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山内昌之『歴史学の名著30』 (ちくま新書)

  • 著者:山内 昌之

 学生に限らない。私たち社会人にとっても、時として本は「最高の話し相手」なのである。『歴史学の名著30』は、歴史好きの社会人の方々にも楽しんでいただければという気持ちで書き上げた。

  • 山内昌之『歴史学の名著30』 (ちくま新書) 、p261~262

目次

  • はじめに
    • トルストイの歴史家嫌い
    • 現代の若者と歴史書を読む楽しみ
    • 歴史書を読む、他者への寛容と自己への自信のために
    • 選書、三つの基準
    • 朝鮮史の一冊、『朝鮮王朝実録』
    • コンドルセと橘曙覧の教え
  • 1 歴史への問いかけ
    • ヘロドトス『歴史』──脱線の名人
      • 叙事詩の伝統を受けつぐ円環構造
      • 学としての歴史の嚆矢
      • 俗信は荒唐無稽か
    • トゥキディデス『戦史』──冷静無比の予言者
      • 二十世紀の国際政治のモデル
      • 人間心理の鋭い観察
      • 人心の荒廃とエリートの変身を冷静に描く
    • 司馬遷『史記』──「激励の書」天道、是か非か
      • 倫理的批判の書
      • 天道への懐疑
      • 史記執筆の動機
    • 班固『漢書』──班馬の優劣はいかに
      • 「世界史」史記と「一国史」漢書
      • 儒教的な世界観による歴史理解
    • 原勝郎『日本中世史』──日本史の美意識、西洋史の方法
      • 日本史に初めて「中世」の概念を導入
      • ルネサンスと東山時代
      • 繊細なセンスと美意識
  • 2 叙述の魅力
    • ギボン『ローマ帝国衰亡史』──ペシミズムと諸行無常の物語
      • 文学と歴史の双方で傑出
      • ギボンのペシミズム
      • 公平なメフメト二世の描写
    • 頼山陽『日本外史』──叙事詩の人気
      • 文章力も「殊に雅健なり」
      • 只一道の光輝
    • ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』──倫理的遠近法の歴史家
      • 「一般人」の教養を涵養する
      • イタリアは「終始一つの例外」
      • ビザンツ人やムスリムとの接触を評価
    • ホイジンガ『中世の秋』──美しい歴史の世界を求めて
      • 過去のなかに意味の把握を解釈する
      • 騎士道の理想を虚構として利用
      • 中世末期からルネサンスへの移行
    • ブローデル『地中海』──隠された「ヨーロッパ愛国心」
      • 三層構造を総合的に扱う全体史
      • 「出来事」の重要性は否定せず
      • レパントの海戦の意味
    • (付録)ロレンス『知恵の七柱』──人間観察の芸術品
      • 歴史と歴史学に対する挑戦の書
      • 観察の鋭さ
  • 3 歴史を見る眼
    • 慈円『愚管抄』──深夜に語られる道理
      • 独白の形態をとった特異性
      • 変化していく道理
    • 北畠親房『神皇正統記』──日本国とは何か
      • 正直・慈悲・決断
      • 政治の成功に必要なこと
    • 新井白石『読史余論』──九変五変論、機勢の変転
      • 厳格な学問方法と歴史主義
      • 公平な史眼
      • 「機勢の変転」の機微を十分に理解
    • 伊達千広『大勢三転考』──玄人好みの時代区分論
      • 「骨」の時代、「職」の時代、「名」の時代
      • 「上からの改革」と「下からの革命」による変動
      • 幕府体制の衰亡を予言?
    • ランケ『世界史の流れ』──十九世紀西洋君主の「亀鑑」として
      • 簡便なヨーロッパ史
      • 現代の歴史の豊かな流れ着く
      • 君主論を意識
    • 内藤湖南『東洋文化史』──別種の中華意識の発露か
      • 「応仁の乱」以前と以後
      • 世界史と日本史
      • 文化中心移動説
  • 4 歴史家の使命感
    • 『春秋左史伝』──記録者の意地
      • 説話は「伝文」として付す
      • 「直筆」が権力者のアキレス腱
    • 劉知幾『史通』──近代歴史学につながるエスプリ
      • 史館に勤めた劉知幾
      • 「異辞疑事」はよく考えて採用すべき
    • イブン・アッティクタカー『アルファフリー』──イスラーム帝王学
      • 王者にとって望ましい知識とは
      • 王者に望ましい徳目
    • イブン・ハルドゥーン『歴史序説』──経世済民の歴史家
      • 史料批判の眼
      • 歴史家に必要な資料と条件
    • トインビー『歴史の研究』──「変わらない東方」の迷妄から文明相対主義の世界史へ
      • 古代史の研究から現代史の分析へ
      • 二十一の文明社会の比較文明相対主義の嚆矢
  • 5 大変動のなかで
    • カエサル『ガリア戦記』──歴史家から執筆意欲を奪った書
      • 覚書執筆の動機
      • 並外れた文章力
    • 潘佩珠(ファンボイチャウ)『ヴェトナム亡国史 他』──南海遺民の革命史
      • 梁啓超と潘佩珠の出会い
      • フランスによる重税支配
      • 日本への憧憬
    • トロツキー『ロシア革命史』──昂揚と挫折の黙示録
      • 歴史叙述の本質をとらえる
      • 人物描写の的確さ
  • 昂揚と挫折
    • チャーチル『第二次世界大戦』──戦争には決断、平和には善意
      • 大戦を許したのは誰か
  • 未来洞察の書
    • (付録2)石原莞爾『最終戦争論』──永久平和論と世界最終戦の異種交配
      • 決戦戦争と持久戦争の交替
      • 核兵器の登場をも予言
  • 6 現代への視座
    • ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』──「歴史の名著」、社会科学と歴史学の間
      • 素朴な問いからの出発
      • 「禁欲」と「拝金主義」
    • 宮崎市定『科挙』──形を変えた選挙の効能
      • 官吏を研究しなければ中国はわからず
      • 郷試は人生の縮図シヴィリアン・コントロールの土台
    • バーリン『父と子』──非歴史学的な歴史家、自由主義者の苦悩
      • 失われた思想や哲学の発掘混乱状態のなかで中庸を説く勇気と大胆さ
    • フーコー『監獄の誕生』──毒か、それとも劇薬か
      • 公権力による支配のしかけ
      • 自明の前提に再考をせまる
    • 網野善彦『無縁・公界・楽』──知の「浪漫的煽動者」
      • 歴史の周縁に生きた人びと
      • カリスマ性と存在感
  • おわりに
  • 文献目録


読書感想記事