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志歩 ◆ymhvT/YbCE」(2006/10/22 (日) 11:46:41) の最新版変更点

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*** 『1』 女性化症候群(Broad To Bod Syndrome:BBS)とは、 性ホルモン破壊疾患のひとつらしい。 男性ホルモンの一種であるアンドロゲンを破壊し、男性ホルモン分泌が停止。 また、それと同様に女性身体への急激な発達が開始されるとか何とか。 外見上は正常な女性で発育し、膣も持ち性交が可能だが、妊娠は不可能な アンドロゲン不応症(Androgen Insensitivity Syndrome:AIS)と違い、 内性器に精巣をも持たない。いや、完全な女性化現象な訳で。 個人差はあるが15歳~16歳の童貞男性に起こる社会化問題。 回避する為には発病前に女性と性行為を行わなければならない。いや、難しいだろそれ。 性的な問題があり、政府は具体的な回避作は出しておらず女体化した方へのサポートを検討した。 ま、当然だな。15,6歳で平気で性行為やってくださいなんて言う政府が何処の国にあるんだってんだ。 医学的に女体化はありえない現象であり原因はここ3年以上に渡り本格的に公式調査が 続けられているらしい。 症状がまた流行していない当初、多くの研究の為に裏で精密検査された女体化の人々の裁判は 未だ決着がついていない。まぁ、金で解決する裁判ってのも問題な訳だし。 インターネット・電子化社会。 そして、それらの社会を先駆け、世界のあらゆる電子化街の頂点に立っている秋葉原。 俺の好きなオタク街。 毎日何百人がPCを買い、ネット回線を申し込む当たり前の光景が目に来る。 名物、おでん缶はうめぇし、路上ストリートライブは楽しい。 オタクと今や外人が行きたい日本の都市ベスト5に入る日本の自慢超巨大電子商店街だ。 ここ5年、その秋葉原に少しずつ異変が起こってきたのは新聞とかで有名になってる。 萌えるフィギュアが減少し、オタクが少しずつ減ってき、メイド喫茶は連続的な閉鎖。 まぁ、フィギュアは買うけど…メイド喫茶はどうでもいいやー。 そして、少子化… 女体化による女性の急激な増加により、一種の萌えブームは急激な終わりを迎えてしまっている。 逆に女性の特権なのかコスプレが流行しており、今やメイド喫茶よりコスプレ喫茶の時代となってしまっている。 まぁ行かないからどうでもいいんだけどさ。 俺、16歳 水島 志歩(名前によらず男なんだけど)はネットで女性化症候群を探していた。 この頃、身体に異常を感じる為と明後日には17歳の誕生日を迎える事から酷く焦っていた。 女になるってのはどうも解らない。 志歩と言う名前も、女性化症候群が出始めて政府が取った対策のせいで改名をさせられた。 15歳から16歳の男性は女性の名前に変更を要求することが出来る。もちろんそのままでも可能だ。 まぁ、大抵の女性化した人は改名しちゃうんだけど。 女性化した後すぐに変えてしまうのでは周囲の対応が難しいという判断の元、 現在は誕生日の半年前から改名可能となっている。 俺の志歩って名前も半年前に改名した名前だ。 (今じゃ前の名前なんてどうでもいいけどな・・・) 半年も立てば自分でも意外と感じるくらい愛着が持てた。 実際に、女性化についてもどっちでもいいと感じるんだよな。 3日で性行為をするのも一応可能だから男性のままでもいいんだけど。 お金さえ払えば出来る場所なんて幾らでもあった。 女性化症候群の為か、未成年でも入れる違法店である。ま、裏な訳だが。 ただ、事態の問題化なのか取り締まりもなければ黙認状態である。・・・って、いいのかこれ。 「1プレイ 2万5千…女性化症候群ポッキリ価格・・・なんだこりゃ。 今時の高校生でも3万だってのに。こんなババァでこれはねぇよ」 もちろん、女体化した高校生がその体を利用してか裸写真を売り出したり VIP板じゃおっぱいスレが乱立したりとやりたい放題やる奴まで居る。 