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*** 357 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:06:15.80 SKxjTJta0 ここにとある日記帳がある。 ずいぶんボロボロのようだが、まぁ気にしないでほしい。 これは・・中野翔の生涯がたくさんつまった日記帳である。 過去に彼の宿敵となった男・・それが今では最大の妻である。その心境の変化が随所につまった 日記帳である。 ・・では、こっそりとその内容を覗いてみよう。 *** 362 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:19:40.46 SKxjTJta0 ○月○日・・・今日、日記を買ってみた。まぁ、買ったといってももらい物だが・・ このままではもったいないので日記をつけてみようと思う。3日ボーズにならんようにはする。 そういえば俺らの歳では女体化シンドノームが恐れられているらしいが俺はすでに童貞ではないので 恐れることなど何もない。相手は・・まぁ、反りが合わんというか何と言うかやってすぐに別れっちまった。 ま、余り語りたくないのでこの話は置いておく。 まぁ、今日あったことだが・・これといって特にない。ただ、今の学校の先公が気に食わん。 俺の妹・・椿であるが青春真っ盛りの中学2年生である。ただ、全く恋をしないのはどうかと思う。俺に似て外見はいいのだからモテているとは・・思う。 そういえば俺が中学2年の頃といえば、仲間とつるみながら喧嘩真っ盛りだ。まぁ、俺も随分と名の知れた奴になったものだ。ひと呼んで“殺戮の天使”とは 俺の事を指すね。・・そういえばあいつに出会ったのもこの歳だった。通称“血に飢えた狂犬”・・相良 聖。俺が唯一決着をつけれなかった相手だ。高校にあがってからは 出会っていないが、もし決着を付けられるなら付けたいものだ・・ あいつ・・女になっていなきゃいいがな・・ まぁ、あいつは外見はごついがあれだけ喧嘩が強ければそれなりに持てているだろう。 おそらく童貞ではないな。 来るべき決着か・・思っただけで腕が鳴ってきやがったぜ!! *** 366 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:48:11.67 SKxjTJta0 ○月×日・・あ~あ・・一ヶ月ぶりだ。すぐにサボっちまうな俺は・・ それよりもとうとう俺も学校を退学になってしまった。なんでか?ダチをかばうためにいっちょ暴れたんだよ。 原因は俺のダチのバイトだ。あいつ学校で内緒でバイトしてたんだよ。もちろん、ちゃんとした理由でだ。 あいつの家の家計が苦しいらしい・・たいした奴だよ全く。しかし、学校の先公がそいつに腹立った 言い方しやがったもんだからブン殴ってやったのよ!!何が「そんなくだらない理由で」っだ!! 俺は怒ったね。・・限りなく。 んで、俺らは仲良くそろって退学になったが退学にされたダチは何とか働いているそうだ。良かった良かった。 そんなことで俺の奢りでそいつの記念日パーティをした帰りに俺は・・あの気配を感じていた。 そう・・“相良”の気配だ。間違いなかったね。あの気配は何年経っても忘れちゃいない・・ んで、気配のする方向へ行ってみると、何とこれまた美人の女が発してやがった!! ・・まさかあの野郎、女になってしまったのか?何かの間違えかと何度も思ったが、あの気配は間違いなく相良だ。 だとしたらえらい変わりようだ!!!! 一流モデル真っ青の抜群なスタイルに長く繊細な髪にその容姿・・完璧な美人じゃねぇか!!・・いや、美人という言葉じゃ 足りねぇ・・大美人だ。って、俺は何男に欲情してるんだ。あいつはあの相良だ。血に飢えた狂犬と称される奴だ。 奴の出るごとにほとんどの奴が血を見ることとなる。 それにしても女になって強いのは相変わらずだが・・戦い方が変わっているな。以前の奴ならごつい体格を活かした 攻撃方法を行っていたのだが・・女になってから小技を活かしたものとなっている・・それに相手の力を利用したもんだ。 それに自分の必要最低限の体力しか消費していないな。 *** 368 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:59:23.43 SKxjTJta0 っと、呑気に観戦してたらあいつ油断して腕をやられてしまいやがった・・ それにまだほかのも隠れて嫌がるな・・おもしろい。あいつに加勢してやるか!!腕ならしにはちょうどいい!!! ・・片っ端から行くか! やっぱ俺の勘は冴えていやがった。後ろには念のためか武装した奴らが30人ほどいやがった。俺は瞬時にそいつらをブチ殺すと あいつのほうへと向かっていった。 ・・流石に隠し玉を失ったのかリーダー格と思われる奴は片腕をやられた相良にぶちのめされていた。 それに相良は女になってから合気道を始めたらしい。・・どうりで隙のない細やかな動きだったぜ。それになんか2人きりでいると あいつも結構いいじゃん。・・っていかんいかん。あいつはあの狂犬だ・・あの血に飢えた・・ 「じゃあな・・本当に今日はありがとな。」 その台詞ととびっきりの笑顔を残してあいつは俺の下を去った・・ 何だよあの顔から出る笑顔は最悪だぜ、不覚にもときめいてしまった。 畜生!!反則じゃねぇかあれは!!・・男ならみなああなる。過去のことはすっぱいてだ。 俺は胸に残ったヤワヤワ感とあいつの笑顔が頭に浮かびながら家へと帰っていった。 *** 576 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 18:20:16.22 uin1LSN20 ○月△日・・・そういや、学校辞めた俺はどうしようかね。今のところはバイトで食っているが、このままではきつい。 それに後々就職するときは学歴がいるな・・ まぁ、親にはなんて説明しようかね。息子が突然退学しましたって言ったらドびっくりこくだろうなwww ・・っと、学校探さなきゃな。そういや、あいつはどこの学校に通ってたんだっけな? ってなんで奴が出てくるんだ、違うだろ。・・まぁ、考えたって仕方ない。 ここにするか・・母さんたちに話し通さなきゃいけないな。 試験?そんなものこの俺には余裕だ。嫌ほど家庭教師をつけられたから勉強なんて自然と覚えてしまう。 前の学校でも成績はTOP10に入っていたらしいからな。しかし・・俺はなぜ、この学校を選んだんだ? 家からかなり遠いし・・あの場所から行っても結構時間がかかる。だが・・この学校に入れと俺の何かが唸っている。 いったい何があるんだこの学校に・・まさかな。 さて、転校初日はどう目立とうかね・・ *** 580 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 18:31:59.98 uin1LSN20 ×月○日・・当然のごとく、試験を通った俺は無事にこの学校へと入学できた。 親から制服やら鞄やらをもらうと俺は担任と一緒に教室へと向かった。まぁ、辺りを見回してみると一見まじめそうに見えるが こういうところにはうじゃうじゃいるからな・・さっきも歩いているときに2,3人俺にガンをつけてきやがった。こりゃ、早く歓迎をもらえるかもな。 そんなことを考えていると俺は教室へと入った。 そのとき、俺は驚愕した!!なんと・・あいつがいたのだ。 偶然かこれは・・? 転校生お得意のシチュエーションになったとき、俺は担任の話など全く頭に入っていなかった。 俺はタイミングを見て転校生お得意の挨拶をかますとあいつの席の隣へと案内された。 一応、過去ともいざこざがあろうとも隣同士だ、挨拶はせねば。俺は一応あいつに挨拶はしたのだが・・ あいつは俺の顔を見たとたん、顔を赤くしながらプイッとそっぽに向けると下にうつむきながら黙りまくっていた。俺はこれ以上言及しようがないので仕方なく 前に向くことにした。・・せめて、話してくれよな。でも、なんであいつは顔が赤くなったのだ? まさか、俺に別の感情を・・って何想像してるんだ俺は!!想像するには相手を考えなければ・・ 結局俺は転校初日にして昼食中に先輩たちから呼び出され、熱~い歓迎を受けるのであった。 *** 583 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 18:55:10.29 uin1LSN20 どうやら、この学校に来ても俺の名前はかなり通っているらしい。まぁ、俺たち流の新入生の歓迎というのだが、一応断っておこう。 先輩たちは文字通りに定番の負け台詞を吐きながら俺に襲い掛かってきた。・・それにしてもあいつ俺を監視してやがるな。後で相手でもしてやるか・・ 俺はでっかいゴロツキを裁きながらあいつの様子を伺っていた。 数分後、ものの見事に転がっているゴロツキを見ながら俺は隠れていたあいつを呼び出した。隠れていたあいつは堂々と俺の前に登場すると即座にやる構えであった。 そうだ・・こいつはあの相良だ。女になったところでそう簡単に俺との決着を忘れてなんかいないだろう。 でも、あいつはもう女だからな。女を殴るわけにはいかんし・・そう考えていると先手必勝といわんばかりかあいつは俺の元へと俺の元へと殴りかかろうとしたが・・ 間一髪、予鈴のチャイムに救われて何とかその場をやり過ごした。どうあれ女を殴れば俺のプライドに傷がつく。 ・・それにしてもあいつとの決着、どうすっかな。なんか、あいつが女になったとたんどうでもよくなってきた。・・あいつが女になったんなら付けようがないからな。 でも、あいつは未だに付けたがっているな。この問題をどうすっかな・・ *** 590 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 19:22:11.19 uin1LSN20 ×月△日・・・学校であいつがいたので軽く挨拶をしてみると完全にシカトされた。あの野郎ォ・・かわいくねぇ性格してるな。 それにどうやら俺のファンクラブでもできたらしい。・・全く、うざったい存在だ。まぁ、干渉してこなければいいのだが・・ まぁ、シカトされたままじゃつまらんので、あいつに話しかけてみた。相変わらずシカトを貫き通してやがるな・・ ・・そして俺は俺たちの過去の決着について話した。するとあいつの手がぴたりと止まり、俺の話を聞いていた。 