖を拾った。バクラは月の行動を見て顔をしかめる。
「てめえ……チームメイトに対して失礼すぎやしねえか?」
「落ち着けよバクラ。このウサ耳つるぺた幼女をこうも都合よく裏切れたって事は元々裏切る気満々だったんだろ?
だが僕達のチームではそれは許さない。支給品も共用するし、隠し事はなしだ。一度組んだからには裏切る事は許さない。
本物の運命共同体になるんだ。そうしないと団結するであろう反主催グループに対抗出来るとは思えないからな」
『お前だって立場が危うくなれば容赦なく切り捨てる癖に』
(それは言いっこなしだリューク)
「バクラさん。よろしくお願いします」
言葉が歩み寄り、バクラに手を差し出す。バクラは機嫌悪そうに、言葉の手を握ってやった。
「おいバクラ、もっと愛想良くしろよ。僕達は言葉さんのために伊藤誠を生き返らせるんだ。
言葉さんが僕達のリーダーなのは確定的だからな」
「わかってるよォ!」
てゐは人間を幸運にする程度の能力を持っている。
だからとは言わないが、言葉、月、バクラの殺し合いに乗った三者は三者とも幸運を掴んだ。
哀れなウサ耳幼女を踏み台にして。
「貴様ら本気で殺し合いなんてものが成立するとでも思っているのか!?
甘い!甘すぎるぞ貴様ら!ブロリーがいては、俺達は殺されるのを待つしかないんだ!!」
『ドMいたのか。こいつ空気だな』
ベジータが喚き散らすのを聞き流し、三人は互いの支給品の確認に移る。
より有効に支給品を使うため、三者が協力し合うため。
さすがのバクラも、今度ばかりはコメント一覧を隠す事は出来なかった。
隠したところで、どんな風にして自分達の事情と場所を知ったんだと聞かれてしまえばそれまでだからだ。
月の支給品の『爆破ヅラ』を見た時、成り行きを見守っていたベジータの顔が一変した。
「お、おい……今何と言った?」
力の入った表情で月に迫る。なんなんだこいつ、と月は困惑したが、すぐにベジータが期待している事を読み取る。
「こいつは爆破ヅラだ。どういう原理なのか皆目見当がつかないが、これを頭に被せると頭が爆発するらしい」
「……主、主催者が用意した支給品だ……まさか嘘ではあるまい」
「ああ、そうだな」
ベジータはわなわなと震えながらも、何か希望を見出したような表情をしている。
ブロリーに対抗出来るとしたら、それは主催者が持つ未知の力だ。首輪がベジータの力を圧倒的に封じ込めている事からして間違いない。
だから、爆破ヅラを使えばブロリーだって殺せる。頭を強制的に爆発させる爆破ヅラなら────
「おい貴様!そいつを俺に寄こせ!」
「いいよ。こんな使い難い武器持っていても仕方がない」
月は軽く同意してベジータにヅラを投げ渡す。
ベジータはヅラを握りしめ、歓喜している。何とかしてブロリーの隙をつき、ヅラを被せる。
たったそれだけであの恐ろしいブロリーを始末できるのだ。
「ハッハッハ!!!漸くベジータ様の時代がやって来たぜ!!!ブロリーめ、サイヤ人の王子であるこの俺を嘗めるなよォ!!」
ヅラを片手にベジータは言葉達の元から走り去ろうとする。それを寸前のところで止めたのは言葉だ。
月とバクラは知らんぷりをしていた。
「ベジータさん、今まで有難うございます。あの……前にも言いましたけど……」
ベジータは言葉の顔を見て、彼女の意図を察した。
「伊藤誠か……?どうして俺が貴様の面倒を見てやらなければならない。
ふん!俺はそこにいる2人とは違って、貴様の道具ではないんだ!」
「ですけど……お願いします……」
食い下がる言葉に、ベジータは過去を思い出して少しばかり困惑する。
一応、言葉には恩がある。ブロリーを倒すヒントを与えてくれたのは彼女だ。
さらに、爆破ヅラを授けてくれたのは言葉の仲間である夜神月。恩を受けてそのままでいられるほど、ベジータのプライドは低くはない。
……仕方がない。
「今回だけだぞ……別に俺は貴様の道具になるわけではない!
