書きフライ☆wiki支部内検索 / 「記憶の断片にあるもの」で検索した結果

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  • 「記憶の断片にあるもの」
    記憶の断片にあるもの」 僕は独り 交差点の真ん中 誰も居なくて 泣き出しそうで 誰かを求めて 泣いてしまった 泣けば 誰かが来てくれる それが 一番楽だから そして一人 僕に近づいてきた 「どうしたの」と言ってくれる そう思って 貴女を見据えた 貴女は「泣くんじゃない」と たったそれだけ その一言だけ しかしその声には 不思議と温もりが溢れていて 不思議と僕も 泣き止んでいた 貴女は一度微笑んで 僕の手を引いてくれた 「帰ろうか」 そう聞こえた気がした 僕も一言 「ありがとう」と その手は 僕の小さな手を すっぽりと包んでくれた
  • yudai707の作品
    ...ロマンチスト」 「記憶の断片にあるもの」 「哀しみの音は、響き続ける」 「気になる髪型」 「信じなきゃ」 「決意の向こうに」 「星空の下で」 「救いたいもの」
  • 影の薄いyudai707の作品
    ...トとロマンチスト 記憶の断片にあるもの 哀しみの音は、響き続ける
  • 物語とは文字の積み重なりにより成るもの。
    物語とは文字の積み重なりにより成るもの。 文字を知るという事は、最高の物語への道標。 という訳で、普段使う文字について学習していこーぜぃw 常用漢字、難読漢字、文法の用例等を待っているぜぃw ご自由にお使いください。 (編集の際は他の人の作った編集部分を参考にしてください) 錦【にしき】 金銀糸を使った織物。美しく立派なものという意味もある。 毳毳しい【けばけばしい】 前スレでやまちーが出した問題。今年度の高校生クイズの問題だな。 毳は毛羽と同義。 欄【テスリ】 階段などの近くにあるあの横長い棒(わかんねーよ) まともに言えば橋・階段などの縁に、人が落ちるのを防ぎ、また装飾ともするために柵状に作り付けたもの。てすり、だ。 若人~老人まで使われる。 これは漢検問題にも出たよーな出...
  • 細かいもの
    ↓と@wikiのご利用ガイドに出ているものばかりですが、 細かいものをちょい教えます もじもじもじ mozimozimozi ↓ もじもじもじ mozimozimozi は、引用文です。 現在、教授の部屋の物語とは文字の積み重なりにより成るもの。でこの形式を使用させていただいています。 Q&Aなどを使うときには、「-」と組み合わせればいいかもしれません。 -もじもじもじ -mozimozimozi ↓ もじもじもじ mozimozimozi は、「・」に該当します。 使い方のところでチラっとやりました。 ↑にある ― ― ― も同様の効果が得られます。ただ、慣れたら「-」のほうを打ったほうが楽です。 「-」は「半角の『ー』」です。 +もじ1 +もじ2 +mozi1 +mozi2 ↓ もじ1 もじ2 moz...
  • 「星空の下で」
    「星空の下で」 星空を求めて 僕ら彷徨って 星屑に 意味なんて無いのに 遠くを見つめるだけじゃなく すぐそこにあるものを見つめて 夢とか栄光とか そういうものが 遠くにあるとは限らない それを見つけられるかは 別として とりあえず笑ってよう あの星空に負けないように 何が楽しいのか 自分でも分かんないけど それでも今は 笑っていたいんだよ そうすれば 何かを見つけられる気がするから 空想を彷徨い 僕ら形をなくして 現実すら 壊そうとしていた 自分の中に流れる命を 感じることが出来たのなら その時はもう 空想を探すことは無いと思うから 命を探すのは 一番難しいけど とりあえず歌ってよう あの星空に届くように みんなと歌ってることで 救われることもある だから今を ひたむきに楽しん...
  • 2話
     情報という物は様々な所から入ってくる。  それはテレビだったり、新聞だったり、インターネットだったり、身近に言えば誰かからの会話だったり、ふと見上げた空だったり、もっとくだらない事で言えば、体に出来た傷から伝わる痛みもそうだ。  結局のところ情報というものは五感を通して、脳に情報として送られてくる。  私が「それ」を情報として理解するには聴覚だけあれば、全部情報として伝わってくる。と言っても見えない、触れない、匂わない、食べれないので他の感覚を使っても「それ」を情報として変換する事が出来ない。 「それ」はいつの間にか私の傍にいたのだが、いつ現れたのか、既に記憶の片隅に置かれているのか、末梢されてしまっているのか、思いだす事が出来ない。  脳は意外と便利で忘れるという事が出来る。例えば、自分にとって意味のない物を忘れる。要は出会いの話なんてのは必要なかったものなのかも知れない。  と、まあ...
  • ~始まりのoverture~
    JIHAD ~始まりのoverture~ 「はぁ・・・・・はぁー・・・・・・」 疲れた足を引きずって、緋色の髪をした少年はため息を吐いた。 重たい頭を上げて、空を見上げる。 ぎっしりと生い茂った木々の枝が空を殆ど遮って空は見えない。 まだ昼間にもかかわらず、ラグジュリエントの森は夜のように暗かった。 「つ、疲れた・・・・・」 暗い森の中で、少年は側の大木に寄りかかった。 重くなりかけた目蓋の裏に、今日の出来事が甦る。 早朝の教室―――― 『・・・返して、よ』 伸ばした手は空を掴んだ。 『やーだよ。返して欲しかったら、俺から奪ってみろってーの』 少年より30cm以上も背の高い子供が、茶色い筆箱を持っていた。 『ファレンってチビだよなー。ビビッてばっかで女みてー』 緋色の髪の少年の名はファレン。 幼い頃に...
