考えるヒト 怪文章作家たま v9xK+bpc0

    

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168 名前:>>139 投稿日:2006/10/08(日) 11:13:38.75 v9xK+bpc0

タイトル『考えるヒト』

第一章

今日もまた退屈な日々が始まった。
窓から指す薄青色の光は新しい日が来たことを告げた。
夜型人間の僕はまだ起きている。古い昨日を引きずり、新しい朝を迎えた今も。

世間は今や馬鹿の集まりに過ぎなかった。
若い親は自分の為に我が子を殺し、汚い大人は世間体の為に子供を縛り、馬鹿な政治家は私利私欲の為に悪政を行い、頭の悪い若者はただ馬鹿笑いするだけ、賢い子供たちは公務員を目指し、狂った子供たちは考えすぎの自殺を行う。
腐っているこの世界で生きることに疲れた、考えすぎの狂った子供な僕も自殺する妄想と猥褻な妄想を半分づつ脳みそに詰めて日々を過ごしていた。

カタカタカタ・・・

PCに向かって文字を打っていた。
「ぐわっ!!!」
ふいに自分を襲った痛みに抗うすべもなく、僕は呼吸困難寸前の状態で一人うずくまった。
何かの病気だろうか?このまま死ぬのだろうか?

僕はそのまま気を失った・・・。




続編は熱意執筆中です。時間かかると思いますが待っていてくだしあ。


186 名前:怪文章作家たま 投稿日:2006/10/08(日) 12:24:54.40 v9xK+bpc0

第二章


「ん・・・。」
気がつくと僕は部屋の真ん中にいた。どうやら僕は気を失っていたらしい。
あの痛みはなんだったのだろう?そう思い、自分の胸に手を当てた時にその感触に驚いた。
「ん?あれ?なんだこれ?ええええ????」
胸があった。男のはずの自分にCカップはあろうかという胸の膨らみがあったのだ。
「ななんななんんだこれ??」
新手の病気かと思ったが、服を脱いで確認してみても、まさに女性のソレであった。画面の向こうや紙面の上で何度も見たソレであった。

少し落ち着くと股間にも違和感を感じた。まさかと思い確認すると、アルベキモノがなかった。なくなっていた。
「女になったのか?」
そうとしか考えられなかった。

ハッと思い、鏡を覗くと、確かに自分ではあるが、しかし明らかに違う人が映っていた。もともと女顔だったのに拍車がかかったようで、そこには紛れもなく女の子がいた。
夢だと思った。思いたかった。しかし、このリアルな自分の狼狽具合が現実だと感じさせた。

「どういうことだ?」
ネットで調べてみた。するとある情報がヒットした。そこには、ある驚くべきことが書かれていた。
"第二次性徴でホルモンバランスが崩れ女性になってしまう"
世界的にみても数件しか発症例がなく、原因や症状など詳しいことは謎につつまれているという。しかも、急激な女性化に体がついていかずに変化の過程で死んでしまう人もいるという。
「あの痛みは・・・。」
すべての事柄が指し示す結論は"僕は第二次性徴で女性化してしまった"ということだろう。

「なんてことだ。なんてことだ・・・。」
僕は目の前で悪魔が笑っているのが見えた気がした・・・。


187 名前:怪文章作家たま 投稿日:2006/10/08(日) 12:27:00.36 v9xK+bpc0

第三章


彼はこれからのことを考えた。
たくさんたくさん考えた。
女性として生きていくとするならば・・・。

短いとはいえ17年間生きてきた中で形成されてきた価値観。
現代社会でのジェンダーの捕らえ方。
女性化現象の日本という国家での捉え方。


僕は考えた。発症例が少ない病気というのは確実に研究対象になるはずだと。
僕は考えた。この国で性別が急に変わるという重大な問題に衝突した場合の生活方法。
僕は考えた。自分という存在の意味。男という性別で生まれてきたことの意味。
僕は考えた。17年間の中で形成された女性のイメージ。男としての価値観。
僕は考えた。自分が発症したということの意味。
僕は考えた。問題に直面して、ちっぽけないのちが生きていく為の術について。
僕は考えた。女性化してまで生きていく価値がこの世界にあるかどうか。

とてもとてもとてもとても考えた。

そして結論を出した。

僕は・・・。


188 名前:怪文章作家たま 投稿日:2006/10/08(日) 12:30:02.42 v9xK+bpc0

第四章


僕はこの世界に絶望していたことを再認識した。
僕は毎日を妄想の世界で生きてきたことを再認識した。

僕は道端で泣いている子供がいても泣き声が聞こえない大人になるくらいなら、今この場所で、泣く子供として死を選ぼう。
そして僕は、自分の運命というものを弄ばれた悲しさを抱き死を選ぼう。


その日、誰かの気まぐれで運命を弄ばれたと勘違いを起こした、一人の考えるヒトがその儚き命を散らした。
女性という外見の男性は考えるヒトとしてその短き生涯を暗闇の中で終えた。



その後、この病気は発症数も増え、現代社会ではアタリマエとされる"性転生女性化症"という名称で呼ばれるようになった。
名前をつけたのは日本で最初に発症したとされている一人の女性。
その女性は自殺者で、彼女の部屋には狂ったような内容の遺書が残されていた。

遺書の最後にはこう記されていた。
「この世界のすべての出来事は、きっと誰かが考えたプログラムなのだ。プログラムを考えた誰かは退屈しのぎにこのつまらない世界を変えるだろう。
きっとこのつまらないプログラムを改変するだろう。その時こそ、この世が終焉を向かえそして復活するときなのだ。

我が名は 考えるヒト

このつまらぬ世界の終焉をスタートさせるのだ。」
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