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翼と雄二 ◆Zsc8I5zA3U

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45 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 00:23:54.38 yJ9TYJx+0

「なぁ・・雄二、俺は男だぞ・・」

「お前今女じゃんwwww」

一人の(元)男が一人の男に迫られていた。ご丁寧にも両親は旅行、妹は修学旅行と
どこぞのエロ漫画みたいなシチュエーションであった。


「なぁ・・」


「・・悪い、帰るわ。」

俺は雄二に悪いと思いつつも雄二宅を後にした。




「はぁ・・ツンに相談してみるか。」

俺は携帯を取り出し友人にメールを打った。



48 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 00:38:11.85 yJ9TYJx+0

自己紹介が遅れた。俺の名前は翼・・元男だ。15の誕生日を迎えたとたん女に
はや代わりしてしまった。医師の判断で元に戻れないことを宣告され、最初は
カルチャーショックに陥り、趣味で作ったバンドにも参加できなくなった。どうやら、百分の1で
ある日男が女になるらしい。女になった男は全て童貞・・後々調べてみると一種の突然変異で
あるらしく原因はいまだに掴めていなかった。

「ふぅ~・・自宅に帰るか。」


俺は自宅へと足を進めた。





「・・・雄二のやつ、本気だったのかな・・」

雄二とは昔からの幼馴染で小学校の頃からの腐れ縁だった。最初に女になったときは真っ先に驚いた人物だ。
自分で言うのも何なのだが、女になったときは思わず体を触ってみた。・・胸はまぁまぁあり、ヒップは括れていて、顔は
元の顔にさらに女の子らしくした顔だった。

事実、街に出たときにもそういった会社に何度かスカウトを受けたことがある。・・瞬時に反吐が出て断ったがwww

まぁ、雄二たち友人のおかげで何とか立ち直ることに成功し、女として生きてみようと思った・・内心はまだ男のつもりで
いるがwwww・・っとなんだかんだ思ってしまっていたところでツンからメールが来た。



49 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 00:40:26.14 yJ9TYJx+0



“雄二はあんたにさりげなくアタックしてたのよ。
 ほら、あんた結構かわいいじゃん。
 きっと雄二も男として惹かれたのよ・・”


ツンとは俺の女の友人で俺が女になったときにはかなり世話になった。慣れない女の体は
随分苦労した。ツンがいなければ俺はかなり戸惑っていただろう。それに服やら下着とかも
お下がりだがかなりくれたので女の服を持っていない俺にはかなり助かった。

それにしてもあの雄二が・・まさか?あいつはただの幼馴染だ。そんなはずないだろ。第一、男のときの
俺をかなり知っているのは雄二だ。あいつだって男と付き合うのは嫌だろ。

    • 俺はそんな内容をツンに送るとそのまま眠ってしまった。


52 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 00:58:11.73 yJ9TYJx+0


翌日、俺は目が覚めて準備を適当に済ますと学校へと向かっていった。


「おいうーwww」


「おっす。」


「お、ブーンにドクオwwww」

ブーンとドクオはツンと同じくこの中学の頃からの友人だ。ブーンは現在ツンと交際中で
やることはやっているらしい、こいつは女にならなかった。ドクオのほうは俺と女についてなにやら話して
いた童貞仲間で女になったら一緒に首をつろうぜwwと冗談を言い合っていたのだが、ある日を境にぴたりと
女の話をしなくなった。・・何かあったのだろうか?今度聞いてみる必要があるな。

そんな他愛もない話をしながら学校へ向かっていくと雄二と合流した。


「おっすwwww」

「おいうwwww」

「おっす。」

一瞬、雄二と目が合わさったのだが昨日の光景を思い出したので少し気まずくなった。



53 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 01:00:17.63 yJ9TYJx+0


「??翼はどうしたのかお?」

「あ、ああ・・なんでもないよ。」

「ふーん。それよりもバンドの練習は今日できるかお?」

バンドとは、俺とドクオと雄二とブーンが結成したVIP☆STRAで知名度はまずまずと
いったところだ。俺がヴォーカル、ドクオがキーボード、ブーンがドラムで雄二がベースだ。
俺が女になる前は余り知名度はなく人気はでなかったのだが、俺が女になったとたん徐々に知名度は
上がってきた。


