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英 rvkszgNm0

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715 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:26:33.77 rvkszgNm0

彼は廣岡 高志。野球部所属。彼にはライバルがいた。
その名も鷹島 英(ヒデ)。レフトを奪い合うライバルだった。
新人戦でどっちがポジションを取るか、毎日の練習で火花を散らしていた。

ある日の朝、高志は朝練へ行こうと早起きしていた。
「…え?」
寝起きで漏れた声。驚いた声。頭を掻いた手が止まる。
「か・・・母さん!」
キンキンした声。呼ばれて来た母。
「あら、やっぱり女体化しちゃったか。結構カワイイじゃない」
言ってる場合か。母はとんでもないことを言い出した。
「女子用の制服、こんなこともあろうかと用意しておいたのよ」
顔が赤くなるのが自分でもわかる。
「こんなもの着れるか!学ランで行く!」
いつもの格好で家を飛び出した。

通学途中も、学校の中でも、奇異の目で見られた。

続くかも


718 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:36:43.79 rvkszgNm0

715の続き

英も朝練に来ていた。
その中でどうみても女子が学ラン来て走っている姿を目撃した。
「…?あれって…まさか…な」
もしかしたらと思ったが、英はそんなことを認めたくなかった。

教室の中で、高志は冷静に考えた。
野球の大会は男しか出れない。
というより、野球部自体男子しか入れない。
つまり今の状況は野球部強制的に退部?

小一時間考え、意を決し英に話すことに決めた。

もう少し続く


724 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:46:27.90 rvkszgNm0

718続き

一方英は、朝のおかしな女子のことが気にかかっていた。
「…英」
話しかけてきたのは、今まさに考えていた女子であった。
「…えーと、どなた?」
見覚えのない名前さえわからない女子に話しかけられ、
(しかも下の名前呼び捨てで)困惑していた。
「俺だ。野球部所属、ポジションレフト。廣岡 高志だ!」
嫌な予感が的中したらしい。それは英にとってあってはならない事だった。
高志が重い口を開ける。
「悪いな…もう…競えなくなっちまった」
英はすでに童貞は卒業してしまっている。いまさら望んでも、それは叶わない。
「お前…なんで…お前…!」
一人の男と一人の元・男は大粒の涙を流した。

新人戦は県大会優勝。英のホームランが決勝点となった。

おわり
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