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「つかさ ◆5oTYnFGYew」(2006/10/22 (日) 11:05:03) の最新版変更点
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*** 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:45:11.98 VssqLGsf0
ではいかせてもらいます。
二学期が始まって2週間ほど過ぎた金曜日。今は昼食のことが気になりだす3時間目。
退屈な国語の授業を適当に聞き流して時間が過ぎるのを待つ。
早く終わんないかななんて窓の外を流れる雲を見ていると、後ろの席の
森田がシャーペンで背中をつついてきた。
振り返り聞いてみる。
「なんだよ?なんか面白いものでも見つけたか?」
「ちげーよバカ。お前当てられてるぞ」
森田の言葉で慌てて前を見ると、担任で国語教師の神崎かおり(28歳)がこちらを
見ていた。
「橘くん?ボーっとしてちゃ駄目よ?ここ試験に出るんだからちゃんと聞いてなきゃ
ダメよ?」
「はーい。すいませんでした」
授業態度が悪いと思われるのは得ではないので素直に謝っておいた。
「ん~。なんだかあんまり反省してなさそうだね。田村君には特別に教科書97ページの
14行目から読んでもらおうかな」
*** 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:46:47.38 VssqLGsf0
ぬぅ。めんどくさいが仕方ない。
手に教科書を持って立ち上がり、14行目を探す。
しかし立ち眩みでもしてしまったのか、教科書の文字がぼやけて見える。
そしてそれは収まるどころかどんどん酷くなり、意識も朦朧としてきた。
ヤバイと思い、机に手をつき収まるのを待つが、収まることはなかった。
ついに足から力が抜け、自分の体が床に倒れるのを感じていた。
耳に教室のざわめきが聞こえてくる。世界が黒くなる。
ついに体は意識を保つことが出来なくってしまった。
「ん……」
目を覚ますと俺はベッドに寝かされていた。
上半身だけを起こしあたりを見回す。ベッドの周りにはカーテンが張られている。
その隙間から見える部屋の様子から察するにどうやらここは保健室のようだ。
そういえば俺倒れたんだっけ。おかしいななんか悪いものでも食べたのかなとか
考えていると、カーテンに影が映る。
そしてカーテンが開きこの保健室の先生である松川仁美が顔を覗かせた。
「あら、起きたの?もう大丈夫?」
「あ、ハイ。今はもう全然平気です」
「あれ?なんか声が……」
なんだか妙に声が高い。なんでだ?
「あ、まだ気付いてない……?」
「何をです?」
「ん~。ちょっと待ってて」
そう言いカーテンの向こうに引っ込み、1分もかからないうちに戻ってきた。
*** 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:48:08.89 VssqLGsf0
手には何故か鏡を持ってきている。
「あの……、あんまり驚かないようにね」
なんだか意味の分からないことを言っている。
「どういうことなんですか?」
「これ見たら分かるわ」
手に持った鏡を目の前にかざす。
そこに写るのはいつもと変わらぬ冴えない俺の顔のはず……。
ではなくとんでもなく可愛い美少女。
「あれ?これってもしかして……俺?」
「そうよ。女性経験がないと女の子になっちゃうって話聞いたことあるでしょう?」
「はい……。あの、元には戻れないんですか?」
確かに聞いていたが、モテない自分に経験などあるはずも無く、いつかは
変わるんだろうなぁなんて漠然と考えていた。
しかしそれでも元の姿に戻りたくて駄目もとで聞いてみたが……。
「う~ん。残念だけど無理でしょうね」
「そうですか」
「あんまり気にしないほうがいいわよ」
しかし女の子になったとなると、俺はいずれ男と付き合うのだろうか。
そのことを考えた途端に背筋がゾワっとした。
(男と付き合うなんて冗談じゃない……)
いずれはそうなるにしても今はとてもじゃないが無理そうだ。
*** 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:49:20.81 VssqLGsf0
「ところで今日はどうする?もう倒れたりはしないと思うけど、今日のところは