中には売春も居る。元ホモな奴にとっちゃ金も貰えてウッハーなんだろうな。 ってな訳で無修正天国な世の中。中学の時じゃ考えられなかったわ。 今じゃモザイクがあるビデオの方が人気出る始末。よくも3年程度でここまで変わるよな。 見慣れた性器を隠された状態のビデオは想像力が働くってモノで逆にそれが興奮するんだかしらん。 無修正なんてただの飾りなんです。エロい人にはそれが解らんとですってか・・・ ま、今じゃモザイクは製造中止だそうで。 いや、アダルトビデオも本数減ってるから業界はピンチなんだろうけど。 しっちゃこっちゃないな。俺にとっては。 正直、周りの友人は女性になったり、男性のままで居たりと半々だから どっちになっても変わらないだろうし、一番気になるのは… 女性の過ごし方ってもんだ。 性別とたった漢字二文字ですむものだが実際色々変化する訳だからそりゃ調べておくに 越した事はないだろう。 しっかし、おかしな世の中になったってもんだ・・・ みているサイトは日本医学公式みたいなサイト。 だけどな、そこのトップに『ようこそ女性の世界へ』と大きな画像リンクがあるんだよ。 中には女性に関する様々な情報が展開されている。 正直、男の説明が1ページに対し女の説明が50ページ以上あるのは少し男として悔しく感じる。 その画像リンクの中をあれこれ見ているとコンッコンッとドアをノックする声が聞こえた。 「志歩ー。ご飯だよーーーん♪」 全く、母は… もうすぐ俺が女体化するからといって今日は洋服まで買ってきやがったらしい。 しかも女性物。ってか、40超えでご飯だよーん♪はねぇって!うかれすぎだろ。おい。 これで俺が女性にならなかったらどうすんだろうな… ご飯の為にリビングに出ると、いつもの光景だった。 母の作った飯。今日は洋服を買ったせいか余りものが多い訳だけど。 リビングには俺と父以外に女性3名。 元々、母以外男兄弟3人の家族だった。俺は1番下の三男だった。 長男は5年前に、次男は4年前に女体化した。 父は長男が女体化する事には色々と言っていたが次男からは何も言わなくなっていた。 まぁ、それは長男が女体化したときとは時代が違うってもんで・・・ 「3日後には父さんハーレムになっちゃうな。男独りだもんな」 とか、毎日のようにカウントしながら「ハーレムになっちゃうな」をいただきますの代わりに使う父。 俺が居たからなのだろうか…父は男独りになるのが寂しそうだった。 「可愛い服一杯あるからねー。心配しなくても大丈夫だからねー。ほらあそこのとかー」 母は逆に嬉しそうだった。洋服まで買ってくるし。 「どんな女体になるか解らないのになーにを買ってるんだか。」 今となっては長女の元長男が笑っている。俺を見ながらニヤニヤしてやがるし。 「そんなニヤニヤするっての、一体どんな服だよ」 …と俺は母の言うあそこを見て・・・ ・・・脳内音楽が流れてくる。  メイドの基本は WOW×4♪ フリフリドレスで WOW×4♪ 「・・・おい・・・待て・・・絶対きねぇぞ!!」 マジ最悪だ・・・ そこには、メイド喫茶にも劣らないほどのゴスロリが飾ってあったんだ。 「いやー、アレ絶対可愛いって」 元次男が・・・って、か可愛い言うな。マジ羨ましそうに見るな。 「絶対着せてやるから」 ほんと笑顔で微笑む元長男と元次男。 お前らぁぁぁあ!! って、いつからだっけ・・・こんな笑い合える家族になったのって・・・ *** 『2』 元長男は、17歳の誕生日を過ぎても女体化しなかった。 当時、女体化症候群はまだ知名度もさほどなく3人に1人なるかならないかの割合だった。 てか、俺の家族全員そんなの夢物語って感じだったな。 だが、あの時…5年前の兄の誕生日一週間後あたりに起こった事は今でも覚えている。 その日、兄はバイトの日だったにも関わらず、バイトに出なかった。 そして深夜1時になっても帰ってこなかった。 俺は父と警察へ兄の写真を持って捜索願いを出しに行った。警察は適当に応対してくれた。 帰ってくると眠そうな母が居て 「後は警察に任せて一旦寝よう。朝になったらベッドに居やがるさ」 と父は母の心配や不安を振り払う為、寝る事を提案した。 