真琴(2) 704 R6QdpQe60

    

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747 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/14(木) 04:59:09.77 G7MdTvDZ0

「・・・・・・・・ん」
車の振動に揺り起こされる。
体は横にしたままで、周りの状況を把握する。
私はどうやら四人乗りの乗用車、その後部座席に寝ているらしい。
狭い車内は西日に照らされ、茜色に染まっている。
詳しい時間はわからないが、家から逃げ出した時間が既に夕刻だったことを鑑みるに
この車に乗っていたのは、せいぜい三十分程度だろう。
運転席には、何処と無く強面の三十半ば位のおじさんが座っている。
となれば、助手席には件の女性が座っている筈なのだが、
頭が助手席の後ろに位置している為、ここからでは確認できない。
(やっぱり、あの人は女性化した先輩なのかな?)
言動も何処と無く似ていた気がするし、体格も殆ど一致していたと思う。
まあ、たとえ先輩だったとしても、何故タイミング良くあの場所に来たのか、
そもそも、どうして私が変な連中に狙われたのかという疑問は解けないが。
まあ、今すぐ知りたければ、起き上がって話し掛ければ済む事なのだが、
だいぶ楽になったとは言え未だ体が重い、
無理矢理に拉致されてる訳ではないし、後で幾らでも確かめる時間はあるだろう。
そこまで考えると、私は再び目を閉じてシートに身を沈めた。


748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/14(木) 04:59:53.31 G7MdTvDZ0

程なく、目的地に着いたらしい車が止まる。
助手席の人物が外に出る。一瞬見えた姿は、当然あの女性だった。
彼女は、後部座席の窓を外からノックした後、ドアを開ける。
「さ、着いたわよ。立てる?」
私が目を開けてるのを確認すると、そう言い手を差し伸べてくる。
手を掴んで立とうと思ったが、力が入らない。
結局、半ば抱えられるようにして車から出る。
立ち上がると周りを見回す。一軒家が立ち並ぶ、閑静な住宅街だった。
何処と無く、自分の家の周辺と雰囲気が似ている気もする。
私を支えている女性は後部座席のドアを閉めると、運転手に
「どうもお疲れ様。今日はもう帰って良いわよ。」と言った。
運転手は軽く頭を下げると、そのまま車を走らせて行った。
どうやら家族の類ではなかったらしい。
女性が手を伸ばして玄関のチャイムを鳴らす。
表札には若井と書いてある。確か先輩の姓は如月だった筈だ。


749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/14(木) 05:00:43.32 G7MdTvDZ0

(はて?先輩ではないのだろうか?)
しかし、今現在隣で私のことを支えてくれている人物は、
女性化した先輩に他ならない気もする。
すると偽名を使っているのかもしれない。
私と同じ様に何者かに追いかけられ、
この名前を使って身を隠しているのかもしれない。
冷静に考えればずいぶんと突拍子も無い仮定なのだが、
なんとなく当たっている気がするのは、
女の勘か、はてまた空腹から来る気の迷いか。
扉が開く、中から出てきたのは―――――――――――
あれ?先輩が増えた。


750 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/14(木) 05:01:52.31 G7MdTvDZ0

扉から顔を出しているのは紛れも無く、三年前と同じ『男の』先輩だった。
妙だ、先輩はあの時童貞だったから女性になって、今私の隣に居る訳で、
女性になったとすれば目の前に男性の先輩が居るのはおかしい訳で、
あの後童貞を捨てたのだとすれば、先輩が何も言わず姿を消すのは妙な訳で、
まあ、女性化すると宣言した後に、
政府御用達の娼婦で童貞を捨てるのはかなり恥ずかしいとは思うが、
あの時、わざわざ私一人の時にあんな話をしたのには何か意味が会った気もする。
考えれば考える程意味が解らなくなってくる。
ひょっとしたら新種のスタンド攻撃を受けているのかもしれない。
「何か混乱しているようだが――――」
先輩(男)が口を開く。うん。間違いなく先輩だ。
これが本人じゃなければドッペルゲンガーだ。
すると、私の肩を現在進行形で支えてくれているのは――――
「そいつは、俺の妹だ」
実にシンプルな答えだった。