帰ってもいいのよ?」
先生から声が掛かった。
「あ、大丈夫です。受けていきます」
「そう。じゃあもうすぐ4時間目も終わるし、それまではここで休んでいるといいわ」
「はい。わかりました」
「あ、そうそう。お兄さんの直之くんが来てた。すごく心配してたよ」
直之が来たのか。後で大丈夫だって言いに行かないとな。
あの時から俺に何かあるとすごく慌てるんだよな。
4時間目が終わったら行くことにしよう。
*** 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:51:06.84 VssqLGsf0
4時間目が終わり、今は昼休み。
学食に向かう生徒、教室で弁当を食べる生徒いろいろいる。
その中で俺は兄のいる4組に向かう。しかしすれ違う生徒にじろじろと見られる。
たぶん今の格好のせいだろう。女の子が男子の制服を着てるんだから。
俺は周りの視線から逃れるように早足になっていた。
確かこの先の曲がり角のすぐ近くの教室が直之のクラスだ。
急いで角を曲がって教室から出てきた男子生徒に直之を呼んでもらう。
その時もやっぱりじろじろ見られた。
やっぱり帰れば良かったかな……。
「あの、何か?」
考え事してる間に来たみたいだ。いきなり声をかけられてちょっと
ビックリしてしまう。
*** 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:52:42.84 VssqLGsf0
「あ、直之。俺、つかさ。さっき保健室来たんだろ?」
「つかさ?……え?え?」
「な、なんだよ。手離せよ」
直之のヤツ、いきなり俺の顔を手で挟んできやがった。
さらに顔まで近づけてきやがる。
こいつ俺と比べて顔が良い……。そこそこモテるほうだ。そのせいなのか
鼻先にまでヤツの顔が近づいただけでドキドキしてきた。
「おい早く手を離せってば!」
恥ずかしてちょっと大きな声が出てしまった。顔が熱い。
「ほんとにつかさなの?じゃあお前が倒れた理由って……。それともう大丈夫なのか?」
「……御覧の通り。うんうん大丈夫だから」
「本当か?ならいいが……」
やっぱりまだちょっと心配なんだろうな。過保護もいいとこだ。
「ところで直之、昼はどうするの?」
「今日は学食に行こうと思ってるんだが、司はどうするんだ?」
「俺も学食行こうと思ってたんだ。一緒に食べようぜ」
「おう。じゃあ行くか」
*** 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:54:18.84 VssqLGsf0
二人で食堂に向かって歩き出す。
女の子に変わったせいで背が縮んでる。男の時は同じくらいだったのに。
175くらいあったのに今じゃ俺の体は20センチ近く縮んでる。ちょっと悔しいな。
ちらりと横顔を盗み見る。男だったときの俺とは似ていない横顔。
まぁそれもそのはず。俺達は兄弟だと言っても本当の兄弟ではないのだ。
両親の再婚で兄弟になったので血の繋がりは無い。
俺達が小学校低学年の時の再婚だったんで本当の兄弟のように仲がいい。
「席空いてるな。良かった」
二人で向かい合わせに座って食べ始める。
「それにしても可愛くなったな、お前」
突然の言葉に直之の顔を見たまま固まってしまう。
口に運ぼうとしてた焼き魚が箸からポロリとこぼしてしまった。
「な、なな。いきなり何言ってんだよ」
「いやいや、見たまんまの感想だ。ほんとに可愛いよ」
可愛いとか言われるなんて思わなかった。しかも兄に。
「う、うるさいな。俺は男なんだ。そんなこと言われても嬉しくないっての!!」
「元男だろ。今は女なんだ素直に喜んでおけよ」
「元でも嫌ものは嫌なの!」
*** 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/15(金) 02:55:22.64 VssqLGsf0
恥ずかしさが込み上げてくる。そんな恥ずかしさを打ち消すようにご飯をかきこむ。
「ごちそうさま!」
ここに一緒にいるとまた何か言われそうなので早々に退散することにした。
「あ、待てよ」
立ち上がりかけたところで声が掛かる。
「なんだよ」
ちょっと警戒して声に緊張の色が混じる。
ちょいちょいと手招きの仕草。何かと思い顔を近づける。直之が俺の口元に
手を伸ばして来た。
軽く頬の当たりに触れた。また心臓の鼓動が早くなる。
「ご飯粒ついてた」