  • 緑眼の女(はむ)
    永久(トコシエ)の闇に包まれて いつも貴方を思い 妬み 苦しむの 「何故離れていったの……?」 そんな自問に答える人なんていなくて 髪を振り乱し闇の中 彷徨うの 貴方 探して でも探せば探すほど貴方が消えてく 闇に融かされるの 私の 記憶の 中が 凍りついた闇の時中(ジチュウ)跪いて呟く 「私は誰を探していたのかしら……?」 今日も 私は 緑眼で 闇の中 彷徨う
  • 物語の書き方。 感想文
    モノ書きさん他、創作をする人にとって、読書感想文っていうのはものすげー!!書きにくいものです。 学校の宿題で出て、うぜえええええってなった人もこのサークルには多いと思います。得意な人、いる?・ω・? 得意でも苦手でも、まっちやんは学校で書く感想文と、このサークルでつけるコメは別物だとみんなに考えて欲しいと思います。 その理由を話します。 まず、なんでボクたちが感想文が苦手なのか。 ボクたちはモノを表現することが大好きです。 ボクたちにとって、読むモノ、見るモノ、教えられることは全て、自分の物語の素材のようなものです。 漫画でもアニメでもゲームでも、 いい話、面白い話、悲しい話、珍しい話を聞いたとき。 普通の人は感想を言います。 「ここが面白い!」「大変だったね!」 後で言いますが、これもこれでとても大事なことです。 でもそれ以上に、こう考えてしまうことはありませんか? 「これ、使える」 「...
  • 福田元総理ですけど、連載当時は現役だったんですぅ><;
    「あッ!ちょ…!ま、じパネェっす!」 ダイゴは腰を何度もたたいて、きび団子が無いことを確かめました。 やがて、メイドが食事を運んできました。 いい臭いは、どうやら、ここからやってくるようでした。 その誰もいない席にも、しっかりと食事が置かれました。 どうにも気にかかったのは、最初からその誰もいない席に、古びた割箸が置いてあったことです。 どうして、誰もいない席に… 「さて、準備もできたことですし、話をしましょうか。」 メイドが明かりを消し、ろうそくに火をともす。ぼんやりと3人の顔と、初代モー娘。のメンバーが浮かび上がりました。ショーウィンドウが焔の光を反射し、七色に光りました。 そして、チンパンジーがぼそりと話を続けます。 「あなたたちが、追われていることは知っています。しかし、あなたたちはこれから知るべきことと、得るべきものがあるのです…」 何かを見透かすその一重瞼の内側のろうそくの灯を...
  • フォルテの私的空間
    そして あれは結局夢だったのか。 もしくは現実か。 今となっては分からないけど、しかし―― +++ 「オレ様の部屋に勝手にあがるとは、いい度胸しやがって」 その人は、 黒いワイシャツとズボンに赤いベスト、そしてシルクハットとステッキを仕上げに・・・・。 そんな成り立ちで――何故か椅子に縛り付けられた僕の前で、開口一番にそう言った。 「随分と余裕の表情してやがんな、小僧」 「・・・・もし僕が余裕だったら、大口開けて笑ってますよ、おじさん」 僕の言葉に、その人は眉を顰めると、右手に持つステッキをクルッと回し、僕の額に向かって――突いた。痛かった。泣くほどじゃないけど。 「何するんですか、ひどいですよ」 「ひどいのはてめぇだぜ? 小僧。オレ様のプライベートルームに無断入室した上、嘘をつくとはな・・・・外道のやることだろう...
  • 第二回(3/1まで)
    吟遊詩人の便り賞【2/23~3/1】 俺コメント苦手なんだよ……グダグダでごめん! 俺はルンシィみたいなコメントはできませぬ( 的外れなコメントだったらごめん。たまーにその詩の続きっぽいものを書いてしまうorz 季節リレー はむはむ1965 今年と言うよりは四季だけど(蹴)バトンタッチっていう発想はなかったよ!   透明なナレノ果て 爻沙紗爻 テンポよく読めた。無垢な想いこそ悲しいもんなのよ……   ごめんね yuri3333 傷付けられても男性のことを心配する女性は幸せ者。   ごめんなさい 【saenimo】 昔書いたやつらしいけどすごい。「あなた」より自分を取った後悔が滲み出てる……   失恋 yuri3333 大人な考えが出来る主人公が羨ましい! 過去振り返ると、恋してる時の方が輝いてるもんねー   いつかまた 爻沙紗爻 何の影響をも受けぬ、愛と言う名の自由に思い当たる……うー...
  • 5、
    たいてい、休日返上並の厄介事はあるもんだ ------。 理雨の仕事の都合により大幅に延びた買い出し、低血圧の理雨を叩き起こして揚羽は街へ出た メインストリートの町並みは賑わいを見せ、助手席に座りながら揚羽はどこか楽しそうだった 近頃、揚羽は仕事にもなれ、他のアンドロイドとの会話も増えてきた。表情が出てきた為か理雨に近寄りがたい者達は揚羽に理雨宛てのものを頼むようになっていた 「揚羽。…なんだ。その買い物の量は」 「マスターの部屋には物が少ないです。そもそも部屋とは主が生活するにあたって…」 「あー…わかったわかった」 揚羽の手には必要品リスト。一応と、理雨が書かせたものだが量が多い。 あらかた買い物を済ませ、近場の店に入り軽い食事を頼み、揚羽にはオイルを渡した 「マスター!あとは、あの店と…」 「…はぁ。とりあえず今日はもういいだろ」 理雨はため息をついた。家具、家電、雑貨屋、インテリア...
  • 「救いたいもの」
    「救いたいもの」 救いたいもの たくさんあるけど それを全部 救えるわけじゃない 最初から救えないものもあると そう知っていないと 最初から最後まで こんなことやってらんない ただのお人好しだと 言われるけど 違うんだよ 見てらんないんだ その人のこれからを 考えてみたら 僕はまだ 光の差すところに居るから その人を まだ救えるんじゃないかと 思ってしまうんだから しょうがないよ 自分が誰かの上に立ってるとは思わない ただ単に 少し生きてる場所が違うだけ 何も知らないくせにとか 自分だけ偉そうにするなとか いつも幸せなくせにとか 色々と言われるけど 君はまだ ひねくれてるだけ 君はまだ 知らないだけ 何かを背負っていない人なんて この世界にはいないんだ 気付いてくれよ...
