押し潰し

人間の身体に重りを乗せ、その重量で責めたてるという拷問もある。
どれも、拷問用というよりは処刑用といった感があるが、儀牲者にかける負荷を調節することが容易であり、
拷問用具としても充分にその役割を果たすことができたようだ。

プレスヤード
石造りの部屋の四隅に木製の柱が立てられ、そこに滑車で上げ下げできる木の船が取り付けられたもの。
船の中に重りを入れ、犠牲者の胸の上に下ろす。
これはイギリス式の拷問具で、大陸では同じような重りを乗せる拷問の際には鉄や木の板を直接犠牲者の上に乗せ、その上に重りを乗せていく方式を取っていた。
この重りは通常は圧死するほどのものではなかったが、この状態では物を飲んだり食べたりできず、重さと飢餓の両者によって責められることになる。
その重量は呼吸を困難にするには充分であり、また、身体を動かすのが難しくなるために精神的な苦痛もかなりのものとなる。
また、時には背中に三角形の割り木を敷いたり、圧死するほどの重りを乗せたりして殺すこともあった。
圧死させるのを「亀の刑」、背中に割り木を入れるのを「秤」と呼ぶこともある。
この場合は、明らかに処刑(それも、非公然の)器具として使われたことになる。

リッサの鉄柩
名前の通りの鉄の柩で、犠牲者を中に入れた後にゆっくりと蓋をネジで押し下げていく。
やがては犠牲者は押し潰されて死ぬわけだが、圧死までに数日間かかるほどゆっくりと蓋は下げられた。
当然その間は食料も水も与えられず、飢餓に苦しむことになる。
箱自体の大きさも、身体を縮めてやっと入れるぐらいであったため、やはり手足を動かす余地はない。
また、ネジ式であるためにある一定の負荷を維持することが非常に容易であり、折り畳む形の拘束具とも似たような使いかたをすることもできた。
当然、箱の中は真っ暗であり、闇の恐怖とも儀牲者は戦わなければならない。精神的な苦痛も相当なものだったと思われる。

拷問の車輪
巨大な車輪の外周部分に人を縛りつけ、床の上を転がすことで車輪の重量によって全身を押し潰し、最終的には全身の骨を砕いて死に至らしめる。
歴史は古く、車輪を使った台車や馬車のような道具が日常で使われるようになってまもなく生まれたといわれる。
単純な仕掛けだが、車輪自体の重量のために扱いが難しく、死に至るまでの時間も長くかかるために針や茨の上を転がし、それによって全身を切り裂いていくタイプへと変化していった。

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最終更新:2009年03月22日 20:15
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