指先には白い粒。それをパクッと口に入れる。
「女の子なんだから気をつけないと駄目だよ?」
子供に言い聞かせるみたいに優しく微笑みかける。
顔から火が出るほど熱くなってしまった。メチャクチャ恥ずかしい。
「う、うるさいうるさいうるさい!子供扱いも女扱いもするな!」
そう言い残し脱兎のごとく駆け出した。
「廊下は走るなよ~」
そんな声が聞こえた気がした。
*** 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/16(土) 01:01:09.95 navJZcBV0
食堂で直之と別れてから、そのまま自分の教室へ戻る。
何にも考えずズンズン入ってしまったのはちょっと失敗だったかも。
自分に気付いた近くの生徒から、水面に広がる波紋のようにひそひそ話が始まる。
今さら引き返せないのでかまわず自分の席に着いた。
「あのそこ橘の席なんだけど?」
森田め。なんの億劫も無く話しかけてきやがって。
「俺は橘だ。だからここに座ってるんだ。何か文句あるのか」
振り返って言い返す。ちょっと口調が荒いのはイライラしてるせいかもしれない。
「お前が橘?お前女じゃん。でもなんで男子の制服着てるの?」
めんどくさいけど説明してやった。
そしたらこの森田のヤツめ。とんでも無いことをしやがった。
「お~い。高野、青山、小西!こいつ橘!!例の女になるってヤツで女になったらし
いぞ!!」
離れた席で話していたやつらに大声で叫びやがった。
その瞬間にざわめきが広がる。なんか教室から飛び出していくやつもいる。恐らく
他のクラスにも伝えにいったんだろう。
「バ、バカ野郎!大声で言うな!」
「どうせすぐ広まることだろ。そんなこと気にすんなよ」
気にするってんだ。
*** 369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/16(土) 01:06:53.07 navJZcBV0
じゃあ一気に投下していきます
「なぁなぁ森田。さっきの話本当?この子橘なの?」
「おぉ。本当らしいぞ」
比較的席の近かった青山が先に来て森田に質問している。
「俺の彼女になってくれ」
「断る」
高野と一緒に話していた小西が俺の前に来るなりたわけたこと言ってきやがった。しか
し即答で撃墜した。
「乳揉ませろ」
「嫌だ」
そんなことさせるはず無い。
「なんか小さくなってるね」
「そうだな。女になると背も低くなるんだな。今160も無いかもしれん」
青山はわりとまじめに質問してきた。
「スリーサイズは?」
「知らん」
バッサリと切り捨てる。それに知ってたとしても教えない。
「乳揉ませろ」
「……」
高野は無視した。
*** 370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/16(土) 01:07:39.27 navJZcBV0
「髪も伸びてるね」
「ホントだ。顔が変わるだけじゃなく髪も伸びるのか」
気にしてなかったけど肩位まで伸びている。それにしても青山は真面目で良いやつだ。
「もう一度言う。俺の彼女になってくれ」
「もう一度言う。断る」
なんだよコイツ。そんなことしか考えてないのかよ。
「乳揉ませろ」
「……」
高野は完全に無視した。
なんだか一気に相手をしたせいで疲れてきた。
早く先生が来ないかなと思ったところでタイミングよく先生が来てくれた。
「よ~し。始めるぞ、席に着け」
「ほら、お前ら散れ」
しっしっと追い払う仕草をする。
バカ2人の相手をしたせいで疲れた。この時間はもう寝ることにしよう。
そう思い机に伏せた。9月にしては心地よい日差しで、すぐに眠れそうだった。
*** 372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/16(土) 01:09:18.10 navJZcBV0
目を覚ますと教室は夕焼けでオレンジに染まっていた。
寝起きの頭で考えること数十秒。
「もしかして俺……。置いていかれた?」
何だよ。みんな酷いな。せめてホームルームの時に起こしてくれてもいいのに。
「お、やっと起きたな。じゃあ帰るか」
自分の右側からいきなり声が掛かり驚いてしまった。
「わ、わ。直之。いたのか。……ってなんで起こしてくれないんだよ!」
「スマンな。多分疲れてるだろうと思って起こさなかった。それに……」
「それに?」
「よだれ垂らして気持ち良さそうに寝てるのに、それを起こすのはかわいそう