  • 承のシッソウ
    男はまだ走っていた。 だが、一行として住宅街から抜けることができなかった。 息が白い。空気が澄んだ・・むしろ沈んでしまった夜空が星を一杯に散りばめられていた。 走るのに少し余裕を見つけてしまったのか、男は夜空を見上げた。それはトウキョウとは思えないような夜空だった。 「美しい夜空だ。」男はそう呟いてしまった。 だんだん足が止まっていくのを感じた。だが、止めようとは思わない。無気力に体が夜空に持っていかれてしまったのだ。 そう、空さえも誘惑の悪魔と化していたのだ。 嗚呼、このまま終わってしまうのだろうか・・そう心が囃す・・だが、冷え切ってしまった体が動こうとしない。さっきまで滾らせた汗が冷えに冷えた。寒い。美しい。疲れた・・重く圧し掛かる無常感・・ だが突如!! 「ゥヒィッ!アヒアィ~ァ~~!!」 謎の悲鳴が聞こえた!!男はビクリと震え上がった。 後ろを向くと、一人の電柱によしかかった『酔っ...
  • -チィ-
    「ヤー、ヤーッ!」  モンゴルの草原を駆ける、馬の群れ。そして、その戦闘の馬に乗っている一人の少女。まだ幼く、馬を御することが出来るとは思えないのだが、少女は巧みに馬を御している。  手綱もなく、腰や太股を痛めないように鞍が付いているだけの馬の上で、どうやって平衡感覚を取っているのだろうか。さらには、後ろに控える十頭余りの馬をも率いている様はさながら、統率の取れた部隊のようでもあり、明らかに異様な光景は、それを見た人を慄かせる程度には迫力がある。  或いは、馬に浚われる少女――いや、少女と呼称出来るか否かは微妙な所であるが。  明らかにリーダーの少女だが、同時に浚われた幼女と言い換えてもおかしくない光景なのである。まだ、十代に達しているかどうかも分からない少女――チィは、この馬の群れで生活を送っているのだ。 「チィ、そろそろ水辺が近くにある。小休止しても、日暮れまでには...
  • 赤い絶望は幕開けを告げる
    微かに泣き声が聞こえる中で、場にそぐわない、轟々と鳴る音が聞こえる。 アブソーはまだ、炎の中にいる。 チェインは遂に、いてもたってもいられなくなり立ち上がった。 「・・・・チェイン?」クルーが訝しげに彼に視線を投げる。 「・・・・」 チェインはそれに無言で答えて、炎へと歩き出す。 クルーは目をみはり、リビーを置いてチェインの腕をつかみにかかる。 「・・・・・・っ! チェイン! 貴方一体何を――」 チェインはクルーを一瞥し、腕を引いてクルーの腕を振り払った。 そして、 「何もできないことが苦痛なんだよ!!」 誰とも無く、語り始める。 「あいつが、炎の中で今・・・・体中が炎で燃えているかもしれねぇってときに、俺はただ黙って見てることしかできねぇってのが――悔しくて仕方が無ぇんだよ」 「何故、ですか」 クルーが言う。 平然と...
  • ・世界は思っていたものとは違っていて
    世界は俺が思っていたものとは全然違った。 頭上の空は、どこまでも広がっているものではなく、巨大なビル群に囲まれ、切り取られたもので、それに澄んだ青ではなく、濁った色をしていた。 また、風は清らかな、そして母のように優しくつつんでくれるものではなく、身体を舐め回していくかのような、生温かく、毒々しいものだった。 だが、その2つ以上に僕の想像を見事にぶち壊したものがいた。 それは、象のような、だが象の数倍はある巨大な身体を道いっぱいに広げ、血のように赤い頭から尾に続くたてがみをなびかせながら、するどく巨大な牙を剥き出しにして、黄色い殺気だった目で俺を睨みながらこちらに向かってきていた。 「助けてくれ!!」 必死に叫び声を、恐怖で潰れそうな喉から吐き出すが、誰もがちらと俺のほうを見て、そして怪訝そうな顔をするだけだった。 ゆっくりと、だが圧倒的プレッシャーをはなちながら歩くその怪物から、俺を助け...
  • 警告はきちんと聞き、出会いはいつも突然のものだと理解しましょう
    入学式からちょうど一ヶ月という、長いとも短いともとりずらい時間が経った本日。 二泊三日の宿泊学習の一日目である。 毎年、妖精界立第一高等学校では――諸事情によりどうしてもクラス内に限ってとなるが、生徒の親睦を深めることを主な理由に短い旅行を行っている。 それが、宿泊学習。 妖精界立第一高等学校においての、最初の行事ともなるのだ。 そんな――在る意味重要且つ大切なイベントだというのに。 「うわああああああ! 遅刻する遅刻する遅刻する――――っ!」 「……叫んだって空は飛べないよ、アイリス」 「分かってるわよ! ……ああ、今ほどノアが空飛ぶ絨毯だったいいのにと思った時はないわ。というか、飛びなさい!」 「…………はあ」 すでに決まり文句と化しているが――もはや、何も言うまい。である。 と、同時に。 ――だけど、そこまで絶望的に時間が無いわけでもないな。...