俺はもう決着を付ける気にはなれないと話したのだが・・そうするとあいつは突然俺の頬をひっぱたき始めた。俺は突然のことだったので 慌ててしまった。・・それにあいつは薄っすらと涙を浮かべていた。しかし、ぴっぱたかれては余計悔しいので俺も現実を見据えろときつい言葉を言ってしまった。 ・・周りが注目する中、あいつは走って教室から去った。俺はそのまま授業を受けるほかなかった。 しかし、俺の心はなぜかズキズキと痛み始めていた。 そんで、俺が適当に授業を受けていた頃。突然、内藤とドクオと呼ばれる奴が俺のほうへと走ってきた。こいつらはあいつのダチか・・ 昔から孤独一線のあいつがダチをもつようになるとはな・・ んで、話を聞くとどうやらあいつが珍しくやられているらしい・・加勢する気は全くなかったのだが、先ほどのこともあり 仕方なしに加勢することにした。さっきのことも含めて、ここ最近、俺は・・いったいどうしたんだって言うんだ!! ッタク!!あいつのことになるとすぐに頭が熱くなって来やがるぜ!! *** 595 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 19:44:10.01 uin1LSN20 屋上へ行ってみるとあいつはパワーバカ相手に珍しくやられていた。パワーバカは「おっぱい!!おっぱい!!」という意味不明な 言葉を発しながらあいつに襲いかかってきた。ムカついたので俺はそいつの頭を背後から思いっきり蹴ってやった。 案の定、パワーバカはわめきながら俺を睨んでいた。そんで俺は顔面にニーを思いっきり入れるとパワーバカはもろくも倒れていった。 さらに俺は鳩尾に思いっきりパンチを放ちTKOをやってのけた。パワーバカを倒した俺は怯えるリーダーと思われる男を睨みつけた。 すると、あいつが復活したのか思いっきりリーダー格をボコボコにしてた。どんな方法でボコしたのは余り書きたくないので置いておく。 ま、さっきのは言いすぎたな。俺は一応あいつに謝っておいたがどうなんだろうな。 するとあいつが俺にこう聞いてきた。 「あ、ああ・・なぁ、どうしてお前は目の敵である俺を助けるんだ?」 正直この回答には困った。冷や汗ダラダラだ・・自分でも聞きたい。なぜ俺は最大のライバルであり決闘相手でもある こいつを助けにゃならんのだ?正直言って俺は困惑していた。俺が必死になって答えようとしたそのとき、あいつのダチたちが現れやがった。 ダチが現れるとあいつは急に離れろといってきやがった。ムカついたので俺はさらに現実を見据えて余り喧嘩すんなときつく言ってしまった・・ もちろん聞いていたあいつは無言になり怒りのオーラを発していた。・・まぁ、でもこいつがみすみすやられるなんて想像もできないししたくない。 ・・そんな俺のわがままかも知れんな。 俺はそのまま教室に帰らずその辺をぶらついた。 *** 602 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 20:03:08.07 uin1LSN20 今日は学校にいてもつまらんのでサボることにした。どうせ授業の内容なんて頭に入っているし簡単な予習さえすれば万全だ。 決してシカトされたからって機嫌が悪いわけじゃない!ただの気分だ!! まぁ・・一段と言い過ぎたのかもしれん。俺も心を落ち着かせるために散歩でするか・・ その辺をぶらついていると・・公園のベンチに座ったあいつがいた。俺は自販機でジュースを買うとあいつに差し出した。あいつは一応受け取ってくれたがなんだか 無気力状態であった。俺はあいつの横に座ると、話すネタもないので自分たちの過去について話し始めた。・・そういえばこいつとは面と向かうのは初めてだな。 いままで拳と拳でぶつかってきた中だから当然か・・ 話を終えてからか・・俺は立ち上がり、あいつに向かいながら更なる現実を教えるため、あいつに今のまま俺だったら倒せると宣言した。 案の定あいつはむくっと立ち上がり、俺に詰め寄った。・・こいつ、近くで見るとかわいいもんじゃねぇか。 俺は構えているあいつをデコピンするとあいつはパンチを放ったがヘナヘナだったのですぐに受け止められた。 そんで俺は・・なんとあいつを抱いてしまった!!決して欲情したわけではなく付加抵抗で(ry しかし、こうして抱きついてみるとすでにあいつは女の体つきになっており・・柔らかかった。そんで俺は意地悪な質問をしながら あいつを抱きしめていた。・・そのときに俺が今までに抱いていた相良のイメージは完全に払拭しており、現在の相良のイメージが構築されていった。 しばらく抱きしめているとあいつもとうとう観念したのか俺の好きにしろといってきた。まぁ、これじゃ悪いので俺は離すことにした。すると離されたあいつは立つこともできずに へなへなとその場に立つすくんだ。このままほうっておいても悪いので俺はあいつをおんぶすると家まで送ってやった・・ その時の感触はというと・・柔らかく、癒されるような感覚であった。 *** 56 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 16:55:01.36 t2N7oZ8T0 ×月□日・・今日の俺は珍しく遅れてきてしまった。理由は、家の妹である椿の家庭教師だ。 あいつ遊んでばっかで成績が著しくないらしい。そんで親の命令で俺が家庭教師をすることになった。 まぁ、断ることもできたのだが学校のことで迷惑をかけていたのでたまには引き受けることにしたのはいいのだが・・ 俺の妹なのに勉強がざらだ。基本からなっちゃいない。そんで俺は椿に基本から教えることになったのでかなり時間がかかり寝るのが 遅くなったわけだ。まぁ、でもあいつもバカじゃないので俺が一から教えると順々にわかってきたようで何とか普通になってきた。 ・・家庭教師は大変だとしみじみに思うのであった。 まぁ、学校ではまぁ、移動もない。たいした授業ではないので思いっきり昼休みまで寝ることができた。やることやったら誰だって文句はいわんだろ。 俺はつかの間の休息を味わいながらゆっくり睡眠をとることにした。 ・・目が覚めた頃には昼休みだった。あいつは・・どこか行ったのか?俺の隣にはいなかった。そんで俺は適当に昼飯を食べようと思ったのだが、あいつの机の上に ノートが置いてあった。どうも、国語のノートらしい。俺は中を見てみると内容に驚愕した。・・・こいつ、全然勉強していないじゃないか!!ほとんどノートにも 何も取っていないしまずいだろうな。こいつ・・どうやってこの学校に入ったんだ?まさか裏口・・なわけねぇよな。それにしてもこれはひどすぎる。 ・・進路のことは考えているのだろうか? 俺はあいつのノートを手に取ると放っておけばよかったのだが、どうしても放っておけなかった。 お人好しではないと自分では重々自覚しているのだが、なぜか離れられなかった。俺はあいつのノートを元に戻すと飯を食べるのであった。 *** 59 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:14:39.77 t2N7oZ8T0 お昼休みが終わり、英語の授業が始まると俺はさっきから秘めていた想いを実行することにした。 とりあえず、授業自体の内容はたいしたことないので当てられてたら適当に答えを述べた。 そんで、俺は席に着くとあいつのノートを取り上げて家庭教師の事を持ちかけた。・・それにしても英語のノートなのに英語が全然書いてないじゃないか。 あいつは家庭教師ぐらいでえらく動揺しておりかなり目立ってしまった。まぁ、あいつが落ち着きを取り戻す頃、俺はあいつに成績のことを話した。 そしたらドンピシャリ見事に成績は共産主義真っ青に真っ赤に飾られていたらしい。唯一の黒が体育らしい・・お前はどこぞの小学生か? 俺が家庭教師をしてやると言ったら案の定かなり抵抗をしてきやがった。ついでに突き出した条件がまずかったか・・ しかしここで退いては男が廃るな。余り俺からも言いたくないが、ダ ブ り のことをほのめかしたら流石のあいつもしぶしぶ承諾した。 まぁ、やり方が汚かったがこうして俺はデート権と家庭教師をあいつに取り付けてやった。取り付けた後、あいつに俺が得することばかりじゃないかと 突っ込まれたが一応興味はないとお前なんか否定する。そんで、俺が手を出したら殺してくると言ってあいつはそっぽを向いた。 俺は自然と高鳴る心に躍らされて明日の予定を立てることに集中した。って、相手はあの相良か・・いくら女とはいえ元宿敵、こういう関係もありかね。 それに・・あいつこの話題つきたてたとき抵抗はしたものの機嫌は悪くなかったな。 さて、何教えようかね・・ このときの俺はすでに元の関係を差っぴいてあいつに惚れていたのかも知れないな・・ *** 61 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:29:06.87 t2N7oZ8T0 ×月⊿日・・ついにこの日がやってきた。天気は文句なしのド晴れで雨は降る気配もない。 俺は軽くしたくすると、ダチのつてで手に入れた映画のチケットと遊園地のチケットを手にしながら待ち合わせ場所へと 向かっていった。きっと大人しく俺を待っていてくれたら一番いいのだがな・・まぁ、でも今日は楽しく行かなきゃな。 ダチからもらった映画のチケットを軽く握り締めると俺は待ち合わせ場所の公園へと向かった。 俺の想像も虚しく・・あいつ、100%目立っていやがった。というか嫌でも目立っていた。なぜなら男数人をのしていたからだ。そこには女としての 気品さや雰囲気なんてものはあったもんじゃない。女1人に相手は男5人・・男のほうはいいように扱われていた。もはやあいつの独壇場になった頃、俺は一応止めさせた。 あいつの腕を止めると俺はやめとけと止めた。・・これ以上やると死者がでるかもしれん。あいつにどこ行くのかと予定を聞かれてしまった。 そういえば・・予定はどうだっけ?しまったぁぁぁ!!俺としたことが忘れてしまった。とりあえず最初は映画・・いや、喫茶店か?ああ、頭がこんがらがってくる!! そうだここは素直に話そう。俺は素直に話すとあいつは帰宅体制に入った。流石にそれだけはまずいので俺はあいつを引き止めると嘘だといい何とかごまかした。 ・・こうなったら破れかぶれだ。映画から行こう。 俺はあいつに映画のチケットを見せ付けると映画に行くことにした。・・そういや中身は確かなんだっけ?