に思えてな」
「え?え?嘘、よだれ!?」
慌てて口元に手を当ててみるが……。
「なんだよ。よだれなんか垂らしてないじゃないか!くだらないこと言うなよ!」
見るとイタズラっぽい笑みで俺を見てる。
またこいつにいいように遊ばれたと思うと悔しさと恥ずかしさで頭がいっぱいになる。
なんだか直之は、昔からこんなしょーもないこと言って俺があたふたするのを楽しんで
る節がある。
「そう怒るな。ほら帰るぞ」
「ていうかなんで俺が起きるの待ってたんだ?さっさと帰ればいいのに」
「ん~。まぁ、それでも良かったんだがな。また倒れたりしたら大変だろ」
「だからもう大丈夫だってば。心配しすぎ」
鞄を持ち席を立つ。一緒に連れ立って教室を出る。
こんな調子で喋りながらだったからすぐ家に着いた。
*** 483 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:24:22.75 BBcr9tEH0
保守感覚で行こうと思う
あと微妙に得ろ注意
家に帰ると母さんから連絡があったようですでに父さんも帰ってきていた。
倒れたってことも聞いてるらしくとても心配してた。
母さんが夕飯はまだ時間が掛かるので先にお風呂に入れとのことだ。
「お風呂……。分かった」
あんまり入りたくないかも。やっぱり女の体になってるからかすごく抵抗がある。
しかしもう男に戻れないわけで、慣れるしかないわけで。
脱衣所でパッと服を脱ぎシャワーを浴びる。
まずは髪を洗う。髪が伸びてるのでいつもとちょっと勝手が違う感じ。
ザーッと泡を洗い流す。
ここまで出来るだけ自分の体を見ないようにしてきた。
しかしここからはもうそんなことは出来そうにない。
「……」
スポンジにボディソープを垂らし泡立たせる。
手、足と来て次は体。右手に持ったスポンジを胸に当てる。
*** 484 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:37:05.52 BBcr9tEH0
ゆっくり円を描く様に動かす。途端に背中に電気が走ったような感覚に襲われる。
「ひゃあ」
慌てて口を閉じる。
スポンジが乳首に当たって擦れてしまい、自分でも驚くほどおかしな声を
出してしまった。
「な、なんだよ。これ。女の体って皆こんなふうなのか?」
すごく敏感な気がする。男の時とは比べようがないほどだ。
敏感過ぎるので慎重に体を洗う。それでも時々ゾクッとなるほど気持ち良い。
おおかた終えたので残る場所はあと一ヶ所。
恐る恐る手を伸ばす。
自分の股間にある真っ直ぐな縦の割れ目。
指で撫でるように触る。
背筋から脳に電気が走ったような感覚。
「ん、あぁ」
気持ちいい。思わず声が出る。
軽く触れただけなのにもう息が荒くなっている。
*** 485 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:38:39.07 BBcr9tEH0
保守感覚でやろうと思ったけど眠いから一気に投下する
自分勝手でスイマセン…
「う…、ヤバイ。変な気分になっちゃう」
このままするのはちょっと危ないかな。
あまりの気持ちよさに二度も声が出ちゃったし。
声聞かれたら何言われるか分かんないからな。
「なんとか我慢するしか…。くぅ、ふぁ」
しかし手でなぞるだけで脳が溶けるほどの刺激が生まれる。
これ以上大きな声は出せない。
しかし手が自然と動いてしまう。
「あっ、あっ……。これ以上やったらダメなのにぃ……」
自分でも分かっているのに手が止まらない。
より刺激を求めて指先の動きが早くなる。
「ん、くっ。ダメなのに手が止まんないよぉ」
入り口への愛撫だけなのにすでに体の高ぶりは最高潮を迎えていた。
「な、中に入れたら……、もっと……んっ……。気持ち良いかな……」
もう止まらないかもしれない。最後までやってもいいかな。
(別にちょっとくらいならばれないよね)
*** 487 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:40:44.37 BBcr9tEH0
「おーい。つかさー。まだ入ってんのかー?もう飯できちゃったぞ」
「ひゃああ」
そう思い指を動かそうとしたらいきなり声がして驚いてしまった。
思いっきり声が出てしまう。
「いきなり大声出してどうしたんだよ?」
「な、直之か?大丈夫!大丈夫!なんでもないからっ。ちょっとびっくりしただけ」