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/18(月) 04:01:42.70 Yy98Kdo40

ダレモイナイ、駄文投下スルナライマノウチ・・・・・

バスルームにシャワーの音が響く。
あの後、私の様子を見た先輩が一言
「食事が出来るまでの間に風呂に入って来い」
と言ったので、大人しく湯に漬かっている次第だ。
それにしても熱いお湯はいい、ボロボロだった体も蘇る様だ。
しかし、自分の体に目を遣ると、手足は相変わらず細く
お腹には肋骨がはっきりと浮かび上がっているのが痛々しい。
「まこちゃーん、着替えここ置いとくよー」
ドアの外から妹さんの声がする。
「妹さんか・・・・・・」
1つ下の妹で、小夜子と言う名前だそうだ。
先輩が一人っ子で無かったのは少し意外だったが、知ってしまえば成る程と納得できる。
彼の年齢と比べて責任感の強い性格は、下に兄弟が居る所以であろう。
それにしても、妹さんは色々と凄い人だ。
女性にしてはかなり大柄な方で、出る所出てるし。
せいぜい五分程度しか会話していないのに、
私と話す調子はまるで旧知の友人のそれである。
あのおじさんに食らわせた見事なハイキックを鑑みるに運動神経も相当良いのだろう。
学校で、後輩の女子からラブレターを貰う様なタイプだ。

保守ついでに前々々スレの>>751の続きでも投下しときます


118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/18(月) 04:04:21.79 Yy98Kdo40

脱衣所にはかわいらしいクマ柄のパジャマが用意してあった。
着込んでみるとサイズもぴったりだ。
布の調子から察するに新品ではないようだが、
これをあの妹さんが着ていたというのはちょっと信じられない。
鏡の中に映った自分と目が合う。
湯上りで上気した頬に、可愛らしいパジャマ。なんとも扇情的な光景だ。
これが自分でなければ何か気の利いた言葉の1つでも言って
気に入られ様と努力する所だろうか。
「どうして・・・・・・・」
私は女になってしまったのだろう。別に嫌だった訳ではない。
唯、既に男だった頃の感覚を忘れかけている事に違和感を覚えただけだ。
或いは、始めから女として生まれていれば良かったのかもしれない。
子供の頃から可愛らしい服を着て、おままごとに興じて
年頃になれば男の子を好きなって、
そうやって来れば、傷付く事も悩む事も無かったのだろう。
でも、私は元々男で、この姿になってから未だ二週間ほどの存在なのだ。
わからない、当たり前だからでは済まされない何か大切な事の様な気がする。
でも今の自分では駄目、おそらく幾ら考えても分からない。
きっと色々な事を知らなくてはいけない。この体で。
私はバスタオルを掛けると、台所へと向かった。


120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/18(月) 04:05:49.63 Yy98Kdo40