「あ、俺はできるぜ。ドクオと翼は?」

「俺もできるぜ。今日はバイトがないし・・翼はどうよ?」

「あ、うん・・できる。」

「よし、じゃあ、いつものところで練習だおwww」


こうして俺たちは放課後、バンドの練習することになった。


60 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 01:14:13.04 yJ9TYJx+0

「(´・ω・`)やぁ、ようこそ。ショボン楽器店へ・・楽器は自由だから自由に練習してくれ。」

「いつもありがとうございます。」

この人はショボンさん、この楽器店の店長だ。いつも俺たちバンドの連取場を提供してくれるいい人だ。
どうも若い頃は本格的にやっていたらしい。俺たちはいつもお言葉に甘えてこうして練習させてもらえてる。


「ところで翼君、ドクオ君はいるかな?」

「ドクオですか?あいつは今、ブーンのドラムのセットを手伝っていますが・・?」

「ああ、いいんだ。帰りに話があると伝えといてくれ。」

「(なんでドクオなんだ?)は、はい・・」


俺はわずかな疑問を抱えたままショボンさんにお礼をいいみんなのところへと戻った。


66 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 01:20:19.78 yJ9TYJx+0




「あ、お帰り。」

「ただいま。おい雄二、お前そろそろベースはガタが着てないか?」

「大丈夫だよwww」

「ならいいが・・」

俺は昨日のことなど忘れ、雄二とすっかり話し込んでしまった。俺は辺りを見回すとツンがたっていた。
ツンはどうやら俺を呼んでいるようだった。

「なぁ・・」

雄二は突然、真剣な表情で再び話しかけてきた。
昨日と同じ顔だ・・俺は昨日のことを思い出すとツンのことを思い出し
無理矢理、雄二から離れた。

「あ、悪い。ツンがちょっと呼んでるからな。」

「あ、ああ・・」

どうも今日の雄二にしては歯切れが悪い。やはり昨日のことが原因か・・
俺はわけのわからないモヤモヤ感を感じたままツンのところへと向かっていった。


72 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 01:30:23.12 yJ9TYJx+0


「あ、何の用事?」

「ああ・・これブーンに届けてくれない?」

そういってツンが渡したのはお弁当だった。どうやら自作したらしい。

「自分で渡したらいいじゃんwwwブーン喜ぶよ。」

「い、いや・・ちょっと焦がしちゃってブーン喜ぶかわかんないもん//」

はぁ・・こいつらは典型的なバカップルだな。俺は適当にアドバイスをした。



73 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 01:33:07.38 yJ9TYJx+0


「お前何言ってるんだよ。ブーンお前の弁当かなり喜んでいるぜwwww
 毎日俺たちに見せびらかしているほどだからなwww」

「本当!!」

「ああ、だから渡して来い。」

ツンは再び瞳を輝かせながらブーンの元へと向かっていった。



「は、はいこれ・・ちょっと焦げてるけど・・」

「大丈夫だおwwwツンの作ったものは何でもうまいおwwww」

「べ、別に、あんたのために作ったんじゃないんだからね///ただ材料が余ったから・・」

「はいはい、それは置いといて練習しようぜwww」


ドクオの合図で俺たちは持ち場に着いた。



80 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 01:44:38.53 yJ9TYJx+0

「じゃあ、行くおwww」

ツンが見守る中、ブーンの合図で演奏が始まった。ブーンはバンドのリーダーを勤めているので
ブーンがリードする形となっている。ああ見えてブーンはリーダーシップを持っており、かなり
人をまとめるのがうまかった。

