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「あっ……ねぇ、歌奈!」
チャイムが鳴ってからう~ん、と大きく伸びをした蒼翡は、次が昼休みだったことを思い出し慌てて歌奈に声をかけた。
「どうしたの蒼翡?」
「あのねっ……今日、朝忙しくてお弁当作れなかったから購買に行きたいんだけど………場所教えてくれない?」
両手を合わせてそう頼むと、歌奈はなーんだ、と言ってにっこり笑った。
「そんなの全然いいよぉ。それに、もし誰とも約束がなかったら一緒にお昼食べようよ」
「えっ、いいの!?」
「あと3人いるけど………もし、蒼翡がよければ」
「もちろんいく、行くよ!!」
この子天使だ!と思った。

「それにしても、本当に可愛いよね~」
「クラスの男子がすっごい騒いでたからどんな子かと気になっててたけど、これはマジで文句もないよぉ」
「そんなことないよっ、皆の方が可愛いじゃん!!」
っていうか、本当に。だって僕男だし。
同じテニス部の友達だと紹介された子と歌奈とで、今は中庭にあるベンチでお昼を広げている。
前の学校と違って如月ではパンの争奪戦をしていたけど、購買のおばちゃんが作った如月ルールで、女子は優先的に買うことが出来るので案外すんなりサンドイッチセットを買うことができた。
「そういえば、朝川さんはもう何部に入るのか決めてるの?」
話題がひと段落ついたところで、思い出したように千田という子が聞いて来た。
「ぁ、部活?実はこれが理由でこの学校選んだけど……サッカー部に入りたいんだぁ」
『サッカー部!?』
そう言った瞬間、その場の4人にすごく驚いた顔をされた。
「え……サッカー部なんて、大丈夫?」
「そうだよぉ、春に入ったけど無理って言ってやめた子何人もいるんだよ!?」
「ヤバいってサッカー部は!」
口々に心配されるけど……なんだろう、やっぱり強豪だからすごく練習がキツいのかな?
「蒼翡……入るのは自由だけど、イヤになったらいつでもやめていいんだからね……?」
「そうそう、そしていつでもテニス部へウェルカムだよ!」
そうか、この4人はテニス部なんだから本当はテニス部の部員になってほしいよな。でも……
「大丈夫だよ。私、こう見えても結構体力あるからっ!」
なんたって、サッカー部に入るためにここへ来たんだし。
「そう……?まぁ、ダメとは言わないけどさぁ」
「もう今日から入るの?」
「いや、一応見学しようかなぁ、と思ってたんだけど………まぁいっか。うん、今日から入部するよ」
皆の言動から、やっぱりここのサッカー部が強いってことはよくわかったし。
「って、あ!時間ヤバくない!?」
「うわ、本当だ26分!!早く帰らないと……」
D組で、教室が僕らより少し遠い渡部さんが慌てて立ち上がる。
「じゃぁ、また放課後ねーっ」
「うんっ、ばいばーい」
「って、私たちも早く戻らなきゃいけないんだけどね――じゃぁ、行こっか蒼翡?」
「そうだね」
そうして僕等も教室に小走りで向かった。


  * Hope Love *