テーブルの上には既に料理が並んでいた。
皿に注がれた透明度の高いスープに、色とりどりの野菜が詰め込んである
それに食欲を誘うチキンの芳しい香り。所謂チキンブロスという奴だ。
「体調が悪そうだったから、こういう物の方が良いだろうと思ってな
・・・・・・・本当はダシから作る方が美味しいのだが、いかんせん時間が無かった」
「あ、いえ十分ですよ。凄く美味しそうです」
「そうか?それは良かった。他の料理も欲しくなったら言ってくれ。用意するから」
私以外の席には、ご飯とサラダが置かれてる。まあ今は食べられないだろう。
「おおー、可愛いじゃない」
妹さんが台所に入ってくるなり歓声を上げる。
私の前に立ち、ポンポンと頭やら肩やらを叩きながら、上から下まで視線を走らせる
「似合うとは思ったけど、このパジャマはピッタリね。出して来てよかったわ」
「やっぱり、このパジャマって妹さんのお下がりなんですか?」
「そうそう、今こそこんなのになってしまったが
昔はこれが良く似合う可愛い女の子でガヒュ」
鳩尾にこぶしを食らった先輩が崩れ落ちる。
「さあ、まこちゃんもお腹を空かしていることだし早く食べましょ♪」
食らわせた当人は平然と席に着いていた。
「あの・・・・・・・大丈夫ですか先輩」
「平気、平気。これは崖の下に落っこちて急流に呑まれた後、
岩に勢い良く衝突しても平然と帰ってくる様な男だから」
「嫌に具体的な例えですね・・・・・・・・」
「それに、うちの兄に先輩なんて大層な呼び方は必要無いわよ。直幸で十分」
「はあ・・・・そうですか」
そんな会話をしている内に、先輩も何時の間にか席についていた。
かなり呵責ない一撃だったと思うのだが、意外と打たれ強いのかも知れない。


121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/18(月) 04:07:47.89 Yy98Kdo40

「ごくり・・・・」
湯気の立つチキンブロスをスプーンで掬い、口に運ぶ。
温かい、そして文句なしに美味しかった。
三日ぶりに摂るまともな食事としては最高の一口だった。
暖かい家、優しい人達、暖かい食事。
なんだか無性に泣けてくる。
「どうだ?口に合えば良いんだが」
「えぐ・・・・・美味しいです」
「まあ昔から料理だけはね」
「年間1000食以上、人の料理を食ってる奴が何を言うかっ」
「だから褒めてるんじゃないのー」
心地よい雰囲気に包まれたまま食事をする。
・・・・・結局、ご飯とサラダも美味しく頂いた。


180 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 01:41:06.03 /6Wr0Owq0

さて、神達の書き込みが終わった所で前々々スレの121の続きでも垂れ流すか

食事を終え、皿が下げられる。
先輩は形の良い梨を二つほど持って来て、慣れた手つきで皮を剥き始めた。
妹さんはテレビをつけて、ニュースを見ている。
私もテレビの画面の方に注意をやる。
何処かで起こった殺人事件に、テンプレート通りの解説。
外交、スポーツ、金融。全て何時も通りだ。
当然だ、世界は私一人が消えた位では何も変わらない。
「で、だ。お前は色々と俺に聞きたいことがあると思うのだが」
剥き終えた梨を深皿に放り込みながら先輩が聞いてくる。
確かに色々ある。何故先輩の姓が変わっているのかとか、
私の部屋にやって来たあのスーツの人達は誰なのかとか、
どうしてあのタイミングで都合良く妹さんが助けに来てくれたのかとか、
まあ、それでも一番最初に聞くべき事は――――
「先輩、どうして男性のままなんですか?」
これだろう。

183 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 01:44:22.21 /6Wr0Owq0

「まあ、最初にそれを聞かれるだろうとは思ったが・・・・・
正直に言えば、はっきりとした理由は分からん。
唯、あの時お前に話した内容に嘘は無いし
俺は今でも・・・・・・・その、何だ・・・・・そういう体験は無い」
「そうですか・・・・・」
残念だ。ここで明瞭な答えが返ってくれば、色々な事が解決する気がしたのだが
世の中そう上手くは行かないらしい。
そんな私の様子を察したかどうか、先輩は話を続ける
「そうそう、女性化する条件が整っていながらそれが起こらないのは、
記録されている分では実に17年ぶりの快挙だそうだ。
・・・・・因みに、十七年前のその人は今そこに映っている」
先輩の指先に導かれ視線がテレビに戻る。
そこに居るのは、壇上で熱弁を揮う今年32歳の、やり手として有名な衆院議員さんだ。
その行動力と過激な言論が若者に大いに受け、莫大な支持を得て
この分だと、総理の最年少記録を打ち立てるのはほぼ間違いないとか言われている。
「ほんとですか?」
なんだか、いきなり話のスケールが大きくなり過ぎて、実感が湧かない。
「ああ、なんとも現実感の乏しい話ではあるが、どうも本当らしい」