  • 7話
     例えば家。  マンションや一軒家などマイホームを持ったとしても住民税、固定資産税等の税金も掛って仕方がない。マンションはさらに管理費なるものがかかり、更に負担が増加している訳である。例えば私が住んでいる此処なんかは無駄に管理費が高く、三十年近くしたら同じマンションがもうひと部屋変えるくらいある。正確には月二十万強。まあ無駄に高いが、管理費が高いだけあって設備もしっかりしており、全室防音設備があり、住居の部屋以外には地下にカラオケルームやスポーツジムなどあり、温水プールなんてものもある絵に描いたような高級マンションである。一度も使ったことないけど。  後は週に数回何処かのシェフにルームサービスとして料理を作って来て貰える。管理費からその食費は出ているようだが、一応月に五万までと決まっている。これは私としては管理費から出ている訳であって、使わないのも勿体無いので限度ギリギリまで利用している。...
  • 雷は大地を轟かし、悲惨は電波に乗って世界を回る
     空気を焦がし、舐め回すかのように燃え上がる炎、燃やされた者たちの悪意が湧き上がってきたかのように辺りを満たす濁った灰色の煙、鼻をつく肉の焼けた臭い。  そこは、まさしく地獄絵図だった。  恐怖と絶望で染色された悲鳴が飛び交い、さらにそれらをあざ笑うかのように炎が喧しい音をたてて燃え広がっていた。  突然、そんな地獄絵図を切り裂くかのように蒼い光が走った。  そして、その光の後を追って地獄の喝采をかき消すほどの爆音が鳴った。 「あァ、眩しいなァ、オィ。 それにうっせェなァ」  そんな混乱と混沌の中で、リジェンはその白髪をかきむしりながら、面倒くさせうに、しかし邪悪な笑みを浮かべながらそう言った。 煙の中からゆらりと現れたその不気味なまでの白を見て、逃げ惑っていた研究者たちはその顔をより一層、深い絶望の色で染めあげる。恐怖の重圧で押しつぶされそうな肺へ...
  • Endless game. 1
     ──遥か上空、地上からは決して見えることのない高度に、あるものが存在している。それは決して人工衛星でも飛行機でもない。大地を抉り取ったかのように、それは地面を露出したまま浮かんでいた。  その最北部に、荒れた溶岩の山があった。しかし、その場所に火山は無い。まるで他所から運んできたかのように、1mを優に超える溶岩が集まり、高さ10m弱の山を成している。  その頂上、浮遊している存在で言えば大地の一番端であり、山でいえば切り立った崖がそびえる、その場所に、一人の女性が立っていた。  女性と呼べるのかは分からない。腰まで届く艶やかな金髪や、確固たる決意を思わせる碧眼はまだ異邦人として通じるのだろうが──  ──背中から伸びる白磁の翼は、どう考えても人類の持ち得る物ではなかった。 ……Then I begin a game.  ふっくらとした唇がその言葉を紡ぎだす。そして地を蹴り、浮遊中のそ...
  • 3話
     例えばリストカット。  これは言うまでもなく自虐行為である。  でもそもそも自虐行為を何故するのか?  最近ではネタにしか捉えていない様な、ただの構ってちゃんの様な存在が見てほしさにする行為として成り立っている。  じゃあ自虐とはそもそも何なのか?何故行うのか?  まず分かりやすく、極端だがお金を例に挙げてみよう。  例えばパターンAの場合、宝くじの1等でも当たったとしよう。まず殆んどの人が「夢がも知れない」と、疑いを掛けてしまう。  逆にパターンBの場合、借金で破産してしまったとしよう。まず、殆んどの人が「夢だったら良い」と、疑いを掛けてしまう。  ここで言うならば、それが現実であるかを初めにどう受け入れられるかという事だ。パターンAとパターンBの違いはその出来事を現実としてどう受け止めるかで、パターンAの場合、大金がいきなり手に入ると言うのは、「夢かも知れない」という、現実を実感し...
  • 五章
     準備は整った。  よく二人とも、いや、皆さん踊っていただいた。  そろそろ私が出演する時間ですね。  主演は私、残りの皆さんは共演者、最後まで騙されるのはエキストラ。  それとも誰かが私の主役を奪う事など出来るでしょうか?  指示したとおりテロを行った事をテレビでも確認する。 「それでは君も行きましょうか」 「そうだな、御互いの勝利を祈って」  目の前の男、いや、獅戸 兇鑢と最後の杯を交わす。  獅戸は自分に都合が良ければ敵味方気にしない取引をして頂ける、最高の相手だ。それに彼は手筈を整えるのを早いのが時間を余りかけずに進めてくれた。 「それにしてもお前が黒幕だとあいつらはすでに分かっているんじゃないのか?」 「ええ、恐らくそうでしょうね」 「それだとサプライズにもならないな」 「そうですね、ですが輪廻は昔から少し鈍いところもありましたし」 「ああ、あいつは気づいて無さそうだな」 「一...
  • 隠れ家
     春だった。一人の男が、寂れた街道沿いの小さな酒屋で、ちびちびと酒を呑んでいた。 腰には、装飾の施されていないマンゴーシュを帯びている。階級の低い役人か、もしくは山賊の手下か。もしかすると、一人旅の男かもしれない。片側のホルスターには、リボルバーが一丁下がっている。 背は高く、金髪だった。真っ赤な革の胴着は、古いがよく手入れされており、やはり赤に染められた麻の下衣も清潔なものだ。しっかりした、大きな旅行鞄には、金貨と食料が唸っているのがよく分かる。 男は、マンゴーシュとリボルバーの他にも武器を持っていた。よく磨かれたシミターだ。 おそらく、いかなる武器も使いこなすのだろう。その多様さは、彼の英雄であるスティン・リオゴナスを彷彿とさせる。 喉かな空気と、アルコールの弱い酒を楽しんでいた男は、不意に口を開いた。「マスターさん、この辺で面白い噂なんかないですか? 「面白い噂? ああ、それだったら...