その日、兄は帰ってこなかった… 翌日の朝、事件は起こった。 知らない女性がリビングのソファーでぐったりと寝ているものだから 朝一番に起きた母はビックリして悲鳴をあげたんだった。 俺もあわてて目が覚めて何事かとリビングにダッシュした。 俺の後に、父が駆けつけて女性を見るなり 「誰だ!君は」とか色々言っていた。 俺はその女性を見た。兄と同じ服を着ていた。いや兄の服だった。 「…父さん…」女性は父にそう言っていた。 言いながら目に涙が垂れていた。女性は明らかに悲しそうな顔をしていた。 父は驚いて何かぶつぶつ言っていた。 そして元長男の名前を告げると、女性はゆっくり頷いた。 まさか自分の息子が当時は珍病だった女性化症候群だとは信じられなかったのだろう。 父は暫く無言だった。元長男は泣いていた。母も泣いていた。 俺まで泣きそうだった。 その後は家族も元長男本人もどうしたら良いのか解らず、学校を自主退学するなどしてしまった。 当時、それほど珍しかった病だった。このまま学校なんて行けないというのが出した答えだった。 元次男の方はその後1年たって訪れた。 元次男に対して父は「お前もなのか・・・」とだけ言ったが、 1年の月日がたち世間では徐々に知名度が上がって言った為か、他に何も言わなかった。 父も母も「好きなようにやれ」と言う態度だった。 女性化症候群はジヒドロ・テストステロン(dihydro-testosterone)が停止してしまうせいか、 女体化後に女性感情が目覚めるケースも多い。 元々、明るい性格だった兄達はその後、女性化する事で更に明るくなってしまったのだろうか? 元次男が女性化してから元長男も徐々に明るくなっていった。 家庭はその後徐々に今のように笑い合えるようになっていった。 女性化って…良い事なんだろうか? 俺は、そんな笑い合える今の家族とご飯を食べ終え、風呂に入る。 「男の体とももうすぐお別れだからタマタマの裏までじっくり眺めては洗いなよ」 元長男につられてか元次男も言い出した。 「ついでにオナニーもしておけば?男のオナニーは───」 「・・・入ってくる!!」 聞いてられるかっ!!話を遮って俺は浴場に行く。 服を脱いで準備完了。ゆっくり、チャポーンと風呂に漬かる。 もうすぐ俺は女になってしまうんだろうか…とか考えていたら・・・ ・・・・・気付いたら寝ていた。 風呂で寝るのはたまにある事だ。1ヶ月に3回くらい? 「んぁ・・・しまった・・・!?」 最近は起きてすぐ鏡を見るクセがあるせいか、鏡をすぐに覗きこむ。 女体化してねぇよな!?といつものように見る。 女性化はしていない。 (まだ誕生日じゃないしな)と安心してもう一度、湯船に漬かろうとした… 浴槽に体毛がゆらりゆらりと浮かんでいた… !?なんだこれ… バンッという音が背中と壁で鳴るほど俺は後ろの壁に瞬時にすがった。 (嘘だろ…毛が落ちてやがる…) 髪の毛は無事なのに…俺の女体化はもうすぐ…なのか…? 風呂のお湯を流さず新聞紙を取りに行く。 「いらない新聞紙ない?」 って母に聞いたら 「何に使うの?」 「体毛処理。風呂で抜け落ちたんだわ」 元次男の時は朝ベッドで抜け落ちていた為、風呂と言うケースは始めてだが母は理解してくれた。 「玄関とこに置いてるから。よごさないように。いよいよ女の子ねー」 ・・・最後の一言は余計だ。 新聞紙を風呂の水の上に広げて張り、1分くらい待ってあげる。 それだけで体毛は新聞紙にへばりついていた。 「さて、流すか」 女体化する前だからゆっくり入れとの事で俺が最後だった。 明日で俺は… 少し女性になるのが怖く感じて、俺は寝た… ジリリリリリリ…ジリリリリリと言う典型的な目覚ましは俺はかけない。 その日、俺の目覚ましはいつものように おっぱい!!おっぱい!! と腕を振りながら叫ぶVIPPERな目覚ましで目を覚ました。 鏡を確認する。 女体化はまだだった。 着替えを終わり、 「今日の時間割なんだっけな」 俺にとっちゃ大学受験の一番大事な要点が詰まっている高校2年の二学期。 下手に教科書忘れたら話になんないんでと、時間割を完了させる。 