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史無国 序

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史無国 序


西ローマ帝国がゲルマン人傭兵・オドケアルによって滅んだ、ヨーロッパ四世紀。
この時より、暗黒時代と呼ばれる時代が始まった。
即ち、ローマ帝国を立てたラテン人によって蛮族と呼ばれていたゲルマン人による統治が始まったからである。
蛮族であるゲルマン人による統治は、科学の進歩を押しとどめ、文明を衰退させ、また様々な文化を消し去った。
そう、『一般的』に言われている。

しかし、それは本当であろうか?
本当にゲルマン人達は、一切科学を、文明を、文化を持たなかったのだろうか?
ルネサンスが起こったとき、本当にそれはなかった物なのか?

私はそうは思わない。
なぜなら私は、一本の書物を手に入れたからだ。
一切の書物が失われた暗黒時代。
その時代を教えてくれる、わずかな生き残り。
その書は、まさに暗黒時代の中の、わずかな一部を教えてくれた。

これが本当のことか、それはわからない。
もしかしたら、これは作り話なのかもしれない。
だが、私はこれを『歴史』と、そう信じたいのだ。

何故か?
理由は簡単だ。

――その方がロマンがあるだろう?――

かく言う理由で、私はこれを世に出すことにする。
頭の御堅い学者たちの物とは違う『歴史』。
貴方達は、見てみたいとは思わないか?
私は見てみたいと思う。

さあ、私が知り、そして信じた『歴史』。
とくとご覧あれ。



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