185 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 01:46:47.83 /6Wr0Owq0

「そうなんですか・・・・・・顔はぜんぜん似てませんね」
「そういう問題じゃないからな」先輩が笑いながら微かに肩を震わせる
「まあ顔以外なら、色々と似ていると言えなくも無い部分はあるが、今はどうでも良い事だ」
「で、だな。今日お前と鬼ごっこをしたのは、おそらく彼の人の部下だ」
「またこの人ですか!?」
今度は私がテレビの中に居る人を指差す
(因みに、そのとき彼は笑顔でお婆さんと握手していた)
頷く先輩、益々訳が分からない。
「えっと、この人は女性化する筈だったけどしなかった人で
その彼の命令で、女性化した少年達を秘密裏に拉致していると?」
「正確には、今、彼が指揮している女体化対策チームの一員と言う事だが」
「そこがそんな過激な仕事をしてるんですか?」
「うん、表向きの主な仕事は、女性化した少年達に対する精神的なケア、
彼女らが容易に暮して行けるような環境なんかを作る活動だな
こっちの方は、この世界に女性化現象が起こってからここまで五十年程
まともに活動してきた功績もあるし、調べれば幾らでも情報も出てくる
だが、そんなまともな活動の裏で、ここ十数年の間に、
今や、童貞喪失の原因の八割五分を占めるとも言われている
特権階級の娼婦達、その利用者のリストや
学校に数人ずつ協力者を作って、童貞と思しき人物を
それとなく監視する機構が作られたらしい」
「それで女体化した人間をひそかに拉致するわけですか?」
「別に、端から端までさらって来る訳じゃない。
そもそも、少子化が進んでるなんて言われても、今年度の十六歳の少年は約60万人
その僅か0,2%が女性化してるとしても、実に千人以上にはなる
阿房宮でも作らん事には収容しきれないぞ」


186 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 01:48:05.17 /6Wr0Owq0

「あれ?ちょっと待って下さい」
先輩の話は何かおかしい、何やら怪しげな監視機構についてだが―
「女性化した人間を捕まえたりするなら、
そもそもそんなもの必要ないんじゃないですか?」
当然だ、変化した少年を知らせてもらえば良いだけなのだから
それだけなら市役所にコネを持ってるだけで容易に全て見つけられる筈だ。
「その通りだ。単なる女性化のサンプルなら年に1000人以上輩出されてる
その中で、監禁してまで詳しく調べるに値する人物を
リストアップするのが協力者達の主な仕事だそうだ。
良く分からんが、変化する直前の環境なんかも重要な要素らしい。
で、俺は童貞のリストに入ってる筈が、いつまで経っても女性化しないもんだから
詳しく調べてみようって事になって、専門の人が呼び出されて
健康診断で妙な数字が見つかったとか何とかこじつけて検査されて
それでどう見ても童貞だって言うことで、妙な連中に家庭訪問された所を
妹と一緒に逃げ出して来た訳だ」