  • 11
    数刻後、荷物をまとめた 風貴様と蔵伊里家の屋敷に戻った 道中、楽しそうにキラキラと 瞳を輝かせ、見るもの全てに興味を示す 風貴様にどこか、上総様の影を見た 屋敷につき、部屋に連れて行こうとしたら 裾を風貴様に引っ張られ転びそうになった (転ばなかったのは忍のプライドだっ!!) 「どうしたんです、風貴様」 「なぁ弥助、お館様の墓所はどこにあるの?」 「…上総様の?」 「うん!お館様の養子になるとは言え、お義父上になるお方だ。挨拶せねば敷居は跨げないよ」 …従兄弟使って人呼びつけるちゃらんぽらんな 親父から随分出来た息子が生まれたもんだ… 上総様…この世は広いです… 「ならお連れしますよ。夜影!水無月!」 「お帰りなさいませ。長、風貴様」 俺の声に出てきた二人を見て 風貴様が俺の後ろに隠れた 「風貴様…うちの部下です。そこの真っ黒が水無月、忍なのに忍んでないのが夜影です」 「長…文句は後で言い...
  • 二章.
     日曜。  明日になればまた学校が始まってしまい気を落とす、なんて事もなく普通に休日である。 「早く早く」  百々さんは会場が見えると私と柚姫の腕を引っ張り、走り列に並ぶ。 「それにしてもすごい人ね」  会場には既に行列が出来ていた。  入場開始まで後三十分くらいあるのだが、それほど人気なのだろう。  あたりを見回すと、大半が年配の人や団塊世代といったところで、他には親子連れや、若いカップルが少しいるくらいで、やはりこういう日本舞踊というのは、若者にはあまり興味が持たれないようだ。 「えーと、麻倉 美月だっけ?百々さんが見たいって言ってたの」 「そうそう」 「何で能楽に興味を持ったんですか?」 「え?なんとなく」  聞いても意味がないようだ。  パンフレットを見ると、期待の新人とは謳われているものの、このパンフレットには写真も載っておらず、能楽の出演者のページの端の方に名前がちょこんと載っ...
  • ユメビト07話
    「なぁ、やめないか?」 「これも仕事です。私たちには使命がある。」 普段持ち慣れない、幼い少女にはまだ大きい剣を携えて、 金色の長い髪の間から見える、女の子らしい顔は今はもう無い。 ルカ様を目覚めさせるために、ただその目的だけが彼女を突き動かしていた。 「こんなの、やっぱりよくない。」 此処は、夢の中。 厳密にはルカ様の今見ている夢の中だ。 夢は記憶を反映する。 だからこそ、その人の意志が強く出るもの。 「荒んでる…。」 「そうね…。」 この世界には悲しみが溢れていた。 街は廃れ、魔物は多く徘徊し、人々の姿はもう無かった。 「もう少しで―。」 「危ない!」 狼の姿をした、一匹の魔物が彼女に襲い掛かった。 避けはしたが、狼の鋭い爪は確実に心臓を狙っていた。 「ここは僕が!リンは下がって!」 重々しい一本の剣を抜き、狼の目の前に突き出す。 使い慣らされた剣は、狂い無く魔物を捉えていた。 まだ彼...
  • 9話 酒とは凶器である
    「目潰し!」 「ぐばっ!」  俺はそのまま倒れる。 「お前はすでに―――」 「死なねえよ」  ボカッ  俺は鵺の頭を叩く。 「何すんのよ」 「こっちのセリフだ」  最近俺の部屋で大人しく漫画を読んでいると思ったら、この有様である。 「まあまあ、ミミズさん落ちついて」  久々に休みを貰った詐欺師に宥められる。 「今日は詐欺師に免じて許してやろう」  そりゃ俺もこのまま引き下がる気が無かったが、これが目の前にあるとそうもいかない。詐欺師がお土産として持ってきた、 「いいのかドンペリなんて?」  そう、通称ドンペリで親しまれている、正式名称ドン・ペリニヨン。シャンパンの中でも高級とされ、一本でも俺じゃ正直買えないようなものだ。縁なんてないと思っていたが、ついに飲める日が来るとは……。 「全然構いませんよ。むしろ一人で五本も飲めませんから」  例の社長令嬢に気に入られ、最近では時々プレゼントも貰っ...
  • 蛻の殻に残されたもの(はむ)
    狂気染みた詩(ウタ)に捧げる心臓 虚ろな顔と悪魔は契約交わし 血の溢れる手からは何かが綴られる それは子供じみた偽りの旋律 許せない許せない死んでしまえこの嘘吐き悪魔お前と契約するんじゃなかった 誰か助けて僕を助けて守っていや守れ命に換えても助けるんだわかったな いつしか全てがなくなって 手元にあるのは契約書とペンそれにノート それ以外は本当に何もなかった
  • 2、
    瞳を開けた時の【空】の色は 貴方の瞳の色、そのものだった ------。 「博士、整備は終わったか」 『あぁ、理雨。今、連絡しようとしてた所だ』 「来て正解だったな」 研究所の扉に寄り掛かり、煙草をくわえる理雨を博士は優しく迎えた。 『軍服って事は仕事か?』 「いや、済ませて来た帰りだ」 カツカツ…と革靴を鳴らしながら階段を降りて来た理雨に 問い掛ければ簡素な答えが帰ってきた 帽子を脱ぎ、ダークブルーの髪をガシガシとかきながら つい、数時間前に選んだアンドロイドの前にしゃがんだ 「コイツ選んで正解だな」 『特に問題ある所はなかった』 「そうか」 『SERIAL000529S…前の名前はマダラ。メモリーはリセットしてある』 「…名前を呼べば起動か?」 『あぁ』 理雨はアンドロイドの艶やかな黒髪を一房すくい その髪に一つ、キスを落とした 「揚羽(アゲハ)、起きろ」 『揚羽か…いい名前だ』 --...