俺は誇り高きサイヤ人の王子だ!恩を受けては返すのが筋!いいだろう……」
言葉の顔がぱっと明るくなった。それを見て、何か恥ずかしいのかベジータの顔は赤くなる。
「別に貴様のためにやるわけではない!俺はただけじめをつけるために伊藤誠を生き返らせるだけなんだ!
俺が優勝した後、主催者の願いで伊藤誠を生き返らせてやる!それが駄目ならドラゴンボールで生き返らせてやる!」
「あ、有難う……!有難うベジータさん!」
言葉は照れるベジータに思わず抱きついてしまった。伊藤誠の事を思い出し、すぐにベジータから離れたが。
「あの……それと私達の事は誰にも言わないで下さいね。ベジータさんは今まで一人で行動していたって事にしてください……
虫が良過ぎるかも知れませんが……」
「心配するな。誰にも言わん。どうせこの殺し合いはブロリーを殺せるかどうかにかかっているんだ。
虫のように貧弱な貴様らがどれだけ抗おうと関係ない。俺がブロリーを殺せたら、生き残るのはどうせ俺様だ。
俺がブロリーに殺されたら、優勝するのはブロリーだろう。貴様らがどう足掻こうとな」
言葉はベジータに向かって何度も頭を下げた。人から感謝されるのには慣れていないのだろう。
(おい、あのMっぱげは殺さなくていいのか?)
(言葉さんから聞いただけだが、ベジータは本当にとてつもない力を持っている。
僕達が三人がかりで奇襲しようと皆殺しにされかねない。化け物は化け物どおし潰し合って貰おう。
ブロリーとかいう化け物と共倒れになってくれるのが理想だな)
月とバクラは、言葉に聞こえないように小声で話し合う。言葉とベジータの間には奇妙な信頼関係があるように思える。
言葉の前でベジータの悪口を言うのはやめた方がいいのかもしれない。
ベジータの乱入によって中断された支給品確認を再開する。
バクラと月は、言葉の支給品を見た時思わずにやついた。ベジータから使えないと言う事で譲り受けたらしいのだ。
こいつは使える。言葉もすぐに二人の考えを理解して複雑な表情を見せた。てゐにこれを使うべきか。
それとも今すぐてゐを殺すべきか。
使えばハイリスクハイリターン。使わなければノーリスクノーリターン。
バクラはてゐは今すぐに殺した方がいいと言った。元パートナーを裏切った彼は、おそらく最も恨まれるだろう。
けれども言葉は納得出来ない。
「お願いします。確かに私達の不安要素が増えてしまいますが、同時に利益だってあるんです。
誰かを見逃すのは、これで最後にします。だから────」
「おっぱい揉ませてくれるなら……いや何でもない」
言葉がぎろりと睨んだのを見て月は訂正する。
「ま、僕はいいと思うよ。リスクって言っても、こいつと二度と出会わない限りは大きなリスクじゃない。
精々悪い噂を流されるとかそんなところだろう。その噂すら、この支給品を使えば流しにくくなる。
これから積極的に人を殺して回るであろうてゐは信用され難いだろうからな。まともに人と口をきけなくなるような状況になるかもしれない」
「だがな、第一放送を迎えるまではこの支給品は何の効果も発揮しないんだ。その間に何か厄介な事をされたらどうする?」
「その点は心配いらない。こうすればいい」
月は話題に上っている支給品の説明書の一部を丁寧に破り取る。
「器用ですね。破れ目が全然分かりません」
「……なるほどな。これなら大丈夫だ」
「よし、ならばてゐを起こそうか。言葉さん、てゐを殺人鬼にする前に、言いたい事があるんだろ?」
「はい……正直聞き入れてくれるとは思いませんが、念のために……」
言葉は苦笑する。
「おら、起きろ」
バクラがてゐの体を蹴り、強引に起こした。
▼ ▼ ▼
散乱していた意識が、男の荒々しい声によって一点に集中していく。
自分の身に何が起きたのか分からない。とてつもない事が起きた気がする。
てゐは薄ぼんやりとした意識の中、薄らと目を開き、周りの状況を確認しようと努めた。
銀髪の男がてゐの正面に立ち、彼女を嘲笑していた。
殺してやりたい衝動に駆られたが、両手両足をがっちりと何かで縛られているので身動きとれない。
だんだん意識が鮮明になってきた。今正面に立っているのはバクラだ。
コンビを組んで早々に自分を裏切った節操者。許さない。絶対に許さない。
バクラは身を引き、代わりに女がてゐの前に立つ。ボーガンをてゐの額に向けている。
この女は桂言葉だ。よく見ると夜神月も傍に居る。てゐは自分の身に何が起きたのか理解した。
バクラは月、言葉とチームを組む方が良いと考え、てゐを切り捨てたのだ。
だが、どうして言葉と月がコンビを組んだ事を知っていたのだろう。
もし、言葉と月が敵対関係に陥っていればてゐを裏切るのは何の意味もない悪手だ。
何かある……何かがバクラにはある。
「これから私の質問に答えて貰います。優勝して、貴方は何を願いますか?」
ボーガンを向けたまま、言葉は口を開いた。言葉の意に沿わない事を言えば、殺されるような気がする。
てゐは慎重に言葉を選び、言った。
「別に何も……私は、生還出来るならそれでいい……かな」
「そうですか。では、もし貴方が優勝した時、私の願いを代わりに叶えてくれませんか?