俺は内容など気にせずに チケットを見ながら映画館へと向かった。 *** 62 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:42:06.38 t2N7oZ8T0 映画の内容はというと・・完全なエロ映画だった。流石に俺は見慣れているので普通に見ているとあいつは突然怒り出した。 元男だから俺は多分大丈夫だと思ったのだが・・やはりまずったか。流石にブチ切れ寸前で、あいつは映画の途中で映画館から出て行ってしまった。 ま、流石にまずいので俺はあいつを追いかけることにした。するとあいつは不機嫌ながらも俺は何とか落ち着かせた。あの野郎・・俺にあんなチケット 渡しやがって!後で何かおごらせてやる!!! 俺がチケットをくれたダチに報復を決意するとあいつは過去の俺の恋愛話を聞いてきた。そういえば、俺はまともなデートはしたことないな。ほとんどの女はあらかじめ指定した 場所へと来たからな。所詮俺は顔だけ・・っと言うことだろうか。だからこういったデートも初めてといっちゃ初めてだな。 そういえばここはあの場所から結構近かったけな?あいつを招待してやるか。まぁ、とりあえず俺たちは喫茶店に入ることにした。 喫茶店に入ると周りの視線を感じるようになった。まぁ、そうだろうな。あいつはかなりの美人だ。目立つなというほうがおかしいかもしれん・・そういえば遊園地のチケットがあったな。 今度は大丈夫そうだ。かなりの知名度のある遊園地だ。・・そういえばこいつ喫茶店に来たとたん膨れっ面になったな。かわいいが機嫌が悪いと困る。 俺は次は遊園地に行こうと提案した。まぁ、映画のこともあり警戒はしてたものの一応行く気みたいだ。俺は2人分のお茶代を払うと遊園地へと行くことにした。 *** 64 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:55:29.93 t2N7oZ8T0 遊園地にたどり着くと結構まともだった。その点についてはよかった。しかし、中に入るといざ乗ろうと思ったら右も左にも絶叫マシーン ばかりであった。そういえばこの遊園地は絶叫ものが売りだったよな。・・昔、別の遊園地に行ったときに絶叫ものに乗って事故になった。何とか無事に救助されたが当時幼かった俺は 死との隣り合わせの絶叫を嫌ほど味わった。それ以来・・俺は絶叫ものが大の苦手になった。まさか・・これに乗ろうと言い出すんじゃないだろうな。 足のすくむ俺を見たのかあいつはニヤリとみながら俺にとある勝負をたたきつけた。それは、この遊園地にあるすべての絶叫ものに乗り込んでどれだけ耐えれるというものだ。絶叫ものの苦手な俺には 堪らんものであった。しかし、勝負といわれれば退くことができん。それに好き勝手言っているあいつの鼻をあかしてもやりたかった。軽いトランス状態に陥った俺はとんでもないことを言い放った。 それは俺が勝った暁にはあいつが俺の彼女になるということだ。さすがのあいつも動揺を見せており、少し驚いていたがあいつが勝てばこれからある家庭教師免除というもんだった。 流石に少し動揺はしていたのだが勝負となっちゃ退くことができずにあいつはそれを承知した。 こうして、デートから勝負に転じた遊園地めぐりは互いの体力が尽きるまでのガチンコバトルへと変貌した。 しかし、俺が勝ったらあいつがはれて彼女となるのか・・それはそれでいいのかも知れんな。こうなったら負けられまい。 俺は幼い頃のトラウマと戦う決意をした。 *** 11 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/22(佐賀県庁) 17:53:38.92 0Ts8LDVA0 結局俺は幼い頃味わったトラウマと戦うことにした。最初のコースターはどっちかというと幼い子供向け・・ 軽いものだった。周りには親子連れがたくさんいたのだが、俺らのような男女のカップルはいなく、余計浮いていた。 突然、体が武者震いしてきた。俺はあいつに気づかれんように振るえを止めてコースターへと乗り込んだ。 ・・終わってみると俺はスッとしたような気分であった。なんだ、コースターとはあんなものか。最初の震えは何だったのだろうか? 幼い頃のトラウマはスッと消え去り、俺らは次のコースターへと向かった。次のは一気に一般向けのへと昇格した。っといってもこの遊園地はさほどが 絶叫系で占められているため、こういったものが多かった。このコースタになるとちらほらとカップルが見かけるようになった。俺もそろりそろりとあいつに 近づこうとしてたのだが・・まんまと距離をとられた。そういえばせっかくこの状況なのに話もできないとはなんとも不憫なことか・・ まぁ、いちいち期待していたらまずいのかもしれん。ここは冷静に勝負事を片付けていこう。もしかすると、あいつも本気なのかもしれんしな。 そして俺は2機目のコースターへと乗ることにした。 ・・・何だあれは!!さっきのと大違いじゃないか!!!まぁ、一般的なジェットコースターなんぞこんなものか。それにまだ後5機以上も乗り回さんといかん。 隣にいるあいつは・・なんて余裕な表情だ。俺の顔を見たとたん微笑していやがる!う~む、このままだと負けてしまう可能性があるな。なるべく表情で悟られんようにせんとな。 ・・それに周りからの視線が一段と強くなってきやがった。もしかして、よほど羨ましがられているのだろうか? いくら俺らが美男美女であっても昔の宿敵同士だ!!言葉ではああいっても、昔の因縁というのはそう簡単には捨て切れん。 それにあいつも目がマジだ。俺にはわかる。 俺らは一層、互いに絶対負けん!!オーラを出しながら遊園地のアトラクションの制覇に勤しんだ。 *** 13 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/22(佐賀県庁) 18:15:06.08 0Ts8LDVA0 かれこれ数時間経っただろうか・・ 記憶の限りに説明しておく。とりあえず遊園地のほとんどの絶叫マシンを乗り継いだ俺は体がだるく 足もフラフラ状態で体力も消耗していた。あいつも見てみると明らかに俺と同じ状況であった。やはり女の体は消耗が激しいのだろうか? 互いの闘志をむき出しにしながら俺たちはこの遊園地の名物であるクォリティコースターへと足を進めた。 さすが、この遊園地名物だけであってかなりの絶叫マシンだった。ものすごい高さの部分を一気に急降下しながら 数々のループを潜り抜け、そして地下へ到達し、その地下でも様々な絶叫部分が用意されている・・考えただけでおぞましい。 説明を聞いているだけで俺は先ほどとは比べ物にならない武者震いを感じた。そういや宣伝でここのコースターのことを大々的にしていた覚えがある。 こうなったら破れかぶれだ・・やるしかない。俺らは互いに降伏勧告をしたがもちろん従うはずもなく通路を進んだ。途中退席の通路を通り過ぎるたんびに俺はあの幼い日の記憶が 蘇ろうとしていた。 ・・数年前、当時小学校低学年の俺はまだ幼い椿と一緒に家族全員で遊園地に行った。そんで俺は親父と一緒に当時の遊園地の名物の絶叫ものに乗ったのだが、電気関係のトラブルか 高さ300メートル地点で取り残された。あの頃はマジで死ぬかと思った。幼い俺は必死に親父にしがみつきレスキュー隊に救助された。 その頃の影響か、俺は高所恐怖症と絶叫マシーン恐怖症の2つがついた。 それで親父が怒るに怒ってその遊園地を閉店まで追い込んだ。俺は親父が連れ出した専門のカウンセリングがついたのだが・・結局元には戻らんかった。 途中退席の通路・・そこにいければ何と楽になれるだろう。しかし、これは男と男同士の勝負、あろうことか相手はあの相良だ。男は先にイモ引いたほうの負けだ。 男として・・負けるわけにはいかん!!そして・・俺らは最後の途中退席の通路を抜けるとついにクォリティコースターへと向かった。 ここで、決着がつく。家庭教師免除か・・それとも、晴れてあいつが俺の彼女となるのか? 結果はこのクォリティコースターへと委ねられた。 *** 9 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:57:54.92 mPIqPb4J0 俺らはクォリティコースターへと乗り込んだ。クォリティコースターは発車するとものすごいスピードで コースを駆け巡っていた。そして急に減速をし、ゆっくりとゆっくりと・・坂を上り詰めた。俺は下をみたくはなかったのだが、横を見るとものすごい高さまで 上り詰めており、人が豆粒・・いや、米粒ぐらいまでに見えた。ほかのジェットコースターもなんだかかわいく見えた。そして、目標の高さまで上り詰めるとコースターは ぴたりと止まり・・一気にスピードをつけてほかの奴らの大絶叫とともに急降下した。そのまま勢いをつけたクォリティコースターは3連にも続くループをそのスピードのまま一気に 回り続けていた。俺はもはや声を発することもできずにそのまま座るしかなかった。隣にいたあいつも俺と同じ状況で声すら発していなかった。 もはや・・俺の意識は限界まで上り詰めていた。 そんな俺の想いとは虚しくクオリティコースターは一気に地下へと到達し・・その地下でも様々なコースがあった。 しかし、俺の意識は地下の光景を見ることなく別の光景を見るのであった。 *** 11 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:59:17.28 mPIqPb4J0 “おやじぃ~・・なんで遊園地に連れて行かないのだ?” “あ、ああ・・ま、また今度な希・・” “それ何回も聞いたのだ。遊園地へ連れってってほしいのだ!!” 何だこの光景は・・俺はクォリティコースターの地下へと到達していたはずだ。それに・・あの幼い娘は、俺の娘か!! いや、待て。これは幻覚か蜃気楼の一種だろ。それに百歩譲って俺の娘だったら・・実の父親に向けて親父とは言わんはずだ・・多分。 それに外見からして・・俺の遺伝子は完膚なきに負けているな。奥さんはよほどの美人だろうな・・ “いいもん、ママか椿おばちゃんに連れて行ってもらうもん。それに・・おやじぃがなんで連れて行ってくれないか聞くもん。” “ば、バカいうな!!椿はともかく、あいつはなに言うかたまったもんじゃない!!・・代わりに、おもちゃ買ってやるからな” “・・お前は実の娘に向かって何言っとるのだ!!” 誰だ・・希と呼ばれる俺の娘を抱えてる女性・・肝心の顔が見えん!!