  • Trip;Trap;Drug
    一度だけ……。 そう決めてからどれだけ経っただろうか? 一週間かもしれないし、一年かも知れない。もしかしたら十年? 時をも狂わし、幸せを見せる。 足を踏み入れてしまえば一歩も足を戻すことすら許されない事だって分かっていた。 だけどそれに手を出した。 引っかかった。 あからさまな罠だと知ってもなお、自ら手を差し出した。 手はそのまま飲みこまれ腕を喰らい尽くし、身体までそのまま喰らわれる。 助けを乞う事も一切許される事もなく、ただ、助かる為にもがく事もなく流されるまま、諦めていた。 いや、もう既に何もかも捨て去っていた。 最後の楽しみというものかも知れない。 だけどもう私には理性も残っていない? そもそも理性なんてのは手を出した時、いや、出そうとした時に既に無くなっていた。 感情も記憶も思考も全てを消し去って、私はただ何も思わずに命を綴ってきた。 初めから全て捨てた私には失う物も無く、ただ腕...
  • コトバ辞書!
    物語とは文字の積み重なりにより成るもの。 文字を知るという事は、最高の物語への道標。 という訳で、普段使う文字について学習していこーぜぃw 常用漢字、難読漢字、文法の用例等を待っているぜぃw ご自由にお使いください。 (編集の際は他の人の作った編集部分を参考にしてください) あ、 追加編集も存分にヨロシイです。 丸々削除とかはダメだよ! 錦【にしき】 金銀糸を使った織物。美しく立派なものという意味もある。 毳毳しい【けばけばしい】 前スレでやまちーが出した問題。今年度の高校生クイズの問題だな。 毳は毛羽と同義。 欄【テスリ】 階段などの近くにあるあの横長い棒(わかんねーよ) まともに言えば橋・階段などの縁に、人が落ちるのを防ぎ、また装飾ともするために柵状に作り付けたもの。てすり...
  • 二章
     明るい。  目を閉じているこの状態でも朝だと分かる。  カーテンもまだない窓からは、太陽の光が何も遮る事無く降り注ぐ。  ベットには薄い布団が一枚しか用意されてなく、かなり寒いし、ベットも硬くて、体が痛い。  時間は?ポケットの中に寝ていた間押しつぶされていた携帯を取り出す。時刻は七時五分。ルールの五分を過ぎている。まあこの程度なら権一もまだ危害を与える行動はしていないだろう。それに出てから帰ってきているのか。もしかしたらまだいない可能性もある。  私が部屋を確認すると、あのまずいメロンジュースと弁当が一個なくなっていた。つまり帰ってきて、誰かが私の部屋に入って来ているということだ。権一か、或いは例のマフィアか。前者だろう。それにしても権一は女の子の部屋に無断に侵入する行為も躊躇わずに行うらしい。私も「子」って歳じゃないけど。  まあ入ってきたにしても居るかの確認くらいだろうが、私は寝て...
  • けじめ
    けじめ キミとボクとのけじめ お互い キミとボクは 好きだ そう 何度も 何度も 理解しあった けど そこには 越えられない 壁があって どうしても どうしても 抜けられない 沼があって ボクらは 言葉 形 には出来なかった けど いつかは 越えられない壁も 抜けない沼も 消えていく そんなキミが 「好きです」 そうボクに向かって呟いた 「幸せになろう」 って でも でもね ボクはキミの言葉には応えられない 「ごめんな...
  • 白昼夢
    「あー、もー、『灼熱』全然うれねえし・・」 ダイゴは一人ぶつぶつ独り言を言って内臓から湧いてきた金を集めていました。 内臓からは真っ赤に汚れた野口さんが顔を出していました。 相手が強いというのも考えものでした。 「オオオオオオオ、オ父サン、コ、コレハ・・」 黒人は固定しきれない震え続ける唇で犬に話しかけました。まるで陸に上がった直後の魚のように恐怖に怯え必死にもがいているような顔つきでした。 「うむ・・民主党のマークだ!!!」 犬の発言を黒人は予測はしていました。しかし、黒人は、 「OH!メェェーーーーン!!」 と言い放ち、あぶくを吹き出し、右手を前髪に添えて、おまけに一回転までして、昏倒しました。 「うぃっしゅ!これで、最後っと!」 一通り回ってきたダイゴが犬たちのほうへ近づいてきました。 「息子さんどうしたんっすか?」 「おい!ダイゴ!これを見ろ!」 華やかにあぶくを出して倒れている黒...
  • 気付いちゃくれない
    カイル→牧場主。親切で温厚、人の頼みは断れないタイプ。鈍感。 俺(バレット)→町長の息子。町の中では嫌われ者に近い。クーデレ。 -----------  妙に日差しが暑い、初夏の昼前。今日もあいつは俺のところへやってくる。今日は一つ、いつもと違うあるものを持って。 「こんにちは、バレットさん。本、見つかりましたよ」  カイルはそう言うと、一冊のやや大きめな本を差し出した。若草色の表紙がやけに青々しい、俺がよく持ち歩く本。 「ああ、これだ。……ありがとな」 「いえ、僕もお礼を貰う身ですから。こちらこそありがとうございます」  本と引き換えに、僅かばかりの金をカイルへと渡す。  昨日の夕方ごろ、俺が掲示板に依頼を書き込むと、こいつはすぐにやってきた。暇なのか、それともタイミングがよかっただけなのか。落としてしまったらしい本を探して欲しいと言う依頼だったが、俺は、もう遅いから明日でいいと言った。...
  • x1x
    「ほら、今日から、あなたの目はこんなに美しい・・・」 ゆっくり医者が私の眼にかかっている包帯を取った。 医者がうっすらと目を開けた私に光沢がある手鏡でその成功を映してくれた。 まだ光に慣れない私の眼に映し出された自らの瞳は世界の光を帯びていた。 私の眼は…これから、この輝かしい『姫君の眼』で物を見るようになるのね… 近未来――より手術の技術が発達し、人々の間では、目の移植がブームとなっていた。 そして、私は、今年、オークションで出品された、世界でもっとも美しい眼、『姫君の眼』を手に入れることができたのだ。 オークション会場で、この私に電話から必死で挑んでくる人間がいたのはまだ記憶に鮮やかだ。 その意地を尻目に私は莫大な資金を投資した。 そして、真っ白で空虚な病院に私は赤い手鏡をのぞきこみ、自分を見つめる…… それは、エメラルドともサファイアとも取れそうな色合いだが、どれも似て非なるものだっ...
