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9話 酒とは凶器である

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「目潰し!」
「ぐばっ!」
 俺はそのまま倒れる。
「お前はすでに―――」
「死なねえよ」
 ボカッ
 俺は鵺の頭を叩く。
「何すんのよ」
「こっちのセリフだ」
 最近俺の部屋で大人しく漫画を読んでいると思ったら、この有様である。
「まあまあ、ミミズさん落ちついて」
 久々に休みを貰った詐欺師に宥められる。
「今日は詐欺師に免じて許してやろう」
 そりゃ俺もこのまま引き下がる気が無かったが、これが目の前にあるとそうもいかない。詐欺師がお土産として持ってきた、
「いいのかドンペリなんて?」
 そう、通称ドンペリで親しまれている、正式名称ドン・ペリニヨン。シャンパンの中でも高級とされ、一本でも俺じゃ正直買えないようなものだ。縁なんてないと思っていたが、ついに飲める日が来るとは……。
「全然構いませんよ。むしろ一人で五本も飲めませんから」
 例の社長令嬢に気に入られ、最近では時々プレゼントも貰っているようだ。そして今回がこのドン・ペリニヨン。
「それでドン・ペリニヨン五本っていくらな訳……?」
 恐る恐る聞いてみる。
「うちだと一本五十万ですかね。常連には四十万で売っているそうですが」
 最低でも二百万ということだ。俺の知らない世界は恐ろしい。
 というかこいつもこいつで最近の景気の良さだと別の高そうな場所に引っ越ししても良さそうなものなのに、まあ俺としては引っ越しされて貰ったら収入が減るので困るわけだが。
「ねぇ!飲んでいい?飲んでいい?」
「鵺さん未成年でしょうが」
「いーじゃん、少しだけ少しだけ」
「駄目ったら駄目」
「ミミズのケチケチー」
「ごねても駄目、それに何故2度同じ事を言うか」
「新しいジャンルに向けて?」
 一体どこに向かうのだろうか。
「こういうのもアリだと思いますよ?」
 需要があったようだ。鴉に。
「どっから沸いてきた」
「何をモンスターみたいに扱って、ただそこに鵺がいたから来ただけですよ」
 いや、鵺の行動範囲それ以前に狭いから。主に行動してるの俺の部屋だし。
 最近鵺は鴉を色々な意味の危機を察知し避けている様だ。今もジリジリ寄ってくる鴉を鵺は後ろずさってるし。
 あ、壁に追い込まれた。
 鵺は涙目になった。
 しかし、鴉には効かなかった。
 そして捕まる。
「で、メイド、マジでそれ下ろせ」
「いいえ、出来ません」
 いつの間にかドン・ペリニヨン(中身入り)の瓶で殴りかかろうとしていた。しかもそれ俺のだから。
「まあまあ、そんなカッカせずに」
 そう言いながら詐欺師はドン・ペリニヨンをメイドから取り上げ、そのままラッパ飲みさせる。そしてあっという間にドン・ペリニヨンは瓶だけになった。
「俺のドン・ペリニヨンが……」
「まだ余ってますし、差し上げますから、そんなに落ち込まないで。そんなことより警察沙汰起こさない方が優先でしょう」
 あ、またくれるならいいや。
 すぐに立ち直る。俺は現金に生きるぜ。
「さて、警察沙汰は起こさないかも知れないが、さすがに一気はやばかったんじゃないのか?」
「いやまあ、流石に何処かで吐きだすものだと思ってましたし」
「そうだなって、鵺と鴉いねぇぞ?」
「本当ですね」
「メイドから助けてやったっての……に?」
 酒に酔ってぶっ倒れていたと思ったメイドが立ち上がる。
「悪い子はいねがー!」
 なまはげ化して襲ってきた!
 もうこのメイドいや。



 今日の被害。
 机、漫画、酒等しめて五十万(うち四十万は酒)は後日メイドに請求したところ、即日現金で利子付きで帰ってきましたとさ。