サラサラのロングストレートではある。だが、肝心の顔が見えん。 なんでだ・・それにこの声、どこかで聞いた覚えがあるな。誰なんだ? ここで俺の意識は別の場所へと覚醒した。 *** 16 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:08:58.86 mPIqPb4J0 俺が目覚めると、とある部屋の一室だった。どうやら、俺は気絶したらしい。ふと見てみると先にあいつが目覚めていた。 係員にこっぴどく怒られる中、俺はなぜかあのときの光景のことをポツリと思い浮かべていた。 ・・あれは一体なんだったのだろうか?それに・・あれだって俺だとは限らない。もしかすると気絶して平行世界という奴を 見てしまったのかもな。まぁ、余り深く気にしないでおこう。 係員から開放された後、あいつが無理矢理勝負付けをするので食べ物で何とか釣ってやめさせた。 ここからはあの場所に近いのだが、この体力を回復させてから来たほうがいいのかもしれん。 俺のおごりともあってか、あいつはバクバクといろいろなものを食べていた。 ・・女のくせによく食べる奴だなと思ったな。多分、運動ばっかしてるから太らん体質なのだろうな。 ま、十分に体力が回復した頃、俺たちは遊園地を後にした。 ・・もう絶対絶叫ものには乗りたくないぜ。 *** 21 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:24:21.86 mPIqPb4J0 しばらく歩いているとあいつは裏で俺が襲い掛かるとか・・まぁ、なんともたくましい想像力を働かしていた。 俺は軽く否定すると、そのままあの場所へと歩を進めていった。ここまで来るともう少しだ・・遊園地からかなり歩くが こいつは元男だから大丈夫だろ。 そのまま気楽にのんびり歩いていると・・名の通った俺たちだからなせる業か、ちらほらと団体さんがお見えになった。 まぁ、どこで嗅ぎ付けてきたのかはわからないが、どうしようかね。俺たち2人がいれば負ける気はしないが・・数が多いな。 仕方ない・・ここからは散るしかないか。 ・・俺たちは互いに見合うと、そのまま二手に分かれて一気に逃げ出した。 やはり、俺たちが揃うとこんなことになるのか・・ちょっとはまともなデートをしてみたかったぜ。 だんだんと怒りに燃えてきた俺はそのまま立ち止まり・・武装している追っ手を殴り飛ばした。 当然追っては反撃してくるが、俺は構いもせずに怒りに燃えながら逃げながら追っ手を殲滅しながらあいつと落ち合う場所へと走り出した。 *** 26 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:49:49.08 mPIqPb4J0 流石に女のあいつは足が速く、あっという間に追っ手を巻いていた。 だが、俺はちょくちょく追っ手を殲滅しながら着たため当然、着けられていた。そしてうまいこと あいつと合流したのだが・・あいつを追っていた追っ手も含め、俺らはついに囲まれてしまった。 まぁ、半分は潰していたので多少は楽になったろ。 とりあえず、俺らはこの追っ手たちを叩きのめすことにした。まぁ、ものの数分もかからなかったが、相手のほうも俺たちが共闘してたことに たいそう驚いていたようだ。最後の台詞を言わせてやると、俺は最後の1人を叩きのめした。 あいつを見てみるが・・どうやら無傷に済んだようだな。ま、当然か。 無事追っ手たちを片付けると俺らはあの場所へと足を進めた。 *** 27 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:51:29.25 mPIqPb4J0 ・・俺のとっておきの場所、それはとある廃ビルであった。この場所から見える景色はとても絶景だ。 一目見た俺は親父に頼み込んでこのビルを買い取ってもらった。まぁ、俗にいう別荘だ。 買ってもらった俺は家具やらいろいろなのをこの場所に持ち込んでいた。 あいつは・・やはりこの窓から見える景色に夢中になっていた。そりゃそうだ、なんてたってこれが気に入って 親父に頼み込んだんだけどな。 ・・俺は久々みるこの景色を楽しんでいると、しばらくしてか・・あいつが突然、振り向き・・ 何と俺に抱きついてきた!!どうしたって言うんだ!!遊園地の影響がまだ残っていたのか!? もしかして、こいつあのときのことを根に持っているのか? 女性特有の柔らかい体の感覚を肌で感じながら・・俺はそっとあいつを離した。 帰り際は行きの雰囲気とは打って変わって、あいつは金魚のように口をパクパクさせながら 俺と帰り道を歩いていった。そういえばあっという間だったな。・・なんだかな。時がたつのは早いというか なんというか・・ あいつと別れた俺は・・時間の経過を恨めしながら家路へと向かっていった・・ *** 33 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 20:13:07.57 mPIqPb4J0 ×月◆日・・とうとう、この日がやってきてしまった。そう、あいつの家庭教師の日だ。この日のために 何度家庭教師の本を読みまくったか・・無事に教えられるかどうか心配だ。それにどうも担任に聞いてみたら あいつの成績は著しくないどころかとことんやばいらしい。このまま行くと・・進学できるかも危ぶまれるらしい。 ・・全く、本来なら逆のはずなのだが、まぁ仕方ない。 そして俺はあいつの家へとたどり着いた。中に入ると以外にもあいつが出迎えてくれた。あいつは何かを隠すようにしながら俺を部屋へと 案内してくれた。そんで、飲み物を用意してくれるらしいので待ってみた。しかし、こいつの部屋は・・見た目まんま男の部屋だな。サンドバックがある 部屋なんて早々いないもんだ。俺はいろいろ部屋を見回していると、あいつが飲み物を運んでくれた。 さて、ここからが大変だ。 勉強のべの字を知らないあいつをどうやって成績を上げようかね。まぁ、悩んでも仕方ない。まずは、数学からだ。 徹底的にわかりやすく解説したノートを手に取りながらあいつの家庭教師を開始した。 *** 28 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:24:08.16 mPIqPb4J0 数学に手をつけてものの数分か・・あいつは早くも数学を投げ出した。俺はゆっくりとあいつに いろいろなことを教えてるのだが、どうもわからんらしい。おかしい・・椿のときにはあり得なかったことだ。 椿の場合も根をあげていたがものの数時間程度だぞ。それに椿には好評だったノートだが・・あいつの頭では チンプンカンプンらしい。困ったものだ。俺はとりあえず中学の問題を作りあいつにやらせたのだが・・結果は全く駄目であった。 こいつ・・基礎中の基礎からやり直しか・・ それに昔からの因縁もあってか、俺が教えようとしたのだがそこから口喧嘩へと発展してしまうことも多々あった。 それでも俺は根気強くあいつに数学を教えてきたのだが・・結局、ドロップアウトしてしまった。 まぁ、基礎中の基礎ができてなくて当然か・・俺は次の教科へと移った。 英語はもっと酷かった。一応英語の文の構成を教えて来たのだが・・あいつは日本人がどうのと駄々をこいたので数学よりも さらにスローペースで進んでいった。それでも俺は何とか英語の文の構成を教えて簡単な単語へと移っていった。 まさか、中学生と同じ内容をせなきゃならんとは・・ここ先が思いやられる。とりあえず、ほかの教科も見てみたのだが全くのざらだった。 こいつの成績を普通並に上げるのがここまでかかるとは・・ とりあえず俺は教えるポイントポイントごとに赤ペンで丸をつけていた・・ *** 34 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:40:02.87 mPIqPb4J0 数分してからか・・ようやく、基礎中の基礎はましになってきた。珍しく俺の横で問題をノートにとって 解いているあいつ・・まぁ、中学レベルだからすぐにできるだろう。英語のほうも何とかましになってきた。 そういえばこういったものは普通に頭のいい女ができの悪い男に教えるものなのだが・・本来は逆だな。俺は横から愚痴をたれながらも あいつの勉強を見てやった。 ・・それにしてもこいつ珍しく勉強しているな。そこまで成績上げたいのか? 珍しく、俺が雑談を吹っかけてきてもあいつは勉強以外のことはシカトを貫き通しやがった。 まぁ、勉強に真剣になったことはうれしいことだが・・なんだか寂しいな。俺は教えるポイントポイントを 潰していけばいいのだが・・こう、会話がほしいな。 俺がこう・・この閉鎖的空間に新鮮味を求めてる頃、ちょうどよく休憩にいい時間となった。俺はあいつに休憩を提案したのだが・・どうもあいつは無理をしているのか 頑なに休憩を拒んだ。・・しかし、人間休業も必要だ。俺はあいつの台所を借りて飲み物を持ってきてやることにした。 *** 41 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:57:41.19 mPIqPb4J0 台所から部屋に戻り、俺は2人分の飲み物を入れて戻ってきた。幸い、両親はいないようだ。まぁ、俺も手の込んだものはできないので インスタントのコーヒーだ。俺はあいつにコーヒーを差し出したのだが・・どうもあいつはなかなか飲もうとしない。 無理に言ってしまったからまずったのかね?だって、疲れた奴に差し入れするのは人間の心情で言えば当たり前だろ? ・・まさか、コーヒーに睡眠薬が入ってると思っているのか? 俺は睡眠薬の類は入っていないっと言うとようやくコーヒーを飲み始めた。本当に警戒していたのか・・ちとショックだ。 まぁ、気を取り直して休憩に入ったので、俺はようやく念願の雑談ができた。この部屋のことを聞いてみた。 この部屋って・・やっぱ男向けだったんだな。それにあいつも元男だ。そういうものを持っていても不思議じゃないな。 ・・雑談が続く途中、あいつの顔が若干赤くなった。俺はあいつのおでこを触ろうとしたのだが・・あいつのサラサラの髪をなでてしまった。 突然、撫でられたのかあいつはびっくりし始めた。・・こいつなかなかかわいいじゃねぇか。 顔を赤らめながら怒鳴り上げるあいつに・・俺はある種、胸のときめきを覚えた。 俺の手にはふと触ってしまった髪の感覚がまだ残っていた。
