無題18


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943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/01/20(日) 22:58:40.00 ID:JXATBlE0
青「…おや?桃じゃないか。何をしてるんだい?」
桃「何って、書類整理よ。まぁ、あんた達の報告をちゃんとした型に直してるだけなんだけどね。」
青「直す?私のはそんなに変な報告だったかな?」
桃「いいえ、変じゃないわ。ただ、普通の人には伝わりにくいだけよ。」
青「…普通、か。…そうだったな、普通とは違うんだったな、私は。」
桃「ちょっと、なに黄昏てるのよ。あんたらしくないわよ。」
青「『私らしさ』かい?ひとつ訊きたいんだがね
  桃、君には私はどんなモノに見えるのかな?正直に言ってくれないか。」
桃「どんなって、そりゃあ…どんな時にも冷静な銃火器のスペシャリストって感じだけど、それがどうかしたの?」
青「いやなに、大した事じゃあないんだけれどね…」
桃「何よ?もったいぶらないで早く言いなさいよ。」
青「…ねぇ、桃。私の一番の望みは『普通の女の子』になることだと言ったら、君はどう思う?」
桃「そうねぇ、意外とでも言っとけば良いのかしら?」
青「ふふ、ありがとう。でも冗談ではなくて、本当に思っているとしたら、どうかな?」
桃「…勿体無い、かしらね。せっかく、そんなすごい能力を持ってるのに、それを捨てて、
  私みたいになりたいって言うのは、正直よく理解できないわ。」
青「そうかい?でも私だってなりたくてなったわけじゃないんだよ。
  ただ、こうなる必要に迫られた、というだけでね。」
桃「…ごめん、やっぱりよく解らないわ。」
青「ふむ、…私がここに住み込んでいるのは知っているね?では、その理由は?
  知らない?だろうね。じゃあ、いい機会だから聞いてくれないかな。
  …ありがとう。実はね、私には家族がいないのさ。いや、いなくなったと言うべきかな。」
桃「…いなくなった?それって…」

944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/01/20(日) 22:59:00.20 ID:JXATBlE0
青「うん、たぶん想像の通りだと思うよ。…ちょっとした事故だったんだけどね。
  それこそ地方の新聞の片隅にも乗らないような、些末な事故だったんだ。
  だけどね、あの事故で父も母も死に、残ったのは私と妹だけ。ふふ、懐かしいな。あの頃は本当に楽しかった。
  …たしか私が小学校に入学するときだったな、皆でお祝いをしようってことになってね。
  温和で優しかった母さんは勿論、いつもは寡黙であまり喋らない父さんも、すごく嬉しそうだった。
  妹もね、何処で覚えてきたのか『ハッピバースデートゥーユー♪』なんて歌ってくれてね。幸せだったのさ。
  …それが簡単に崩れてしまった。幸い妹は幼かったからね、事故のことはよく覚えていなかったけれど
  でも両親がいなくなったことは解っていたみたいだからね、どこか陰のある子になってしまった。
  親戚の家に引き取られても、全然馴染もうとはしなくてさ、ついには愛想を尽かされて施設送りさ。
  勿論私もついていった。これ以上家族を失いたくなかったからね。…でも、それが駄目だったのかな
  施設に行ってから一年位かな、妹が自殺したんだ。『とうさんとかあさんのところえいきたい』ってね。
  悲しかったなぁ…なんとしても守ろうと思った妹に私は拒絶されたんだって、
  生きている私より、死んだ両親の方が妹は大切だったんだって、そう思ったからね。
  …今?今は思ってないよ。むしろ私が殺したんだと、そう思っているよ。
  両親の代わりをしようとした私は、妹からすれば両親のことを忘れたように思えたのかもしれないからね。
  結局のところ、『私は妹を守る』なんて言いながら最後まで妹の気持ちに気付いてやれなかったんだ。
  …そう気付いたときにね、思ったんだ。どんな状況であってもまわりのことが判るようになりたいって、
  そして、今度こそ何があっても大切なものを守れるだけの力が欲しいってね。
  そうして力を求め続けた結果が今の私なわけだ。だから時々思うんだ。
  もし『普通の女の子』のままだったらどんなだったろう?人並みの普通の生活を送れたんじゃないかって
  そして、それはとても幸せなことなんじゃないかって、そう思うんだ。」
桃「…………」
青「すまない、こんな話を聞かされても困るよな。私もまだまだ、だな。じゃあ、切りのいい所で…」
桃「…本当よ、そんな話されたら『どうせ私は一般人だし~』なんて僻んでた私が馬鹿みたいじゃない。
  大体、自分が泣いているのにも気付かなくなるくらいだったら、ヒーローなんか止めちゃいなさいよ。
  私や、赤に何も言わないで、一人だけで悩み抱え込んで、馬鹿じゃないの。そんなに信頼できないの私達?」
青「桃…すまない。私は…」
桃「言い訳なんかいらないわよ。それより、今度からはね、ちゃんと私達にも話すようにしなさい。わかった?」
青「…桃、ありがとう。」
桃「っな!う、うるさいわね。それよりも早く帰ったら?私は書類の整理で忙しいのよ!」
青「はは、そうだな、そろそろ部屋に戻るとしよう。桃も適当に切り上げて帰るようにな。」
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