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書:hap


 夜10時過ぎ、多くの生徒が部屋でわいわい騒いでいたりする女子寮で、サクはある一部屋を訪れた。ノックをして出てきたのは久遠。
「あれ、サク先輩。どうしたんですか?」
 久遠は驚いた顔をして尋ねる。その中に若干焦りがにじんでいるのをサクは感じたが、無視した。
「いや、こっちが聞きたいんだけど。いつもこの時間はめいのとこ行ってるでしょ」
 サクは今まで何度かこの時間帯に来ていたが、久遠を見たことは一度もなかった。
 久遠が苦笑いして答える。
「今日はなんか用事があるとかで追い出……って、うわっ!?」
 久遠がいきなり飛びのいて、半開きだったドアのノブに勢いよく腕をぶつけた。
 サクはまず久遠がいきなり飛びのいたことに驚き、次にぶつけた腕を一瞬だけ心配し、最後に久遠が飛びのいた原因を見た。

「ちょ、ハプいきなり出てくんなよ!」
「あはは、ごめん久遠。サク先輩、私に用ですか?」
 そこに立っていたのはハプで、サクは小さく頷くと持っていた手紙を渡した。
「これをあいつに届けてくれる? 今回はちょっと、最速で」
 サクの真面目な顔を見て、ハプも気を引き締める。
「……わかりました、あの先輩ですよね?」
 サクが頷く。あいつが誰を指すのか、今まで幾度となく手紙を届けているハプにはすぐに分かった。
「……あの、何かあったんですか?」
 所在なさげに会話を聞いていた久遠が聞く。サクは何も答えず、ただ口の端をつり上げた。
「サモン!」
 久遠が見れば、ハプのサモンの鳥が、丁度手紙をくわえて飛び出していくところだった。