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***160 ◆oa6XL75BSY 投稿日:2006/09/20(水) 02:47:17.09 3vzeQd11O 「そういえば矢浪ってもうすぐ誕生日だよな?明日だっけ?」 「あ~そういやぁそうだわ…」 友人である佐藤に言われて思い出したのだが、俺『矢浪成幸(やなみ なるゆき)16歳』は明日はれて17歳の誕生日を迎えることになる。 まぁ17歳になるにあたって一番気にかかるのが、『アレ』なんだが… 『17歳までに童貞を卒業しなければ女体化する』という噂がある。 これが嘘か誠か俺は知らない。 友達は大体同学年だし、このての噂を親に聞くことも何だか気恥ずかしい気もする…。 「お前アレは大丈夫なのか?俺の情報網によると、お前まだ童貞だよな?」 佐藤がニヤニヤしながら問掛けてくる。 「バァカ ありゃただの都市伝説みたいなもんだろ?それに五十人に一人なるかならないかって確率だって、噂もあるからな。心配いらんだろ」 「本当に大丈夫かねぇ?」 相変わらずニヤニヤして言う佐藤。 「大丈夫だっつーの…」 と 軽口を叩いてみるが、内心ドキドキだったりするわけなんだが…。 ***160 ◆oa6XL75BSY 投稿日:2006/09/20(水) 02:51:12.17 3vzeQd11O そうこうしているうちに、帰りのHRが終わり帰宅路につくことになった。 特に予定もないので、チンタラと家への道を煙草をくわえながら歩いていると後ろから声がかかった。 「お~いなるちゃ~ん!」 「なんだ 明仁か」 振り返ると眼鏡をかけたちょっと童顔の男子が、小走りで此方に向かってくるのが見えた。 「な なんだっていうのは少し酷くないか?せっかく走って来たのに…」 若干息を切らせてヘラヘラと笑っているコイツは『渡瀬明仁(わたせ あきひと)』同じクラスの友人である。 「で 何かようか?」 「一緒に帰ろ?」 「それだけかよ…」 「うん 駄目?」 「いや 別にいいけど…」 (そんなことのためにわざわざ走って来んでも…言ってくれりゃ待ってたのに…) ***160 ◆oa6XL75BSY 投稿日:2006/09/20(水) 02:54:41.74 3vzeQd11O 「なるちゃん明日誕生日だよね?」 明仁が不意に思い出したように言った。 「ん?あぁ そうだな。それがどうした?」 「プレゼント何がいい?」 「プレゼントて…お前…」 半眼になって呟く俺を尻目に明仁は 「だって誕生日じゃん」 と ニコニコしながら言ってくる。 「あぁ…もう何でもいいよ…お前の気が済む物で…」 ひらひらと手を振りながら答える俺。 「うん じゃあそうする」 (ホントにこいつは…昔からこうだな…) それから暫く歩き、明仁と別れた。 ***160 ◆oa6XL75BSY 投稿日:2006/09/20(水) 02:56:27.66 3vzeQd11O そして夜 俺は北に向かって祈りを捧げていた。 「女になりませんように女になりませんように女になりませんように女にn(ry」 一頻り祈りを捧げると激しい睡魔に襲われたので、おとなしく寝ることにした。 (まさか…まさか俺がそんなことになるわけがない…そうだきっとない…) そんなことを考えながら俺は深い眠りについた。 朝 いつもより早く目が覚めた。 もぞもぞと起き上がろうとベッドに手を着く。 「いっった!!」 急に頭皮に激痛が走った。何事かと思ったが状況は直ぐに把握できた。 どうやら俺は自分の髪の上に手を着いて、起き上がったために髪の毛を思いっきり引っ張ってしまったらしい。 ……………………待て 何でこんなに髪が長いんだ? 俺は一階にある洗面所に走った。 ***160 ◆oa6XL75BSY 投稿日:2006/09/20(水) 02:58:36.94 3vzeQd11O 「女がいる…」 鏡を除きこんで一番最初に出てきた言葉はそれだった。 鏡の中には歳のころ17歳くらいで背中まである艶やかな髪の毛をした女の子が、愕然とした顔で映っていた。 「まさか…そんな馬鹿な…なんで俺が…」 そんな言葉しか出てこない…放心状態である。 その時ガチャっと洗面所のドアが開いた。 「「あ」」 妹の茉莉と目が合った。 「ま 茉莉…違うんだ…これはだな…」 俺が言い訳を考え付くよりも速く茉莉は洗面所を出て行き 「お母さ~ん!お兄ちゃんがお姉ちゃんになった~!」 と 家中に響きわたる大声で叫んだ。 「もう…終わったな…」 俺はガクリとその場に崩れ落ちた。 ***160 ◆oa6XL75BSY 本日のレス 投稿日:2006/09/21(木) 16:23:24.80 nKZVO7TUO 「完全に女の子ね~」 「女の子だな~」 「お兄ちゃん可愛い~」 「可愛いって言うな」 その時矢浪家の時間は止まっていた。 通常ならば母が朝食を作ったり、父がテーブルで新聞を広げていたり、茉莉がバタバタと階段を降りていたりともう少し騒がしいはずなのだが… 今矢浪家の住人は矢浪家長男である俺、矢浪成幸の体を服の上からジロジロと見つめている。 父と母は「は~」とか「ふ~ん」とか「やっぱりあるのね~」とか言っている。 茉莉はというと、しきりに「お兄ちゃん可愛い」を連呼していた。 「う~ん…まさか我が子がなるとはねぇ…」 てゆーか… ***160 ◆oa6XL75BSY 本日のレス 投稿日:2006/09/21(木) 16:24:47.01 nKZVO7TUO 「何で父さんも母さんもそんなに冷静なんだよ…?」 そう、俺の両親は自分達の『息子』が『娘』になってしまったというのにやけに冷静、と言うよりも落ち着いていた。 「だってお父さんが高校生の時も、成幸みたいな奴はいたしなぁ」 あ…そうか、女体化する確率が50%だとすると学年に2 3人はいることになるのか…。 「お母さんの友達で女体化した人がいたけど、今も元気で暮らしているわよ?結婚だってしてるし。」 「そ そうなのか…?」 母さんの言葉を聞いたら何だか安心した。 こんな状況になってしまったのが、自分一人だけではないと知ってホッとした。 「まぁそれはそれとして、これからどうするかだけど…取りあえず役所に性別と名義の変更届けを出さないとな」 「あとお洋服、下着とかね。学校は今日は休みなさい。お母さんが連絡しておくから」 「お おう…」 ***160 ◆oa6XL75BSY 本日のレス 投稿日:2006/09/21(木) 16:28:12.50 nKZVO7TUO 「じゃあお母さんもお父さんも仕事だから、おとなしく家で待ってるのよ?茉莉は遅れない用に学校に行くのよ?」 「は~い」 「行ってくるね『お姉ちゃん』!」 「おいこら茉莉!お姉ちゃんって何だお姉ちゃんって!!」 「え~だって本当のことでしょ~?」 「うぐぅぅ…」 「あはは んじゃ行ってきま~す」 ぐぅ…茉莉め…許すまじ…

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