ユメの世界で見た、ユメの世界が一体何処か
貴方はご存知ですか?
不可解だ。
ユメビトとしての最高適正能力を持っているはずなのに、
この数々の変化は何なのだろう。
何が違う?
何がそうさせた?
「ルカ様。紅茶はいかがでしょうか?」
「お願いします。」
誰だったんだ、彼は。
彼は何を言おうとしたんだ。
「どうぞ、ルカ様。」
「ありがとうございます。それと、シオン。」
「何で御座いましょうか?」
淹れたばかり紅茶の上には、湯気がゆらりと躍る。
「あの本は何処ですか?」
「こちらですよ。」
少年の片腕にいつも大事そうに抱えられている本。
その中身はいたって普通の童話だった。
彼が唯一、子供に戻る時間。
ただ、その本だけが「王としての彼」と「子供の彼」を繋ぎとめていた。
「さぁ、そろそろ眠ります。」
「承知致しました。」
そうして私はいつものように眠る。
今日は、何故だかいつもより気が楽だ。
いつもより。
―「ルカ様が目覚めない…?」
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