伊藤誠という男性を、生き返らせてくれるよう、主催者に頼んで欲しいんです……」
伊藤誠……。脳裏にその名前を刻みこむ。勿論仇の一人である言葉の願いを聞き入れるつもりなど毛頭ない。
だが伊藤誠と言う名前はきっとどこかで役に立つ。生きてこの場を逃れた後は、絶対に伊藤誠と言う単語を役立ててこの三人に復讐してやる。
「分かった……絶対に生き返らせる……だから、殺さないで……」
復讐心を隠して、無力なウサギを演じる。
「お願いしますね……」
「ガッ!!」
てゐはまたもバクラに頭を殴られ、またも気絶した。三人の狙いはいったい……?
「はっ!!」
どれだけの時間が経過しただろう。朝靄が漂う中、てゐは目を覚ました。手足の拘束は解かれている。
周りにはあの憎たらしいバクラ、そして月、言葉はいない。何故自分を生かしたのだろうか。
復讐されないとは考えないのだろうか。てゐがわざわざあの三人を標的から外し、あの三人のために他の参加者を減らしていくとでも?
そんな事はしない。勿論優勝するための殺人はするが、三人の得になるような事はしない。
噂を流してやる。馬鹿な参加者どもを騙して、言葉、月、そしてバクラは危険人物だという噂を。
どう考えても、私を生かしたのは三人にとって致命的なミス。リスクを考慮せず利益だけを追い求めるのは馬鹿にありがちな思考回路だ。
「絶対に後悔させてやるわ。特にバクラ、ただで死ねるとは思わない方がいい」
てゐは薄く笑いながら、何気なく、本当に何気なく首筋を触った。
何かが手に触れた。首輪だ。そしてもう一つ何か手に触れるものがあった。それもまた首輪だった。
────あれ?
何かがおかしい。首筋をもう一度触ってみる。指先に首輪の固い感触を感じる。
手を動かしていく。もう一つ固い感触の何かがある。首輪だ。あれ??
────首輪が二つある!
「え? ええ?どうして……」
ぎょっとして、てゐは両手で一心不乱に首筋を触る。
見難いが、頑張って自分の首筋へと視線を向けた。今まで着けられていた通常の首輪。
そしてもう一つ、青い首輪がてゐの首に巻かれていた。
「ちょ、ちょっとどういう事なのよ!」
慌てるてゐ。十中八九あの三人がこの首輪を巻いたのだろう。
この首輪も爆弾なのか?嫌だ……気味が悪い。
てゐは地面に紙切れが落ちているのを見つけた。印刷された紙、この殺し合いの場では用意できないだろう。
それは『青い首輪』の説明書だった。この青い首輪の正式名称は、"プレミアム会員専用首輪"というらしい。
てゐは説明書を熟読した。
~プレミアム会員専用首輪~
※プレミアム会員について
プレミアム会員とは、バトルロワイアルにおいて通常の参加者には受けられない特別な特典を受けられる有料サービスです!
通常の参加者には、侵入不可である禁止エリアにも、プレミアム会員なら一切の制限なしに立ち入ることが可能となります!
どの禁止エリアに何度侵入しようと、通常巻かれている首輪は爆発しなくなります!勿論専用の首輪も爆発しません!
安心して禁止エリア内に入って下さい!エリア内で休むもよし!禁止エリアを利用して参加者を殺すのもよし!
頑張って殺し合いに励みましょう!
