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7話


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 月が高くのぼり、王宮を薄明るく照らす頃、星光(シングァン)は突然息が

詰まり目が覚めた。瞼を開くと、自分と天井の間にぼんやりと人影が見える。

 『何者だ!』星光は起き上がろうとしたが、相手が星光の胸に膝を立て、

片足と左手で腕を押さえられているので、起き上がるどころか抵抗も

ままならない。おまけに右手で口を塞がれているので声を出すことも

できない。必死に身をよじるが、相手の力は圧倒的で、星光はどうすることも

できなかった。

 『刺客か!』全身から冷たい汗が噴き出す。星光は苦痛と恐怖でさらに


激しく暴れるが、刺客は星光をがっちり掴んで離さない。

 『・・・息が・・・・』星光はだんだんと意識が朦朧としてくるのが分かっ

た。相変わらず息はできないが、不思議と苦しさはなくなっていった。

そして、ゆっくりと眠気が襲ってきた。星光は心地よい眠気に体をゆだねよう

とした。

 そのときだった。突然体から重さがなくなり視界が広くなった。肺に空気が

一気に流れ込み、すさまじい頭痛が襲う。星光がうめきながら起き上がると、

蒼豹(ツァンバオ)と刺客が戦っていた。刺客は星光を押さえつけていた

ところを、顔面に蒼豹の蹴りを喰らって鼻から血を流していた。

 刺客が蒼豹に襲い掛かった。三つ編みを掴んで引き倒すつもりだ。

蒼豹は刺客の動きに即座に反応した。伸ばしてきた右手を跳ね上げると、

そのまま踏み込み、左足を軸にして股間を蹴り上げた。

 「ぐっ・・・!」刺客がうめき、苦悶の表情を浮かべる。蒼豹はその隙を逃

さず、たじろいだ刺客に、さながら豹のように飛びつき、短剣を抜くと柄を男

の眉間に叩きつけた。

 刺客は白目をむいて仰向けに倒れた。蒼豹は星光に駆け寄った。

「殿下・・・!お怪我は!」星光はまだふらついて、いつの間にかその場に来

ていた

紺鮫(ガンジャオ)に支えられていたが、蒼豹に笑って言った。

「大丈夫だ。お前こそ、怪我は無いか」蒼豹はほっと力を抜き、星光に頭を下

げた。

蒼豹はさっと紺鮫を睨みつけた。瞳には穏やかだか憤怒が宿っている。

「貴様、何をしていた?今日は私は非番、紅兎(ホントゥ)は居なかった。殿

下をお守りすることが我々の仕事、忘れたか?」

それを聞いて、紺鮫は青筋を立てて拳を握り締めていたが、正論とわかってい

たので、何も言わなかった。

 「やめろお前ら。俺は生きてるんだ。次から気をつけてくれればそれで

いい。」星光が

言うと、蒼豹はまだ目をぎらつかせていたが、大人しく引き下がった。

 刺客は警務部署の者が連行し、未遂だったこともあり極秘に処理された。

しかし、星光の心の中には刺客の冷たい目と、死の間際の痺れるような感覚が

いつまでも残っていた。



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