189 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 01:55:49.19 /6Wr0Owq0

「はあ・・・・」
「お前にあの話をしたのは検査を受けた直後だな、
四月にやった健康診断の話が、今更出てきた時点で相当警戒していたし
それとなく性交渉がどうのって話をされたから
俺が女性化してない件について、本人にも悟られないように調査しているのだと
当たりを付けていた訳だ。まあ尤もその時は拉致されかかるとは思わなかったがな」
なんとも壮絶な話である。いつからこんな異空間に迷い込んでしまったのだろうか?
「あれ?じゃあ私は何でその怪しげなリストに名前を連ねられたのでしょうか?」
自分がそんな特別な状態にあったとは思えない
あれ、目を伏せちゃってるよ先輩。
代わりに妹さんが答えてくれた
「それはねー、このバカ兄が女性化しなかったからよ」
「17年ぶりの貴重な資料を構成した環境のひとつ・・・と言う事だろうな。すまん」
「はあ・・・・そうなんですか」
「お前が狙われる可能性については大分前から気掛かりの1つだったので、
お前が女性化した日から、こいつと1日ごとに交代で監視していた」
「まあ今日は偶然私の番だった訳ね」
成る程。それにしても見事なハイキックでした。


190 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 01:57:14.64 /6Wr0Owq0

「所で、先輩はどうしてその辺りの裏事情に妙に詳しいんですか?」
「いや・・・・・・・それは・・・・・・」
先輩が明らかに狼狽する。
「うふふふ・・・聞きたい?」
妹さんが横から邪悪な笑みを浮かべる。
丁度、散々怖いと引っ張った怪談を話すときに浮かべる狩人の表情。
「止せ、その辺りを説明するには段階を追ってだな・・・」
あわてて制止に入る先輩、獲物は私か先輩か。
「それはこの男が某エロゲの様な鬼畜プレイをうら若き乙女に強よ・・・・ムグッ」
あわてて先輩が妹さんの口を押さえる
「先輩・・・・・・・・貴方って人は!・・・・・・」
「待て!誤解だ!話せばわかる!」
「その上、散々利用するだけ利用した挙句、気絶させて捨てて逃げたのよねー」
口を封じようとする手を左右に避けつつ、早口で語りきる。
「先輩・・・・就職は学校の用務員になれば安心ですね♪」
「勘弁してくれ・・・・・・・」
がっくりとうなだれる先輩。ああ、本気で凹んでるよこの人。
そこはかとなく白くなっている様にすら見える。

192 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 01:58:58.56 /6Wr0Owq0

「別に好んでやったわけじゃないぞ!?安全を確保するために仕方なくだな・・・・・・」
放置されていた梨をつつきながら、先輩の弁明を聞く
要約すれば、先輩達が家を追われてここに落ち着くまでの1ヵ月ほどの間
ホテルを転々とする不毛な逃亡生活に疲れ、
一度、追い掛けて来る連中の話だけでも聞いてみようと言う事になった
それで、上手いこと家にメッセージを置いて電話で会話する機会を得たが、
むこうは、「会って話す」の一点張り。
どう見てもこの機を利用して捕まえる気満々です。本当に(ryと言うことなので。
先輩も最大限の用心をさせて貰う事にしたらしい。
そして、妹さん曰く「誘拐犯と人質の一人二役をやってのけて」
理不尽な要求を幾つも振りかざした結果、大の大人を数十人。数時間に及んで振り回した挙句、
直接交渉に当たる予定だったお姐さんに、それはもう屈辱的な仕打ちをしたらしい・・・・


193 名前:前々々121 本日のレス 投稿日:2006/09/23(土) 02:00:51.05 /6Wr0Owq0

「・・・・・・やっぱり鬼畜ですね」
「いやいや、こちら側の意見を最大限に尊重してもらった結果だ。
こっちは人生掛かってるんだから当然だな。・・・・・いくつか思わぬ収穫もあったし
まあ、その監禁してる施設ってのも、表に知られて無いだけで
外部と遮断される以外、人道的な取り扱いは期待出来る所の様だったがな」
「先輩、そんな無茶苦茶やっておいて、どうして今平然と暮せるんですか」
再び重苦しい空気が部屋を覆う、
先程までとは毛並みが違い、先輩は明らかに私に対して気後れしている様子。
しかし、最終的には頭を上げ溜息―性格にはそれらしき動作―をし、
それでもなお僅かに時きおもむろにこう言った。
「・・・・・・・・・・・・お前、秋沙恵という名前を覚えているか?彼女が―――――」
そこから先は耳に入らない。私を取り囲む世界がぐらりと揺れて、
女性化して以来、一番激しい違和感に襲われる。
変化してきた私を、まともに保ってきた根っこの部分が潰される。
段々と己の意識が遠くへ離れていく間。その名前が頭の中を駆け巡る。
―――――秋沙恵――それは、僕が最初に好きになった人だ。