※プレミアム会員へのお申し込み
お申し込みの方法は簡単!専用の赤い首輪を貴方の首に巻くだけです!こちらが確認次第、貴方にサービスを提供します!
正式にプレミアム会員だと認められると、プレミアム専用首輪が青に変わります!あ、一度巻いてしまえば、通常の首輪同
様、運営側が手を加えない限り二度と外れないので注意して下さいね(笑)
※お支払方法
プレミアム会員は有料です!ですが通貨ではなく、命で支払って貰います!放送毎に、プレミアム会員である方が前の放送から
何人殺したのかカウントして確認します!放送と放送の間の殺害数が1以上であればサービス継続!0であるならばサービスは
終了です!サービス終了と共に専用の首輪が爆発してしまいますから、命を落とさないように精一杯殺して回って下さいね(笑)
専用の首輪は、通常の首輪と同等の威力がありますから助かるとは考えないで下さい!
※殺害数について
殺害数とは、貴方が殺した参加者の数です!他の参加者を誘導するなどして間接的に殺しても、殺害数としてカウントされません
のでご注意を!放送と放送の間の殺害数が1以上になると、専用の首輪が黒色に変わります!色が変わらなければ殺害数として
カウントされていませんので、めげずに次の標的を探して殺して下さいね!
説明書に書かれている事は以上だった。要するに、てゐはこれから放送と放送の6時間の間に必ず1人は殺さなければならなくなったのだ。
「ふざけないでよ……あ、あと放送まで僅かじゃない……」
この支給品があるから、3人はてゐを見逃したのだろう。ああもう……ふざけないでよ
ともかく、頭を働かせなければならない。自分の不運に絶望している暇なんてない。
第一放送までに誰でもいいから一人殺さなければならない。失敗すると、死だ。
殺すならバクラがいい。それが駄目なら言葉か月がいい。けれども3人はどこに行ったのか分からない。
3人を探しまわる時間なんててゐには残されていない。となると、なるべく人が集まるであろうマップの中央に移動するべきだ。
後数時間ちょっと……誰かを殺さないと……!私は死にたくなんかない……!
てゐは走り出す。支給品は当然の如く全てバクラ達に奪われている。
「バクラァ……言葉ァ……ライトォ……!
絶対に絶対にぜっ~~~~~たいに許さない」
とはいえ、怒る時間すらも彼女には残されていない。
てゐの能力は人間を幸運にする程度の能力。言葉、月、バクラを大きな運を掴んだ。
無論、制限によっててゐの能力は制限されているだろうから、偶然であるに違いないが……
てゐは大いに焦りながら、全力疾走で参加者を探す。
【B-5 平原/1日目・早朝】
【因幡てゐ@東方Project】
[状態]:健康、頭から出血(応急処置済み、処置は言葉達がしました)
[装備]:プレミアム会員専用首輪(青色)
[道具]:なし
[思考・状況]
1:手段は何でもいいので第一放送までに誰か一人殺す。命がかかっているので絶対に!
2:バクラ、言葉、月を強く憎悪。特にバクラは絶対に許さない
3:何をしてでも生き残る
4:ベジータを警戒
※リュークが見えました。ただしはっきりとは見えず、声も聞こえません。
※月を、死神に憑かれて死が近い人間だと思っています。
※桂言葉に伊藤誠を蘇生させてと頼まれました。
くくく……精々覚悟して待っているがいいぜブロリー!
俺は貴様を殺す手段をついに手に入れた!!
爆破ヅラを後生大事に握りしめて、ベジータは駆ける。
主催者の技術なら、いかにブロリーであろうと通用する。
だが、彼は一つ勘違いをしていた。いや、月とバクラに騙されたと言うべきか。月はあの時言った。
「こいつは爆破ヅラだ。どういう原理なのか皆目見当がつかないが、これを頭に被せると頭が爆発するらしい」
これは月が仕掛けた些細な言葉のトリック。嘘とも言い切れない微妙な台詞。簡単に言い逃れできるだろう。
本来、爆破ヅラは被せた対象の頭が爆発するのではない。被せた時にヅラが爆発するのだ。頭ではなくヅラが爆発する。
ヅラの爆発がブロリーに通用しなければ、おそらく何の意味もないだろう。
普通の参加者を殺すにはあまりある威力だがそれがブロリーに通用するかどうか────
「ハッハーー!覚悟しろブロリー!!」
【C-5 草原/一日目・早朝】
【ベジータ@ドラゴンボールZ】
[状態]:健康、軽い疲労感
[装備]:爆破ヅラ@テニミュ
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2
[思考・状況]
1:ブロリーにヅラを被せて殺す!