「……そうか。早く出ろよ。飯冷めちゃうから」
「分かった。すぐ行くから」
「……。わかった。なるべく早く来いよ」
一瞬の沈黙の後の答え。そして足音が遠ざかっていく。
(ヤバイ。全然気付かなかった……)
さっきまでの熱も一気冷めてしまった。
もしかしたら一人でしてるの聞かれたかも。
不安で一杯になる。
(アイツに聞かれたかも……。恥ずかしい)
聞いてたとしたらいつからだろう。もしかして最初から……。
不安と同じくらい羞恥心が湧き上がってきた。
「とりあえず風呂出ないと」
シャワーを手に取り泡を洗い流す。
しかしその動きは遅い。
それからいろんなことを考えてしまい、風呂から出たのは
直之が呼びに来てから10分は過ぎていた。
*** 488 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:43:30.15 BBcr9tEH0
食卓ではすでにみんな食べ始めていた。
「遅かったな」
直之がエビフライにかぶりつきながら言う。
恥ずかしくて直之の顔が見れない。
「そんなことより早く食べないと冷めちゃうわよ」
母さんが隣の椅子をポンポンと叩いて座るように催促する。
「それにしてもつかさ~。なかなか可愛くなったな~」
「そうよね~。もうちっちゃくてぎゅっとしたくなっちゃうわぁ」
父さんに賛同の声を上げなんか変なこと言ってる母さん。
「うんうん。父さんもぎゅっとしたくなっちゃうな」
父さんもそれに続く。
「何言ってんだよ。別にぎゅっとしなくてもいいよ」
なんだか恥ずかしいやり取り。顔が赤いのはお風呂上りのせいにしておこう。
「あらあら照れちゃって。やっぱり可愛いわね」
「そうそう。つかさ学校でもこんな感じで照れてたんだよ」
「わ、バカ。直之変なこと言わなくていいよ」
「お、お。どんな感じだったんだ?聞かせてくれ」
「私も聞きたいわ」
少し憂鬱だったけど直之がいつもどおりだったので安心した。
話も盛り上がり賑やかに夕食の時間は過ぎていった。
*** 489 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:44:49.51 BBcr9tEH0
夕食後宿題も無いので、何となくテレビを見る。
母さんは風呂。
直之は部屋で勉強かな。真面目なやつだ。
適当にチャンネル変える。突然隣のソファーでくつろいでいた父さんが立ち
上がりキッチンのほうへ消えていった。
戻ってくると手にはコップ二つと日本酒の一升瓶。
「こんな可愛い娘がいるんだから晩酌してもらわんと損だなぁ。というわけで
ちょっとだけ付き合ってくるかな?」
「……。娘ってのに納得いかない」
「まぁまぁ今は可愛い女の子になったんだ。娘でいいじゃないか」
「まぁ確かに女だけど可愛いって言うな。それに俺未成年なんだけど」
「未成年とかそんな細かいこと気にするな。元男だろ。ほれほれ」
目の前に置かれたコップになみなみと注がれる。
「ん、今度は俺のにも」
ずいとコップを突き出す。
「ん~。しょうがないな」
父さんのコップに注いでやる。
*** 490 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:46:07.38 BBcr9tEH0
「おぉ、結構ノリがいいな」
「まぁね。この世代ノリだけで生きてるようなもんだし」
コップに口をつける。
初めて喉を通り抜けるアルコールの感覚。
「そうだな~。だがな一つ言っておく」
「なに?」
「いくらなんでもノリで出来ちゃった結婚なんてするなよ?後で泣くことに
なるかもしれんぞ?」
「な、な、バカか!俺は結婚なんかしない!」
「そうきっぱり言われると複雑な気分だ」
「なんでさ?」
疑問に思ったので聞いてみる。
「簡単にそこらの男に娘はやらん。しかし娘の晴れ姿が見れないのは残念だ」
父さんの心からの言葉。すごく嬉しかった。
今の父さんとは血が繋がっていないけど、本当の自分の子のように思ってくれている。
今までもそう思ってくれていたんだろうけど、今の言葉でまた再確認した。
*** 491 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/09/21(木) 02:49:32.86 BBcr9tEH0
「……ありがとう」
「ん~?」
「何にも。ありえないかもしれないけど、気が向いたら結婚するかもね」
