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3,4話

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 星光(シングァン)は家臣達に気付かれないよう、椅子の上で体をもぞもぞ

と動かした。一体いつになったらこの拷問は終わるんだ?

 ここは王宮全体の中心、謁見の間。毎朝ここで国の様子、民の生活水準など

政に関わる多くの事柄についての報告を聞く。政を取り仕切る者にとっては非

常に重要な日課だったが、星光はこれが退屈で仕方が無い。

 彼は陽光(ヤングァン)帝の第二皇子として産まれ、兄である

月光(ユェグァン)皇子と共に国の主たる者としての最高水準の教育を受けて

きた。兄は政務、弟は軍事の面でそれぞれ才能を発揮し、帝を助け、

国を支えてきた。

 しかし、2年前、星光が16のときに、大陸を統一してからは、全くと言って

いいほど軍事面で才を発揮する機会が無い。

 そういうわけで、税金や農産物に全く興味の無い星光にとって、この時間は

文字通りの拷問となっているのだった。

 「・・・・本日の報告は以上です、陛下」その言葉を合図に帝、

月光(ユェグァン)星光の順に立ち上がる。星光は苦悶の時間が終わったと、

ほっと息をついた。

 星光が謁見の間を後にし、自室への長い廊下を進んでいると、誰かがポン、

と肩に手を置いた。振り返ると、月光皇子がいつもの穏やかな微笑を浮かべて

いた。

 星光は、この兄が羨ましかった。家臣皆から慕われ、見目麗しく、政にも秀

でている。兄といると自分が醜悪で野蛮な人間のような気がして

ならなかった。

 「全くお前は、あの退屈そうな顔をなんとかしなさい。家臣達が

困るだろう。」困ったようにクスクス笑う兄に、星光は笑って返す。

 「俺は兄上と違って政は苦手なんですよ。ご存知でしょう?だいたい次の帝

は兄上に決まっているのに、なぜ俺にあんな話を聞かせるんです?」

 「星光、帝はまだ現役でいらっしゃる。失礼だ。それに、私が次の帝になる

など決まってはいないのだ。怠ける口実に私を使うんじゃない」それを聞く

と、星光はフンと鼻を鳴らした。

 「俺が兄上に勝てる事といったら軍事しかありませんよ。でも大陸を統一

し、民も豊かな生活をおくっている。一体軍事が何の役に立つんです?政に秀

でた兄上の方が帝に選ばれるに決まっています」

 ここで廊下が吹き抜けの空中回廊に出た。星光はにやりと笑うと、月光の方

を振り向いて言った。

 「兄上が俺に敵わないこと、もう一つありました。」そう言うや、回廊の手

すりの上に飛び乗り、回廊の3階からさっと身を躍らせた。

 「シ、星光皇子様ァァァァーッ!」共の者が悲痛な声を上げるのを尻目に、

星光は気持ち良さそうに両手を広げ、しばらく落下を楽しむと、怪我一つせず

一階に着地した。

 それを見て月光は苦笑した。「確かに、勇気と無鉄砲さも、お前には敵わな

いよ。」






ごめん、編集の都合上まとめちゃった^^;


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