俺はみんなの演奏にあわせて歌って歌って歌いまくった。




「ストップだお。雄二今日はどうしたかお?」

「ああ、そうだな。いつもミスらない雄二が今日に限っては音がずれているもんな。」

はとは突然演奏を中止した。どうも雄二の音がずれているらしい・・
ドクオの言うとおりに有り得ないことだ。雄二は音をずらすことは有り得ない。
何せ音ゲーで培ったリズム感は抜群だ。ゲーセンではいつも1位をマークしている。


「すまん。今日はちょっと調子が悪くてな。もう一回やろう・・」

    • まさか昨日のことか?あいつもしかして引きずっているのか!?


俺はよからぬ不安を抱え込んだままこの日は何度も練習を繰り返した。


87 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 02:03:55.85 yJ9TYJx+0

練習が終わった帰り道、俺はドクオに伝言を伝えるとドクオはなにやらにやけていたような気がした。
    • まさかな。俺は途中でブーンたちと別れた後、雄二と二人きりとなった。

帰り際別れるときツンが俺に一言・・



“このまま、告白しちゃいなさい。”


何言っているんだあいつは・・でも、思えばこいつとは腐れ縁だったもんな。2人で
歩くとなぜか気まずくなった。・・男のときにはこんなのなかったのに、不思議だ。


「「なぁ・・」」

同時に喋ってしまった。俺は思わず緊張してしまったがこのままだと平行線のままなので
俺はさっきのことについて話すことにした。



88 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 02:08:07.46 yJ9TYJx+0


「お前・・今日は変だったな。いつもは絶対に音はずらさないのに・・」

「あ、ああ・・ちょっとな・・」

珍しく、よくしゃべる雄二にしてみれば口ごもっていた。・・いつもはよくモテていて俺とドクオ
によく女の自慢話をしてきたのだが、あの時以来・・こいつの様子はおかしかった。

「お前、今日どうしたんだよ?熱でも・・」

「なんでもねぇよ!!・・すまん。俺今日はおかしいな。」

    • やはりこいつ。

「なぁ、お前昨日のこと・・」

「ん?」

「いや、なんでもない。」

俺は思わず言いとどまった。それから帰り道・・無言のまま俺は帰宅した。


91 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 02:18:16.65 yJ9TYJx+0


「なんで・・あいつと面と向かってなると話せなくなるんだ?
 いつもなら・・話せるのに。」

これは女としてはじめての現象だった。俺はベットに横になると突如として下半身が熱くなった。

「うっ・・何だこれは、まさか・・」

もしかしなくてもそうだった。俺はパンツを脱いであそこを確かめるとぐちょぐちょに濡れていた。
俺は女のオナニーの仕方などビデオ程度でしかわからなかったが、体が自然と動いた。

「・・・ん?あん。」

自分でもわからないぐらいに声を出していた。女ってこんなものなのかぁ・・っと感心する
暇もなく、俺は男とは違う独特の快楽に浸っていた。

「―――――ッ!!」

俺はイクとき、なぜか脳裏に雄二のことが浮かんでいた。俺はイキ終わると
濡れているあそこをさすりながら・・


「なんで・・あいつが・・」


俺はわけもわからずそのままシャワーを浴びると着替えてベットに
飛び込みながら眠ってしまった・・


97 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 02:48:37.53 yJ9TYJx+0


あれから数日たった・・雄二との関係はあれから少しギクシャクしていた。
バンドの練習ではミスを少なからずではあるが連出してしまうし・・
それと比例して俺のオナニーの数も増え続けていた。俺はこのままではどうにもならず
ツンに救いの手を求めた。