お酒のせいかなんだか変なことを言ってるような。
でもこんな話するなんてな。やっぱり自分は女として生きるしかないのか。
父さんの優しさに感動しつつも、現実を痛感する出来事だった。
今日はここまでです。
初めてエロ描写書いてみたけどやっぱり無理ですた…
スマソ(´・ω・`)
*** 96 名前: ◆5oTYnFGYew 本日のレス 投稿日:2006/09/26(火) 00:01:42.08 wPcGA1q00
空気読めない俺が投下する
勉強の息抜きに二階から降りてキッチンに向かう。
階段を下りてリビングに繋がる扉を開けると、父さんが一人で酒を飲んでた。
傍らにはテーブルの上でうつ伏せのつかさ。
「とうさん。一人で飲んでたの?つかさはどうしたの?寝てるの?」
声をかけてみる。
「ん、直之か。今つかさと一緒に飲んでたんだよ」
つかさはどうやら酔いつぶれて寝てるみたいだ。
父さんは少し顔が赤くなってるだけ。
「未成年なのに。それにあんまり無理させちゃ駄目だからね。つかさは女の子なんだし」
「分かってたんだが……、想像以上に弱いみたいでな」
「全く。完全に酔ってるじゃないか」
「俺は酔っとらんぞ」
酔っ払いは皆そう言うんだ。
「父さんじゃないって。つかさだよ」
*** 98 名前: ◆5oTYnFGYew 本日のレス 投稿日:2006/09/26(火) 00:03:38.61 wPcGA1q00
「う~、そうか。悪いがつかさ運んでやってくれ。このままじゃ風邪引くかもしれん」
「わかった。お酒もほどほどにしといてよ」
父さんに注意しつつ、つかさを抱きかかえる。
女の子になったために背も小さくなり、体重も減ったので容易とはいかないまでも
何とか抱きかかえることが出来る。
いわゆるお姫様抱っこの状態。
(意識があるときにこんなことしたらすごい怒るんだろうな)
そう思ったらなんだか貴重な体験をしてるように感じられる。
なにせ今のつかさは女になった今でも男のままに振る舞っている。
しかしそれが少し心配でもある。
*** 99 名前: ◆5oTYnFGYew 本日のレス 投稿日:2006/09/26(火) 00:05:03.38 wPcGA1q00
視線を下げると酒気を帯びてうっすら赤く染まった頬。
服の生地を通してもわかる女性特有の柔らかさ。
小さいながらも服を盛り上げる胸の膨らみに、兄とはいえ嫌でも女としてみてしまう。
風呂場でつかさがしていたことも知っている。その時も自分の中につかさに対して欲情していた。
あとになって自分に対してのとてつもない嫌悪感が湧き上がってきた。
いくらつかさが元男だとしてもまだ女に慣れていない。そんな今の状況で自分に欲情される。
やはりあまり気持ちの良いものではないだろう。
考えるほど自分に嫌気がする。
(クソ。最低だな俺……)
気が付けばもうつかさの部屋の前に来ていた。ドアを開け部屋に入る。
部屋に電気は点いていないが大体の物の配置は分かっている。
ベッドに近づき寝かせようと腰を低くする。
その時不意につかさの手が動き自分の首に回されるのを感じた。
「あ~。なおゆきだ~。どうしたの~?」
突然のことで固まってしまう。
*** 101 名前: ◆5oTYnFGYew 本日のレス 投稿日:2006/09/26(火) 00:06:37.94 wPcGA1q00
「あ、いや、お前が下で寝てたんでな。ここまで運んできたんだ」
「そうなの?覚えてない~。えへへ」
どうやらまだ酔ってるらしい。呂律が回っていない。
窓から入り込んだ月光に可憐な笑顔が照らされる。
(ヤバイ……。可愛すぎる)
さっきまで考えていたことが頭から吹き飛んでしまった。
ベッドに寝かせ、つかさの小さな唇に自分の唇を重ねる。
つかさの唇を貪るように求める。
「ぁ……ん」
唇の合間からつかさの声が漏れる。
「!」
どれくらいそうしていただろうか。突然肩を押され触れ合っていた唇が離れていく。
まだ足りない。もっと触れたいと思ってしまった。
近づこうとしたらつかさが泣いているのがわかった。
「……バカ!うっ、ひく。何するんだよ」
さっきまで頭を支配していた欲望が消え去り、一気に熱が冷める感覚。
最悪だ。自分の欲望に任せてつかさを傷つけてしまった。
冷静になったがつかさになんと言えばいいか分からなかった。
どうすればいいのか分からずつかさに近づく。
*** 102 名前: ◆5oTYnFGYew 本日のレス 投稿日:2006/09/26(火) 00:07:36.90 wPcGA1q00
「来ないで……。今は来ないで」
