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「じゃぁ蒼翡、ばいばいっまた明日ねー」
「うん、部活頑張ってねー」
歌奈にヒラヒラと手を振り返して、ふぅ………とひと息つく。
ぁー入部する時ってどうしないといけないのかな。
普通ならまず担任に言うべきなんだろうけど、菱川には話しかけたくないしなぁ………
……よし、やっぱ直接サッカーグラウンドに行って、顧問の先生に頼んでみようかな。
そうだ、それならグラウンドの場所も歌奈に聞いておくべきだった。運動場から見える限り、グラウンドっぽい物は近くに見つけられなかったんだよなー……。
でも顧問に話しかけるなら部活が始まる前に行った方がいいし、グラウンドも探すんだったら早く行かないと――
そう思ってバタバタと急いで荷物をしまい、ガタッと席を立った。
「あれ朝川、まだいたのか」
するとちょうど教室を出ようとしたところで、菱川と遭遇してしまった。
「………いたら悪いですか」
「そんな顔しないでよ~。全然バレる気配もないぐらいそれ、似合ってるじゃないか!」
顔見ただけでムッとするのに、そう言ってヘラヘラ笑っている姿を見るとなんだか、殴り倒したい衝動にかられる。
「あの、ま――ッたく嬉しくないんですが」
「まぁ僕だって、少しは悪いなーと思ってるんだよ」
いや、少しは、じゃないだろ……!
「だから、何か困った事とか不便な事があれば力になるよ」
「あー、それなら、サッカーグラウンドの場所を教えてもらえんせんか?」
ちょうどいいと思って聞くと、驚いた顔をされた。
「ぇ、サッカー部に入りたいの?」
「はい、そのためにこの学校に来たんですから」
なんで揃いも揃って皆こんな驚いた顔をするんだろう?
でもいくら周りに止められても、僕のサッカーをやりたいという気持ちは変わらない。
「本当に、わかってる?この学校………男子サッカー部、しかないんだよ?」
「そんな事わかってますよ」
何を言っているんだろう?この人は。やっぱりかなり頭おかしいのかな。
「ふーん……?なら、いいんだけど………じゃぁこれ、学校の地図」
「あー、ありがとうございます。じゃぁぼ……私、急いでるんでこれで」
お礼をのべる事に少し抵抗を感じたが、菱川の手からバッと地図を奪い取ると、僕はさっさと教室を出て行った。

「あんまり分かってなさそうだけどなぁ………まぁ、いっか。僕の責任じゃないだろ」
スカートをなびかせて出て行った蒼翡の後ろ姿を見ながら、菱川は自分の仕事に戻った。


  * Hope Love *