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吉祥の屋敷に厄介になり始めて数ヶ月
宮中じゃ出来なかった事が存分に出来て俺は一人満足していた


「あ、御前!お出かけですか!」

「ん、まぁ、散歩に行ってくる」

「お気をつけて!」


ふらりと屋敷を出て、向かった先は鍛冶屋
ボロボロになった愛刀を鍛え直して貰おうと向かった


「あー…旦那、これじゃぁ新しいのを買った方がいい」

「鍛え直せないのか?」

「こりゃそうとうの業物だ。一端の職人が容易く鍛え直せるもんじゃないね」

「そうか…」


職人に見せてこの一言なれば仕方ないが…
そう云って店を見回すと一本の刀が目に入った


「店主、あれは?」

「…清満三代の作った妖刀、『紅蓮』だ」

「なるほどな…」


店の奥で禍々しく黒光りする
ソイツは『椿姫』と称されるに相応しい気高さを宿していた


「なぁ店主、アレ貰うわ」

「だ、旦那アレは妖刀ですぜ…!!」

「構わねぇさ、いくらだ?」


近づく程に警戒するように禍々しさを増し
触れるなとばかりにカタカタと動き出す


『来いよ椿姫、俺を紅蓮に染めてみろ』


紅蓮をそのまま掴むと黒い妖気を一気に放ち静かに収まった


「あの紅蓮を…いとも簡単に…」

「よし…いい子だ。で、いくらだ?」

「い、いや!金はいいっ…!!アンタ以外に引き取り手は居なかったからな。にしても旦那すげぇな!」

「そうかい、感謝するぜ…あと、コイツと相性のいい刀を二本ほど選んでくれ」

「あぁ!ちょいと待っててくれ!」


店の奥に消えていった店主を見送り新しい相棒になった
紅蓮を腰に差した

しばらくして店主が二本の刀を持って戻ってきた


「これを持ってってくれ!」

「ほう…いいな」

「龍の総彫りがあるのが業物八代目鬼鉄、青の方が藤雪だ」

「いいのか?こんな名刀」

「あぁ!アンタに惚れたよ!お代は一本分で十分だ」

「すまないな。じゃ、世話になった」

「また来てくれよ!」


店を出てから吉祥の屋敷に戻る時
紅蓮が別れを惜しむように
小さく唸った


【新しい相棒】