しかしはっきりとした拒絶。涙声には少し恐怖の色も混ざっていた。
「……ごめん」
なんとかそれだけ言うことが出来た。
これ以上ここにはいられない。
つかさに背を向ける。
「ごめんな」
部屋を出る時に振り返り呟くように言った。
少し待ったがやはり返事は無い。
扉を閉めて部屋を出る。
(やっぱり俺は最低だ……)
*** 104 名前: ◆5oTYnFGYew 本日のレス 投稿日:2006/09/26(火) 00:08:58.25 wPcGA1q00
気が付いたら口を塞がれていた。
自分の唇を欲望のままに犯しているのは直之だった。
どうしてこんなことになっているのか分からなかった。
今は女になっている訳だし何もおかしなことはないのかもしれない。
父さんと話している時も漠然とだがそのことを意識し、それに対する覚悟も決めたつもりでいた。
しかし今そのことが起ころうとしていた。自分が甘かったのかもしれない。
このまま何も言わなければ直之は最後までしてしまう。
そう思ったら急に怖くなり直之を突き飛ばしていた。
今はもう落ち着いているが、あの時は自然と涙も溢れていた。
何故か闇に浮かんだ直之の顔を思い出される。
学校にいる間は自分のことを普段と変わらないように見ていたが、やっぱり心では自分のことを
一人の女性として見ていたんだろうか。
*** 105 名前: ◆5oTYnFGYew 本日のレス 投稿日:2006/09/26(火) 00:09:58.31 wPcGA1q00
そう考えると何故かドキッとした。
「何考えてんだよ。俺って……。いくら血が繋がってないとはいえ兄弟なのに……」
バカだな俺。さっきまではすごい怖かったのに。
今はそれほど怖くもないし、あいつに対しての怒りもない。
元が男だったせいかさっぱり許している。
フツーの女はこんな事されたらそう簡単には許さないんだろうか。
明日あいつが謝ってきたら許してやろう。
今の仲の良いままでいたいし。
そう思って寝ようと思ったが、なかなか寝付けなかった。
*** 849 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/10/07(土) 12:24:15.38 TfEREUVf0
では投下します
「母さんおはよう」
あくびを噛み殺しながら母さんに挨拶する。
「もうすぐお昼だってのにおはようとはね」
あきれ顔でそう言われてしまった。
「昨日はいろいろあって寝れなかったんだよ」
「……いろいろねぇ。アンタほどほどにしときなさいよ」
「ななな、何言ってんだよ!なにもしてないよ!」
慌てて否定する。あまりのことに顔が紅くなってると思う。
なぜなら思い当たる節が無いわけではないのだ。
「そう?まぁいいわ。今日は昼から服を買いに行くからね」
「服?誰の?」
「あんたのに決まってんでしょ。女の子になってちっちゃくなったんだから男物の服じゃ
着られないじゃない」
言われてみれば服のサイズが変わってるんだ。
それなら仕方ないか。
「やっぱり女物?」
「あたり前じゃないの。せっかく女の子になったんだから可愛い格好しないと損でしょ」
「う……。やっぱり女物か」
*** 850 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/10/07(土) 12:25:13.75 TfEREUVf0
あんまり気が進まないけど仕方ないか。これからはもう女の子として生活するんだし。
「今のつかさなら似合うから心配しなくても大丈夫よ」
「別にそういうわけじゃないんだけど……」
そう言ったのだが母さんには聞こえてないみたいだ。
「さぁ、これからお昼にしましょうか。その後はつかさの買い物よ」
なんか母さんが妙に楽しそうだ。
しかし俺のテンションは母さんのとは反対にあまり高くは無い。
なんだかこれからのことが目に浮かぶようだ。
*** 851 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/10/07(土) 12:27:04.61 TfEREUVf0
「ほらほらつかさ!これとこれだったらどっちが良い?」
「え……、あの、その……」
母さんが両手に下着を持って迫ってくる。
右手には黒いセクシーなショーツとブラのセット。左手には水色で可愛らしい感じの物
を持っている。
俺が答えに困っているとまぁいいや二つとも買っちゃえなんて言ってまた他の商品を物