「・・というわけだが、どうすればいい?このままギクシャクすると
 後々バンドとかに支障が出るし・・」

ツンにしては珍しく黙りながらこう言った。

「その前にあんたは雄二のことをどう思っているの?」

「え・・そ、その・・あいつはただの幼馴染だし。腐れ縁で・・それに・・」

「それに・・」

「そ、その・・お、オナニーのことでイク時、なぜかあいつが脳裏にいるんだよ。」

俺はありのままをツンに話した。・・俺はあいつに“恋”をしているのかもしれない。でも、そんなのは結果論だ。あいつは俺のことを
ただの幼馴染だと思っているかも知れないし・・


それに・・あいつは俺にとっては友人だ。それ以上それ以下でもない・・




98 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 02:50:26.42 yJ9TYJx+0



「・・雄二はきっとあんたに恋をしているかもしれないわ。あんたは元男だからって
 “それ”を拒否しているかもしれないけど、元男とかを差っぴいても雄二はあんたに恋をしているわ。

      • “女”としてね」


ツンの言葉に愕然となった。雄二が女として俺に恋・・ますます有り得んっと言いたいところだが
あの日のモーションが俺を誘ったとすると合点が行く。それに雄二が不安定なのも、きっと俺を意識しすぎて・・

それに俺自身、以前のように雄二と気軽に話すにも緊張していた。俺も・・無意識にあいつを意識しているのか?


俺は・・あいつのことを好きなのか・・




99 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 02:50:57.12 yJ9TYJx+0





    • 俺はとりあえずこのままではうまくいかないので本元の雄二に会うことにした。

「とりあえずあいつに話してくる。」

「行ってらっしゃい。翼、女として言うわ。・・頑張ってね。」

「・・ああ、何とか・・な」


ツンに見送られるまま俺は直感であいつのいる屋上へと足を運んだ。





「さて、ブーンに連絡を入れるか。あいつも2人のことを心配してたもんね。」

ツンは携帯を取り出しブーンへと連絡した。


107 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 03:17:07.05 yJ9TYJx+0

俺は屋上へとたどり着いた。屋上からは案の定、雄二が1人で立っていた。

「あ・・どうしたんだ?」

「・・雄二、話があるんだ。」

俺は真剣な表情で雄二を問い詰めた。


「・・雄二、俺のことをどう想っているんだ?」

「何だよ、藪から棒に・・」

「いいから答えてくれ!!」

俺は雄二に答えさせた。当の雄二ははとが豆鉄砲を喰らったような顔に
なったがすぐに顔を変えて俺のほうを見つめた。

「俺・・はな、その・・なんていうか、お前が女になってから惚れてしまったんだな。こないだのこと
 なんて本気だったんだぜ・・」

俺はそれを聞くと心の中でニヤリとした。そうだ、こいつは俺に惚れていたんだ、それで不安定になってしまったんだな。
雄二の思いを聞いて大満足になった俺は全てをぶちまけた。




108 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 03:18:04.13 yJ9TYJx+0



「俺もな・・お前のことが好きだったんだよ。」

「え・・」

「お前とこうして話すたんびに心臓がドキドキして・・なんかこう、体が熱くなるんだ。
 俺・・お前が好きだったみたいだ。」


不思議と俺の間では「何やっているんだ!!」っという感覚は全くなく、全ての思いのたけをぶつけて
スッとしていた。




109 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:2006/09/18(月) 03:19:12.78 yJ9TYJx+0

「・・んで、お前はどうなんだ、俺がこうして必死で・・(ry」

「・・うれしいってこういうことなんだなwwwww」

雄二は笑顔で俺に抱きついた。俺はたまらずうれしくなった。
    • 本当にこいつは幸せもんだなwww

本当に好きでこいつがよかった・・


「じゃあ早速、ファーストキ・・うげッ!!」

「・・バカ」


    • 前言撤回、神様こいつとは後数回したらまともに付き合えるようです。
でも・・なんだかうれしい気分だった。空は青々としてまるで俺たちを祝福しているようだった・・


「冗談だよwww」


「全く・・」


俺は雄二と手を繋ぎながらこの空を満喫していた。


fin
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