  • 4、
    これから、これが 二人の当たり前になる -----。 宣言通り、午後から仕事が開始された。 大量の書類と本に埋もれていた大理石の床も忙しなく動く揚羽により本来の姿を見せ始めた 理雨は各部署から回ってきたこれまた大量の書類に埋もれ 珈琲と煙草が手放せない状態だ 時折、揚羽がタイミングを見計らい珈琲を注ぎ、灰皿を変え、窓を開け… 一人と一体は一言も喋らず黙々と己の仕事をこなして行く 部屋には掃除機の起動音とペンが紙を滑る音のみ あらかた部屋も片付き、新しい珈琲を煎れようとした時 書類に埋もれていた理雨が顔をあげた 「はぁ…終わった」 「お疲れ様です、マスター」 お気に入りの珈琲を煎れ新しい灰皿と共に書類で散らかる机に置いた 「お前の仕事は終わったか?」 「今日のノルマは達成しました」 「なら帰るか」 「マスター、他に仕事のこ「ってない、帰るっつたら帰る」…はい、マスター」 突き抜ける晴天の空を...
  • 創作する際の自身の気持ちの持ち方。
     俺は、周りから何かと持て囃されるが、別に小説を書くにあたり何十時間も文章について勉強をした事は無い、せいぜいハウトゥーサイトの小説を書くにあたっての諸注意を2、3回程読んだ位だ。 他の小説から独学で、こういう風に書けば良いのかと思いながら常日頃文章を書いている。 では、本項では、俺が小説を書くにあたっての、向上心や文章力を上げる為のステップをお教えしよう。 ―Lesson1― 『まずは基本的な文章の書き方』 これは、小説を書く上での、最低限のマナー。そう『……』や『?』、『!』等の使い方。 これ自体は他のトピックにも記載されているので、一々書き加える必要は無いと思うが、とりあえず『……』は『三点リーダ』と変換すれば出てくるので、沈黙を表現する際に活用しよう。 『!』、『?』は、使った際には必ず一文字スペースを空ける動作をしておこう。 「この手に持っている物! なぁんだ?」 上例を見てもら...
  • ・人の欲は醜き怪物
    車の中に入ると、ルールがなにやら拳銃をいじくっていた。 拳銃・・・ 黒光りするその姿をみて、脳が一気に活動を再開する。 まず恐怖が、その後から強烈な吐き気が込み上げてきた。 思わず嘔吐する。 「あちゃー。 大丈夫かい翔矢くん?」 龍さんが心配そうに声をかけ、ハンカチを渡してきた。 俺はなんとか吐き気を押し殺.し、口元をそのハンカチでぬぐう。 「ええ、少し・・・よくなりました。」 どうにか笑おうとするが口元がひきつる。  「まあおちつくまで静かにしときや。 その間にこの仕事について説明させてもらうわ。」 ニコニコと笑いながら龍さんはそう言った。 「まず、わてらの仕事は怪物の掃除や。 君も見えてたやろ? 怪物?」 全てお見通しだとでもいうように、龍さんの怪しく光る。 (怪物・・・ あの牛みたいなのか・・・) 「たぶん・・・」 実際にこの目で見ていても、それが真実なのだと確信することができていな...
  • 喜劇悲劇笑劇!
    デパート一階の隅にあるアイスクリーム店。 そこにある二人がけのテーブルにクルーとリビーは向かい合って座っていた。 店内はシックな色で飾られており、天井に内臓されたスピーカーからクラシックが流れている。 クルーとリビーの他にも、家族連れや男女の客が何組かいた。 「んー! 美味しいですね!」 リビーはストロベリー味のアイスを一口食べて、感想を漏らした。 顔は、これ以上ないくらいに幸せそうだった。 「リビー・・・・良かったんですか? 自分だけ買えばよかったのに・・・・」 と言うクルーの手には、バニラ味のアイスがあった。 ちなみに、まだ手をつけていない。 「いいんです。いいんですよ。いいに決まっているんです。愛しのアポトニティー様のためでしたら、230円くらいどうってことは無いです」 230円がどのくらいの価値なのかは分かりませんけど、と言って、リビーはもう一口、アイスを口に...
  • 密かに進む過程と、静かに来る結末を見てみましょう
    ――そして。 エレナが五秒かけて間を置いて、四秒かけて深呼吸をして、三秒かけて零の目を見て、二秒かけて口を開いて、一秒かけて『己自身の能力』の話の一文字目を発した――瞬間。 そんなタイミングで。 「……、……ん…………って――はあ?!」 と、いう具合にアイリスは目覚め、己のおかれた絶望的状況に気付いたのであった。 まあ、比較的遅すぎる覚醒だが。 というか、特殊な状況故、比較の対象になるものが彼女以外に居ないが。 「ど、どうなってる訳よ――これ」 これ(そしてまたは特殊な状況)、とは要するに。 アイリスが木の怪物――否、ゴーレムに身体をとらわれた状態のことを指す。つまりは、前回の、または先日の学校校内ゴーレム出現事件と同じく、アイリスはただ救助やら王子やら騎士やらを待つだけの、姫的立場にある(何故もう一度このような状況を描写説明するのかと言うと、まあ...