2:頭が爆発するようなら殺せる!きっと殺せるはずだ!多分な……
3:もし優勝したなら、言葉に借りを返すため、伊藤誠を生き返らせる
4:くだらんゲームなどどうでもいいが、邪魔な奴はぶっ飛ばす。
※参戦時期は「燃え尽きろ!!熱戦・烈戦・超激戦」でブロリーの強さに戦意喪失している頃です。
※力が大きく制限されていることに気がつきました。
※1マス以上離れた相手の気を探れません。
※ニコニコ動画の影響で、テンションの高低が激しくなるときがあります。
「ここまで離れたら多分大丈夫だろう」
てゐを再び気絶させた後、3人は全速力で北上し、てゐから離れた。てゐの復讐から逃れるためだ。
一旦彼女から離れてしまえば、彼女は支払に忙しくて仕方がないだろうから復讐される機会は一気に少なくなる。
「上手くいきましたね」
言葉がはしゃいでいる。ののわさんと共に揺れる言葉の胸を見て月の股間もはしゃぎまわった。
「とりあえずこれからどうするんだ?」
一人冷静なバクラが口を開く。
「そうだな。武器も仲間も揃ったし、殺して回ろうか」
「でも、もしベジータさんのような強い人が相手の場合、勝てるとは思いませんが……」
「ククク……それは心配する事ねえな言葉」
バクラが言葉の心配を笑い飛ばす。
「俺達は殺し合いに乗っていない善良な参加者を装えばいい。
まさか優勝狙いが3人も手を組んでいると想像できる奴は少ないだろうぜ」
「そうだな。まずは猫を被り接触し、そして3人タイミングを合わせて奇襲するんだ。
状況によって戦術を変える必要はあるだろうけど、基本はこれだな」
「いい感じですね」
言葉は安心したようにほっと一息吐く。月もバクラも頭がいい。この二人が協力してくれるならきっと誠君は生き返る。
「俺達が優勝狙いだという事を知っているのは、ブロリーしか頭にないベジータと、
プレミアムの支払いに大忙しのてゐだけだ。俺達に悪意を持っているのはてゐのみ……だがてゐは」
バクラは不気味にくつくつと笑い始める。それに感化されて言葉も笑う。
この3人の中で最も冷静な月までも、静かに笑い始める。
「殺人鬼にならざるを得ない。噂を流してやるか」
「そうだな。奴は人を殺さなければ生きていけなくなった。
僕達は善良な参加者なんだから、危険人物であるてゐの情報を誰かに流すのは当たり前だ。
だがあまり派手にするなよバクラ。派手にやり過ぎると拡声器で叫んでいたどこかの誰かみたいに逆に警戒されかねない」
「あまり心配するなよ月。俺だって冷静だぜ?」
余計な心配をする月を窘める。
「それにしてもてゐは滑稽だ」
月はポケットの中から、紙きれを取り出す。その紙には、こう書かれていた。
※サービス開始について
サービスが開始されるのは、第一放送からです!第一放送の前は禁止エリアが存在しないので当然と言えば当然ですね(笑)
殺害数のカウントも第一放送からスタートします!ですので、第一放送までに殺害数を1以上にする必要はありません!
サービスが開始されると、首輪の色が白色に変わります!早めに誰かを殺して首輪を黒くしましょう!