852 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:11:43.09 Mv5SyaSI0

神達の投下が一通り終了したと思われるので、
夜中に駄文を投下するのだけがアイデンティティの三前ルーシェルが通りますよ
そして1週間程前、冗談半分でやったとたんスレが落ちた、映画の予告編っぽい書き出し。
懲りずにまた書いてみた。

夏休み子供映画「Cherry Avenger」予告編
三年前、夏、雨の降りしきる森の中、一人の女を殺した。

愛していなかったのではない。愛しているが故だ。

彼女は最期の時にこう言った。

「――何時までも――あなたを――――ミテルから――」

三年経って、彼女が現れた。性を変えた彼女の弟が。

そっくりの顔。そっくりの仕草。そして、そっくりの声で一言。

「オマエガ何ヲシタカ知ッテイルゾ――」

狂気が降りしきるあの夏の森の中。三年前の幻像が彼を追い詰める――

残酷復讐劇。2007年夏頃公開

引き続き、誰も期待していない本編をお楽しみください。

850
激しく希望。って遅いか


853 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:13:46.81 Mv5SyaSI0

――――秋沙恵
彼女に始めて出会ったのは、中学に入学して暫く経った頃
なんとなく入った部活動での事だった。
僕は、幼き頃から温室栽培気味だったし、小学校の頃、女子は苦手だった。
まあ、詰まる所、奥手だった。
この学校もほぼ男子校だし、向こう六年は女性と関ることは無いだろうと
高を括っていた所もある。
そんな、そろそろ夏の気配も近づいてくる部室で、
彼女は気まずそうに扉を開けると、扉に半分身を隠して
「あのう、入部希望なんですが」と言った。
まあ――――正直に言えば一目惚れだったと思う

彼女は、男ばかりの環境に直ぐに慣れ、
皆からメグと呼ばれて可愛がられていた。
そこは、精々十名ちょっとの部活、皆仲が良く、
彼女の立ち位置はさしずめ、愛嬌を振りまく大家族の末の妹
と言った所だったかも知れない
彼女は誰とも分け隔てなく接したし、僕ともよく話した。
もっと深い関係を彼女に望んだことは何度もあったが、
結局、あの心地よい関係を壊すことが出来ないまま、
一年経って冬が来て、先輩が人知れず姿を消した
その僅か二ヵ月後、彼女も何処かへ消えてしまった。
駆け落ちなんて揶揄されたが、僕は――――


854 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:15:51.90 Mv5SyaSI0

「真琴?大丈夫か?」
先輩の言葉に我に返る。
椅子に凭れ掛っている私を、先輩と妹さんが心配そうに覗き込んでいる。
「あ・・・・・いえ、ちょっと眩暈がしただけです」
「何にせよ無理はしないほうが良いな、床を用意するから今日はもう寝ろ」
先輩は席を立つと、リビングを出て行った。
妹さんと二人、取り残される
「あの・・・・・・・・」
先輩を目で追っていた妹さんが振り返る
「ん、何?」
「この家の苗字が変わっている事と、秋沙に何か関係があるんですか?」
彼女は、額に指を当てる仕草をすると、ちょいと目を上げて言った
「一時期、貴方の元の学校でも噂になったらしいから
聞いた事ぐらいあると思うけど、彼女の家は普通じゃないのよ」
その話なら知っている。
彼女には毎日送り迎えが付いて、世間知らずな所もあった。
一時期は、深遠のご令嬢なんて噂されていたものだ。
「恵ちゃんの家はね、コレなの」
彼女はちょいちょいと小指を詰める仕草をする。
「三年程前に、彼女の家で跡継ぎの問題と、周りとのいざこざがあってね
その時に、彼女とその義理の弟さんを、家で匿った事があったのよ
その後、私と兄貴が妙な連中に一ヶ月近く追い掛け回されて
どうしようもならなくなった時に相談に行ったら
快く二人分の戸籍を用意してくれたって訳」