  • 起のメザメ
    ココはトウキョウのマンションの一角。 男は玄関を前に立っていた。 とうに午前3時を過ぎ去り、最終電車の夜汽車に乗って来てしまった。5歳になる娘の寝顔を少しでも見ようと、軽やかなステップで、しかし、慎重さ と緊張さが混ざり合う変な感覚に浸りながら、給料ギリギリで買った御節をぶら下げ、ドアノブを引いた。高揚して眼鏡が曇ってしまった。 だが・・・男は抜け殻になってしまった。暗いダイニングで一人、なんとか手に入った御節料理を床に落としてしまった。しかし、男はそんなことを気 付く余裕など無かった。ある1枚のメモ用紙に書かれた一言を前にして、とうとう立ち尽くし、蝉の抜け殻のように土の養分になるのを待つかのようになってし まった。誰もいない部屋で何故かあざけ笑われるような感覚さえもした。 こんな事があるものか!いや!うちに限っては無いと思っていたのに! しかし、そのメモ用紙には一言、二言こう告げられてい...
  • タイムリミット 2
     人の願いは、儚い。  人は、自然の摂理の前では、無力だ。 【タイムリミット-2-】 「今日は何がいい?」 「そうだなー、何でもいいけど」 「それじゃ決まんないじゃん」 「クレアが決めればいいだろ」  クレアの家。  クレアはもういつ死んでもおかしくない。俺はほぼ同居といえる状態で、クレアの家に寝泊りしていた。いや、生活していた。 「……あっ!」 「ん、どした?」 「ごめん、グレイ。アスナの様子見てきてくれる?」 「? いいけど」  アスナというのはクレアが育てている牛の名前だ。ちなみに妊娠中。今はもう臨月に入っていて、アスナの観察は欠かさないクレアだった。 「めずらしいな。忘れるなんて」 「そうだね、なんでだろ」  クレアは小首を傾げる。 「1人で平気か?」 「大丈夫! どうせすぐ戻ってくるでしょ?」 「そうだけどさ……」  心配をよそに、アスナはまだ産気づく気配はなかった。アスナに内心...
  • 四章
    「どういう事だこれは?」  極陽は見ていた紙から目を離し、眼光を光らせ権一を刺すかのように目を向ける。 「聞かなくても分かっていたのじゃないか?」  権一は逆に極陽が全てを解っていたかのように聞き返す。  私はこの園芝組に移動している間も無言だったので、紙にどんな事が書かれていたのかすらまだ何も知らないでいる。だが、その紙に重要な事が書かれているのは確かだろう。恐らく自称天使から貰った物だと推測は出来た。  それにしても私が口を挟めるような空気ではなく、ピリピリしている。 「確かに粗方の事は俺も事前に知っていた。だが、これ程事細かに知りはしなかったな」 「園芝組組長宮左御 極陽ともあろう方が知らなかったと」 「何?お前は俺に喧嘩を売っているのか。調子に乗るな」  極陽は今にも襲いかかりそうな形相になっていた。逆に権一はわざと怒らせたような感じで、二人は仲が悪いのだろうか? 「それにこの情報...
  • 第一章:浜辺の少年
     夏も盛りを過ぎ、ようやく秋の息遣いが感じられる八月の末。まだ暑い日差しは浜辺の砂を熱く焼き、そして観光業の人達は観光客に篤いもてなしをしているという三段構えの『あつい』浜辺である。  そんな暑さにめげず、翔は今日も祖父の仕事を手伝っていた。海の家で、懸命に声を張る翔は、七月に十八歳の誕生日を迎えている。 「いらっしゃいませー! 焼きそば、たこ焼き、お好み焼きはいかがですかー?」  浜辺に唯一の海の家ということもあり、なかなか盛況だ。シーズンも終わりを迎える時期だが、これが最後と、尚更人増しの傾向にあるようだ。もちろん、翔の両腕では余るほどに客は押し寄せ、忙しさは十二割ほどである。もちろん、翔だけではなく、祖父もいるのだが、もう一人アルバイトを雇ったほうがいいとか言って、今は面接という名目の押し付けを翔は食らっているのである。  時折、待ちくたびれた観光客からの罵声も飛ぶが、汗水を...
  • 無人島
    雑談では「推理物」とか言ってたけど、「冒険もの」だよ!! 一人の人が続けて書くようなことは、極力控えましょう。 二人の人が交互に書くことも控えましょう。 世界観と主人公だけ先に決めておきます。その他の設定、登場人物については、自分で作るようにしましょう。 【ストーリー背景】 寄り付く島のない孤島。 浜辺には、墜落したセスナと、後ろを向けばいかにも怪しいジャングルと雲に差し掛かる山々が見える。川もない! 男はアフリカの人事開拓支援を指揮をするためにやってきたにも関わらず、その途中、乗っていたセスナが墜落。 パイロットと、他の3人の乗客が見当たらなかった。 これからどうやって生きる……そして、4人をどうやって探す……ジャングルには何かがある…… 実直ニホンジンの無人島攻略がいま、始まる! 【主人公】 伊藤 忠敬(イトウ・タダタカ) 26歳 ...
  • 殺人請負ネット ※原作:はむはむ1965さん
     1 某都会の某マンションの三○何とか号室にて。 無機質な音が響く。 カタカタカタカタカタカタ、と。 聞き慣れしまいすぎて、自分の呼吸音や心臓の鼓動音と間違えてしまいそうなくらい、駿河心象(するがしんしょう)はパソコン中毒者だった。 こう成ったきっかけというのも、また自業自得だが。 それは後々にして。 「……なんだ、これ」 思わず、心象は呟く。 彼は親元を離れた一人暮らしなので勿論、この部屋には彼の他には誰もいない、それ故その呟きは自動的に独り言になってしまう。と言っても、別に彼に損も得も出るわけでもないが。 心象が見つめるモニタ――開かれた黒一色のページには、大きな白い文字で『殺.人請負ネット』と書かれていた。 最初は好奇心。 近頃の日本は、自殺やらなにやらで随分と物騒な世の中になっていた。それに影響されたのかは定かではない...
  • @wiki全体から「記憶の断片にあるもの」で調べる

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