※専用首輪の色まとめ
赤色→プレミアム未契約。専用首輪を首に巻いていなければこの色のはず。禁止エリア回避のサービスはまだ開始されていません。
青色→プレミアム申込完了。専用首輪を首に巻いてから少し経つとこの色になります。禁止エリア回避可
白色→青色の状態から、第一放送を迎えるとこの色になります。白になった瞬間、殺害数カウント開始です。禁止エリア回避可
黒色→放送と放送の間の殺害数が1以上になると白色からこの色に変化します。禁止エリア回避可
色の変化を目安にして殺人に励んでください。
~説明は以上です~
「てゐは殺害数カウント開始のタイミングを知らない。てゐ側の説明書では、第一放送が始まる前にも殺害数を1稼ぐ必要があると思うだろうな。
てゐが僕達に何かを仕掛けるタイミングは、これで完全になくなった」
月は切り取った説明書の片割れを粉々に破いて捨てた。てゐは思い込まざるを得ない。
粉々にして捨てた事によって、てゐの思い込みが解消される事はなくなった。
バクラがてゐを裏切らなければこんな美味しい展開にはならなかった。
言葉が月に手を組む事を持ちかけ、プレミアム会員専用首輪を持っていなければこんな美味しい展開にはならなかった。
月が言葉の申し出に頷き、てゐに与える情報を選ぶ事を提案しなければこんな美味しい展開にはならなかった。
────人数は力だ。いつ如何なる時もな。てゐ、お前は僕達にとって幸運を運ぶウサギだった。
言葉、月、バクラの3人は、作戦成功に満足し、互いにハイタッチした。小気味いい音が響く。
月が言葉にハイタッチではなくパイタッチしようとしたので言葉は再び月の頬を平手打ちした。
その様子を見て、バクラは月を嘲笑う。
────まあ、何はともあれ……
「「「……計画通り!」」」
【B-3 平原/1日目・早朝】
[チームの共通思考]
1.月、バクラと協力し、3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2.てゐがゲームに乗った殺人気である事をこれから会う参加者達に伝える
※3人はそれぞれが持つ支給品の情報を全て把握しています。支給品は喧嘩せずに三人で共用するつもりです。
【桂言葉@SchoolDays】
[状態]:健康、病み具合沈静中
[装備]:ランサーアサルトライフル(350/350)@Gears of War2
[道具]:支給品一式、ののワさん@ののワさん、魔法の石(ののワさん使用中)@Heart Of Darkness
[思考・状況]
0:月、バクラと協力し、3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
1:どんな方法でも誠くんを生き返らせる。生き返るなら自分は死んでもいい。
2:ベジータのように圧倒的に強い相手には無理を避けたい。
※アニメ最終話後からの参戦です。
※希望を見出したため、ヤンデレ分は沈静化し、目のハイライトも戻っています。
【夜神月@ひぐらしがなくですの】
[状態]:健康
[装備]:アポロのクロスボウと矢筒(20/20)@チーターマン、ハイポーション@ハイポーションを作ってみた
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:優勝しておっぱい帝国の神となる
1:言葉、バクラと協力し3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2:初音ミク、因幡てゐを警戒
※リュークが憑いています。デスノートは持っていません。
※人外の存在に、リュークの姿が見える可能性があります。
【バクラ@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 】
[状態]:服に軽い汚れ
[装備]:千年リング@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:共通支給品、 光学迷彩スーツ@東方project、コメント一覧@ニコニコ動画
[思考・状況]
1:言葉、バクラと協力し3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2:誤情報を流し争いを促進する。てゐの情報など
3:できるだけ参加者を苦しめ、心の闇を肥大化させる
※原作終了後(アテムが冥界に帰った後)から登場
【プレミアム会員専用首輪@ニコニコ動画】
プレミアム会員になれる素敵な首輪。放送と放送の間に一人殺すだけで禁止エリアを回避できる
ただし殺せなければ爆発します。威力は通常の首輪と同じ。つまり死にます。
制限やその他の機能(あるかどうか分からないけど盗聴とか)はありません。
その時の状態によって色が変わります。白ならまだ放送と放送の間の殺害数が1以上になっていない。
黒なら殺害数が1以上になったと言う事です。間接的殺害では殺害数としてカウントされず黒色になりません。
サービス開始は第一放送からです。詳しくは【トリプルステルスVSプレミアムマーダー】内の説明でお願いします。
【爆破ヅラ@テニミュ】
被ると爆発するヅラ。頭ではなくヅラが爆発する。
被るたびに何度でも爆発する。爆発によってヅラが消し飛ぶかどうかは不明
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|sm75:[[図書館のアホさには心底うんざりさせられる]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|[[投下順>51~100]]|sm75:[[図書館のアホさには心底うんざりさせられる]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|因幡てゐ|sm88:[[伝説の英雄S]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|ベジータ|sm93:[[ニコニコβBR~ベジータ様が行く~]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|桂言葉|sm104:[[伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加]]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|夜神月|sm104:[[伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加]]]|
|sm74:[[トリプルステルスVSプレミアムマーダー(前編)]]|獏良了|sm104:[[伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加]]]|
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