最後に飯を食いたかったけど食欲がなくて、おにぎり一個で食事完了。 学校へいってきまー!! ───── 5年位前までは男子校だった近所の高校は今や共学になってしまっている。 俺はそこに通っている。 クラスの机に座ってカバンの教科書を机の中に突っ込む。 「おはよう。月曜の朝はだっるいねー」 隣に座っていた美奈が答える。こいつは幼馴染の元男だ。 1週間ほど前に女体化して暫くは学ラン女として過ごしていたが・・・ 「お、美奈じゃん。制服変えたのか。すっかり女らしくなっちまって」 「慣れるまで時間かかったけどね。スカートはすーすーするし。ま、志歩の姉貴に色々教えてもらったよ。」 「姉貴じゃなかったんだけどなw何か言ってた?」 「慣れるまで時間の問題って。実際そうだった。スカートってのもずっとはいてたら結構慣れるね」 「ずっとはいてるのかよ!」 ゆったりと流れる心地よい時間。 美奈は「女になったら優しい女になりてぇ」と言ってた通り、気楽に話せる良い奴のままだった。 気軽に話すのは男の時は俺だけだったが女になったお陰か周りにも輪を広げてやがる。 1週間目な癖して告白もされたらしい。 「男をキープする為にやらせてくれって奴がしつこくてさー」 とか、言ってきやがる。 俺は言った。さりげなく言った。 「男とやるわけねぇだろ。キモイぜ?」 って。でも美奈はこう言った。哀しそうに。 「そのうちしたくなるかもね」 「何だそりゃ…」正直、女になっても男とするのだけは俺はゴメンと思った。 「…いや、意外としたくなるかもねって事」 …そういうモノなのか?本当に… 「お前さぁ、、、俺でもしたい訳?」 「……さぁ、解らないやー(笑)」 「何だそりゃ…おい!」 彼女は言った。 さりげなく聞いた質問にさりげなくあいつらしくない静かな声で言ってきた。 「もう無理なんだよ…だって」 …何が無理なのか、何でアレだけ哀しそうに言ったのか解らなくて 質問してやろうと思った。 でも、チャイムとホームルームがそれを遮った。 ───── 午前の授業が終わって、昼飯になった。 俺は美奈に 「購買行こっか?」 と言われたけど、 「何か腹全然すいてないんだわ。」 本気でお腹が空いてない。何も食べなくても1週間は生きていけるぜ!ってくらい。 「あ、そっか…すまん」 いや、謝られてもさ? 「何で謝るんだ」 「えーっと、、、うーんっと」 何か考え事してる美奈は正直可愛い。口元に人差し指を当てて首を傾けている。 男の時にしてみたい女のしぐさだったソレを考える時の癖にしたようだ。 「いや、何で考えるんだ」 俺って突っ込み役? 「女体化する前って何故か身体が腹減らないんだよね。」 …っ!! そう言えば…今日の夜は… 女になって誕生日を迎える…最悪な誕生日障害「女体化症候群」 糞…いつもと同じ学校に同じ事して男最後の日迎えて… 俺は教科書をカバンに詰め込んだ。 せっかく念入りの時間割したってのに…どうでもいい。 「あれ?次移動教室?」 また首傾げポーズで聞いてくる。 「いや、男最後の日だし、思い切り男を満喫したいって。 教師には女体化日だから午前中で失礼するって言えば良いし。」 美奈は笑ってた。 「あー、なるほどね。なら職員室行こうか」 ───── 職員室で教師に告げてそさくさと校門を出る俺…と… 「何でお前さぁ…」 隣の美奈に向かって言う。 「職員室で『志歩の親居ないので私が付き添いますー』とか言うのか…」 ま、独りより楽しいからいいけどな。退屈しない奴だし。 「とりあえず、男しか出来ない事してぇよなー」 とか言ってみるが、時代は女の時代。んなものはない。 「ねぇよなー。」 「カラオケでも行く?女になるとなかなか声でないよ?」 美奈、ナイス提案!久々に俺のVIP STARをお前に聞かせてやるぜ。 「んじゃカラボな!駅前」 駅前までチャリを走らせる。チャリで通学は便利。寄り道楽勝。 で、、、 「お前さ、何で後ろにこうも乗ってるんだよ!チャリはどした?チャリは」 美奈が後ろで女の子乗り(まぁ、普通に前向いて座らず身体横向きに座るアレだ)で座ってる。 「女体化後は駅前までチャリなんて死ぬから宜しくー」 ・・・おい。 「そこまで体力落ちる訳ねぇだろー!!」 