855 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:17:03.88 Mv5SyaSI0

「その・・・・・危なくなかったんですか?」
抗争真っ最中のやくざの関係者を、家に匿うなんて無謀としか思えない。
「んー、実際の所、本格的に危なかったのは精々一度か二度ね
まあ、家で保護してたのも成り行きみたいなところがあったし
当時は、あんまりそういうことは考えなかったわねー」
なんとも豪気な人だ。先輩があんな性格になったのも頷ける。
「まあ向こうさんも必死になって探してたみたいだったけど
まさか跡継ぎの筆頭候補が、
一般人の家に泊まってるとは思わないわよねえ」
肩を震わせて声を立てて笑う。
「あの、筆頭候補って」
「ああ、件の弟さんが唯一正妻との間に生まれた子だったらしくてね
結局、その抗争で組長さんも死んじゃって、
殆ど形式とは言え、今じゃ若干十一歳で組長の役目を務めてるわよ」
「じゃあ、彼女が居なくなったのは」
「そっちの方面でちょっとまずいことがあったみたいね
時期はちょいと合ってるけど、家の兄が追われていたこととは何の関係も無いわよ。
まあ、その内会えるかも知れないわね」
「え?」


856 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:18:35.04 Mv5SyaSI0

折りしも、毛布を抱えて先輩が戻ってくる。
手に持ったそれをソファーに放り投げると、
「立てそうか?」と聞いた
「ん、ちょっときついです」
「そうか」
先輩は、私の背中とひざの裏に手を回すと軽々と持上げた。
腕と、触れた胸越しに鼓動が伝わってくる。
そして、そのままリビングを出て行こうとする。
「あれ、あそこで寝るんじゃないんですか?」
「阿呆。疲れた客人をあんなところで寝かせる奴があるか
あれは俺用だ。本当なら二階の部屋を使うつもりだったが、片付けが間に合わなかった」
「じゃあ私が寝るのは・・・・・・」
「俺の部屋だな」
先輩の部屋!ちょっと心臓が速く打ち始める
「いや、その、悪いですよ」
「別に俺は構わんぞ」
「先輩が良くても私は良くないですよ。何と言うか、気を使わせちゃってるみたいで」
「ふむ・・・・・・」
さて困った。とでも言うように私を抱えたまま先輩が立ち止まる。
「私と一緒にまこちゃんが寝れば良いんじゃないの?」
妹さんがそう提案してくる。
「どうする?お前がよければ俺はそれで良いが」
「うん、そうしたいです」
そう言うと、妹さんは目を輝かせて
「じゃあ早速用意してくるわね♪」
と、自分の部屋の方に歩いていった。なんだかスキップでも始めそうな勢いである


