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676 名前:暗そうな話ゴメソ 本日のレス 投稿日:2006/10/09(月) 22:07:08.16 DNGfILza0

似たような話があったらごめん。

これは、まだ女体化現象がおき始めた頃、認知されていなかった頃の話。

「祟りかのう」
「まさか、あれほど見事に」
「彼もさぞ苦しんだことじゃろう。総領息子が女になって帰ってきおって・・・」
「退学になったのもしょうがなかろうよ」

急逝した父の葬式の日。
東京の全寮制の男子校を放校になり、田舎に帰ってきた僕を迎えてくれたのは
死病の床についた父と、化け物を見るかのような母、姉妹、そして親戚たち。
子供の頃はみんなが跡取りだ総領息子だと言ってくれ、僕が好きだった野球で推薦を受け
名門校に進学した時は旗まで振って祝ってくれた人々が
今は、おぞましいものを見るような顔をして、視線すら合わせようとしない。

僕のせいじゃない、とは何度も言った。オカマになったわけでもないとも。しかし、僕の身に起きた異変は
彼らの先祖代々の価値観を崩すにはあまりに荒唐無稽であった。
昏睡のまま、一言も言葉を交わさず逝った父なら理解してくれたかもしれない。
彼は、少し奇想天外な話が好きで、村でも変人扱いだった。
戦前は大地主だった我が家の当主に相応しい、寛容で息子を信じる人だった。
しかし、もう父もいない。
父の葬式の日、遺影を持つことは許されたものの、僕に割り当てられたのはかつての女中部屋だった。
中学までの自分の部屋のある母屋には、入ることすら許されず
皆が故人を偲ぶ間、冷たいコンビニ弁当を食べた。
なぜ、こんなことになったのだろう?
なんでこんな仕打ちを受けなければならないんだろう?
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