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誰にも書けなかった戦争の現実
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目次
ポール・ファッセル『誰にも書けなかった戦争の現実』
- 著者:ポール・ファッセル(Paul Fussell)
- 原題:WARTIME──Understanding and Behavior in Second World War
この本は第二次世界大戦中のアメリカ人とイギリス人の心理と感情を、文化的側面から考察したものである。同時に、一九三九年から一九四五年にかけての、とうてい受け入れがたい現実に対処するために人々が必要とした、こじつけや婉曲表現をも扱った。さらに戦時中、異常に高まった欲求不満と、それを解消するためのいくつかの手段についても述べている。
【中略】
過去五〇年間、感傷的な人々、愚昧な愛国者、無知な人々、そして好戦的な輩によって連合国の戦争は理想化され無毒化されつづけた結果、戦争の本当の貌が見えなくなってきている。こうした偏りを是正したいというのが、私の願いである。
- ポールファッセル「はじめに」『誰にも書けなかった戦争の現実』pI
目次
- はじめに
- 第1章 ジープから原爆へ――戦争の重装備化
- 第2章 味方を狙う兵士たち――精密爆撃の欺瞞
- 第3章 また誰かがドジを踏む――軍事的過失の研究
- 第4章 復員すればフォードがもらえる――戦時の流言
- 第5章 学校で習った町々をぼくらは焼いた――兵士の学校
- 第6章 本棚のまだ読んでいない本――兵士の無名性
- 第7章 鶏のクソ――軍におけるいじめの構造
- 第8章 アルコールを浴び、性に飢える――飲酒と性の実態
- 第9章 サルとサディストとめかし屋と――敵の類型化
- 第10章 何のために死ぬ?――大義名分の欠如
- 第11章 明るい面に目を向けて――士気の維持
- 第12章 十字軍の自由の戦士たち――連合軍の「崇高な目的」
- 第13章 声を揃えて――連合国の全体主義化
- 第14章 代用コーヒー、大豆ソーセージ――生活物資の欠乏
- 第15章 戦争などないかのごとく――心理的補償の形態
- 第16章 ペーパーバックで名作を――戦時の読書
- 第17章 キルロイ参上――戦時中の新語
- 第18章 弾丸は睾丸にも当たる――誰にも書けなかった戦争の現実
- 訳者あとがき
- 原注