色し始めた。
それにしてもまさか自分がランジェリーショップに足を踏み入れるとは思わなかった。
これからはここにお世話になるのか、なんて複雑な気分になる。
当分は慣れる事も出来なさそうだ。
「あ、これも可愛くてつかさに似合いそうだよ。これも買っちゃうね」
「……」
なんていうか、母さんは楽しそうだ。
見た目も若くてこんな風にはしゃいでる姿を見ると親子って言うより姉妹に見られても
おかしくないんじゃないかと思う。
スラッとしていて大人な雰囲気がしている。
「ちょっとつかさ!自分のなんだからちゃんと自分でも見ないと駄目でしょ!」
母さんのはしゃぎっぷりについていけず、立ち尽くしていたら怒られてしまった。
別にそこまで気にはしないがあんまり母さんを怒らせたくないので黙って見てるフリで
もしておこうか。
*** 852 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/10/07(土) 12:28:43.20 TfEREUVf0
「あ~、疲れた」
家に着くなりソファに倒れこむ。ついこんな言葉が出てしまう。
「そぉ?私は全然そんなこと無いけど?」
「そりゃ母さんは楽しんでたから疲れることなんて無いよ」
母さんは俺をまるで着せ替え人形のようにいろいろ試着させ、可愛いだのなんだのキャ
ーキャー騒いでいた。
「ごめんなさいね。子供は女の子が欲しかったけど、二人とも男の子でしょ?ちょっと諦
めてたんだけど、つかさが女の子になったらつい嬉しくてね」
俺は自分が女物を着ているという事と、母さんがはしゃぎまくるせいでとても恥ずかし
かったんだけど……。
まぁ親孝行と思うことにしよう。
「ところで直之は?」
確か朝起きた時からもういなかったような気がする。
それに今の自分の格好を見てどんな反応をするのかちょっと気になる。
実は今は母さんとの買い物で買った水色のフレアスカートと白のサマーセーターを着て
いる。
今の女っぽい自分の姿を見てあいつは褒めてくれるかな。
自分では気付いていないが、こんなことを考えているってことは女の思考になりつつあ
るようだ。
*** 853 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/10/07(土) 12:29:50.48 TfEREUVf0
「直之は朝からバイトで出掛けてたわ。もうすぐ戻ってくるんじゃない?」
壁の時計に目を向けると今は4時を回ったところだった。
「やっぱり男の子からの評価が気になる?」
「えっ!?べ、べべ別にそんなことは……!」
母さんに考えてたことを読まれてめちゃめちゃ焦る。
「ただいま~」
そこにタイミングがいいのか悪いのか直之が帰ってくる。
「あ、直之ほら見て。つかさ可愛くなったでしょ!!」
部屋に入ってくるなり声を掛けられ少し面食らっているようだ。
「……」
直之の視線を感じる。恥ずかしくて直之と視線が合わせられない。
「……」
何も答えない。沈黙が不安になり始めた頃、直之がようやく口を開いた。
「似合ってるな。すごく可愛いよ」
その声を聞いた途端嬉しくて勢いよく顔が上がる。嬉しさが堪えきれず笑みがこぼれた。
*** 854 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日:2006/10/07(土) 12:30:37.62 TfEREUVf0
しかし直之とバッチリ視線が合ってしまった。
一瞬見つめあった後恥ずかしさがまた戻ってきて慌てて視線を逸らしてしまう。
「良かったわね。褒めてもらえて」
「う、うるさいな。俺は男なんだから褒められても嬉しくなんかないっての!」
ホントはすごく嬉しい。
「昨日も言っただろ?つかさは今は女の子なんだから今みたいな可愛い格好の方が似合うよ」
また褒めてくれた。うれしい気持ちで一杯になる。
直之の言葉で恥ずかしくなりまた俯いてしまう。顔も真っ赤だと思う。
「……バカ」
ホントは素直に喜びたいんだけど、まだ恥ずかしさが残ってて照れ隠しが口から出てしまう。
「じゃあ俺部屋に戻って今日買った服片付けてくるね」
もう限界だ。
直之に見られてると思うと恥ずかしくてもうこれ以上はここにいられない。
俺は買い物袋を手に取り逃げるように部屋に戻った。
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