*** 357 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:06:15.80 SKxjTJta0 ここにとある日記帳がある。 ずいぶんボロボロのようだが、まぁ気にしないでほしい。 これは・・中野翔の生涯がたくさんつまった日記帳である。 過去に彼の宿敵となった男・・それが今では最大の妻である。その心境の変化が随所につまった 日記帳である。 ・・では、こっそりとその内容を覗いてみよう。 *** 362 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:19:40.46 SKxjTJta0 ○月○日・・・今日、日記を買ってみた。まぁ、買ったといってももらい物だが・・ このままではもったいないので日記をつけてみようと思う。3日ボーズにならんようにはする。 そういえば俺らの歳では女体化シンドノームが恐れられているらしいが俺はすでに童貞ではないので 恐れることなど何もない。相手は・・まぁ、反りが合わんというか何と言うかやってすぐに別れっちまった。 ま、余り語りたくないのでこの話は置いておく。 まぁ、今日あったことだが・・これといって特にない。ただ、今の学校の先公が気に食わん。 俺の妹・・椿であるが青春真っ盛りの中学2年生である。ただ、全く恋をしないのはどうかと思う。俺に似て外見はいいのだからモテているとは・・思う。 そういえば俺が中学2年の頃といえば、仲間とつるみながら喧嘩真っ盛りだ。まぁ、俺も随分と名の知れた奴になったものだ。ひと呼んで“殺戮の天使”とは 俺の事を指すね。・・そういえばあいつに出会ったのもこの歳だった。通称“血に飢えた狂犬”・・相良 聖。俺が唯一決着をつけれなかった相手だ。高校にあがってからは 出会っていないが、もし決着を付けられるなら付けたいものだ・・ あいつ・・女になっていなきゃいいがな・・ まぁ、あいつは外見はごついがあれだけ喧嘩が強ければそれなりに持てているだろう。 おそらく童貞ではないな。 来るべき決着か・・思っただけで腕が鳴ってきやがったぜ!! *** 366 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:48:11.67 SKxjTJta0 ○月×日・・あ~あ・・一ヶ月ぶりだ。すぐにサボっちまうな俺は・・ それよりもとうとう俺も学校を退学になってしまった。なんでか?ダチをかばうためにいっちょ暴れたんだよ。 原因は俺のダチのバイトだ。あいつ学校で内緒でバイトしてたんだよ。もちろん、ちゃんとした理由でだ。 あいつの家の家計が苦しいらしい・・たいした奴だよ全く。しかし、学校の先公がそいつに腹立った 言い方しやがったもんだからブン殴ってやったのよ!!何が「そんなくだらない理由で」っだ!! 俺は怒ったね。・・限りなく。 んで、俺らは仲良くそろって退学になったが退学にされたダチは何とか働いているそうだ。良かった良かった。 そんなことで俺の奢りでそいつの記念日パーティをした帰りに俺は・・あの気配を感じていた。 そう・・“相良”の気配だ。間違いなかったね。あの気配は何年経っても忘れちゃいない・・ んで、気配のする方向へ行ってみると、何とこれまた美人の女が発してやがった!! ・・まさかあの野郎、女になってしまったのか?何かの間違えかと何度も思ったが、あの気配は間違いなく相良だ。 だとしたらえらい変わりようだ!!!! 一流モデル真っ青の抜群なスタイルに長く繊細な髪にその容姿・・完璧な美人じゃねぇか!!・・いや、美人という言葉じゃ 足りねぇ・・大美人だ。って、俺は何男に欲情してるんだ。あいつはあの相良だ。血に飢えた狂犬と称される奴だ。 奴の出るごとにほとんどの奴が血を見ることとなる。 それにしても女になって強いのは相変わらずだが・・戦い方が変わっているな。以前の奴ならごつい体格を活かした 攻撃方法を行っていたのだが・・女になってから小技を活かしたものとなっている・・それに相手の力を利用したもんだ。 それに自分の必要最低限の体力しか消費していないな。 *** 368 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:59:23.43 SKxjTJta0 っと、呑気に観戦してたらあいつ油断して腕をやられてしまいやがった・・ それにまだほかのも隠れて嫌がるな・・おもしろい。あいつに加勢してやるか!!腕ならしにはちょうどいい!!! ・・片っ端から行くか! やっぱ俺の勘は冴えていやがった。後ろには念のためか武装した奴らが30人ほどいやがった。俺は瞬時にそいつらをブチ殺すと あいつのほうへと向かっていった。 ・・流石に隠し玉を失ったのかリーダー格と思われる奴は片腕をやられた相良にぶちのめされていた。 それに相良は女になってから合気道を始めたらしい。・・どうりで隙のない細やかな動きだったぜ。それになんか2人きりでいると あいつも結構いいじゃん。・・っていかんいかん。あいつはあの狂犬だ・・あの血に飢えた・・ 「じゃあな・・本当に今日はありがとな。」 その台詞ととびっきりの笑顔を残してあいつは俺の下を去った・・ 何だよあの顔から出る笑顔は最悪だぜ、不覚にもときめいてしまった。 畜生!!反則じゃねぇかあれは!!・・男ならみなああなる。過去のことはすっぱいてだ。 俺は胸に残ったヤワヤワ感とあいつの笑顔が頭に浮かびながら家へと帰っていった。 *** 576 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 18:20:16.22 uin1LSN20 ○月△日・・・そういや、学校辞めた俺はどうしようかね。今のところはバイトで食っているが、このままではきつい。 それに後々就職するときは学歴がいるな・・ まぁ、親にはなんて説明しようかね。息子が突然退学しましたって言ったらドびっくりこくだろうなwww ・・っと、学校探さなきゃな。そういや、あいつはどこの学校に通ってたんだっけな? ってなんで奴が出てくるんだ、違うだろ。・・まぁ、考えたって仕方ない。 ここにするか・・母さんたちに話し通さなきゃいけないな。 試験?そんなものこの俺には余裕だ。嫌ほど家庭教師をつけられたから勉強なんて自然と覚えてしまう。 前の学校でも成績はTOP10に入っていたらしいからな。しかし・・俺はなぜ、この学校を選んだんだ? 家からかなり遠いし・・あの場所から行っても結構時間がかかる。だが・・この学校に入れと俺の何かが唸っている。 いったい何があるんだこの学校に・・まさかな。 さて、転校初日はどう目立とうかね・・ *** 580 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 18:31:59.98 uin1LSN20 ×月○日・・当然のごとく、試験を通った俺は無事にこの学校へと入学できた。 親から制服やら鞄やらをもらうと俺は担任と一緒に教室へと向かった。まぁ、辺りを見回してみると一見まじめそうに見えるが こういうところにはうじゃうじゃいるからな・・さっきも歩いているときに2,3人俺にガンをつけてきやがった。こりゃ、早く歓迎をもらえるかもな。 そんなことを考えていると俺は教室へと入った。 そのとき、俺は驚愕した!!なんと・・あいつがいたのだ。 偶然かこれは・・? 転校生お得意のシチュエーションになったとき、俺は担任の話など全く頭に入っていなかった。 俺はタイミングを見て転校生お得意の挨拶をかますとあいつの席の隣へと案内された。 一応、過去ともいざこざがあろうとも隣同士だ、挨拶はせねば。俺は一応あいつに挨拶はしたのだが・・ あいつは俺の顔を見たとたん、顔を赤くしながらプイッとそっぽに向けると下にうつむきながら黙りまくっていた。俺はこれ以上言及しようがないので仕方なく 前に向くことにした。・・せめて、話してくれよな。でも、なんであいつは顔が赤くなったのだ? まさか、俺に別の感情を・・って何想像してるんだ俺は!!想像するには相手を考えなければ・・ 結局俺は転校初日にして昼食中に先輩たちから呼び出され、熱~い歓迎を受けるのであった。 *** 583 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 18:55:10.29 uin1LSN20 どうやら、この学校に来ても俺の名前はかなり通っているらしい。まぁ、俺たち流の新入生の歓迎というのだが、一応断っておこう。 先輩たちは文字通りに定番の負け台詞を吐きながら俺に襲い掛かってきた。・・それにしてもあいつ俺を監視してやがるな。後で相手でもしてやるか・・ 俺はでっかいゴロツキを裁きながらあいつの様子を伺っていた。 数分後、ものの見事に転がっているゴロツキを見ながら俺は隠れていたあいつを呼び出した。隠れていたあいつは堂々と俺の前に登場すると即座にやる構えであった。 そうだ・・こいつはあの相良だ。女になったところでそう簡単に俺との決着を忘れてなんかいないだろう。 でも、あいつはもう女だからな。女を殴るわけにはいかんし・・そう考えていると先手必勝といわんばかりかあいつは俺の元へと俺の元へと殴りかかろうとしたが・・ 間一髪、予鈴のチャイムに救われて何とかその場をやり過ごした。どうあれ女を殴れば俺のプライドに傷がつく。 ・・それにしてもあいつとの決着、どうすっかな。なんか、あいつが女になったとたんどうでもよくなってきた。・・あいつが女になったんなら付けようがないからな。 でも、あいつは未だに付けたがっているな。この問題をどうすっかな・・ *** 590 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 19:22:11.19 uin1LSN20 ×月△日・・・学校であいつがいたので軽く挨拶をしてみると完全にシカトされた。あの野郎ォ・・かわいくねぇ性格してるな。 それにどうやら俺のファンクラブでもできたらしい。・・全く、うざったい存在だ。まぁ、干渉してこなければいいのだが・・ まぁ、シカトされたままじゃつまらんので、あいつに話しかけてみた。相変わらずシカトを貫き通してやがるな・・ ・・そして俺は俺たちの過去の決着について話した。するとあいつの手がぴたりと止まり、俺の話を聞いていた。 俺はもう決着を付ける気にはなれないと話したのだが・・そうするとあいつは突然俺の頬をひっぱたき始めた。