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モロッコへの片道切符(花の子ルンルン第39回)
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ルンルンは、イギリスの港町でパンを盗まれた。盗んだのは、モロッコ人のダリフ。彼は同じアフリカの老人、チャーローと二人で働き、モロッコ行きの切符を購入、アフリカへ帰ろうとしていた。しかし、ダリフはスラム街のなかでも、「札付きのワル」のため特に目をつけられており、切符を警察に没収されてしまう。最初はパンを盗まれて怒っていたルンルンだが、ダリフ達の境遇を知るにつれ協力的になり、没収された切符を取り戻してあげる。しかし、チャーローは、船に乗る前に体力が尽きてしまい、ルンルンに切符を託した。ルンルンはこの切符を手に、ダリフとモロッコへ渡る。
ストーリー
- 舞台: イギリスのある大きな町(リバプールか?)
- パンを盗まれたルンルン達は、犯人を追いかけるうち、スラム街に来てしまっていた。治安が悪く、命からがら逃げ出す。ルンルンを追ってきたトゲニシア達も、スラムの住人にひどい目に合わされる。
- ヌーボの鼻で、盗まれたパンを発見。そこには犯人(ダリフ)がいた。ダリフはイスラム教のラマダン中。同じアフリカ系の老人・チャーローと暮らしていた。
- そこに、刑事がやってきて、ダリフを捕まえようとするが、ダリフは体よく逃亡。しかし、警察は、ダリフのアジトからカサブランカ行きの船の切符を見つけ、没収。ルンルンは警察で、ダリフが札付きのワルであることを聞かされる。
- その後、刑事は、ダリフに罠を仕掛けるが、ルンルンが助ける。ルンルンから、切符没収の話を聞かされたダリフとチャーローは、落胆。故郷へ帰ろうと、働いて買った切符だったのだ。ダリフ自身はイギリス生まれだが、両親はモロッコのベルベル人。チャーローはケニア人。
- そこに、警察がやってくる。アジトから逃れるルンルン達。警察に扮したヤボーキの差し金で、ルンルン達は指名手配犯になっていたのだ。
- ルンルンはスラムに咲いていた花により、警察官に変身。パトカーで警察へ向かい、「ヤボーキ刑事の命令」と出まかせをいって、切符を取り戻すのに成功。その後、ヤボーキがやってきて、バレてしまうが、パトカーで逃走。タイムリミットにより車から降り、ダリフ、チャーローと共に、駆け足で港へ向かう。
- しかし、乗船一歩手前で、老人のチャーローは力尽きる。チャーローはルンルンに切符と鳩を託す。曰く「ルンルンはパトカーを乗り逃げしたりして捕まれば面倒。それにお前がいかないとダリフまで捕まってしまう。故郷についたら、鳩を放して、私に知らせてくれ」。ルンルンとダリフは間一髪で乗船する。
- 花言葉: にちにちそう(楽しい思い出)~チャーロー曰く「自分の名前は『旅の途中で』という意味で、一生旅を続ける運命らしい。だが、心の中には美しい故郷が生きている。だから一度も故郷を見たことがないダリフに、その故郷の思いでを作らせてやりたい」 セルジュ曰く「その若い日の楽しい思い出をいつまでも忘れないように」と、船を見送るチャーローに渡す。
鑑賞
- 「イギリスのある大きな町」とはどこのことでしょうか? 港湾都市であること、西アフリカへの航路があること、スラムがあることなどから、リバプールがそれではないかと思われます。しかし、このような治安の悪い都市の名を名指しで言ってしまっては、問題があると考えたのでしょう。
- 冒頭、ルンルンは、フランスパン?を鼻に乗せ、いかにバランスをとるか?という遊びをやっています。私も、小学校のとき、掃除のモップでよくやったものです。こういうお茶目なところがルンルンの魅力。
- 港にやってきたチャーローは「もうこれ以上走れん」と、切符をルンルンに託し、走り去っていきます。あんたは、もうこれ以上、走れないのではなかったか?とつっこみたくなります。これは単純な製作側のミスか、或いは、ルンルンに切符を託すために、敢えて力尽きたフリをしたのか。
- 今回は話が完結しておらず、次回へ続きます。だから、花言葉のときも、いつもの楽しい音楽ではなく、哀愁漂う音楽が流れてきます。さて、ルンルン達はどうなってしまうのでしょうか?
登場キャラクター
- ルンルン・フラワー: 岡本茉利
- キャトー: 白石冬美
- ヌーボ: 神山卓三
- セルジュ・フローラ: 水島裕
- ヤボーキ: はせさん治
- トゲニシア: 喜多道枝
- その他のキャラクター: ダリフ、チャーロー、刑事
- その他の声の出演: 古屋徹、田の中勇、田中崇
- ナレーション: 喜多道枝
スタッフ
- 脚本: 曽田博久
- 原画: 札木幾夫、小島幸雄
- 動画: 玉沢君子、佐藤晶子、佐々木晴美、池田たず子
- 背景: 田中資幸、有川知子
- 仕上: 藤本芳弘、関昌子、茂木明子
- 特殊効果: 大石秀徳
- 撮影: 佐野禎史
- 編集: 祖田富美夫
- 録音: 波多野勲
- 音響効果: 伊藤道広
- 選曲: 宮下滋
- 記録: 樋口裕子
- 製作進行: 長谷川康雄
- 美術: 下川忠海
- 作画監督: 札木幾夫
- 演出: 設楽博