とか言いつつ、結局二人乗りでゆったりと駅前に行った。 ───── 店内で学生証を見せて入る。1時間150円って格安。 ま、女体化した影響で音痴が無くなりカラオケ行く奴急増。 一種のインフラってか?あ、デフレだっけ?どっちでもいいけど。 「 ルールーールーーー♪♪♪♪」 美奈の歌は正直、男の時も上手かったが女になってからはそれ以上だった。 「女体化してからカラオケ始めてなんだよねー。意外と私、歌えるじゃん」 「そうだな。男の時も上手かったけど、こりゃ、昔なら歌手いけそうだな」 「なれないよ。私は絶対音感無いし」 世間じゃ、歌の上手い女性が急増で歌手のレベルも非常に高い。 今じゃ顔売れなんて無いから絶対音感ってのは歌手の必須条件でもあった。 美奈の曲が終わる。演奏終了の文字が消えると同時に 見慣れた俺のカラオケ定番 VIP STARの文字が現れる。 「 それなんてエロゲェェェェ♪ テラバロ…」 …BGMだけがなり続く。 「だ、大丈夫!?」 …美奈が心配して俺の肩を持って聞いてきた。 「ヴァ・・・ダ・・・ダイジョウブ」 …声…嘘だろ…? いくら個人差はあるからって寝てる間に起こるんじゃないのかよ。 何で声がガラガラなんだよ。 「飲み物持ってくるから休んでて!」 美奈がコップを持って出て行った。 嘘だ…おかしい。 普通なら寝てる間に全てが終わるってのに… 何でだよ…って頭を掻いた。 …手に髪の毛が撒き付いていた… 「ヴゾダ…ヤメテク…レ」 夢なら覚めてくれ。女なんてなりたくねぇよ… 美奈が飲み物を抱えて戻ってきた。 でも、俺を見て何も言わなかった。言えねぇんだろうけど。 しばしの沈黙の後、 「泣かないで。大丈夫だから。死ぬ訳じゃないから」 「フォロー・・・あ・・・りがと」 …死ななくても…こんなに苦しいならなりたくねぇよ。 「大丈夫だから。大丈夫だから」 大丈夫な訳あるかよ。 頭がクラクラしてきた。 「寝る?寝たほうが良いと思う。時間延長はしておくから」 寝たら楽になれるのか?って言っても寝れねぇよ。 震えてるの自分で解ってるんだぜ? 「大丈夫だから…寝た方が良いよ。」 「起き・・・たら・・・女に・・・なってた・・・りしてな」 それで沈黙 何も言わなかった。言えなかった。 「寝なよ。」 そういった瞬間、俺は… 美奈にキスされていた。 柔らかい感触・初めてだった。 「…なにすん…」 俺は驚いて口を離す 「落ち着くと思って。」 確かに震えは止まってた。少し頭もまともになってきた。 「…男だぞ。俺…キモいと思わないのかよ」 「キモかったんだ。ごめん…」 …いや、正直キモイって思わなかった。 「…私はもう志歩の事好きになってたから。小学校の時、虐められても志歩だけは味方してくれて。 それから、私たちはずっと一緒だった。」 …何を言ってる…? 「女になるのは正直、自分も怖かった。志歩ともう一緒にふざけあえないのかなって。 でも、志歩は何も変わらなかった。 そんな時、好きになってた。」 …今更おせぇよ… 「付き合うのは難しいって解ってたし。 志歩に好きって言ったら関係壊してしまいそうで言えなかったんだ。 だから、最後のワガママくらい許してよ…」 美奈の目は溢れていた。 「…大…丈夫…全…然キモ…くなかった…し。 …なぁ、今…から…エ…チして…も遅い…よな」 「…うん…もうエッチしても志歩は女になる。 …女体化は始まってる。」 嘘は言えなかったんだろう。 痛いけれども、正直に答えてくれたのは嬉しかった。 声が少しずつ出しやすくなってきた。 だが、明らかに俺の声じゃなくなっていっている。 ただ、少しずつ意識がもうろうとしている。 「…俺からも…ワガママ…言わせて…くれ。 女になったら…好きでは居られなくなるけど…親友だから…」 「うん…親友だよ。これまでと一緒で」 そっと、俺はキスをした。 嫌がるなんて事は全く無かった。 そして口を離すか離さないか解らなく、曖昧な意識の中で 俺は美奈に膝枕されながら寝た。 ----------- 女体化編終了

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