俺は突然のことだったので 慌ててしまった。・・それにあいつは薄っすらと涙を浮かべていた。しかし、ぴっぱたかれては余計悔しいので俺も現実を見据えろときつい言葉を言ってしまった。 ・・周りが注目する中、あいつは走って教室から去った。俺はそのまま授業を受けるほかなかった。 しかし、俺の心はなぜかズキズキと痛み始めていた。 そんで、俺が適当に授業を受けていた頃。突然、内藤とドクオと呼ばれる奴が俺のほうへと走ってきた。こいつらはあいつのダチか・・ 昔から孤独一線のあいつがダチをもつようになるとはな・・ んで、話を聞くとどうやらあいつが珍しくやられているらしい・・加勢する気は全くなかったのだが、先ほどのこともあり 仕方なしに加勢することにした。さっきのことも含めて、ここ最近、俺は・・いったいどうしたんだって言うんだ!! ッタク!!あいつのことになるとすぐに頭が熱くなって来やがるぜ!! *** 595 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 19:44:10.01 uin1LSN20 屋上へ行ってみるとあいつはパワーバカ相手に珍しくやられていた。パワーバカは「おっぱい!!おっぱい!!」という意味不明な 言葉を発しながらあいつに襲いかかってきた。ムカついたので俺はそいつの頭を背後から思いっきり蹴ってやった。 案の定、パワーバカはわめきながら俺を睨んでいた。そんで俺は顔面にニーを思いっきり入れるとパワーバカはもろくも倒れていった。 さらに俺は鳩尾に思いっきりパンチを放ちTKOをやってのけた。パワーバカを倒した俺は怯えるリーダーと思われる男を睨みつけた。 すると、あいつが復活したのか思いっきりリーダー格をボコボコにしてた。どんな方法でボコしたのは余り書きたくないので置いておく。 ま、さっきのは言いすぎたな。俺は一応あいつに謝っておいたがどうなんだろうな。 するとあいつが俺にこう聞いてきた。 「あ、ああ・・なぁ、どうしてお前は目の敵である俺を助けるんだ?」 正直この回答には困った。冷や汗ダラダラだ・・自分でも聞きたい。なぜ俺は最大のライバルであり決闘相手でもある こいつを助けにゃならんのだ?正直言って俺は困惑していた。俺が必死になって答えようとしたそのとき、あいつのダチたちが現れやがった。 ダチが現れるとあいつは急に離れろといってきやがった。ムカついたので俺はさらに現実を見据えて余り喧嘩すんなときつく言ってしまった・・ もちろん聞いていたあいつは無言になり怒りのオーラを発していた。・・まぁ、でもこいつがみすみすやられるなんて想像もできないししたくない。 ・・そんな俺のわがままかも知れんな。 俺はそのまま教室に帰らずその辺をぶらついた。 *** 602 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/18(水) 20:03:08.07 uin1LSN20 今日は学校にいてもつまらんのでサボることにした。どうせ授業の内容なんて頭に入っているし簡単な予習さえすれば万全だ。 決してシカトされたからって機嫌が悪いわけじゃない!ただの気分だ!! まぁ・・一段と言い過ぎたのかもしれん。俺も心を落ち着かせるために散歩でするか・・ その辺をぶらついていると・・公園のベンチに座ったあいつがいた。俺は自販機でジュースを買うとあいつに差し出した。あいつは一応受け取ってくれたがなんだか 無気力状態であった。俺はあいつの横に座ると、話すネタもないので自分たちの過去について話し始めた。・・そういえばこいつとは面と向かうのは初めてだな。 いままで拳と拳でぶつかってきた中だから当然か・・ 話を終えてからか・・俺は立ち上がり、あいつに向かいながら更なる現実を教えるため、あいつに今のまま俺だったら倒せると宣言した。 案の定あいつはむくっと立ち上がり、俺に詰め寄った。・・こいつ、近くで見るとかわいいもんじゃねぇか。 俺は構えているあいつをデコピンするとあいつはパンチを放ったがヘナヘナだったのですぐに受け止められた。 そんで俺は・・なんとあいつを抱いてしまった!!決して欲情したわけではなく付加抵抗で(ry しかし、こうして抱きついてみるとすでにあいつは女の体つきになっており・・柔らかかった。そんで俺は意地悪な質問をしながら あいつを抱きしめていた。・・そのときに俺が今までに抱いていた相良のイメージは完全に払拭しており、現在の相良のイメージが構築されていった。 しばらく抱きしめているとあいつもとうとう観念したのか俺の好きにしろといってきた。まぁ、これじゃ悪いので俺は離すことにした。すると離されたあいつは立つこともできずに へなへなとその場に立つすくんだ。このままほうっておいても悪いので俺はあいつをおんぶすると家まで送ってやった・・ その時の感触はというと・・柔らかく、癒されるような感覚であった。 *** 56 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 16:55:01.36 t2N7oZ8T0 ×月□日・・今日の俺は珍しく遅れてきてしまった。理由は、家の妹である椿の家庭教師だ。 あいつ遊んでばっかで成績が著しくないらしい。そんで親の命令で俺が家庭教師をすることになった。 まぁ、断ることもできたのだが学校のことで迷惑をかけていたのでたまには引き受けることにしたのはいいのだが・・ 俺の妹なのに勉強がざらだ。基本からなっちゃいない。そんで俺は椿に基本から教えることになったのでかなり時間がかかり寝るのが 遅くなったわけだ。まぁ、でもあいつもバカじゃないので俺が一から教えると順々にわかってきたようで何とか普通になってきた。 ・・家庭教師は大変だとしみじみに思うのであった。 まぁ、学校ではまぁ、移動もない。たいした授業ではないので思いっきり昼休みまで寝ることができた。やることやったら誰だって文句はいわんだろ。 俺はつかの間の休息を味わいながらゆっくり睡眠をとることにした。 ・・目が覚めた頃には昼休みだった。あいつは・・どこか行ったのか?俺の隣にはいなかった。そんで俺は適当に昼飯を食べようと思ったのだが、あいつの机の上に ノートが置いてあった。どうも、国語のノートらしい。俺は中を見てみると内容に驚愕した。・・・こいつ、全然勉強していないじゃないか!!ほとんどノートにも 何も取っていないしまずいだろうな。こいつ・・どうやってこの学校に入ったんだ?まさか裏口・・なわけねぇよな。それにしてもこれはひどすぎる。 ・・進路のことは考えているのだろうか? 俺はあいつのノートを手に取ると放っておけばよかったのだが、どうしても放っておけなかった。 お人好しではないと自分では重々自覚しているのだが、なぜか離れられなかった。俺はあいつのノートを元に戻すと飯を食べるのであった。 *** 59 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:14:39.77 t2N7oZ8T0 お昼休みが終わり、英語の授業が始まると俺はさっきから秘めていた想いを実行することにした。 とりあえず、授業自体の内容はたいしたことないので当てられてたら適当に答えを述べた。 そんで、俺は席に着くとあいつのノートを取り上げて家庭教師の事を持ちかけた。・・それにしても英語のノートなのに英語が全然書いてないじゃないか。 あいつは家庭教師ぐらいでえらく動揺しておりかなり目立ってしまった。まぁ、あいつが落ち着きを取り戻す頃、俺はあいつに成績のことを話した。 そしたらドンピシャリ見事に成績は共産主義真っ青に真っ赤に飾られていたらしい。唯一の黒が体育らしい・・お前はどこぞの小学生か? 俺が家庭教師をしてやると言ったら案の定かなり抵抗をしてきやがった。ついでに突き出した条件がまずかったか・・ しかしここで退いては男が廃るな。余り俺からも言いたくないが、ダ ブ り のことをほのめかしたら流石のあいつもしぶしぶ承諾した。 まぁ、やり方が汚かったがこうして俺はデート権と家庭教師をあいつに取り付けてやった。取り付けた後、あいつに俺が得することばかりじゃないかと 突っ込まれたが一応興味はないとお前なんか否定する。そんで、俺が手を出したら殺してくると言ってあいつはそっぽを向いた。 俺は自然と高鳴る心に躍らされて明日の予定を立てることに集中した。って、相手はあの相良か・・いくら女とはいえ元宿敵、こういう関係もありかね。 それに・・あいつこの話題つきたてたとき抵抗はしたものの機嫌は悪くなかったな。 さて、何教えようかね・・ このときの俺はすでに元の関係を差っぴいてあいつに惚れていたのかも知れないな・・ *** 61 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:29:06.87 t2N7oZ8T0 ×月⊿日・・ついにこの日がやってきた。天気は文句なしのド晴れで雨は降る気配もない。 俺は軽くしたくすると、ダチのつてで手に入れた映画のチケットと遊園地のチケットを手にしながら待ち合わせ場所へと 向かっていった。きっと大人しく俺を待っていてくれたら一番いいのだがな・・まぁ、でも今日は楽しく行かなきゃな。 ダチからもらった映画のチケットを軽く握り締めると俺は待ち合わせ場所の公園へと向かった。 俺の想像も虚しく・・あいつ、100%目立っていやがった。というか嫌でも目立っていた。なぜなら男数人をのしていたからだ。そこには女としての 気品さや雰囲気なんてものはあったもんじゃない。女1人に相手は男5人・・男のほうはいいように扱われていた。もはやあいつの独壇場になった頃、俺は一応止めさせた。 あいつの腕を止めると俺はやめとけと止めた。・・これ以上やると死者がでるかもしれん。あいつにどこ行くのかと予定を聞かれてしまった。 そういえば・・予定はどうだっけ?しまったぁぁぁ!!俺としたことが忘れてしまった。とりあえず最初は映画・・いや、喫茶店か?ああ、頭がこんがらがってくる!! そうだここは素直に話そう。俺は素直に話すとあいつは帰宅体制に入った。流石にそれだけはまずいので俺はあいつを引き止めると嘘だといい何とかごまかした。 ・・こうなったら破れかぶれだ。映画から行こう。 俺はあいつに映画のチケットを見せ付けると映画に行くことにした。・・そういや中身は確かなんだっけ?俺は内容など気にせずに チケットを見ながら映画館へと向かった。 *** 62 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:42:06.38 t2N7oZ8T0 映画の内容はというと・・完全なエロ映画だった。流石に俺は見慣れているので普通に見ているとあいつは突然怒り出した。 元男だから俺は多分大丈夫だと思ったのだが・・やはりまずったか。流石にブチ切れ寸前で、あいつは映画の途中で映画館から出て行ってしまった。 ま、流石にまずいので俺はあいつを追いかけることにした。するとあいつは不機嫌ながらも俺は何とか落ち着かせた。あの野郎・・俺にあんなチケット 渡しやがって!後で何かおごらせてやる!!! 俺がチケットをくれたダチに報復を決意するとあいつは過去の俺の恋愛話を聞いてきた。そういえば、俺はまともなデートはしたことないな。ほとんどの女はあらかじめ指定した 場所へと来たからな。所詮俺は顔だけ・・っと言うことだろうか。だからこういったデートも初めてといっちゃ初めてだな。 そういえばここはあの場所から結構近かったけな?あいつを招待してやるか。まぁ、とりあえず俺たちは喫茶店に入ることにした。 喫茶店に入ると周りの視線を感じるようになった。まぁ、そうだろうな。あいつはかなりの美人だ。目立つなというほうがおかしいかもしれん・・そういえば遊園地のチケットがあったな。 今度は大丈夫そうだ。かなりの知名度のある遊園地だ。・・そういえばこいつ喫茶店に来たとたん膨れっ面になったな。かわいいが機嫌が悪いと困る。 俺は次は遊園地に行こうと提案した。まぁ、映画のこともあり警戒はしてたものの一応行く気みたいだ。俺は2人分のお茶代を払うと遊園地へと行くことにした。 *** 64 名前: ◆Zsc8I5zA3U 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 17:55:29.93 t2N7oZ8T0 遊園地にたどり着くと結構まともだった。その点についてはよかった。しかし、中に入るといざ乗ろうと思ったら右も左にも絶叫マシーン ばかりであった。そういえばこの遊園地は絶叫ものが売りだったよな。・・昔、別の遊園地に行ったときに絶叫ものに乗って事故になった。何とか無事に救助されたが当時幼かった俺は 死との隣り合わせの絶叫を嫌ほど味わった。それ以来・・俺は絶叫ものが大の苦手になった。まさか・・これに乗ろうと言い出すんじゃないだろうな。 足のすくむ俺を見たのかあいつはニヤリとみながら俺にとある勝負をたたきつけた。それは、この遊園地にあるすべての絶叫ものに乗り込んでどれだけ耐えれるというものだ。絶叫ものの苦手な俺には 堪らんものであった。しかし、勝負といわれれば退くことができん。それに好き勝手言っているあいつの鼻をあかしてもやりたかった。軽いトランス状態に陥った俺はとんでもないことを言い放った。 それは俺が勝った暁にはあいつが俺の彼女になるということだ。さすがのあいつも動揺を見せており、少し驚いていたがあいつが勝てばこれからある家庭教師免除というもんだった。 流石に少し動揺はしていたのだが勝負となっちゃ退くことができずにあいつはそれを承知した。 こうして、デートから勝負に転じた遊園地めぐりは互いの体力が尽きるまでのガチンコバトルへと変貌した。 しかし、俺が勝ったらあいつがはれて彼女となるのか・・それはそれでいいのかも知れんな。こうなったら負けられまい。 俺は幼い頃のトラウマと戦う決意をした。 *** 11 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/22(佐賀県庁) 17:53:38.92 0Ts8LDVA0 結局俺は幼い頃味わったトラウマと戦うことにした。最初のコースターはどっちかというと幼い子供向け・・ 軽いものだった。周りには親子連れがたくさんいたのだが、俺らのような男女のカップルはいなく、余計浮いていた。 突然、体が武者震いしてきた。俺はあいつに気づかれんように振るえを止めてコースターへと乗り込んだ。 ・・終わってみると俺はスッとしたような気分であった。なんだ、コースターとはあんなものか。最初の震えは何だったのだろうか? 幼い頃のトラウマはスッと消え去り、俺らは次のコースターへと向かった。次のは一気に一般向けのへと昇格した。っといってもこの遊園地はさほどが 絶叫系で占められているため、こういったものが多かった。このコースタになるとちらほらとカップルが見かけるようになった。俺もそろりそろりとあいつに 近づこうとしてたのだが・・まんまと距離をとられた。そういえばせっかくこの状況なのに話もできないとはなんとも不憫なことか・・ まぁ、いちいち期待していたらまずいのかもしれん。ここは冷静に勝負事を片付けていこう。もしかすると、あいつも本気なのかもしれんしな。 そして俺は2機目のコースターへと乗ることにした。 ・・・何だあれは!!さっきのと大違いじゃないか!!!まぁ、一般的なジェットコースターなんぞこんなものか。それにまだ後5機以上も乗り回さんといかん。 隣にいるあいつは・・なんて余裕な表情だ。俺の顔を見たとたん微笑していやがる!う~む、このままだと負けてしまう可能性があるな。なるべく表情で悟られんようにせんとな。 ・・それに周りからの視線が一段と強くなってきやがった。もしかして、よほど羨ましがられているのだろうか? いくら俺らが美男美女であっても昔の宿敵同士だ!!言葉ではああいっても、昔の因縁というのはそう簡単には捨て切れん。 それにあいつも目がマジだ。俺にはわかる。 俺らは一層、互いに絶対負けん!!オーラを出しながら遊園地のアトラクションの制覇に勤しんだ。 *** 13 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/22(佐賀県庁) 18:15:06.08 0Ts8LDVA0 かれこれ数時間経っただろうか・・ 記憶の限りに説明しておく。とりあえず遊園地のほとんどの絶叫マシンを乗り継いだ俺は体がだるく 足もフラフラ状態で体力も消耗していた。あいつも見てみると明らかに俺と同じ状況であった。やはり女の体は消耗が激しいのだろうか? 互いの闘志をむき出しにしながら俺たちはこの遊園地の名物であるクォリティコースターへと足を進めた。 さすが、この遊園地名物だけであってかなりの絶叫マシンだった。ものすごい高さの部分を一気に急降下しながら 数々のループを潜り抜け、そして地下へ到達し、その地下でも様々な絶叫部分が用意されている・・考えただけでおぞましい。 説明を聞いているだけで俺は先ほどとは比べ物にならない武者震いを感じた。そういや宣伝でここのコースターのことを大々的にしていた覚えがある。 こうなったら破れかぶれだ・・やるしかない。俺らは互いに降伏勧告をしたがもちろん従うはずもなく通路を進んだ。途中退席の通路を通り過ぎるたんびに俺はあの幼い日の記憶が 蘇ろうとしていた。 ・・数年前、当時小学校低学年の俺はまだ幼い椿と一緒に家族全員で遊園地に行った。そんで俺は親父と一緒に当時の遊園地の名物の絶叫ものに乗ったのだが、電気関係のトラブルか 高さ300メートル地点で取り残された。あの頃はマジで死ぬかと思った。幼い俺は必死に親父にしがみつきレスキュー隊に救助された。 その頃の影響か、俺は高所恐怖症と絶叫マシーン恐怖症の2つがついた。 それで親父が怒るに怒ってその遊園地を閉店まで追い込んだ。俺は親父が連れ出した専門のカウンセリングがついたのだが・・結局元には戻らんかった。 途中退席の通路・・そこにいければ何と楽になれるだろう。しかし、これは男と男同士の勝負、あろうことか相手はあの相良だ。男は先にイモ引いたほうの負けだ。 男として・・負けるわけにはいかん!!そして・・俺らは最後の途中退席の通路を抜けるとついにクォリティコースターへと向かった。 ここで、決着がつく。家庭教師免除か・・それとも、晴れてあいつが俺の彼女となるのか? 結果はこのクォリティコースターへと委ねられた。 *** 9 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:57:54.92 mPIqPb4J0 俺らはクォリティコースターへと乗り込んだ。クォリティコースターは発車するとものすごいスピードで コースを駆け巡っていた。そして急に減速をし、ゆっくりとゆっくりと・・坂を上り詰めた。俺は下をみたくはなかったのだが、横を見るとものすごい高さまで 上り詰めており、人が豆粒・・いや、米粒ぐらいまでに見えた。ほかのジェットコースターもなんだかかわいく見えた。そして、目標の高さまで上り詰めるとコースターは ぴたりと止まり・・一気にスピードをつけてほかの奴らの大絶叫とともに急降下した。そのまま勢いをつけたクォリティコースターは3連にも続くループをそのスピードのまま一気に 回り続けていた。俺はもはや声を発することもできずにそのまま座るしかなかった。隣にいたあいつも俺と同じ状況で声すら発していなかった。 もはや・・俺の意識は限界まで上り詰めていた。 そんな俺の想いとは虚しくクオリティコースターは一気に地下へと到達し・・その地下でも様々なコースがあった。 しかし、俺の意識は地下の光景を見ることなく別の光景を見るのであった。 *** 11 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:59:17.28 mPIqPb4J0 “おやじぃ~・・なんで遊園地に連れて行かないのだ?” “あ、ああ・・ま、また今度な希・・” “それ何回も聞いたのだ。遊園地へ連れってってほしいのだ!!” 何だこの光景は・・俺はクォリティコースターの地下へと到達していたはずだ。それに・・あの幼い娘は、俺の娘か!! いや、待て。これは幻覚か蜃気楼の一種だろ。それに百歩譲って俺の娘だったら・・実の父親に向けて親父とは言わんはずだ・・多分。 それに外見からして・・俺の遺伝子は完膚なきに負けているな。奥さんはよほどの美人だろうな・・ “いいもん、ママか椿おばちゃんに連れて行ってもらうもん。それに・・おやじぃがなんで連れて行ってくれないか聞くもん。” “ば、バカいうな!!椿はともかく、あいつはなに言うかたまったもんじゃない!!・・代わりに、おもちゃ買ってやるからな” “・・お前は実の娘に向かって何言っとるのだ!!” 誰だ・・希と呼ばれる俺の娘を抱えてる女性・・肝心の顔が見えん!!サラサラのロングストレートではある。だが、肝心の顔が見えん。 