857 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:20:23.94 Mv5SyaSI0

妹さんが部屋を整えてる間、私と先輩はリビングのソファーに腰掛けながら話をする。
「何で、女性化する理由を探ろうとするんでしょうか?」
別に害になるわけじゃなし。放って置けば良さそうなものだ。
「まあ、この現象が始まって五十数年、未だに原因すら掴めていない
分からないことがあれば、メスを入れずには居られない人種も存在すると言うことだ」
「それにしたって、拉致まですることは無いと思うのですが」
「世の中には、女性に変わっては困る人物も居る。
未だに一部の職業は、所詮女性は色物と言う扱いだし
後を継がせるならば長男が良いと考える人間も山ほどいる」
「それなら、早目に童貞を捨てれば良いのでは?」
「世間では、そうやって娼婦に依頼することを快く思わない風潮がある。
上流階級では特にそうだ。
まあ、それでも政治家なんかなら、若い頃やんちゃでしたで済む話だな」
「じゃあなんだって、全国規模で非合法組織が秘密裏に作られているんですか?」
全く迷惑な話だ。そこまでして解決しなくてはいけない問題か。
すると先輩は、上の方を向いてこう言った。
「この国には、絶対の純潔と男子であることが求められる血脈がある」
「何ですか?」
「皇族だよ」
「・・・・・・あ」
そこまで話すと、先輩はリビングを出て行った。
それと殆ど入れ替わりで妹さんが入ってきて、寝床が用意できたと言った。


858 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:21:47.57 Mv5SyaSI0

結局、そのまま暫くソファーで休んで
妹さんと一緒に布団に入ることになった。
風呂上りの妹さんに支えられて、彼女の部屋に向かう
私とは違い、女らしいシルエット。スラリと伸びた手足。
濡れ細った長い黒髪からは石鹸の香りが漂ってくる。
「ほれ、真琴の分の枕だ」
部屋の前まで来た所で、先輩がそれを手渡してくる。
「あ、すっかり忘れてた」
彼女はそれを受け取ると、私を支えるのを先輩に任せて、先に部屋に入る
半開きのドアから中が窺い知れる。
割と柔らかいイメージの部屋だ。ちょっと意外。
「あれは・・・・・・」
視線を上げると、先輩が割りと真面目な顔をして話し掛けてきた。
「気に入った相手には、つい過剰な友愛の表現をしてしまうこともあるが・・・
安心しろ、最後の一線を越えることは無いから。多分。」
「え?」
意味深な言葉を残して、戻ってきた妹さんに私の体を預けると
先輩は廊下を一人で戻っていってしまった


859 名前:三前ルーシェル 本日のレス 投稿日:2006/09/25(月) 03:23:27.98 Mv5SyaSI0

妹さんに支えられて、ベッドに腰掛けさせられる。
やっぱり、部屋はどちらかというと可愛い系の飾り付けだ
妹さんのイメージだと、もうちょっとシンプルな感じが似合いそうだが―
その瞬間、カチャリ、と鍵の掛かる音がした。
「え?」
鍵を掛けたのは、当然妹さんなのだが何か様子がおかしい。
ぬれた前髪が目にかかって、その表情を窺い知ることは出来ない。
「あの、小夜子さん?」
「うふふふふふ。可愛いわねえまこちゃん」
全身の毛が逆立つ。猫に追い詰められた鼠の心境はこんな感じか。
立ち上がって部屋の置くに後退しようとするが、バランスを崩してしまう
とっさにクローゼットの扉の取っ手に捕まった所為で、扉が開く。
結局私はそのまま転んで尻餅をついた。
「痛たた」
妹さんは音も無く近づいてくると、転んだ私を抱きすくめるようにして起こし、
豊満な胸に顔が押し付けられる。
「むぐ・・・・・・」
「駄目じゃあない、突然立ち上がったりして。危ないんだから」
扉が空いたクローゼットの中に目を遣る。と。
「!!!」
そこに並んでいたのは、メイド服、水着、他。優に二十着を超えるであろう衣服の群れ
どれもこれもサイズが小さく、明らかに本人用ではない。
いや、本人用だったらそれはそれで問題だが。
必死にもがいて抵抗しましたが、どう見ても蜘蛛の巣に掛かった後です本当に(ry
「さて・・・・どれから試そうかしら・・・・まあ焦る事は無いわよね。何しろ夜は長いんだから」
妹さんが邪悪な笑みを浮かべる。
寝巻きに手が伸ばされくぁwせdrftgyふじこlp――――
(別に省略とかはされてません。ワッフルワッフルと書き込んでも特に続きが投下されたりしません)
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