なんでだ・・それにこの声、どこかで聞いた覚えがあるな。誰なんだ? ここで俺の意識は別の場所へと覚醒した。 *** 16 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:08:58.86 mPIqPb4J0 俺が目覚めると、とある部屋の一室だった。どうやら、俺は気絶したらしい。ふと見てみると先にあいつが目覚めていた。 係員にこっぴどく怒られる中、俺はなぜかあのときの光景のことをポツリと思い浮かべていた。 ・・あれは一体なんだったのだろうか?それに・・あれだって俺だとは限らない。もしかすると気絶して平行世界という奴を 見てしまったのかもな。まぁ、余り深く気にしないでおこう。 係員から開放された後、あいつが無理矢理勝負付けをするので食べ物で何とか釣ってやめさせた。 ここからはあの場所に近いのだが、この体力を回復させてから来たほうがいいのかもしれん。 俺のおごりともあってか、あいつはバクバクといろいろなものを食べていた。 ・・女のくせによく食べる奴だなと思ったな。多分、運動ばっかしてるから太らん体質なのだろうな。 ま、十分に体力が回復した頃、俺たちは遊園地を後にした。 ・・もう絶対絶叫ものには乗りたくないぜ。 *** 21 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:24:21.86 mPIqPb4J0 しばらく歩いているとあいつは裏で俺が襲い掛かるとか・・まぁ、なんともたくましい想像力を働かしていた。 俺は軽く否定すると、そのままあの場所へと歩を進めていった。ここまで来るともう少しだ・・遊園地からかなり歩くが こいつは元男だから大丈夫だろ。 そのまま気楽にのんびり歩いていると・・名の通った俺たちだからなせる業か、ちらほらと団体さんがお見えになった。 まぁ、どこで嗅ぎ付けてきたのかはわからないが、どうしようかね。俺たち2人がいれば負ける気はしないが・・数が多いな。 仕方ない・・ここからは散るしかないか。 ・・俺たちは互いに見合うと、そのまま二手に分かれて一気に逃げ出した。 やはり、俺たちが揃うとこんなことになるのか・・ちょっとはまともなデートをしてみたかったぜ。 だんだんと怒りに燃えてきた俺はそのまま立ち止まり・・武装している追っ手を殴り飛ばした。 当然追っては反撃してくるが、俺は構いもせずに怒りに燃えながら逃げながら追っ手を殲滅しながらあいつと落ち合う場所へと走り出した。 *** 26 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:49:49.08 mPIqPb4J0 流石に女のあいつは足が速く、あっという間に追っ手を巻いていた。 だが、俺はちょくちょく追っ手を殲滅しながら着たため当然、着けられていた。そしてうまいこと あいつと合流したのだが・・あいつを追っていた追っ手も含め、俺らはついに囲まれてしまった。 まぁ、半分は潰していたので多少は楽になったろ。 とりあえず、俺らはこの追っ手たちを叩きのめすことにした。まぁ、ものの数分もかからなかったが、相手のほうも俺たちが共闘してたことに たいそう驚いていたようだ。最後の台詞を言わせてやると、俺は最後の1人を叩きのめした。 あいつを見てみるが・・どうやら無傷に済んだようだな。ま、当然か。 無事追っ手たちを片付けると俺らはあの場所へと足を進めた。 *** 27 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:51:29.25 mPIqPb4J0 ・・俺のとっておきの場所、それはとある廃ビルであった。この場所から見える景色はとても絶景だ。 一目見た俺は親父に頼み込んでこのビルを買い取ってもらった。まぁ、俗にいう別荘だ。 買ってもらった俺は家具やらいろいろなのをこの場所に持ち込んでいた。 あいつは・・やはりこの窓から見える景色に夢中になっていた。そりゃそうだ、なんてたってこれが気に入って 親父に頼み込んだんだけどな。 ・・俺は久々みるこの景色を楽しんでいると、しばらくしてか・・あいつが突然、振り向き・・ 何と俺に抱きついてきた!!どうしたって言うんだ!!遊園地の影響がまだ残っていたのか!? もしかして、こいつあのときのことを根に持っているのか? 女性特有の柔らかい体の感覚を肌で感じながら・・俺はそっとあいつを離した。 帰り際は行きの雰囲気とは打って変わって、あいつは金魚のように口をパクパクさせながら 俺と帰り道を歩いていった。そういえばあっという間だったな。・・なんだかな。時がたつのは早いというか なんというか・・ あいつと別れた俺は・・時間の経過を恨めしながら家路へと向かっていった・・ *** 33 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 20:13:07.57 mPIqPb4J0 ×月◆日・・とうとう、この日がやってきてしまった。そう、あいつの家庭教師の日だ。この日のために 何度家庭教師の本を読みまくったか・・無事に教えられるかどうか心配だ。それにどうも担任に聞いてみたら あいつの成績は著しくないどころかとことんやばいらしい。このまま行くと・・進学できるかも危ぶまれるらしい。 ・・全く、本来なら逆のはずなのだが、まぁ仕方ない。 そして俺はあいつの家へとたどり着いた。中に入ると以外にもあいつが出迎えてくれた。あいつは何かを隠すようにしながら俺を部屋へと 案内してくれた。そんで、飲み物を用意してくれるらしいので待ってみた。しかし、こいつの部屋は・・見た目まんま男の部屋だな。サンドバックがある 部屋なんて早々いないもんだ。俺はいろいろ部屋を見回していると、あいつが飲み物を運んでくれた。 さて、ここからが大変だ。 勉強のべの字を知らないあいつをどうやって成績を上げようかね。まぁ、悩んでも仕方ない。まずは、数学からだ。 徹底的にわかりやすく解説したノートを手に取りながらあいつの家庭教師を開始した。 *** 28 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:24:08.16 mPIqPb4J0 数学に手をつけてものの数分か・・あいつは早くも数学を投げ出した。俺はゆっくりとあいつに いろいろなことを教えてるのだが、どうもわからんらしい。おかしい・・椿のときにはあり得なかったことだ。 椿の場合も根をあげていたがものの数時間程度だぞ。それに椿には好評だったノートだが・・あいつの頭では チンプンカンプンらしい。困ったものだ。俺はとりあえず中学の問題を作りあいつにやらせたのだが・・結果は全く駄目であった。 こいつ・・基礎中の基礎からやり直しか・・ それに昔からの因縁もあってか、俺が教えようとしたのだがそこから口喧嘩へと発展してしまうことも多々あった。 それでも俺は根気強くあいつに数学を教えてきたのだが・・結局、ドロップアウトしてしまった。 まぁ、基礎中の基礎ができてなくて当然か・・俺は次の教科へと移った。 英語はもっと酷かった。一応英語の文の構成を教えて来たのだが・・あいつは日本人がどうのと駄々をこいたので数学よりも さらにスローペースで進んでいった。それでも俺は何とか英語の文の構成を教えて簡単な単語へと移っていった。 まさか、中学生と同じ内容をせなきゃならんとは・・ここ先が思いやられる。とりあえず、ほかの教科も見てみたのだが全くのざらだった。 こいつの成績を普通並に上げるのがここまでかかるとは・・ とりあえず俺は教えるポイントポイントごとに赤ペンで丸をつけていた・・ *** 34 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:40:02.87 mPIqPb4J0 数分してからか・・ようやく、基礎中の基礎はましになってきた。珍しく俺の横で問題をノートにとって 解いているあいつ・・まぁ、中学レベルだからすぐにできるだろう。英語のほうも何とかましになってきた。 そういえばこういったものは普通に頭のいい女ができの悪い男に教えるものなのだが・・本来は逆だな。俺は横から愚痴をたれながらも あいつの勉強を見てやった。 ・・それにしてもこいつ珍しく勉強しているな。そこまで成績上げたいのか? 珍しく、俺が雑談を吹っかけてきてもあいつは勉強以外のことはシカトを貫き通しやがった。 まぁ、勉強に真剣になったことはうれしいことだが・・なんだか寂しいな。俺は教えるポイントポイントを 潰していけばいいのだが・・こう、会話がほしいな。 俺がこう・・この閉鎖的空間に新鮮味を求めてる頃、ちょうどよく休憩にいい時間となった。俺はあいつに休憩を提案したのだが・・どうもあいつは無理をしているのか 頑なに休憩を拒んだ。・・しかし、人間休業も必要だ。俺はあいつの台所を借りて飲み物を持ってきてやることにした。 *** 41 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:57:41.19 mPIqPb4J0 台所から部屋に戻り、俺は2人分の飲み物を入れて戻ってきた。幸い、両親はいないようだ。まぁ、俺も手の込んだものはできないので インスタントのコーヒーだ。俺はあいつにコーヒーを差し出したのだが・・どうもあいつはなかなか飲もうとしない。 無理に言ってしまったからまずったのかね?だって、疲れた奴に差し入れするのは人間の心情で言えば当たり前だろ? ・・まさか、コーヒーに睡眠薬が入ってると思っているのか? 俺は睡眠薬の類は入っていないっと言うとようやくコーヒーを飲み始めた。本当に警戒していたのか・・ちとショックだ。 まぁ、気を取り直して休憩に入ったので、俺はようやく念願の雑談ができた。この部屋のことを聞いてみた。 この部屋って・・やっぱ男向けだったんだな。それにあいつも元男だ。そういうものを持っていても不思議じゃないな。 ・・雑談が続く途中、あいつの顔が若干赤くなった。俺はあいつのおでこを触ろうとしたのだが・・あいつのサラサラの髪をなでてしまった。 突然、撫でられたのかあいつはびっくりし始めた。・・こいつなかなかかわいいじゃねぇか。 顔を赤らめながら怒鳴り上げるあいつに・・俺はある種、胸のときめきを覚えた。 俺の手にはふと触ってしまった髪の感覚がまだ残っていた。

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